/// Tres

陽 yo-heave-ho

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□反逆と復讐篇 No pain No gain.

3.02.3 海賊と情報屋と軍人、そして、

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 確かに心臓を撃たれたはずのキースが生き残れた理由は、ヘリオットから預かった回転式銃リボルバーだった。撃たれた時、胸ポケットにしまっていた銃が盾代わりになったのだ。
 幸運にも銃把が弾を受け、ギリギリ心臓には届かず、倒れ気を失った彼を影は死んだものと思い込み…

 その後、第8小隊は別の隊によって発見された。死んだのは7人。新入り全員と、身体中を傷つけられ無惨な姿になったヘリオット。
 そして重傷を負いながらも一命を取り留めたキースは、唯一の生き残りとなった。

「…どういうことだ?」
「だから…俺のせいで、隊長は不利になって…あの銃を持ってたら、あの人は…」
「……冗談だろ?」

 ミチェルブルクの霊苑、土砂降りの雨の日。
 冷たい石の下へ埋められたヘリオットの前で、キースは自身の罪を告白した。そしてその告白に驚き冷たく返してきたジェラルドと、仲違いをしてしまった。

「放せよ…ッ」
「馬鹿が、」
「俺が生きてたってしょうがねぇだろ!!」

 後悔しているのは、ジェラルドも同じ。

「ふざけんなッ!お前が死んだらあの人が帰ってくんのか!?もう戻らねぇ!何も変わんねぇんだよ!!全部ッ、お前のせいで死んだのも!!この、ひとごッ………ぁ…」
「…、…」

 自暴自棄と罵声の応酬。
 言った方も言われた方も酷く驚いた顔をしていて、

「…殺してくれ」
「…できねぇ」

 溢れた涙も同じように、雨に流されていった。


 結局事件は碌な捜査もされず、再び人員が減った隊は活動休止。事実上の解隊となり…キースは軍を抜け、ジェラルドは北へ異動した。

 ヘリオットを殺した犯人の手がかりは三つ。
 '水色の眼'、六連回転式銃シックスリボルバー、そして<王族の時計>──
 二人は道を違ったが、6年経った今も探しているのだ。大切なものを奪った影を。


