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第12話 査定額は凄かった
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換金所に入ると、リーダーはまず掃魔集会で獲れた素材を換金した。
そしてそれが終わると……俺の番がやってきた。
「この人が、先週話したシャドウオーガを倒した奴だ。今日は俺が勧めた通りソロ活動をしてたってことなんで、素材を査定してやってくれ」
リーダーはそう言って、店の人に俺のことを紹介した。
「君が噂の北野君か。早速、今日獲れた素材を見せてくれ」
店の人はそう言って、ドロップ素材を入れる籠を俺の目の前に置いた。
籠の中に、アイテムボックスに収納していたドロップ素材を全て取り出して入れる。
入れ終わると、俺は店の人に「これで全部です」と告げ、査定を開始してもらった。
「どれどれ……」
店の人はドロップ素材を一つ一つ手に取り、眺めまわしていった。
「これは○万円だな……」
店の人はそう呟きつつ、ドロップ素材の価値を見極めて査定表の項目を埋めていった。
その調子で、全ての素材が査定されていくかと思われた。
が……4つ目の素材を手に取ったところで、店の人は目を丸くしたまま動かなくなってしまった。
「な……何だこの素材はぁぁぁ!」
4つ目の素材を片手に……店の人は椅子からガタリと立ち上がってしまったのだ。
「は、ハヌマーンの素材……しかもお前、これをソロで狩って来ただと!?」
「いいから査定を続けろ。北野君にとってはこれが普通なんだ」
店の人は思いっきり困惑しながら俺に質問したが、それにはリーダーが面白がるような口調でそう答えた。
ビビるから、そんな鬼気迫る表情しないでくれ店の人よ……。
などと思っていると、店の人は尚も困惑しつつも、査定に戻った。
そうして……スレイプニルの素材の時も同じようなことがありながらも。
ようやく、全ての素材の査定が終了した。
「今回の素材だが……暫定で500万円で買い取ろう」
そして……提示されたのは、耳を疑うような金額だった。
「ご、500万円ですか!?」
「ああ。内訳を説明するとだな……まず、ハヌマーンとスレイプニル以外の素材で計100万円。ハヌマーンとスレイプニルに関しては今すぐ正確な値段を決められないのでな、とりあえず現段階では150万と250万を支払う事に決めた。ハヌマーンとスレイプニルに関しては、売値次第では後日買取り金額を上乗せすることになるかもしれない。払い戻せと言うことはないから安心してくれ」
驚いていると……金額は更に膨れ上がる可能性があるということまで聞かされてしまった。
なんか一周回って実感無いな。
それにしても、リーダーやナビ役の人のアドバイスを素直に聞いたのは大正解だったな。
そんなことを思いつつ、俺は人生で初めて触る分厚さの札束を手に取るのだった。
しかし……なんでこんな高額で素材の買取りがなされるんだ?
少し冷静さを取り戻したところで、俺はそんな疑問が浮かんだので……ついでに聞いてみることにした。
「あの……モンスターのドロップ素材って、なんで高く売れるんですか? どこに需要があるんでしょうか……」
聞いてみると、店の人は気前よくこう答えてくれた。
「買い取るのは、主に錬金術スキルを持つ人だな。錬金術スキルで素材をモンスターから身を守れるアイテムやアーティファクトに加工して、より高値で売るんだとさ」
「なるほど……」
「俺は錬金術スキルは持ってないが、代わりに『素材査定術』という、素材を見ればどんなアーティファクトの材料になるかが分かるスキルは持っている。それを利用して、俺は素材にどれくらいの値がつくか判断してるのさ。ちなみにだが……この『スポーンロックの素材』なんだがな。アーティファクトの材料になるのは確かなんだが、完成するアーティファクトの効果が不明で値がつかないから返品させてくれ」
そして、スポーンロックからのドロップ素材は返品されてしまった。
……なるほどな。
モンスターからのドロップ素材が売れるのには、そういうカラクリがあったのか。
その話を聞いて……俺は、こんな風に思い始めていた。
俺も確か、錬金術のスキル一個持ってたよな。
ドロップ素材を自分でアーティファクトにしちゃえば、加工費分更に儲かるんじゃないか……?
