10 / 24
第10話 付与術師、剣に付与して戦う
しおりを挟む
結局、あの後俺はさして街を散策することはできなかった。
凄すぎる貰い物をして、それどころな気分じゃなかったからだ。
屋敷を出た俺は宿に直行し、部屋でゆっくりとしていた。
そして食堂が開くと、俺は早めの夕食を取ってすぐに寝たのだった。
そして、次の日。
冒険者ギルドに行くと……受付嬢の一人が俺に気づき、俺がカウンターに来るよう手招きしてきた。
「ロイルさん、ボアヴァルカンの査定結果出ました! 買い取り金額はこちら、四十万ジャーチになります」
そう言って受付嬢は、用意していた金貨の山をカウンターに置いた。
「ありがとうございます」
「ほんともう、こんな強力な魔物を倒せるなら、もっと高いランクの依頼受けましょうよ……」
カウンターの金貨を袋に詰めていると、受付嬢はそう口にした。
そうは言っても……これを倒せたのは、状況が味方したのもあってのことだしな。
ボアヴァルカン級の魔物真っ向勝負で挑んで、確実に勝てるかというと怪しいところなんだよな……。
などと考えていると、受付嬢がこう続けた。
「同じ採取系依頼を受けるにしても、せめてDランクのマジヤ草採取の方にしませんか? キリア草にくらべ採取場所に魔物が発生しやすい事からDランクの依頼となってますが、遭遇しうる魔物の強さはボアヴァルカンの足元にも及びません。慎重に行きたい考えは理解できますが、それを踏まえてもこれくらいがちょうどいいかと」
それを聞いて……俺は、確かにそれはいい案だと思った。
戦闘経験ゼロだからと言って、一生を薬草採取で終えるのはそれはそれで論外だからな。
機会を見て、いずれは討伐系の依頼も受けていこうとは考えていたのだ。
そこへきて、昨日のクラウソラスの一件だ。
魔物と戦うことを視野に入れて冒険するタイミングとしては、最適と言えるだろう。
「そうですね。じゃあ、それ受けます」
そう言って俺は一旦カウンターを離れ、依頼掲示板から「マジヤ草採取」の依頼書を剥がし、カウンターに戻ってきた。
「かしこまりました」
受付嬢はそう言って、依頼受注の処理を進めた。
「いってらっしゃいませ」
受付嬢に見送られ、俺はギルドを後にした。
それじゃあ、依頼達成に必要なものをいくつか買い揃えたら、早速マジヤ草が採れる西の森林に行くとするか。
◇
ギルドを出た俺はまず雑貨屋に寄り、タオルと針金を購入した。
そしてそれから、俺は西の森林に直行した。
西の森林に向かいながら、俺は早速クラウソラスにいくつかの付与を施した。
とりあえず今回付与したのは、『風刃』『電離』『追尾』『対全属性ダメージ上昇』の4つ。
剣の扱いに関しては完全に素人なので、適当に剣を空振りしても飛ぶ追尾式斬撃が魔物に命中するようにと考え、この組み合わせにしたのだ。
まだまだ付与できる枠は有り余っているのだが、さしあたりはこんなもんでいいだろう。
森林に足を踏み入れると、俺は買ってきた針金を直角に折り曲げ、それに『モンスターダウジング』という付与をかけた。
これは、一定の距離内に魔物が近づいてくるとその方向を指し示してくれる優れものだ。
五感で気配を探るのと違い、ダウジングは欺けないので、これで魔物に不意打ちされる心配はない。
採取中は地面にでも突き刺しておいて、反応が無いか頻繁にチェックするとしよう。
『モンスターダウジング』を付与した針金をかざしながら歩くこと約二十分。
ちょうど目当ての場所が見え始め、さあ採取を始めようというタイミングになって……今日初めて『モンスターダウジング』に反応があった。
反応はあまり強くない。受付嬢の言う通り、倒すのはさして難しくないだろう。
『モンスターダウジング』が示した方向を向いて剣を構え……俺は魔物が姿を現すのを待った。
しばらくして、ガサゴソと茂みを揺らす音が聞こえたかと思うと……魔物が姿を現した。
出てきたのは、何の変哲もないただのウルフだった。
「はっ!」
俺は剣を上段に構えなおし、まっすぐ振り下ろした。
すると、プラズマと化した風の刃が射出され、一直線にウルフに向かって飛んでいった。
ウルフはぎりぎり躱そうとしたが、それに合わせて飛ぶ斬撃の軌道もカクンと折れ曲がったため、飛ぶ斬撃はウルフにモロに命中した。
そしてその一撃で、ウルフはあっけなく絶命した。
……流石にウルフが相手だとこんなもんか。
そう思いつつ、俺はウルフの死体を魔法袋に収納し、今度こそ薬草採取を始めることにした。
買ってきたタオルに『絶対防毒』を付与し、それを顔に巻く。
そして俺は、マジヤ草の群生地に足を踏み入れた。
基本的にマジヤ草は、森林中に点々と生えているが……それとは別に、一か所に固まって群生している箇所もある。
だがそういう群生地には、マジア草に混じって「マイアズマタケ」という毒キノコが決まって生えているのだ。
