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第6話 初めてソロで依頼を受けた
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貸出所を出ると、まず俺は宿を探した。
五分も歩かないうちにリーズナブルな宿を見つけられたので、俺は当面そこに宿泊しようと決めた。
価格は食事なしだと一泊六千ジャーチ、食事込みだと一泊八千ジャーチ。
本当は、今日は素泊まりにする予定だったが……思わぬ臨時収入があったので、せっかくならと食事込みで一週間分前払いして泊まることにした。
宿の食堂で夕食を取り終えると、部屋に向かう。
部屋に入ると、俺はベッドに『安眠』という付与をかけ、そのままベッドにダイブして眠りに落ちた。
◇
次の日。
朝の支度を済ませ、朝食を食べ終えると……早速俺は、この街の冒険者ギルドに向かった。
あんな目に遭った後だしな。
パーティーを組む気には到底なれないので、俺はこの街ではソロ冒険者として活動しようと思っている。
というわけで、依頼掲示板の前にやってくると、俺は自分一人で達成できそうな依頼を探すことにした。
俺が目をつけたのは、Fランクの薬草採取の依頼。
俺は今まで付与術一筋で生きてきて、昨日の一件を除けば戦闘経験がゼロなので、まずは戦わなくていい依頼からやってみようと考えたのである。
『キリア草の採取依頼 Fランク』と書かれた依頼書を剥がし、受付に持っていく。
「この依頼を受注します」
カウンターに依頼書を置き、俺はそう言った。
「分かりました。ギルドカードをお見せください」
受付嬢にそう指示されたので、自分のギルドカードを提示する。
すると……受付嬢は、何か変なものでも見たかのようにギルドカードと依頼書を二度見した。
「あの……これFランクの依頼ですけど、本当にこれにするんですか?」
受付嬢は、不思議そうにそう聞いてきた。
俺の現在の冒険者ランクは、Cランク。
適性ランクより三つも下の依頼を持ってきたから、俺が依頼書を間違えて取ってきたと勘違いされてしまったのだろう。
「はい。今まで付与術専門だったんですけど、今日からソロ活動することになったので」
俺は受付嬢に、そう事情を説明した。
Cランクといっても、これは【インセインスレイヤー】としての功績が溜まって自動的にランクが上がっただけのものだからな。
俺に普通のCランク並みの戦闘技術があるかと言えば、答えは明白だ。
受付嬢も、今の言葉でそれを察したようで……「あ、すいません」と言って、受注手続きを進めだした。
「キリア草は、東の平原にて採取することができます。東の平原は素人でも倒せるような魔物しか出ないので、安心して採取に励んでください。ただし、あそこにはキリア草によく似たドクキリア草という毒草も生えているので、間違えないよう気を付けてくださいね」
受付嬢はそう言って、俺のギルドカードを返してくれた。
「ありがとうございます」
そう言って俺は受付嬢からカードを受け取り、ギルドを後にした。
向かう先は、東の平原か。
毒草に注意ということなら……採取の方法は、アレで決まりだな。
俺は採取のプランを立てつつ、街中の標識に従い東の平原を目指した。
◇
何十分か歩いて、俺は東の平原に到着した。
東の平原は、ところどころに木がポツンポツンと生えている以外何もない、だだっ広い草原だった。
キリア草って確か、木陰に群生する傾向にある薬草だったよな。
そう思い、近くに生えている木に近づいてみると……確かに、そこには依頼書に描かれているのとよく似た草がたくさん生えていた。
……これで間違いないな、作戦開始だ。
俺はまず、近くに落ちていた木の棒を一本拾い……それに『風刃』という効果を付与した。
『風刃』を付与した木の棒を、地面スレスレで一薙ぎする。
すると……風の刃が発生し、群生していた草は一気に茎の部分から宙に舞った。
これで、キリア草含め大量の草が一気に刈り取られた。
大量にとは言っても、見た目には一種類の草しか生えてなかったので、刈り取ったのは殆どがキリア草かドクキリア草だろうが。
俺は今度は木の棒から『風刃』の付与を外すと、代わりに『毒磁石』という付与をかけた。
『毒磁石』を付与した木の棒を、刈った草の山にかざすと……一部の草が、次々と木の棒にくっついてきた。
これが、ドクキリア草の方だな。
草が大量にくっついた木の棒を手に、数歩移動し……俺はそこで『毒磁石』を解除し、ドクキリア草を地面に置いた。
その作業を繰り返すこと数回。
