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第2章.父と子と“処分したはずのモノ”
79.熟練(元)冒険者の誘導
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顔面に剣が突き刺さって絶命した猿野郎は、マリアを捕まえていた腕や膝の力が抜けて、ズルズルと崩れ落ちる。
俺は解放されたマリアを抱き止めた。
「マリア、良くやったな! すげえぜ、お前」
「ううん。レオがちゃんと見ていてくれて、解かってくれたからだよ」
マリアは、わざと猿野郎に捕まったんだ。
そして、野郎の不意を突いた。それも、『発火』なんつう初歩の初歩の魔法で、一瞬だけ目を閉じさせた。
俺には、その刹那の隙で充分。
魔力纏いで鋭くなった動きで一気に踏み込み、これまた魔力纏いで鋭くなった剣をブチ込めばいいだけだった。
それでも流石の獣人。反応速度がえぐかった。
【多重突き】……しかもレベル〈2〉の“三重突き”じゃなかったら、たぶん跳び退られて命までは奪えなかっただろう。
ともかく、獣化されることなく猿野郎は倒せた。
囮にされた馬は混乱して平原まで逃げて、今はちょっと離れたトコで止まって草を食っている。これなら、終わった後に捕まえやすそうだ。
そして、その馬がいた場所には、女が落ちたまま。生きてるみてえだけど、縛られてるトコを見るに途中で攫われたんだろう。
なんとかしてやらねえとな、なんて考えてると――。
――ゴォアアアアアッ!!
俺らの背後から、潰れた喉から出てきたような野太くて重い唸り声が轟いた。
何かに圧し掛かられたように全身を押さえつけられ、筋肉がすくみ、手足の指すら動かせないくらいの……恐怖?
――そうだっ、そっちではベルナールも戦ってるんだった!
「ぐっ、う、動け!」
自分の意志で動かない身体に魔力を纏わせて、なんとかかんとか振り返る。
目に映ったのは宙を飛ぶ全身を金色にも見える毛に覆われた獣。それと、大剣を頭の横まで持ち上げて構えた状態――八相の構え――で、獣を口を開けて見上げるベルナールの姿。
☆
レオと猿獣人・マウキが接触する直前。
一足早く、ベルナールと狐獣人・フォッシュが剣を交えた。
ブンッ、――キィン! ――キン――ギャン、キンッ――キキン!
騎馬したままサーベルをふるうフォッシュと、下から躱したり大剣で受けるベルナール。
狐獣人は馬を巧みに操ってベルナールの周囲を駆け、休む間もなく縦横無尽にサーベルを繰り出し続ける。
その剣閃はひと振りが幾筋にも分裂して見えるほど速い。
しかしベルナールも、フォッシュの執拗に続く突きや払い、時にはしなりを利用した攻撃を、大剣の角度を器用に変えながら凌ぐ。
その一方的な攻防が続くが、押してるのは……。
「チッ、なんだよこのおっさん!」
馬でベルナールの周囲を駆けながら、しなやかな筋肉でサーベルを繰り出し続ける狐獣人の顔に、余裕も高揚感も無くなっていた。焦りで引き攣った表情。
ベルナールが剣閃を全部受けきっているからだ。
そのベルナールも、受け一辺倒で攻撃に転じられていないが、追い詰められているのはフォッシュの方だ。
現役を退いているとはいえ、さすが歴戦の冒険者、獣人相手であろうが引かずに捌いている。
「くっ、こうなったら……」
業を煮やしたフォッシュが、獣化する構えを見せたその時――。
焦りを見抜いたベルナールが動いた。
フォッシュのサーベルを捌く手を止め、自身の周囲を駆ける馬の正面に飛び込む。
そしてすぐさま、轡と手綱を繋ぐ円い金具――ハミ環――を引っ掴んで強引に引き下げる。
――ヒヒィィィイイッ!!
