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第9話 付与術師、無限に付与可能な剣を手に入れる
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◇(ロイル視点に戻ります)
「串焼き一本ください」
「あいよ。五百ジャーチだ」
「はい、これで」
「まいどあり!」
昼下がり。
昼食を食べてから、俺はしばらく街をぶらついていたのだが……少し小腹が空いてきたので、俺は目についた屋台で串焼きを買って食べることにした。
「む……美味い」
一口齧って……思わず俺は、そう零してしまった。
流石看板にでかでかと「当店自慢の秘伝のタレ!」と書かれていただけあって、タレの甘辛具合は未だかつて食べたことがないくらいに絶妙だ。
そして肉自体も、噛めば噛むほど肉汁がとろけ出てくるジューシーな食感だった。
この組み合わせで、満足しないはずがない。
幸せな気分で、何度も肉を口に運んでいるうちに……気づけば肉はなくなって、串はただの木の棒になり果てていた。
肉といえば、今ごろ俺が買い取りに出したボアヴァルカンが解体されていっているんだろうな。
ボアヴァルカンの肉も、いずれは市場に回ってあの屋台とかで串焼きになるんだろうか?
……青い肉なんて、食欲が湧く気が全くしないのだが。
流石に火を通せば茶色くなるのだろうか。
そうでなくても、あのタレが塗られていれば色は気にならない可能性が無きにしもあらずだが……。
などとどうでもいい事を考えつつ、路地を抜けて大通りに出ると。
目の前に、圧倒的なサイズの大豪邸が姿を現した。
……なんだあれ。貴族の屋敷か?
マイゼリアの領主様は、ここに住んでいるのだろうか——。
そんな予測を立てていると、門が開き、屋敷から二人の人が出てきた。
そしてその二人が誰だか分かった時……俺は今日一番、驚くことになるのだった。
「あ、あれロイルさんでは?」
二人のうち小柄な方が俺に気づき、俺を指しつつそう口にする。
そう。なんとこの二人……マリーさんとナナさんだったのだ。
いくら命を救われたとはいえ、その場で五十万ジャーチを払えるのは太っ腹だなとは思っていたが……まさか、このレベルとは。
呆然としていると、二人はてくてくと歩いてこちらにやってきて……俺の目の前で、深々と一礼した。
「ロイルさんとここで出会えるなんて。ちょうど良かったです」
「えっと……あの、マリーさん、ここに住んでらっしゃったのですか?」
「はい、実は! ……ところで、今時間空いてますか?」
「ええ。今日の仕事は終えて、街を散策してただけですので」
「では、是非ウチに上がってきてください。お礼の件ですが……父も、直々にお会いしたいと言っておりますので」
そんな会話を経て、俺は屋敷の中へと案内された。
廊下を抜けて、どんどん奥へと進んでいく。
そして……マリーさんは「ここです」と言って、俺を応接間らしき部屋に入れた。
メイドさんが出してくれたお茶を飲みつつ、俺たち三人で応接間の中で待つ。
そうしていると、立派な髭を生やした、簡素だが高級そうな生地の服を着た男が中に入ってきた。
「君が……我が娘を救ってくれた、ロイルというものかね?」
この男こそ、マリーさんの父親のようだった。
「はい。付与術師のロイルと申します」
「そうか。まずは何より、ありがとう。私はマリーの父、グスタフ=マイゼリアだ。よろしく」
そして同時に……苗字から察するに、やはりこの男は領主様のようだった。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
そう言いつつ、俺は軽く一礼した。
「さて……前置きが長くなってもアレなのでな、早速本題に入ろうと思う。娘を救ってくれたお礼に褒美をと考えているのだが……何か欲しいものはないか?」
「そうですね……」
そう言われ、俺は少し悩む素振りを見せた。
「既に五十万ジャーチ頂いているのでもう大丈夫ですよ」と言おうかとも考えたが……向こうにも貴族としての面子とかあるだろうし、逆に失礼にあたるかもしれないと思ったのでやめておいた。
かと言って、ここで言う「欲しいもの」の最適解がすぐに思いつくはずもなく。
俺はとりあえず、グスタフ様の次の言葉を待つことにした。
「ふむ、特にこれといった希望はない、か。ところで……ロイル、君は確か、冒険者をやっているんだよな?」
そうしていると、グスタフ様はそう続けた。
「ええ、まあ」
「なるほど。ならば……おい。あの剣を持ってこい」
職業を答えると……グスタフ様はそう言って、外で待機していたメイドに目配せをした。
その言葉を聞いて、マリーさんとナナさんは、ギョッとしたような表情を浮かべた。
な……何なんだ、その反応は?
