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エピソード1
マンインザミラー1/5
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福祉船アマテラスがアーススリーへ航行を開始して直ぐの出来事。
アーススリーの衛星軌道上の宇宙ステーションでその事件は起こった。
博物館として宇宙ステーションの隣に展示してある戦艦スサノオは、修学旅行中の子供達を乗せたまま突然動き出してしまったのだ。
戦艦スサノオには修学旅行中の小学生たちで貸し切りであったため、他の民間人は一人もいない。
まるでそのことを見越して行われた犯行であるかのようだった。
スサノオ船内のブリッジにて全身黒ずくめの男は子供達の前にいた。
正確にはブリッジに備えられているクリスタルディスプレイに映し出された虚像ではあるが。
スサノオのメインコンピューターの電源は入っていない。
外部の何らかの装置によって、プロジェクターの様に写し出されているようだ。
それは、合わせ鏡の様にブリッジ中に同じ姿で交互に黒ずくめの男が何人も写し出されていた。
顔まで黒いマスクで隠しているので正確には男かどうかも怪しいが、声の低さから男性であろうということは分かる。
その男は感情のない声で子供達に言う。
「戦え……戦え子供達よ……」
子供達にはその意味が分からない。
突然の出来事に絶句しその場に固まる。
引率の先生は意識を失い倒れていた。
脈はあり呼吸もしているので命に別状はないと保健委員の女子が言っていた。
両親が医者であるその女子生徒の言葉は信頼できる。
先生たちは彼女に任せておけばいい。
クラス委員長であるトシオは先生がいないこの状況において、クラスメートを守る義務がある。
震える手を握りしめ、かろうじで目の前の黒ずくめの男に対峙する。
「戦えって、どういうことですか? それに先生に何をしたんですか?」
「……人間とは戦う生き物、戦ってこそ未来があるのだ。戦え、子供達よ」
トシオの質問には答えてくれない。
そもそも目線は子供達に向いていなかった。
この男はおそらく冷静ではない、態度こそ冷静であるがその内面に隠している狂気は感じ取れる。
トシオは相手を怒らせないように、話を合わせることにした。
「戦えって、誰と戦えばいいんですか? それに怪我をしたり……もし死んじゃったらどうするんですか?」
その男はトシオの質問を受けてもなお、目線は彼に向かず明後日の方向を見ていた。
まるでどこまでも広がる宇宙に語り掛けるように両手を広げ語りだした。
その姿はオペラ歌手のように大げさな態度だった。
「傷ついた戦士はやがて英雄となりアヴァロンへ召されるだろう。
……おっと、そうだね、死んだらどうするか……安心したまえ。
君達の武勇は親御さんへ伝えることを約束しよう。君はトシオ君だね? たしか君には五歳の妹がいるね。誇り高い兄を持ってさぞ鼻が高いだろう」
その言葉でトシオは固まる。
この黒ずくめは家族を知っているのだろう。
おそらく、クラス全員の家族の情報が知られている、指示に従わないとどうなるか分からない。
言い終わるが速いか、黒ずくめの男は再び「戦え……」と、ブリッジ内にこだまのような残響を残し消えていった。
同時に船が動き出す。
子供達は、状況を理解する前に戦艦にとじこめられて宇宙に放たれたのだ。
「どうしよう……戦えって、敵だって分からないのに、どう戦えばいいんだよ!」
トシオは憤る。
せめて戦うべき敵を教えてくれなければどうしようもない。
その時、動き出した戦艦のブリッジから声が聞こえた。
「ふははは……我は戦艦スサノオ、おや快活な子供達よな、よいよい、大義である。わっはっは!」
おそらくはエンジンの始動とともにスサノオの制御コンピュータが起動したのだろう。
薄暗かったブリッジに照明が灯り、様々な計器類やメインモニターが光りだす。
モニターに映るのは、壮年の男性である。おそらく戦艦スサノオのAIであろう。
スサノオの制御コンピューターはコマンダー級の霊子コンピューターである。
トシオはスサノオに助言を乞う。