馬の頭がグッと地面にまで下げられて、驚いた馬は足を止め、後ろ足を蹴り上げて前につんのめる。
その背に乗るフォッシュも、当然前に――空中に投げ出された。
「なっ――ヤローっ! うぉおおおおおああああー!!」
ベルナールの頭を越えるように投げ出された狐獣人は、手綱を離して空中で体勢を整えつつ獣化しようとする。
「チィ!!」
すぐ対処したいベルナールだったが、ひっくり返りそうになった馬を受け止めることに気を取られて、一歩出遅れた。
結局狐獣人は服を破って獣化し、全身黄土色のフサフサ毛並みに覆われた狐になって着地した。
かつてのファーガス同様に二足で立ち、サーベルは打ち捨てて、前脚――手から鋭い爪を伸ばして身構えるフォッシュ。
その正面で、ベルナールが大剣を構えて向き合う。
「人間風情が……ウチのサーベルを受けきるなんて、舐めた真似してくれるじゃーねえかよぉ」
「あ? 普通に対処しただけだぜ?」
不機嫌を隠さずに声を発する狐獣人だったが、その獣の表情からは焦りが消えている。
対するベルナールにも、笑顔を見せる余裕があった。
だが、見下すべき人間の泰然とした姿に、フォッシュはギリリと奥歯を噛み、爪に力を込めて動く。
「ちょっとサーベルを凌いだからって、いい気になるなよ。その生意気な面ぁ、ウチの爪で切り刻んでやるっ!」
激情のフォッシュが、黄金色とも言える艶やかな黄土色の毛皮に覆われた脚に力を込めて、一気に距離を詰める。
その速さは、魔力纏いとスキルを駆使したレオを上回るほど。
辛うじて反応したベルナールが、身と正眼に構えた大剣を柄頭が頭の横にくるほど高く引く。そして、自らの懐に出来た間合いにフォッシュを誘い込む。
――が、狐獣人は跳び込まなかった。
「むっ!?」
ベルナールの視界からフォッシュが消えたのだ。
狐獣人は上にいた。
垂直に近い角度で跳び上がり、生身の肉体でありながら身の丈の三倍以上の高さに達していた。
その頂点で、長い尾と体幹で巧みに体勢を入れ替え、自分を見失って無防備に頭を晒すベルナールに上半身から突っ込むように襲いかかる。
「うぉおおー! 死ねぇええい、ザコ人間があっ!!」
しかし、フォッシュの猛りに宙を見上げたベルナールは、狐にチラリと目を向けただけで逆に口の端を引き上げた。
「嵌まったなっ」
――『我が意を得たり』と。
獣化したフォッシュの跳躍が想定よりも高かったが、それ以外のフォッシュの動きはベルナールの長年の経験や潜った修羅場の数が成した誘導だったのだ。
そして、対獣人、しかも短期にけりを付ける最善の手を打つ。
それはベルナールが冒険者人生の中で身につけたスキル、【暴圧の咆哮】。
人間の【威圧】や魔物の【威嚇】【咆哮】、それが習熟して進化した先にあるレアスキルである。いくつかの欠点・留意点はあるものの、自分を中心とした一定距離内にいる生物全てに畏縮をもたらす。
――ゴォアアアアアッ!!
瞬間、フォッシュは恐怖にとらわれ、その身体から自由が失せた。
☆
――獣化されてんじゃねえかっ!
俺とマリアが猿に係りっきりの間……つっても数分程度、剣撃が続いたと思ったらゴァアア、そんでこれだよ。どうなってんだ?
狐野郎が、鋭い爪を剥き出しにした手を伸ばして、上体から今にもベルナールに襲いかかるトコか?
ヤバい、やられちまう!!
その瞬間、おっさんの頭の横で構えられていた大剣が、光の尾を引くように振られた。
大振りもいいところだ。簡単に躱されるだろ!?
でも、そんな見え見えの大振りに、獣化した狐が反応する仕草が無く、そのまま大剣の軌道に落ちて――。
ズバンッ!!