一体どんな剣が来るというのだ?
若干ヒヤヒヤしつつ、メイドさんが帰ってくるのを待つ。
メイドさんが剣を持ってくると……グスタフ様は「ご苦労」と言って剣を受け取り、机の上に置いた。
「これは我が家の宝物庫に眠っておった『宝剣クラウソラス』なのだが……いかがかな?」
その剣を一目見て……俺にはその真価が、はっきりと分かった。
この剣……付与できる効果の個数に、限界が無いぞ。
限界が無いといっても、今すぐに何百個も付与をかけれるという訳ではないのだが……然るべき手順を踏めば、際限なく付与で剣を強化することができる。
まさに、俺にうってつけの剣だ。
本当にこれを貰えるのなら、感謝してもしきれないレベルのものだが……
「本当にこれ、頂いてしまってよろしいのですか? このクラスになると、家財の中でも最高級品にあたりそうですが……」
一応俺は、そう聞いてみた。
出したからには、俺に本気でくれるつもりではあるのだろうが……だからといって、全く躊躇せずに貰えるような代物ではないのだ。
「構わんよ。高級な剣とはいえ、娘の命に比べたら安いもんだ。気に入ったなら、持っていきなさい」
そう言ってグスタフ様は、俺に剣を手渡した。
……ちょっと人助けをしただけのつもりが、どえらい物を手に入れてしまったな。
これ、夢じゃないだろうか……いてっ、ほっぺに爪痕が。
何度も丁寧にお礼をした後、俺は大事に剣を持って屋敷を後にしたのだった。
「串焼き一本ください」
「あいよ。五百ジャーチだ」
「はい、これで」
「まいどあり!」
昼下がり。
昼食を食べてから、俺はしばらく街をぶらついていたのだが……少し小腹が空いてきたので、俺は目についた屋台で串焼きを買って食べることにした。
「む……美味い」
一口齧って……思わず俺は、そう零してしまった。
流石看板にでかでかと「当店自慢の秘伝のタレ!」と書かれていただけあって、タレの甘辛具合は未だかつて食べたことがないくらいに絶妙だ。
そして肉自体も、噛めば噛むほど肉汁がとろけ出てくるジューシーな食感だった。
この組み合わせで、満足しないはずがない。
幸せな気分で、何度も肉を口に運んでいるうちに……気づけば肉はなくなって、串はただの木の棒になり果てていた。
肉といえば、今ごろ俺が買い取りに出したボアヴァルカンが解体されていっているんだろうな。
ボアヴァルカンの肉も、いずれは市場に回ってあの屋台とかで串焼きになるんだろうか?
……青い肉なんて、食欲が湧く気が全くしないのだが。
流石に火を通せば茶色くなるのだろうか。
そうでなくても、あのタレが塗られていれば色は気にならない可能性が無きにしもあらずだが……。
などとどうでもいい事を考えつつ、路地を抜けて大通りに出ると。
目の前に、圧倒的なサイズの大豪邸が姿を現した。
……なんだあれ。貴族の屋敷か?