「俺が、銃、預かってなかったら…あの人は戦えたし、逃げられたはずだ。死んだりなんか…っ、俺が、死なせちまった…!」
 キースの過去を──彼が抱えているものを知り、ビアンカは言葉を失ってしまう。自身にも身に覚えがあり、彼同様に考えては後悔していたからだ。
「そうじゃない。あの銃がお前を守ってくれた…俺は今でもそう思ってる」
「違う…俺なんか…」
「……勘づいてたつもりだけどよ。水色っぽい目の奴見つけちゃ騒いで、宝探しなんかもホントは二の次で…?」
 呟けば頷きだけが返ってきて、スタンは溜息を呑み込み眉間の皺を押さえた。
 これまでキースの過去は色々と調べてきたが、事件の話を聞くのはこれが初めてで、思ってたよりも重い…ふざけたり冗談を言ったりなんて誰だってするだろ。それだけ仲が良かったのだとわかる。他愛もない悪ふざけが最後で、戦争も終わり平和になったはずの世界で……殺されるなんて、誰が予想できたろうか。
「隊長には趣味があって、時々話を聞かせてくれた…宝探し、未踏の地の探検。まるで冒険家みたく調べて書き溜めていた。いつか軍を辞めて追いかけるのが、二つ目の夢だと」
「…それって、キースの手帖?」
「あれは隊長のだ。趣味と日誌を書き溜めてた」
 時折キースが捲っていた革手帖。スタンの情報よりも詳しく記されたあれは、キースが銃とともに持ち出したヘリオットの形見だった。
「ヘリオットは<王族の時計>も探してた、趣味で。お伽話のお宝を…そんなことで殺された?」
「…ああ、けどお伽話じゃない。幼い頃だが隊長が現物を見てる…実在するはずなんだ」
 スタンの言葉に言い返し眉を寄せるジェラルド。
 普通なら信じ難い、存在すら怪しい秘宝のために命を奪われるなんて。キースの証言を聞いた時は正直信じられなかった。
「実在、するし…いる。<時計>を狙っている奴が…」
 後になって、ジェラルドは<王族の時計>に関する不審点を知った。それは手帖の日誌部分…キースが持ち去ってしまう前に手がかりとして抜き取っていたものなのだが、そこに記されていたという存在。
 そして二人の知り得ぬところで、ヘリオットが何らかの、もしかしたら重要かもしれぬ手がかりを得ていたことも。
「確かに言った、<王族の時計>…だから探した。またあいつに、出会すと思って…」
 俯いたキースの表情はわからず、しかし声が震えていた。ふとあることに気がつく。
「ねぇ、声!聞いたんだろ?雰囲気でどんな奴かわかるんじゃ…」
 思いつきのままに言うビアンカにキースは首を振り返す。
「…わかんね。ダメなんだ…言葉はわかったのに、声が…、今も、わかんねぇ」
 男か女かハッキリしない。最後のヘリオットの声さえも濁っていたと、彼は言った。放たれた単語は聞き取れたのに、声音がわからなかった。救ってくれた軍医に告げられたのは、耳の怪我が原因で鼓膜や脳に異常をきたしたのだろうと。たった一瞬のことなのに。
「おかしいだろ…今は普通に聞こえんのに、あの時だけ!こんな役立たずが、なんでッ…!」
 何の為に生き残ったのか。助けられず、手がかりも掴めず、無意味に自身だけが残った。
 昔からそうだった。大切な人は皆死んで、後悔と苦痛だけが残る。だからキースは己を呪っている。せめてもの罪滅ぼしに復讐を果たすべく、仇を探している、のだが…
「役立たずなんかじゃない。お前はずっと犯人を探してる…何度も基地に侵入して、銃のこと調べてんだろ?」
「……」
「キース、俺だって同じだ。お前ほどじゃなくてもずっと…だから今度こそ、」
「やめろ」
 思いを伝えようとするジェラルドを遮り、立ち上がる。
「もう、無理だ…」
 小さな呟きが風の音に消されていく。
 また溢れはじめた心の闇はキースを底無しの檻へ引き摺り込み、絶望させようとしていた。