マイアズマタケは強烈な毒ガスをまき散らすキノコで、そんなものが生えている場所でマジヤ草採取をしていたら、一分と経たずに意識不明の昏睡状態になってしまう。
だから、普通は群生地を避け、点々と生えているのを収穫するのが一般的だ。
だが……マイアズマタケの対策ができるのであれば、群生地で採るに越したことはない。
だから俺はタオルを買ってきて、この方法を取ることにしたのだ。
どんな強力な毒ガスも、『絶対防毒』の前では無力。
俺は何の影響も受けることなく、マジヤ草の収穫を進めていった。
「ふう……やっと終わったか」
そうして、群生地のマジヤ草を収穫し終わると。
結構疲れたし、量としてもある程度確保できたので、俺は街に戻ろうと決めた。
地面に突き立てていた『モンスターダウジング』付き針金を引っこ抜いて回収する。
だがその時……不意に、『モンスターダウジング』に強烈な反応が入った。
「この反応は……マズいかもしれない」
『モンスターダウジング』の反応の様子を見て、俺は思わずそう零した。
おそらく、この場所には普通出てこないイレギュラーな魔物が出現したのだろう。
その反応は、こっちに向かっている魔物がボアヴァルカン……いや、ひょっとしたらそれ以上の力を持っている事を示していた。
さて、どうするか。
逃げるのはおそらく間に合わないだろうし、得策ではないな。
何とか工夫して倒すしかないか。
とりあえず、俺は魔法袋に入れていたウルフを取り出し、地面に置いた。
「『旨味倍増』『捕食者衰弱』付与」
このウルフは囮にしよう。敵がウルフを食べている間に、有効な特定属性超ダメ—ジ効果を付与するのだ。
ついでに魔物が弱ってくれればありがたい。
そんな思いから、俺は魔物が餌に一目散にかぶりつくようになる『旨味倍増』という効果と、食べた魔物を弱らせる『捕食者衰弱』という効果をウルフに付与した。
『モンスターダウジング』が示したのと反対方向に十数歩離れ、数秒待つ。
すると、顔だけで宿一部屋分くらいはあるであろう巨大な蛇が姿を現した。
あれは……ギガントパイソンか。
確か土属性なので、クラウソラスには『対土属性超ダメージ』を付与しよう。
そんなことを考えていると……ギガントパイソンは俺には目もくれず、ウルフを一口で丸呑みにした。
凄すぎる貰い物をして、それどころな気分じゃなかったからだ。
屋敷を出た俺は宿に直行し、部屋でゆっくりとしていた。
そして食堂が開くと、俺は早めの夕食を取ってすぐに寝たのだった。
そして、次の日。
冒険者ギルドに行くと……受付嬢の一人が俺に気づき、俺がカウンターに来るよう手招きしてきた。
「ロイルさん、ボアヴァルカンの査定結果出ました! 買い取り金額はこちら、四十万ジャーチになります」
そう言って受付嬢は、用意していた金貨の山をカウンターに置いた。
「ありがとうございます」
「ほんともう、こんな強力な魔物を倒せるなら、もっと高いランクの依頼受けましょうよ……」
カウンターの金貨を袋に詰めていると、受付嬢はそう口にした。
そうは言っても……これを倒せたのは、状況が味方したのもあってのことだしな。
ボアヴァルカン級の魔物真っ向勝負で挑んで、確実に勝てるかというと怪しいところなんだよな……。
などと考えていると、受付嬢がこう続けた。
「同じ採取系依頼を受けるにしても、せめてDランクのマジヤ草採取の方にしませんか? キリア草にくらべ採取場所に魔物が発生しやすい事からDランクの依頼となってますが、遭遇しうる魔物の強さはボアヴァルカンの足元にも及びません。慎重に行きたい考えは理解できますが、それを踏まえてもこれくらいがちょうどいいかと」
それを聞いて……俺は、確かにそれはいい案だと思った。
戦闘経験ゼロだからと言って、一生を薬草採取で終えるのはそれはそれで論外だからな。
機会を見て、いずれは討伐系の依頼も受けていこうとは考えていたのだ。
そこへきて、昨日のクラウソラスの一件だ。
魔物と戦うことを視野に入れて冒険するタイミングとしては、最適と言えるだろう。
「そうですね。じゃあ、それ受けます」
そう言って俺は一旦カウンターを離れ、依頼掲示板から「マジヤ草採取」の依頼書を剥がし、カウンターに戻ってきた。
「かしこまりました」
受付嬢はそう言って、依頼受注の処理を進めた。
「いってらっしゃいませ」
受付嬢に見送られ、俺はギルドを後にした。
それじゃあ、依頼達成に必要なものをいくつか買い揃えたら、早速マジヤ草が採れる西の森林に行くとするか。
◇
ギルドを出た俺はまず雑貨屋に寄り、タオルと針金を購入した。
そしてそれから、俺は西の森林に直行した。
西の森林に向かいながら、俺は早速クラウソラスにいくつかの付与を施した。
とりあえず今回付与したのは、『風刃』『電離』『追尾』『対全属性ダメージ上昇』の4つ。
