叶うのならば結ばれたい。

ろーる

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9.受け入れてくれる?

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さっき一瞬ドキってした...かも

あれ?

いやいや!ない!ない!何を考えてるんだ!僕は!
多分さっき好きだとか言われたばかりで、意識してるだけだ...

口についてるチョコレートを取ってもらっただけだし...
冷静に考えよう。

だってほら友達同士でもよくある事だし。

動揺が顔に出て無いことを願うだけ....
誤魔化そうとドーナツをパクパクと口に運んだ。

「すごい勢い。」
「お腹すいてたんだね。」

「ん」
「うっうん」
まだ口にドーナツが残っている状態で頷く。 
焦って食べたからか、飲み込むまでに時間がかかった。

白明の顔を見る限りまだ僕の考え事の内容は分かって無さそうだし.....
お腹空いてるだけだと思われてるはず。


でも気付かれない内に話題かえよう。

「白明!」
「そっそういえば!」

話題を急に変えようとしたので、予想以上に大きい声を出してしまった。

「ん?」
「どうしたの?」
白明は少し驚いたように相槌をうつ。

「えっと...」
話題、話題.....あっ!そうだ...

「白明って何の仕事してるの?」
涼玖さんと蒼天さんの話をしてる時に気になったけど、聞きそびれた事だった。

「急だね。」
「んー。仕事かぁ~」
白明の表情が少し曇る。
もしかして、変なこと聞いちゃったかな...

「ちょっと気になって」
「でも、言いにくいことだったら無理にとは...」

「違う違う!言いたくないとかじゃなくてね」
「私仕事してないから、」

「え?」
「そうなの?」

「うん。」

あれ....?じゃあどうやって生活しているんだろう。 

「あっ!もしかして学生とか?」
でも白明が学校に通ってるところ全然想像つかないな。

「ふふっ」
「学生じゃないよ。」

「私そんなに若くみえる?」

「うーん。若くも見えるし、大人にも見えるって感じ。」
「分からなくなってきた。」
「え、白明って何歳?」

「えっとあれ?」
「そういえば何歳だろう?」

もしかして....
「自分の歳、分からないの?」

「本当だね」
「言われてみれば。」
本当だねって....
「じゃあ楓は?何歳?」

「僕は18だけど...」

「そうなんだ!じゃあ私もそれぐらいかな!」
「うん。たぶん!」

「白明」
「そういう事ではないと思う。」
白明は僕と同い年には見えないし。
「あっ!白明、誕生日とか分からない?」

「えっとね、」
「誕生日はないんだ、」

「えっ...」
「そうなの?」
白明かなり訳ありっぽい。
なんて言葉をかければいいか分からなくなってしまった。

「うん。」
「楓には言っておいた方がいいね。私の事。」
「聞いてくれる?」

白明の言葉に僕はこくりと頷く。
なんだろう。さっきまで冗談言っていたのに、急に空気が重くなったような。

すると白明は少し間を空けて、、
「......」
「私人間じゃないの」

「.......」
「へ?」
...えっ??
訳ありのレベルが違う。

一瞬嘘を言われてるかと思って、「嘘ついてる?」って聞こうとしたけどその言葉が僕の口から出る事はなかった。

白明の表情が今までで一番不安そうで真剣だったから。僕とさっきから目を合わしてないし。

「受け入れてくれる...?」
そう言って白明は表情に影を落とした。
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