狐野郎の身体が、縦に真っ二つに切り裂かれた。
俺は解放されたマリアを抱き止めた。
「マリア、良くやったな! すげえぜ、お前」
「ううん。レオがちゃんと見ていてくれて、解かってくれたからだよ」
マリアは、わざと猿野郎に捕まったんだ。
そして、野郎の不意を突いた。それも、『発火』なんつう初歩の初歩の魔法で、一瞬だけ目を閉じさせた。
俺には、その刹那の隙で充分。
魔力纏いで鋭くなった動きで一気に踏み込み、これまた魔力纏いで鋭くなった剣をブチ込めばいいだけだった。
それでも流石の獣人。反応速度がえぐかった。
【多重突き】……しかもレベル〈2〉の“三重突き”じゃなかったら、たぶん跳び退られて命までは奪えなかっただろう。
ともかく、獣化されることなく猿野郎は倒せた。
囮にされた馬は混乱して平原まで逃げて、今はちょっと離れたトコで止まって草を食っている。これなら、終わった後に捕まえやすそうだ。
そして、その馬がいた場所には、女が落ちたまま。生きてるみてえだけど、縛られてるトコを見るに途中で攫われたんだろう。
なんとかしてやらねえとな、なんて考えてると――。
――ゴォアアアアアッ!!
俺らの背後から、潰れた喉から出てきたような野太くて重い唸り声が轟いた。
何かに圧し掛かられたように全身を押さえつけられ、筋肉がすくみ、手足の指すら動かせないくらいの……恐怖?
――そうだっ、そっちではベルナールも戦ってるんだった!
「ぐっ、う、動け!」
自分の意志で動かない身体に魔力を纏わせて、なんとかかんとか振り返る。
目に映ったのは宙を飛ぶ全身を金色にも見える毛に覆われた獣。それと、大剣を頭の横まで持ち上げて構えた状態――八相の構え――で、獣を口を開けて見上げるベルナールの姿。
☆
レオと猿獣人・マウキが接触する直前。
一足早く、ベルナールと狐獣人・フォッシュが剣を交えた。
ブンッ、――キィン! ――キン――ギャン、キンッ――キキン!
騎馬したままサーベルをふるうフォッシュと、下から躱したり大剣で受けるベルナール。
狐獣人は馬を巧みに操ってベルナールの周囲を駆け、休む間もなく縦横無尽にサーベルを繰り出し続ける。
その剣閃はひと振りが幾筋にも分裂して見えるほど速い。
しかしベルナールも、フォッシュの執拗に続く突きや払い、時にはしなりを利用した攻撃を、大剣の角度を器用に変えながら凌ぐ。
その一方的な攻防が続くが、押してるのは……。
「チッ、なんだよこのおっさん!」
馬でベルナールの周囲を駆けながら、しなやかな筋肉でサーベルを繰り出し続ける狐獣人の顔に、余裕も高揚感も無くなっていた。焦りで引き攣った表情。
ベルナールが剣閃を全部受けきっているからだ。
そのベルナールも、受け一辺倒で攻撃に転じられていないが、追い詰められているのはフォッシュの方だ。
現役を退いているとはいえ、さすが歴戦の冒険者、獣人相手であろうが引かずに捌いている。
「くっ、こうなったら……」
業を煮やしたフォッシュが、獣化する構えを見せたその時――。
焦りを見抜いたベルナールが動いた。
フォッシュのサーベルを捌く手を止め、自身の周囲を駆ける馬の正面に飛び込む。
そしてすぐさま、轡と手綱を繋ぐ円い金具――ハミ環――を引っ掴んで強引に引き下げる。
――ヒヒィィィイイッ!!