剣の扱いに関しては完全に素人なので、適当に剣を空振りしても飛ぶ追尾式斬撃が魔物に命中するようにと考え、この組み合わせにしたのだ。
まだまだ付与できる枠は有り余っているのだが、さしあたりはこんなもんでいいだろう。
森林に足を踏み入れると、俺は買ってきた針金を直角に折り曲げ、それに『モンスターダウジング』という付与をかけた。
これは、一定の距離内に魔物が近づいてくるとその方向を指し示してくれる優れものだ。
五感で気配を探るのと違い、ダウジングは欺けないので、これで魔物に不意打ちされる心配はない。
採取中は地面にでも突き刺しておいて、反応が無いか頻繁にチェックするとしよう。
『モンスターダウジング』を付与した針金をかざしながら歩くこと約二十分。
ちょうど目当ての場所が見え始め、さあ採取を始めようというタイミングになって……今日初めて『モンスターダウジング』に反応があった。
反応はあまり強くない。受付嬢の言う通り、倒すのはさして難しくないだろう。
『モンスターダウジング』が示した方向を向いて剣を構え……俺は魔物が姿を現すのを待った。
しばらくして、ガサゴソと茂みを揺らす音が聞こえたかと思うと……魔物が姿を現した。
出てきたのは、何の変哲もないただのウルフだった。
「はっ!」
俺は剣を上段に構えなおし、まっすぐ振り下ろした。
すると、プラズマと化した風の刃が射出され、一直線にウルフに向かって飛んでいった。
ウルフはぎりぎり躱そうとしたが、それに合わせて飛ぶ斬撃の軌道もカクンと折れ曲がったため、飛ぶ斬撃はウルフにモロに命中した。
そしてその一撃で、ウルフはあっけなく絶命した。
……流石にウルフが相手だとこんなもんか。
そう思いつつ、俺はウルフの死体を魔法袋に収納し、今度こそ薬草採取を始めることにした。
買ってきたタオルに『絶対防毒』を付与し、それを顔に巻く。
そして俺は、マジヤ草の群生地に足を踏み入れた。
基本的にマジヤ草は、森林中に点々と生えているが……それとは別に、一か所に固まって群生している箇所もある。
だがそういう群生地には、マジア草に混じって「マイアズマタケ」という毒キノコが決まって生えているのだ。
マイアズマタケは強烈な毒ガスをまき散らすキノコで、そんなものが生えている場所でマジヤ草採取をしていたら、一分と経たずに意識不明の昏睡状態になってしまう。
だから、普通は群生地を避け、点々と生えているのを収穫するのが一般的だ。
だが……マイアズマタケの対策ができるのであれば、群生地で採るに越したことはない。
だから俺はタオルを買ってきて、この方法を取ることにしたのだ。
どんな強力な毒ガスも、『絶対防毒』の前では無力。
俺は何の影響も受けることなく、マジヤ草の収穫を進めていった。
「ふう……やっと終わったか」
そうして、群生地のマジヤ草を収穫し終わると。
結構疲れたし、量としてもある程度確保できたので、俺は街に戻ろうと決めた。
地面に突き立てていた『モンスターダウジング』付き針金を引っこ抜いて回収する。
だがその時……不意に、『モンスターダウジング』に強烈な反応が入った。
「この反応は……マズいかもしれない」
『モンスターダウジング』の反応の様子を見て、俺は思わずそう零した。
おそらく、この場所には普通出てこないイレギュラーな魔物が出現したのだろう。
その反応は、こっちに向かっている魔物がボアヴァルカン……いや、ひょっとしたらそれ以上の力を持っている事を示していた。
さて、どうするか。
逃げるのはおそらく間に合わないだろうし、得策ではないな。
何とか工夫して倒すしかないか。
とりあえず、俺は魔法袋に入れていたウルフを取り出し、地面に置いた。
「『旨味倍増』『捕食者衰弱』付与」
このウルフは囮にしよう。敵がウルフを食べている間に、有効な特定属性超ダメ—ジ効果を付与するのだ。
ついでに魔物が弱ってくれればありがたい。
そんな思いから、俺は魔物が餌に一目散にかぶりつくようになる『旨味倍増』という効果と、食べた魔物を弱らせる『捕食者衰弱』という効果をウルフに付与した。
『モンスターダウジング』が示したのと反対方向に十数歩離れ、数秒待つ。
すると、顔だけで宿一部屋分くらいはあるであろう巨大な蛇が姿を現した。
あれは……ギガントパイソンか。
確か土属性なので、クラウソラスには『対土属性超ダメージ』を付与しよう。
そんなことを考えていると……ギガントパイソンは俺には目もくれず、ウルフを一口で丸呑みにした。
32
お気に入りに追加
3,313
あなたにおすすめの小説

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結

無能扱いされた実は万能な武器職人、Sランクパーティーに招かれる~理不尽な理由でパーティーから追い出されましたが、恵まれた新天地で頑張ります~
