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 泣き出す白鳥と、無表情の何を考えているかわからない鴨野の二人をなだめつつ、黒星は疲弊した。
やっとこそ帰り支度をして、黒星は教室を出た。


「どうして、白鳥先生に体を売るような真似をしているんですか?」
突然聞こえてきた白崎の声に、黒星の心臓が飛び上がる。

後ろを振り返ると、そこには背の高いいつものぼさぼさ髪の白崎が立っていた。

「き、急に後ろから話しかけてんじゃねぇーよ。びっくりするだろうが。え?お、お前見てたのかよ!」

「はい。黒星君と話そうと思いまして」

「俺成績悪いからさ。白鳥なら、テストの範囲知っているだろうと思って」

「もっと黒星君は、自分を大事にしてください!」
白崎が黒星の肩をつかんで、詰め寄ってくる。

「は、はぁ、そうだなー」

「約束ですよ!」

「いや、別にお前には関係ないし」

「そんなこと言わないでください」

そのまま白崎は黒星を抱きしめてくる。
なんか白崎が急に距離を詰めてきて、うっとおしいし、気持ち悪い。

「なら、黒星君は、俺がお金なり見返りで、・・・・その、・・黒星君の体に触りたいって言ったら、それでいいんですか!」

「え?金額によるかなー。
そうだ。あの写真を俺によこすなら、本番以外はなしだけど、いいぞ」

「・・・・写真をよこす?」
目を見開く、白崎。

「そ、そう。桜田の奴性格悪くて困るだろう?あいつ弱い虐め大好きだし。一緒に桜田を脅迫でも脅すなりして、ぎゃふんと言わせてやろうぜ」

「・・・・・」

「お願いするからよ」


「いやです。お断りします」

「・・・・え」

いつもおどおどしている白崎とは違う、きっぱりとした拒否だ。

「やはり、黒星君は最悪ですね。
黒星君は、性格も悪いし、人格も破綻しています。正直さんざん陰湿な行動を見てきて、あの写真がなければ信用できません」

すごい言いぐさだ。

「お前!」

「何か俺にしたら、あの写真学校側にばらしますから」

白崎はそう囁く。

そういった白崎の頭を、黒星は叩こうとしたが、その手を掴まれた。

「くそ!放せよ!」

「今日から黒星君は、俺の友人になってもらいます」

「やっぱりくそだな、ホモは!」
怒り心頭の黒星は、白崎から離れようともがくが、白崎はひょろひょろしているくせに、力が異様に強かった。


「俺は、・・・・黒星君が嫌いです」

「俺も、だよ!」

そのまま白崎は、黒星に口づけしてくる。

それから口を放して、白崎は黒星をにらみつける。

「き、今日から、黒星君はお、俺の奴隷です!!奴隷には、何でもしていいんですからね!!」

「何すんだよ!気色悪い!!」
白崎の肘にけりを入れて、黒星は身を放した。

今度こそ後ろを二度と振り返らず、黒星は家に帰ることにした。
こうなったら今度白崎の家に押し掛けて、無理やりスマフォを奪ってやろうと、黒星は決意した。

白崎のサイドの話と言えば、

白崎は、黒星への復讐と、孤独ではない高揚感で、燃えていた。

ふと白崎は眼鏡をかけたぼさぼさ髪の自分の姿を窓で見て、黒星に少しでもよく思ってもらおうと、整える決意をして、コンビニで雑誌を買って帰ることにした。
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