馬の頭がグッと地面にまで下げられて、驚いた馬は足を止め、後ろ足を蹴り上げて前につんのめる。
その背に乗るフォッシュも、当然前に――空中に投げ出された。
「なっ――ヤローっ! うぉおおおおおああああー!!」
ベルナールの頭を越えるように投げ出された狐獣人は、手綱を離して空中で体勢を整えつつ獣化しようとする。
「チィ!!」
すぐ対処したいベルナールだったが、ひっくり返りそうになった馬を受け止めることに気を取られて、一歩出遅れた。
結局狐獣人は服を破って獣化し、全身黄土色のフサフサ毛並みに覆われた狐になって着地した。
かつてのファーガス同様に二足で立ち、サーベルは打ち捨てて、前脚――手から鋭い爪を伸ばして身構えるフォッシュ。
その正面で、ベルナールが大剣を構えて向き合う。
「人間風情が……ウチのサーベルを受けきるなんて、舐めた真似してくれるじゃーねえかよぉ」
「あ? 普通に対処しただけだぜ?」
不機嫌を隠さずに声を発する狐獣人だったが、その獣の表情からは焦りが消えている。
対するベルナールにも、笑顔を見せる余裕があった。
だが、見下すべき人間の泰然とした姿に、フォッシュはギリリと奥歯を噛み、爪に力を込めて動く。
「ちょっとサーベルを凌いだからって、いい気になるなよ。その生意気な面ぁ、ウチの爪で切り刻んでやるっ!」
激情のフォッシュが、黄金色とも言える艶やかな黄土色の毛皮に覆われた脚に力を込めて、一気に距離を詰める。
その速さは、魔力纏いとスキルを駆使したレオを上回るほど。
辛うじて反応したベルナールが、身と正眼に構えた大剣を柄頭が頭の横にくるほど高く引く。そして、自らの懐に出来た間合いにフォッシュを誘い込む。
――が、狐獣人は跳び込まなかった。
「むっ!?」
ベルナールの視界からフォッシュが消えたのだ。
狐獣人は上にいた。
垂直に近い角度で跳び上がり、生身の肉体でありながら身の丈の三倍以上の高さに達していた。
その頂点で、長い尾と体幹で巧みに体勢を入れ替え、自分を見失って無防備に頭を晒すベルナールに上半身から突っ込むように襲いかかる。
「うぉおおー! 死ねぇええい、ザコ人間があっ!!」
しかし、フォッシュの猛りに宙を見上げたベルナールは、狐にチラリと目を向けただけで逆に口の端を引き上げた。
「嵌まったなっ」
――『我が意を得たり』と。
獣化したフォッシュの跳躍が想定よりも高かったが、それ以外のフォッシュの動きはベルナールの長年の経験や潜った修羅場の数が成した誘導だったのだ。
そして、対獣人、しかも短期にけりを付ける最善の手を打つ。
それはベルナールが冒険者人生の中で身につけたスキル、【暴圧の咆哮】。
人間の【威圧】や魔物の【威嚇】【咆哮】、それが習熟して進化した先にあるレアスキルである。いくつかの欠点・留意点はあるものの、自分を中心とした一定距離内にいる生物全てに畏縮をもたらす。
――ゴォアアアアアッ!!
瞬間、フォッシュは恐怖にとらわれ、その身体から自由が失せた。
☆
――獣化されてんじゃねえかっ!
俺とマリアが猿に係りっきりの間……つっても数分程度、剣撃が続いたと思ったらゴァアア、そんでこれだよ。どうなってんだ?
狐野郎が、鋭い爪を剥き出しにした手を伸ばして、上体から今にもベルナールに襲いかかるトコか?
ヤバい、やられちまう!!
その瞬間、おっさんの頭の横で構えられていた大剣が、光の尾を引くように振られた。
大振りもいいところだ。簡単に躱されるだろ!?
でも、そんな見え見えの大振りに、獣化した狐が反応する仕草が無く、そのまま大剣の軌道に落ちて――。
ズバンッ!!
狐野郎の身体が、縦に真っ二つに切り裂かれた。
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