「僕ら、どうしたらいいか分からないんだ。戦わなければ生き残れないって。でも戦ったことないし。どうしたらいいの?」
「うん? なぜ戦うのだ? 戦争でも始まったか? それに主はまだ子供ではないか。遊び……ではなさそうだのう。訳を話してくれぬか? なにか力になれるやもしれん」
トシオは事情を話す。戦わなければ家族が危険にさらされるのだと……。
スサノオはトシオの話を最後まで聞く。
同時に子供達を見回し状況を把握した。
子供の悪戯などではないと察したスサノオは声を落とし、優しく子供達に語り掛ける。
「……ふむ、お主等の家族が人質になっているのだな? すまんが我には犯人をどうこうすることはできぬ。
当面は黒ずくめとやらの要求通りにするのが得策というものだろう。であるならば戦艦としてやることは一つよ。
ちょうど霊子レーダーには同型艦の反応があるしな……」
こうして、子供達を乗せた戦艦スサノオは、福祉船アマテラスへ奇襲攻撃を仕掛けることになった。
…………。
急きょ、戦艦スサノオの艦長となったトシオ。
今年で十二歳、真面目で運動もでき成績もよい。クラス委員長としても人気がある。
……だが、もちろん戦闘経験は無い。
それでも彼は生き残るために一生懸命だった。
スサノオの提示した作戦プランから考えられる最善の策を選択した。
……だが、結果は散々であった。
亜光速巡航ミサイルで待ち伏せをするも失敗。
主砲の撃ち合いではこちらが一方的に撃ち負ける。
惨敗だった。
だが、トシオは安心した。
ミサイルが外れたこと、主砲がアマテラスを破壊しなかったこと。
全力で戦ったけど、負けた。これなら黒ずくめも納得するだろう……。
アヴァロンなんて知らないけど、家族やみんなが無事ならそれでいい。
「でも……僕はどうなるだろう。勝手に船を動かしてしまった、きっと警察に捕まるだろう……」
うなだれるトシオに、スサノオは豪快に笑う。
「ふははは。すまんな子供達よ、我の力不足故に負けてしまったようだ。だが安心しろ、相手は戦艦アマテラスであったわ。
あれは我が姉だ。故にこれからちょっと話をつけてくる。
なあに、悪いようにはせんだろうて。それにトシオよ、初めてにしては中々に立派であった。温情ある処置を乞う故、安心しておれ! わっはっは」
「スサノオさん……ありがとう」
アーススリーの衛星軌道上の宇宙ステーションでその事件は起こった。
博物館として宇宙ステーションの隣に展示してある戦艦スサノオは、修学旅行中の子供達を乗せたまま突然動き出してしまったのだ。
戦艦スサノオには修学旅行中の小学生たちで貸し切りであったため、他の民間人は一人もいない。
まるでそのことを見越して行われた犯行であるかのようだった。
スサノオ船内のブリッジにて全身黒ずくめの男は子供達の前にいた。
正確にはブリッジに備えられているクリスタルディスプレイに映し出された虚像ではあるが。
スサノオのメインコンピューターの電源は入っていない。
外部の何らかの装置によって、プロジェクターの様に写し出されているようだ。
それは、合わせ鏡の様にブリッジ中に同じ姿で交互に黒ずくめの男が何人も写し出されていた。
顔まで黒いマスクで隠しているので正確には男かどうかも怪しいが、声の低さから男性であろうということは分かる。
その男は感情のない声で子供達に言う。
「戦え……戦え子供達よ……」
子供達にはその意味が分からない。
突然の出来事に絶句しその場に固まる。
引率の先生は意識を失い倒れていた。
脈はあり呼吸もしているので命に別状はないと保健委員の女子が言っていた。
両親が医者であるその女子生徒の言葉は信頼できる。
先生たちは彼女に任せておけばいい。
クラス委員長であるトシオは先生がいないこの状況において、クラスメートを守る義務がある。
震える手を握りしめ、かろうじで目の前の黒ずくめの男に対峙する。
「戦えって、どういうことですか? それに先生に何をしたんですか?」
「……人間とは戦う生き物、戦ってこそ未来があるのだ。戦え、子供達よ」
トシオの質問には答えてくれない。
そもそも目線は子供達に向いていなかった。
この男はおそらく冷静ではない、態度こそ冷静であるがその内面に隠している狂気は感じ取れる。
トシオは相手を怒らせないように、話を合わせることにした。