マイゼリアの領主様は、ここに住んでいるのだろうか——。
そんな予測を立てていると、門が開き、屋敷から二人の人が出てきた。
そしてその二人が誰だか分かった時……俺は今日一番、驚くことになるのだった。
「あ、あれロイルさんでは?」
二人のうち小柄な方が俺に気づき、俺を指しつつそう口にする。
そう。なんとこの二人……マリーさんとナナさんだったのだ。
いくら命を救われたとはいえ、その場で五十万ジャーチを払えるのは太っ腹だなとは思っていたが……まさか、このレベルとは。
呆然としていると、二人はてくてくと歩いてこちらにやってきて……俺の目の前で、深々と一礼した。
「ロイルさんとここで出会えるなんて。ちょうど良かったです」
「えっと……あの、マリーさん、ここに住んでらっしゃったのですか?」
「はい、実は! ……ところで、今時間空いてますか?」
「ええ。今日の仕事は終えて、街を散策してただけですので」
「では、是非ウチに上がってきてください。お礼の件ですが……父も、直々にお会いしたいと言っておりますので」
そんな会話を経て、俺は屋敷の中へと案内された。
廊下を抜けて、どんどん奥へと進んでいく。
そして……マリーさんは「ここです」と言って、俺を応接間らしき部屋に入れた。
メイドさんが出してくれたお茶を飲みつつ、俺たち三人で応接間の中で待つ。
そうしていると、立派な髭を生やした、簡素だが高級そうな生地の服を着た男が中に入ってきた。
「君が……我が娘を救ってくれた、ロイルというものかね?」
この男こそ、マリーさんの父親のようだった。
「はい。付与術師のロイルと申します」
「そうか。まずは何より、ありがとう。私はマリーの父、グスタフ=マイゼリアだ。よろしく」
そして同時に……苗字から察するに、やはりこの男は領主様のようだった。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
そう言いつつ、俺は軽く一礼した。
「さて……前置きが長くなってもアレなのでな、早速本題に入ろうと思う。娘を救ってくれたお礼に褒美をと考えているのだが……何か欲しいものはないか?」
「そうですね……」
そう言われ、俺は少し悩む素振りを見せた。
「既に五十万ジャーチ頂いているのでもう大丈夫ですよ」と言おうかとも考えたが……向こうにも貴族としての面子とかあるだろうし、逆に失礼にあたるかもしれないと思ったのでやめておいた。
かと言って、ここで言う「欲しいもの」の最適解がすぐに思いつくはずもなく。
俺はとりあえず、グスタフ様の次の言葉を待つことにした。
「ふむ、特にこれといった希望はない、か。ところで……ロイル、君は確か、冒険者をやっているんだよな?」
そうしていると、グスタフ様はそう続けた。
「ええ、まあ」
「なるほど。ならば……おい。あの剣を持ってこい」
職業を答えると……グスタフ様はそう言って、外で待機していたメイドに目配せをした。
その言葉を聞いて、マリーさんとナナさんは、ギョッとしたような表情を浮かべた。
な……何なんだ、その反応は?
一体どんな剣が来るというのだ?
若干ヒヤヒヤしつつ、メイドさんが帰ってくるのを待つ。
メイドさんが剣を持ってくると……グスタフ様は「ご苦労」と言って剣を受け取り、机の上に置いた。
「これは我が家の宝物庫に眠っておった『宝剣クラウソラス』なのだが……いかがかな?」
その剣を一目見て……俺にはその真価が、はっきりと分かった。
この剣……付与できる効果の個数に、限界が無いぞ。
限界が無いといっても、今すぐに何百個も付与をかけれるという訳ではないのだが……然るべき手順を踏めば、際限なく付与で剣を強化することができる。
まさに、俺にうってつけの剣だ。
本当にこれを貰えるのなら、感謝してもしきれないレベルのものだが……
「本当にこれ、頂いてしまってよろしいのですか? このクラスになると、家財の中でも最高級品にあたりそうですが……」
一応俺は、そう聞いてみた。
出したからには、俺に本気でくれるつもりではあるのだろうが……だからといって、全く躊躇せずに貰えるような代物ではないのだ。
「構わんよ。高級な剣とはいえ、娘の命に比べたら安いもんだ。気に入ったなら、持っていきなさい」
そう言ってグスタフ様は、俺に剣を手渡した。
……ちょっと人助けをしただけのつもりが、どえらい物を手に入れてしまったな。
これ、夢じゃないだろうか……いてっ、ほっぺに爪痕が。
何度も丁寧にお礼をした後、俺は大事に剣を持って屋敷を後にしたのだった。
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