忌み子だと言われた俺が魔王となって人間に恋をした

りお

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5話 恋ではないはず

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「…次はこの仕事をしてください」

「わ、分かった」

ルイはあの日からずっと不機嫌だ
原因はもちろん俺がスイーツを買い忘れたから
…確かに俺が悪いけどさ、もう機嫌直しても良くないか!?
こうなったらスイーツを買いに行こう

「な、なあルイ?」

「なんですか?」

コ、コワイ

「この仕事が終わったら出かけてきていいか?」

「勝手にどうぞ」

「…」

これは早く買ってこないともっとやばくなると思い、急いで仕事を終わらせた


「じゃあ、行ってくるな…」

「、、、」

とうとう無視されてしまった
まってろよ、ルイ!急いで買ってくるから!


転移であの街の近くまで行く
門の近くまで転移し列に並ぶ

「おっ!この前のやつじゃねぇか」

「あ、あのときはどーも」

「いいって事よ!身分証はあるか?」

「あぁ…はい」

「ん。冒険者になったんだなー。気をつけろよ」

「大丈夫。心配ありがとな」

そう言って中に入る
前回来た日からそんなに日が経っている訳じゃないからそんな変化はない

今日はお金があるからギルドには行かず、そのままお店に行く

店の目の前に着くと、見覚えのあるやつがいた

「クロ?こんなとこでどうしたんだ??」

クロは俺がいるのに気づくと、近くにやってきた

「最近いなかったから、ここに来たら会えるかと思ってな…」

「俺に会いたかったのか??」

「…見なかったからなんかあったと思ってたんだ」

心配してくれてたのか
なんか意外だな、、

「ちょっと忙しかったんだよ」

「…そうか、なら良かった」

「あ、そうだお前暇か?」

「あぁ」

「なら、買い物に付き合ってくれ。俺一人だと何を買おうかまようから」

「分かった」


俺はクロと2人で店に入った


「んー…こっちか??いや、こっちも良さそうだな」

『まかろん』ってやつは種類が多かった
そーゆうのに疎い俺はどっちがいいとかも分からない為適当に買ってこうとした

「ま、こっちでいいか」

「…そっちは甘さ控えめのやつだ。甘いものが好きならこっちの方がいい」

クロがアドバイスをくれた

「お、まじか。じゃ、こっちにしよ。ありがとな」

「…別に」

お会計を済まし店を出る

「クロがいなかったら、本当に適当だったから助かったわ。俺の目的は済んだし帰るな」

まかろんを買ったのでもう帰ろうとした時、クロに腕を掴まれた

「もう少し居てくれないか??」

「ん?良いけど…」

「じゃあこっちに行こう。おすすめの店があるんだ」

え、これって人間の国で言うデートってやつ??

やばい…ちょっと嬉しいかも、、、

この前、病気だと思って知り合いの医者に相談したら…『それは、恋じゃないか??』と言われてしまった

ま、俺に限ってそれはないと思ったから信じてないけど

これは仲良く出来て嬉しいだけだ









クロに案内された所は落ち着いた雰囲気の店だった
俺は派手な店よりもこっちの方が好きだから良かった



店に入ると人はそんなにいなかった

席に座りメニューを見る

「ここの紅茶はおすすめだ」

「へぇー。じゃあそれにしようかな」

クロにおすすめされた紅茶を頼み、来るまで待つ

「…」

「…」


「マオは…依頼をやらないのか?」

先に話話し始めたのはクロだった

「俺も楽しかったしやりたいんだけど、なかなか時間が無くてな」


「…そうか」


また無言になってしまった
次は俺から話題を振ろう…


「クロは最近どうだった??」

「俺か?俺はいつも通り依頼を受けて時間があったらあのお店に行ってたんだ」

今日が初めてじゃなかったのか、、

それほど心配だったのかな?

「なるほど、、」 

「なぁ、ま『お待たせしました。紅茶です。』」

「どーも」

「……」

「あ、クロなんか言おうとしてた?」

「いや、なんでもない」

「そっか。なら温かいうちに飲もーぜ」

「あぁ…」









紅茶を飲み終えた俺達は店を出た


「奢りありがとな」

「このくらい大したことない」

「まぁ、今度は俺が奢るわ」

「楽しみにしている」

た、楽しみにしている??クロってそーゆこと言うんだ

「もうそろそろ帰るわ」

「分かった。また2人で出かけよう」

2人……クロは深い意味で言ったつもりはないと思うけど、俺はこの言葉を聞いて嬉しかった

特別扱いされてるみたいでさ


「もちろん。じゃあな」


今度こそ俺は帰った


ルイに買ってきた物を渡すと、とても喜んでくれた


「ハル様ってセンスあったんですね!僕こうゆう味好きです!」


「あーそれな。知人に選んでもらったんだ」

「え!?もう知り合いできたんですか!しかも、相手は人間…」

やっぱ魔族にとって人間はいい印象ではないのだろう

反対に人間にとって魔族はいい印象ではないのだけど

「人間だけど、良い奴だよ」

「…ハル様が人を褒めるのは珍しいですね、、、気に入ったんですか??」

「そうだな…なぁ恋ってなんだ??」

「…!?まさかその人の事が好きなんですか!?」

「分かんない…したことないからさ。ただ、嬉しかっただけかも知れないし」

「恋は…いつの間にかその人の事を目で追ったり、その人の事しか考えられなかったり、まぁその色々です」

「へぇー。ルイはアッシュの事そう思ってるのか」

「なななんでその事を知ってるんですか!?」

「なんでって言われても。バレバレだから」
ルイはアッシュと話してる時顔が真っ赤だ
気づかない方がおかしい

「そんなー!上手く隠してると思ったのに…」

「アッシュも鈍いところあるから大丈夫だろ」

「そうだといいんですけど…」

「ま、早く告れよ。あいつ人気だし」

アッシュは四天王の地位についてるし、イケメンだし、優しいし、とにかく人気だ

告られてる場面を何度も見てるし

「が、頑張ります…」

「おー。頑張れ」








俺は…恋がわかんないな

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