「地図も手帖も、受け取れねぇ…お前も…諦めろ」
「!なんでいまさ、」
「やめろよッ、できねぇんだよッ!」
 悲痛な声が夜の街に響く。
 背を向けたキースを捕まえ振り返らせると、彼はまたボロボロと涙を溢していた。
「戻ってきて…ずっと、考えてた…6年だぞ?もう6年も、何もッ…俺に何が出来んだ?俺が関わったら、誰かが死んでくだけだった!」
 吐き出された思いはこの一週間ずっとキースを苛ませてきた、彼がこれまで抱え続けていた闇だった。
「そんなふうに自分を責めるな!」
「なんで…お前だって、言ったじゃねぇかッ」
「!違うあれは、」
「お前の言う通り俺だよ。俺は死神だッ、俺がころ、」
「違ぇやめろッ!お前じゃねぇ!!」
 つい声を荒げ掴みかかるジェラルド。ビアンカもスタンも驚き止めに入るが、キースは逃れるように後退り頭を抱えた。
「隊長だけじゃねぇ、ハリソンも…俺と一緒に船にいたから…み"、な、みんな!今度はお前か!?お前まで巻き込んじま、っ…たかが地図なんかで!あんなこと!」
「…ッ」
「オーウェンのッ、あいつらだけじゃねぇ!俺がアジトに、い"ったから!地図を、持ってなきゃあんな…俺のせいだ!間違ってたッ!盗人も復讐もッ…あの人が望むわけねぇって…わかっで、のに"…!」
 ハリソンの名を聞きジェラルドは狼狽えてしまう。キースの自責の念は全てに影を落とし、真っ黒に染め、追い詰めていた。彼にとっては何もかも自身が招いたこと…死神である己の所業だった。
「でも、青色ネロみてぇな、生きがた…できね…ッ…俺みてぇのが'黒'なんだろ?!」
 はっとしてビアンカが否定してもキースは聴く耳を持たず。新しい友の殊勝な思いは、今の彼には立派な凶器となっていた。
 震える指先から煙草が落ち、細くなった煙が消えてしまう。ヘリオットが好んでいた懐かしい香りさえ、重たい枷となっていく。
「限界、なんだ…辛ぇ……しにてぇ…!」
 嗚咽混じりの言葉は、心からの悲鳴だった。
 必死に抑えているのだろうが、キースは先ほどよりも泣き噦り、苦しそうに肩を上下させていて──沸々と怒りのような、許せない気持ちが芽生えた。
「うじうじするな…そうやって自分を責めて、楽するな」
 ハッキリと言い放ったビアンカに、ジェラルドは驚き目を丸くする。彼女の強い視線を感じ、キースも身体を強張らせた。
「…お前に、何が、わかんだ」
「わかる。あたしだって…親父は、あたしを守って死んだ。あたしのせいで死んだッ」
 思わず顔を上げる。ビアンカは自身のように泣いていて、そして怒っていた。
「キースと同じだ。あたしがいなかったら、親父も皆も死ななかったかもしれない…けど、今更そんなこと言ったって、意味ないから。誰かが前向けって言ってくれたからッ、そうしようって決めたんだ!」
「…は、」
「なのにズルいよッ、そうやって…逃げるのか!?前向けとか出来ることやれとか、言うくせに!そうやって自分を責めて縋って!死にたい、なんてっ…今まで頑張ってきたこともッ!ムダにするのか!!」
 怒鳴り言ってのけるビアンカ。
 彼女の言葉は刃となって、ぐっさりとキースの心に刺さった。
(「どんなに不安でも、前だけ見てろ」)
 聞き覚えがあるそれはジェラルドにも響いていた。自身も教わった、元はヘリオットの言葉で大切な導…それを彼女の口から聞いて確信する。彼女に伝えたであろうキースは、目の前で泣く友は、堕ちていない。まだ間に合うのだ。
「ぅ、るせ…黙れッ」
 けれどキースは顔を歪め首を振るばかりで、また一歩後ろへ逃げてしまう。と、
「はいはい、もうやめ。見てらんねぇわ」
「…スタン」
 ずっと黙り聞いていたスタンが前に出てビアンカに目配せする。ビアンカは言い過ぎたと思い冷静になるのだが…