「戦えって、誰と戦えばいいんですか? それに怪我をしたり……もし死んじゃったらどうするんですか?」
その男はトシオの質問を受けてもなお、目線は彼に向かず明後日の方向を見ていた。
まるでどこまでも広がる宇宙に語り掛けるように両手を広げ語りだした。
その姿はオペラ歌手のように大げさな態度だった。
「傷ついた戦士はやがて英雄となりアヴァロンへ召されるだろう。
……おっと、そうだね、死んだらどうするか……安心したまえ。
君達の武勇は親御さんへ伝えることを約束しよう。君はトシオ君だね? たしか君には五歳の妹がいるね。誇り高い兄を持ってさぞ鼻が高いだろう」
その言葉でトシオは固まる。
この黒ずくめは家族を知っているのだろう。
おそらく、クラス全員の家族の情報が知られている、指示に従わないとどうなるか分からない。
言い終わるが速いか、黒ずくめの男は再び「戦え……」と、ブリッジ内にこだまのような残響を残し消えていった。
同時に船が動き出す。
子供達は、状況を理解する前に戦艦にとじこめられて宇宙に放たれたのだ。
「どうしよう……戦えって、敵だって分からないのに、どう戦えばいいんだよ!」
トシオは憤る。
せめて戦うべき敵を教えてくれなければどうしようもない。
その時、動き出した戦艦のブリッジから声が聞こえた。
「ふははは……我は戦艦スサノオ、おや快活な子供達よな、よいよい、大義である。わっはっは!」
おそらくはエンジンの始動とともにスサノオの制御コンピュータが起動したのだろう。
薄暗かったブリッジに照明が灯り、様々な計器類やメインモニターが光りだす。
モニターに映るのは、壮年の男性である。おそらく戦艦スサノオのAIであろう。
スサノオの制御コンピューターはコマンダー級の霊子コンピューターである。
トシオはスサノオに助言を乞う。
「僕ら、どうしたらいいか分からないんだ。戦わなければ生き残れないって。でも戦ったことないし。どうしたらいいの?」
「うん? なぜ戦うのだ? 戦争でも始まったか? それに主はまだ子供ではないか。遊び……ではなさそうだのう。訳を話してくれぬか? なにか力になれるやもしれん」
トシオは事情を話す。戦わなければ家族が危険にさらされるのだと……。
スサノオはトシオの話を最後まで聞く。
同時に子供達を見回し状況を把握した。
子供の悪戯などではないと察したスサノオは声を落とし、優しく子供達に語り掛ける。
「……ふむ、お主等の家族が人質になっているのだな? すまんが我には犯人をどうこうすることはできぬ。
当面は黒ずくめとやらの要求通りにするのが得策というものだろう。であるならば戦艦としてやることは一つよ。
ちょうど霊子レーダーには同型艦の反応があるしな……」
こうして、子供達を乗せた戦艦スサノオは、福祉船アマテラスへ奇襲攻撃を仕掛けることになった。
…………。
急きょ、戦艦スサノオの艦長となったトシオ。
今年で十二歳、真面目で運動もでき成績もよい。クラス委員長としても人気がある。
……だが、もちろん戦闘経験は無い。
それでも彼は生き残るために一生懸命だった。
スサノオの提示した作戦プランから考えられる最善の策を選択した。
……だが、結果は散々であった。
亜光速巡航ミサイルで待ち伏せをするも失敗。
主砲の撃ち合いではこちらが一方的に撃ち負ける。
惨敗だった。
だが、トシオは安心した。
ミサイルが外れたこと、主砲がアマテラスを破壊しなかったこと。
全力で戦ったけど、負けた。これなら黒ずくめも納得するだろう……。
アヴァロンなんて知らないけど、家族やみんなが無事ならそれでいい。
「でも……僕はどうなるだろう。勝手に船を動かしてしまった、きっと警察に捕まるだろう……」
うなだれるトシオに、スサノオは豪快に笑う。
「ふははは。すまんな子供達よ、我の力不足故に負けてしまったようだ。だが安心しろ、相手は戦艦アマテラスであったわ。
あれは我が姉だ。故にこれからちょっと話をつけてくる。
なあに、悪いようにはせんだろうて。それにトシオよ、初めてにしては中々に立派であった。温情ある処置を乞う故、安心しておれ! わっはっは」
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