今度の週末は、それを確かめてみるとするか。
そしてそれが終わると……俺の番がやってきた。
「この人が、先週話したシャドウオーガを倒した奴だ。今日は俺が勧めた通りソロ活動をしてたってことなんで、素材を査定してやってくれ」
リーダーはそう言って、店の人に俺のことを紹介した。
「君が噂の北野君か。早速、今日獲れた素材を見せてくれ」
店の人はそう言って、ドロップ素材を入れる籠を俺の目の前に置いた。
籠の中に、アイテムボックスに収納していたドロップ素材を全て取り出して入れる。
入れ終わると、俺は店の人に「これで全部です」と告げ、査定を開始してもらった。
「どれどれ……」
店の人はドロップ素材を一つ一つ手に取り、眺めまわしていった。
「これは○万円だな……」
店の人はそう呟きつつ、ドロップ素材の価値を見極めて査定表の項目を埋めていった。
その調子で、全ての素材が査定されていくかと思われた。
が……4つ目の素材を手に取ったところで、店の人は目を丸くしたまま動かなくなってしまった。
「な……何だこの素材はぁぁぁ!」
4つ目の素材を片手に……店の人は椅子からガタリと立ち上がってしまったのだ。
「は、ハヌマーンの素材……しかもお前、これをソロで狩って来ただと!?」
「いいから査定を続けろ。北野君にとってはこれが普通なんだ」
店の人は思いっきり困惑しながら俺に質問したが、それにはリーダーが面白がるような口調でそう答えた。
ビビるから、そんな鬼気迫る表情しないでくれ店の人よ……。
などと思っていると、店の人は尚も困惑しつつも、査定に戻った。
そうして……スレイプニルの素材の時も同じようなことがありながらも。
ようやく、全ての素材の査定が終了した。
「今回の素材だが……暫定で500万円で買い取ろう」
そして……提示されたのは、耳を疑うような金額だった。
「ご、500万円ですか!?」
「ああ。内訳を説明するとだな……まず、ハヌマーンとスレイプニル以外の素材で計100万円。ハヌマーンとスレイプニルに関しては今すぐ正確な値段を決められないのでな、とりあえず現段階では150万と250万を支払う事に決めた。ハヌマーンとスレイプニルに関しては、売値次第では後日買取り金額を上乗せすることになるかもしれない。払い戻せと言うことはないから安心してくれ」
驚いていると……金額は更に膨れ上がる可能性があるということまで聞かされてしまった。
なんか一周回って実感無いな。
それにしても、リーダーやナビ役の人のアドバイスを素直に聞いたのは大正解だったな。
そんなことを思いつつ、俺は人生で初めて触る分厚さの札束を手に取るのだった。
しかし……なんでこんな高額で素材の買取りがなされるんだ?
少し冷静さを取り戻したところで、俺はそんな疑問が浮かんだので……ついでに聞いてみることにした。
「あの……モンスターのドロップ素材って、なんで高く売れるんですか? どこに需要があるんでしょうか……」
聞いてみると、店の人は気前よくこう答えてくれた。
「買い取るのは、主に錬金術スキルを持つ人だな。錬金術スキルで素材をモンスターから身を守れるアイテムやアーティファクトに加工して、より高値で売るんだとさ」
「なるほど……」
「俺は錬金術スキルは持ってないが、代わりに『素材査定術』という、素材を見ればどんなアーティファクトの材料になるかが分かるスキルは持っている。それを利用して、俺は素材にどれくらいの値がつくか判断してるのさ。ちなみにだが……この『スポーンロックの素材』なんだがな。アーティファクトの材料になるのは確かなんだが、完成するアーティファクトの効果が不明で値がつかないから返品させてくれ」
そして、スポーンロックからのドロップ素材は返品されてしまった。
……なるほどな。
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その話を聞いて……俺は、こんな風に思い始めていた。
俺も確か、錬金術のスキル一個持ってたよな。
ドロップ素材を自分でアーティファクトにしちゃえば、加工費分更に儲かるんじゃないか……?
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