「おい……いい加減にしろよテメェッ!」
「「「!!?」」」
 彼はキースに歩み寄り、拳を振るった。
 思い切り殴られたキースは転がり倒れてしまい、痛む頬を押さえながらスタンを見上げた。
「ど正論喰らって黙れだと?いいご身分だなぁ、いつものお口の悪さはどうした」
 てっきりこの場を止めるのかと思いきや、そうではなく。しかもテメェ呼び……いつものスタンじゃない。
「…っ、わけわか、」
「わっかんねぇのはこっちだ!」
 ビアンカもジェラルドも呆然としてしまい、キースは苛立ち睨み返すが、
「お前と会って何年だ?それからずーーーっと我慢してやってたけど、限界なのこっちだから!お前よくもそんなネガティブになれんなッ」
「な…ぁ…?なに、」
「ネガティブ・卑屈・後ろ向き野郎!おまけにホラ吹き!テメェは前なんざ向きもしねぇ。目ん玉背中に付いてんのか?!9月になる度すげぇ暗くなるし、こいつのことネチネチだの言ってよぉ?それお前ッ!ビアンカの言う通り、人に言っといて何なんだクッソガキ!」
「んだと…テメ、」「…ちょっと待て、」
 聞き捨てならない台詞(と指まで差され)にジェラルドも顔を顰めるが、スタンの勢いは止まらず、
、テメェも!なんか言ったのかもしんねぇけど、引き止めてやれよ!よくもこんな回りくでぇことをッ…親友ダチだろ!!」
「「!」」
「しょうもねぇヘドが出る!はンッ、お前ら二人同罪だっての!この拗らせコンビ!何年も変わらず同じこと考えて、目的だって同じで…ッバァあカが!!マジもんの馬鹿!!仲良しこよしのくせに!肝心なとこも息合わせて臆病者チキンかテメェらはッ!」
「「…ぁあ!?」」
 スタン、怒りの捲し立て。
 殆どが悪口な言い草に思わず声が揃う二人。ビアンカもいつの間にか涙が止まり、耳を傾け見守っていた。
「ッ、はなせ!」「!お"いっ」
「うっせバカ座れアホ」
 キースの首根っこを捕まえ、ついでにジェラルドの耳を引っ張り、並んで座らせる。二人の前に立つスタンは怒り狂った女のようで、保護者のようにも見えた。
 彼は転がっていた煙草を拾うと胸いっぱいに吸い込んでみせる。すると消えかかった火がまた赤く燃え、ゆらりと煙を上げて、ジェラルドがあっと声をもらした…美味そうに煙草を吸う姿にキースも目が離せなくなる。
「簡単なこったろ。お前らが手ぇ組んで協力すればいい」
「…んなことできるわけ、」
「なんで」
「な…いや!なんでじゃッ…地図のことだけであんな、」
「巻き込んだ云々いいから。他に理由は?」
「…それは…おれ、俺が!盗人で、こいつは軍兵で!しかも指揮か、」
「指揮官様ね、女子に人気の。だから?」
「だっ…!?ざけんなッ、んだよさっきから!」
「ジェラルド君はそのつもりみてぇだけど」
「んなのダメだッ!あんたのがバカだろ?!無理だって!!」
「やる前から無理だのクソだの言うなや、だからガキんちょなんだっつーの」
「…っ…」
 キースは遂に言葉を失い、ジェラルドは口を挟めず、スタンはニヤりと笑ってみせた。
 大事な相棒の気持ちはわからんでもない、こいつは優しくていい奴なんだ。だからこそ、今ここで、トドメ刺してやんねぇと…
「二人でやれよ!お前らで水色の目ん玉野郎探して、討つ。<時計>探しが先でもいい、それで誘き出して、討つ。スマートじゃん!うじうじぴーちくぱーちく余計なこと考え過ぎ!危なくなったってよぉ、ヤベェもん探してんだからリスクはつきもんだろ。このまま7年10年20年?延長か!?これ以上時間をムダにすんなって!天下の義賊<虎の眼>と軍の剣聖<氷の男>、お前ら組んだら最高コンビじゃねぇか!」
 そこまで言い切るとスタンはまた煙を吸い込み、短くなった煙草を踏み消した。