詩葉 豊庸(旧名:堅茹でパスタ)
ファンタジー
鍛冶職人が武器を作り、提供する……なんてことはもう古い時代。
現代のパーティーには武具生成を役目とするクリエイターという存在があった。
アレンはそんなクリエイターの一人であり、彼もまたとある零細パーティーに属していた。
しかしアレンはパーティーリーダーのテリーに理不尽なまでの要望を突きつけられる日常を送っていた。
本当は彼の適性に合った武器を提供していたというのに……
そんな中、アレンの元に二人の少女が歩み寄ってくる。アレンは少女たちにパーティーへのスカウトを受けることになるが、後にその二人がとんでもない存在だったということを知る。
後日、アレンはテリーの裁量でパーティーから追い出されてしまう。
だが彼はクビを宣告されても何とも思わなかった。
むしろ、彼にとってはこの上なく嬉しいことだった。
これは万能クリエイター(本人は自覚無し)が最高の仲間たちと紡ぐ冒険の物語である。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?
名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」
「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」
「それは貴様が無能だからだ!」
「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」
「黙れ、とっととここから消えるがいい!」
それは突然の出来事だった。
SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。
そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。
「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」
「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」
「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」
ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。
その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。
「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

その無能、実は世界最強の魔法使い 〜無能と蔑まれ、貴族家から追い出されたが、ギフト《転生者》が覚醒して前世の能力が蘇った〜
蒼乃白兎
ファンタジー
15歳になると、人々は女神様からギフトを授かる。
しかし、アルマはギフトを何も授かることは出来ず、実家の伯爵家から無能と蔑まれ、追い出されてしまう。
だが実はアルマはギフトを授からなかった訳では無かった。
アルマは既にギフト《転生者》を所持していたのだ──。
実家から追い出された直後にギフト《転生者》が発動し、アルマは前世の能力を取り戻す。
その能力はあまりにも大きく、アルマは一瞬にして世界最強の魔法使いになってしまった。
なにせアルマはギフト《転生者》の能力を最大限に発揮するために、一度目の人生を全て魔法の探究に捧げていたのだから。
無能と蔑まれた男の大逆転が今、始まる。
アルマは前世で極めた魔法を利用し、実家を超える大貴族へと成り上がっていくのだった。

魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
富士とまと
ファンタジー
一緒に異世界に召喚された従妹は魔力が高く、私は魔力がゼロだそうだ。
「私は聖女になるかも、姉さんバイバイ」とイケメンを侍らせた従妹に手を振られ、私は王都を追放された。
魔力はないけれど、霊感は日本にいたころから強かったんだよね。そのおかげで「英霊」だとか「精霊」だとかに盲愛されています。
――いや、あの、精霊の指輪とかいらないんですけど、は、外れない?!
――ってか、イケメン幽霊が号泣って、私が悪いの?
私を追放した王都の人たちが困っている?従妹が大変な目にあってる?魔力ゼロを低級民と馬鹿にしてきた人たちが助けを求めているようですが……。
今更、魔力ゼロの人間にしか作れない特級魔力回復薬が欲しいとか言われてもね、こちらはあなたたちから何も欲しいわけじゃないのですけど。
重複投稿ですが、改稿してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる