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番外編
前世の話①
しおりを挟む過去編です
咲がまだ暗い性格だった頃の話です
_______________________
「さきくんっておんなのこみたいだよね」
保育園に通ってた頃に言われたことがあった
小学校に入学すると僕に絡んでくる人が多くなった
「海野って本当に男か?」
当たり前のことを興味本位で聞く人
「なぁ試しに脱いでみろよ」
みんなの前で脱がせようとする人
「女子より海野の方が可愛いよな」
そう言って女子の嫉妬を買わせる人
最初は気にしてはいなかったけれど、段々と嫌になってきていた
誰も僕の中身の話ではなく容姿の話をする
自分は平凡なのに
僕自身を見てくれない
本当の僕を見てくれるのは家族と1人の親友だった
入谷 洸希は僕が中学生の時に出会った
中学校は正直楽しくなさそうだと思っていた
小学校から一緒の人達がいたから
入学式の時、ずっと憂鬱だった
早く終わらないかとふと前を見ると、僕より下を向いてる人がいた
気分が悪いのかと思ったけどよく見たら船を漕いでいた
前の方の席で居眠りするんだ、最初の印象はそんな感じで終わった
教室に戻り名簿順で席に着く
僕の前は居眠りの人だ
後ろの人は知らない人で隣は小学校は同じだけど関わりがなかった人だ
周りを観察していると担任の先生が来た
「入学おめでとう、担任の後藤です。今日はまず最初に自己紹介をしてもらい、その後明日の予定について話して終わりです。では1番の人からお願いします」
(自己紹介か、人前で話すの苦手なんだよなぁ)
「はい、青木です。出身小学校は---」
僕と同じ平凡な子だった(←失礼)
「ありがとう、では次の人お願いします」
あの人の番がきた
どんなことを言うのか気になる
「はーい、入谷洸希です。出身は○○校で趣味は睡眠、特技はどこでも寝れることです」
睡眠の事しか語ってないなと思いつつ話を聞いていく
「部活は今のところはバスケ部に入る予定です。あ、あと友達募集中でーす」
と最後に言って席に座った
周りは笑ってて、僕も普通に笑ってしまった
お陰で緊張が少しほぐれたような気がする
「入谷君ありがとう、では次の人お願いします」
僕の番が来た
1度深呼吸をしてから立ち上がる
「はい、海野咲です。出身校は…」
「海野?ってあの海野?」
突然隣の人が喋りかけてきた
あの海野とはどういう意味か分からないが多分僕の事だろう
「う、うん。あの海野かはわかんないけどね」
「お前急に話しかけてどうしたんだよ」
隣の人の友達ぽい人が話しかけていた
「海野って俺らの小学校では有名だったんだよ、まぁ俺は関わり無かったんだけどさぁ。てか、噂どおり女みたいだな」
その人はただ感想言っただけで悪気は無かったんだろう
ただ、その話に反応した人達がヒソヒソと話している
「…女子より綺麗とか凄いよな」
「えぇー比べられるの嫌なんだけどぉ」
「後で確かめて見ようぜ」
ハッキリとは聞こえなかったがヒソヒソと話されて嫌な気分だ
「静かにして下さい、今は海野君の番です」
先生が気を利かせて注意をしてくれたがあまり意味はなかった
なんだか泣きそうになってきた
僕がなんか悪いことした訳では無いのにヒソヒソと話されているんだろう
そうやって考えてた時
バンッッ
前の席から机を思いっきり叩いた音が教室中に響いた
「あのさぁ、なんか言いたいことがあるなら堂々といいなよ。ヒソヒソ話してると気分悪いよ。それに、今は海野君の自己紹介なんだからさ少しは考えようよ」
静かな教室には入谷君の声はとても響いた
「入谷君ありがとう。みなさん、入谷君の言った通りです。相手の気持ちを考えて発言をしてください。海野君自己紹介を続けますか?やめときますか?」
本来止めるべき何だと思う
けど、どうしても言いたいことがあった
「いえ、続けます」
「…分かりました。無理はしないように」
「はい。ありがとうございます。」
僕はもう一度深呼吸をした、さっきよりも大きく息を吸い込んで
「さっきも言ったけど海野咲です。僕は趣味も変わるし、特技も無いし取り柄は無いけど、二つ言いたいことがあります。一つ目は、僕はれっきとした男です!他の男の子と比べたら頼りないけれど、女では無いです。二つ目は僕も友達募集中です!何事にも怖がらなそうなはっきりと物申してくれる子がいいです!」
そう言って前に座ってる入谷君を見た
入谷君は驚いた顔で僕のことを見ていた
「海野君、ありがとう。では次の人お願いします」
「はい。僕は---」
僕は未だにこっちを見ている入谷君ににんまりと笑い、
「よろしくね、洸希君」
と言った
「ふはっ!君意外と堂々としてるね。こちらこそよろしく、咲」
これが友人1号が出来たきっかけだった
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