「「…………」」
 返す言葉が見つからない。

 キースもジェラルドも眉を寄せ固まっていた。饒舌で無茶苦茶で、聞こえのいい内容。彼の口から発せられただけなのに、他人とは違うパワーのようなものを感じた。
 先ほどのビアンカの言葉と同じ。二人の言う通りなのだと、本当はわかっている。視線を送ればジェラルドの瞳に強さが戻っていて止めなくては思うのだが、
「ってことでビジネスのお話。名コンビのお手伝い、この俺にやらせてくれ。裏じゃちょーっと名の知れた情報屋でな、腕には自信アリアリだ」
「…なに、言って…」
 しゃがんだスタンが顔を覗き邪魔してきて、苦し紛れに目を逸らす。いつもみたくヘラヘラとした顔に胸が騒つき、痛みを伴いはじめた鼻奥がツンとする。
「あたしも!<王族の時計>探したい」
「?!おい、」
「理由は、その…親父のことがあるから。三人が組むなら入れて」
「いいねぇ!来い来い」
 何故かビアンカも割り込んできて手を差し出したスタンと握り合う。わけわかんねぇ。まだ答えてもないのに、三人なんて。しかし泣き止んだ彼女はスッキリしたような顔で、もう一方の手を差し出してきた。
「いつまで黙ってんの?」
「……」
「混ざりてぇって面してんなぁ」
「…んなかお、」
「あっ、捕まえ!」「いらっしゃーい♪」
「!ジェラルドッ」
 ジェラルドが手を伸ばし、二人に捕まる。彼もしっかりと掴んでいた。
 キースは彼の肩を捕まえるが、鋭い瞳とぶつかり狼狽えてしまう…友は普段の冷静さを取り戻し、漆黒の瞳に情熱を宿していた。
「俺だって探してんだ。諦めたりなんか、絶対しねぇからな…こいつの言う通り、今度こそ一緒に探したい」
「待てッ…バレてヤベぇのはお前なんだぞ!」
「んなの覚悟の上だよな?」
「ああ。とっくの昔に」
 口を挟んだスタンに頷くジェラルドは、もう前だけを見ていた。

 …ダメだ。
 こんな危険なことダメだ、止めろ。冷静になれ。止めねぇと…
 ジェラルドだけじゃない、スタンもビアンカも…また、巻き込んだら…

 ビアンカがスタンの肩越しに顔を覗かせる。目が合ったキースは無意識に首を振り、初めて見る顔をしていて、怯えているのだとわかる。<虎の眼>なんて呼ばれる盗賊なのに今はまるで弱々しい仔猫のようだ。
「キースはさ、自分のことじゃなくて周りが心配なんだろ?また何かあるんじゃないか心配で、怖がってる」
「……」
「やっぱり優しいな。ありがとう、心配してくれて。けど大丈夫…簡単に死ぬように見える?海賊に軍兵に、腕っ節の強い情報屋だぞ」
「頼れるも付けて!」
「口達者なだけだろ」
 またスタンが口を挟み、透かさずジェラルドが皮肉り、ビアンカが笑う。いつの間にか親しくなっている三人を見てキースの視界がぼやけ潤んでいく。
「助け合って進もうよ。それにあたし達だけじゃない。リンもネロも、イザベラも、キアだって…仲間がいるのに怖いのか?ビビり」
「……お前が、いうな」
 我慢できず俯き、声だけでも誤魔化そうとする。ポタポタと涙が止めどなく落ちていく。
 仲間になった覚えはない。なのに、彼女達と過ごした日々が鮮やかに蘇る。しつこく相棒呼びする男も、自身より無愛想な老人も、心配したり怒ったり最近皆が見せてくれた顔はどれも、自身を思ってくれていた。見ないフリをしたってダメで、もう…またいつの間にか、大切なものが出来てしまった。
 頭を撫でるゴツい手はスタンではなさそうで、余計目頭が熱くなり息苦しくなる。
「"前向いて"。最悪なもんがあるなら、それをどうにか出来るように動いてみなよ」
「…マ"ネ、すんな"」
「彼女に言われちゃおしまいだろ。指咥えて見てるか、ドチビ」
「る、せ…デクのぼっ」
「ほぉら早く。マジでお前抜きでやっちまうぞ!いいのか相棒?」
「…よ"びか"だ…!」
 本当にもう、止められない。胸が熱く震える。
 こんなに泣いたのはいつぶりか。憎しみ以上に巣食っていた恐怖はまだ疼いている……なのに、それと同じくらい大きな何かが湧いて、前へ前へと突き動かされる。
 唐突に吹いた夜風が、心地良いながらも強く背中を押してくれた。


 躊躇い伸ばされた手は、スタンがしっかりと捕まえ、ジェラルドとビアンカが引っ張った。
 こうして四人の運命共同体が誕生した。
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