忌み子だと言われた俺が魔王となって人間に恋をした

りお

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7話 そんなスライムがいるなんて知らない

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「--オ、マオ?聞いてるか??」

「え?あ、ごめん。聞いてなかったわ」

俺は今、人間の国でクロとお茶をしてる
だが、俺の頭の中は違うことを考えてた






-遡ること数時間前-




「んーっ。仕事も終わったし今日も行くか」

「ならついでにお願いしていいですか?本来なら僕が行くべきなんですけど、、今手が離せなくて…。これ重要な書類なんで早く届けないとダメなんです」

「ん。分かった。誰だ??」

「アッシュ様にお願いします」

アッシュ?ならルイが行った方がいいんじゃないか??

「俺が行かない方がいいんじゃないか??」

「いえ…なんというか、その…今気まずくて、、」

あ、こいつなんかあったな

「どうした?ついに告白したか??」

「それはしてないんですけど…」

「??」

ルイがここまで濁らすのは珍しい
いつもならはっきり言うのにな

「アッシュ様、、好きな人がいるらしくて…」

「は??」

「この前告白されてる所に居合わせちゃったんです。そしたら、『私は好きな人がいるのでごめんなさい』って言っているのを聞いちゃって…」

あー。そーゆうことか
でも、なんで気まずいんだ??

「それで気まずくなったのか??」

「、、アッシュ様に好きな人がいた事が悲しくて…顔を見るだけで泣いちゃいそうなんです」

…恋ってこうなるものなのか
ますます分からなくなってきた、、

「んー、何となくわかった。まぁ、とにかく届けるわ」

「ありがとうございます…」





アッシュに無事書類を届けて荷物を取りに部屋に戻ろうとした時、見覚えあるやつがやってきた


「おぉ、、これはこれは…お久しぶりです。魔王様」

「あぁ。元気か?ユーフェス」

ユーフェス・ランドリック。この国の貴族だ。
一応ベルタ王国にも貴族階級制度があって、ユーフェスは侯爵だ。

「はい。今日はちょっとした用事があって来てたんですよ」

「そうか、じゃあ俺はもう行く」

こいつの事は嫌いだから、早くこの場を去ろうとした

「あぁ、そう言えば相変わらずおかしなことを言ってるらしいですね」

歩き始めていた足を止め、俺は振り返った

「どうゆう事だ」

「そのままの意味ですよ。人間と暮らすだなんて、、私達にとっておかしなことです」

ユーフェスはスクルドと似ている
俺を批判する所とかな

「……俺はかならず変えてみせる」

「まぁ…今はいいでしょう。最後に一つだけ、、私は人間を許せない」


そう言って帰って行った











そして今、俺はユーフェスが言っていた『許せない』と言う言葉が気になっていてクロの話が入ってこなかった

「それでなんだっけ?」

「…今から一緒に依頼を受けないか?」

「いいよ。ランクが上がってできることが増えたしね」

そう。あれからランクが上がって今はDランクになった
魔物の討伐ができるようになって、薬草採取より全然楽しい

「あ、その前に行きたいところがあるんだけどいい?」

「どこに行きたいんだ?」

「武器屋!剣とか買いたいんだよね」

俺は魔法専門だが、クロが剣を使ってるところを見てやってみたいと思っていた

「なら、俺がよく店があるからそこにしよう」

「おー。ありがと」



2人で武器屋に向かい、剣を買ってギルドに向かった






「今日はこれにしようぜ」

「あぁ。マオに任せる」

クロはいつもこう言って俺に任せる
前に決めていいと言ったとき、

『俺はマオと依頼ができればいい』

と言われてしまい、嬉しかったのは内緒だ




俺が選んだのスライム討伐だ
剣を試すのにちょうどいいと思い選んだ

「えーっと、ここら辺だよな」

「そうだ。マオ、剣の使い方はわかるか?」

「んっとこんな感じだろ?」

クロの前で剣を構える

「そうじゃない。こうして構えるんだ」

「こう?」

「…違う」

「意外と難しいんだな」

剣の構え方に奮闘してると、黒が後ろにまわってきた

「触るぞ…」

クロは俺を後ろから抱きしめるようにして手を握ってきた

「ここを持って、、、そう、それでこう構えるんだ」

「あ、ありがとう」

やばい、ドキドキする
だって距離が近い

心臓の音が聞こえるかも…

「マオ…緊張してるか?体が硬い」

「そ、そうだな!もう、離れても大丈夫!」

「分かった」


鼓動が収まってきた時、あの可愛らしい物体がいた

「ん?あ!あそこスライムいる!」

「ほんとだな。行けるか??」

「あぁ。これを試してみる」




スライムを前にして剣を構える

「よし、やるか」




「おりゃ!」

ビュンッ


ビチャッ

「おー。スライムだと簡単に切れるな」

「反対側の奴を相手してくる」

「りょーかい」






ビチャッ

「ふぅ…これで最後か、、あれ?まだいるじゃん。しかも色がおかしいな?」


今まで倒していたスライムとは違いピンク色をしていた

「まぁ、とにかく倒すか」

ビュンッ

ブッシャッ

「うわ、変な液体かかった!早く帰って洗いたい…あ、その前にクロは終わっ…??」


急に身体がムズムズしてきて、呼吸が荒くなってきた

「な、なにこれ…熱か??」

「マオ…?終わったか??」

クロがこっちにきた

「なんか、、ハァ、身体が、へ、へんなんだ」

「なんかあったのか?……ん?この匂い、、まさか、、マオ…ピンクのスライムを倒したか??」

「、、たおし、、た」

「…あいつはピンクスライムといって切り倒すと、媚薬を出すんだ。だから、あいつには魔法で燃やすのがいいんだ」

び、媚薬!?そんなスライムがいるの初めて知ったんだけど!?


「ハァ、、ど、う、すれば、、いい??」

「自慰をして、治めるんだ」

「な、なにそれ??」

「…やった事ないのか??」

「ハァ…ハァ、、」

「聞こえてないか…」





「マオ…今楽にしてやる。終わったら俺を殴れ」
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