乙女ゲームの住人達はヒロインが居ないときが一番楽しい

つくね

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もし、ヒロインが隠しキャラ(隣国王子)を攻略しようとしたら…

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「どうだ?」

「…攻略対象に接触なし。これでほぼ確定だな、ヒロインやつの狙いは………。」

「あぁ、アルバート様の周辺に警戒!」

「「「「「了解っ!」」」」」



ヒロインがこの世界に来てから一週間、とうとうノーマル攻略対象者とのイベント接触はなかった。こうなると狙いは隠しキャラの隣国王子、アルバート殿下と想像に難くない。

モブの男子諸君はいきり立つ、だが…






ヒ「あの……この学園には、確か隣国の王子様が留学されてるはず…」

王「っ!コイツをすぐひっとらえろっ!」

騎「はっ!」

すぐさま、ヒロインは拘束された。

ヒ「っあの!これはどういうことですか!?」

魔「それはこちらが聞きたいねぇ、隣国の王子の留学は極秘情報なんだけど?何で君がそれを知ってるのかなぁ。」


各対象者の攻略が済むまで、隣国王子の留学のことはごく一部のものしか知らないはず。それを知っているということはつまりスパイを意味するのだ。


「そんなっ!私はスパイなんかじゃありません!」



ホントにスパイじゃないんだけど、そんなことはどうでもいい乙女ゲームの面々。こうして、ヒロインは早々に成仏して逝った。






「いや~、毎回こうだと早くていいよな~。」

「そうだね~、でも初日から誰かに聞いてもらえればもっと早かったのにね~。」

「あー、そんなヒロインも過去にいたねぇ、最短記録保持者。」

「あはは、なつかし~。」


あはははははは。





今回は一週間と、第二位の記録を叩き出したヒロインのおかげで、モブの皆さま含むゲームの住人達は実にご機嫌であった。


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