もはや、『毒磁石』を付与した木の棒を元の草の山にかざしても全く草がついてこなくなったところで……俺はこの作業をやめることにした。
これで元の草の山にある草は、全てキリア草ということになる。
選り分けられたキリア草をかき集めると、俺はそれらを全て魔法袋に収納した。
この魔法袋、ボアヴァルカンを収納しているせいで容量がカツカツだったんだが……昨日一旦『亜空間拡張』の付与を外して再度付与し直すと、ちょっとだけ容量に空きができたんだよな。
おそらく、魔法袋を作った当時より付与術の腕が上がっていたため、同じ付与でもそんな結果になったのだろう。
だから俺は今、キリア草をこの袋に収納することができたのだ。
……というかボアヴァルカンの死体、ギルドで売ってくればよかったな。
この依頼を終えて帰ったら、今度こそ買い取りに出すとしよう。
そんなことを考えながら、俺は今度は『毒磁石』についてきた草の山に向かい、その草を手に取った。
これは採取対象ではないドクキリア草の方だが……だからと言って、捨てるのはもったいない。
「『遺伝子組み換え』付与」
俺はドクキリア草にそんな付与をかけ、その遺伝子情報を操作した。
ドクキリア草とキリア草は、遺伝子の配列がとても良く似ている。
だから、この付与でちょっとだけ手を加えてやれば、ドクキリア草はキリア草になるのだ。
どういう原理かは知らないが、ドクキリア草は遺伝子配列が変わってキリア草になった瞬間毒が消え、薬効を持つようになる。
これをギルドに持っていき、薬師に調合してもらえば……出来上がる薬は、普通のキリア草を用いたものと全く同じ効果を持つポーションになるだろう。
この方法を用いれば、通常より手っ取り早く、たくさんのキリア草を収穫することができる。
他の木の近くも巡って、ある程度の量のキリア草を確保したら、街に帰還することとしよう。
五分も歩かないうちにリーズナブルな宿を見つけられたので、俺は当面そこに宿泊しようと決めた。
価格は食事なしだと一泊六千ジャーチ、食事込みだと一泊八千ジャーチ。
本当は、今日は素泊まりにする予定だったが……思わぬ臨時収入があったので、せっかくならと食事込みで一週間分前払いして泊まることにした。
宿の食堂で夕食を取り終えると、部屋に向かう。
部屋に入ると、俺はベッドに『安眠』という付与をかけ、そのままベッドにダイブして眠りに落ちた。
◇
次の日。
朝の支度を済ませ、朝食を食べ終えると……早速俺は、この街の冒険者ギルドに向かった。
あんな目に遭った後だしな。
パーティーを組む気には到底なれないので、俺はこの街ではソロ冒険者として活動しようと思っている。
というわけで、依頼掲示板の前にやってくると、俺は自分一人で達成できそうな依頼を探すことにした。
俺が目をつけたのは、Fランクの薬草採取の依頼。
俺は今まで付与術一筋で生きてきて、昨日の一件を除けば戦闘経験がゼロなので、まずは戦わなくていい依頼からやってみようと考えたのである。
『キリア草の採取依頼 Fランク』と書かれた依頼書を剥がし、受付に持っていく。
「この依頼を受注します」
カウンターに依頼書を置き、俺はそう言った。
「分かりました。ギルドカードをお見せください」
受付嬢にそう指示されたので、自分のギルドカードを提示する。
すると……受付嬢は、何か変なものでも見たかのようにギルドカードと依頼書を二度見した。
「あの……これFランクの依頼ですけど、本当にこれにするんですか?」
受付嬢は、不思議そうにそう聞いてきた。
俺の現在の冒険者ランクは、Cランク。
適性ランクより三つも下の依頼を持ってきたから、俺が依頼書を間違えて取ってきたと勘違いされてしまったのだろう。
「はい。今まで付与術専門だったんですけど、今日からソロ活動することになったので」
俺は受付嬢に、そう事情を説明した。
Cランクといっても、これは【インセインスレイヤー】としての功績が溜まって自動的にランクが上がっただけのものだからな。
俺に普通のCランク並みの戦闘技術があるかと言えば、答えは明白だ。
受付嬢も、今の言葉でそれを察したようで……「あ、すいません」と言って、受注手続きを進めだした。
「キリア草は、東の平原にて採取することができます。東の平原は素人でも倒せるような魔物しか出ないので、安心して採取に励んでください。ただし、あそこにはキリア草によく似たドクキリア草という毒草も生えているので、間違えないよう気を付けてくださいね」
受付嬢はそう言って、俺のギルドカードを返してくれた。
「ありがとうございます」
そう言って俺は受付嬢からカードを受け取り、ギルドを後にした。
向かう先は、東の平原か。
毒草に注意ということなら……採取の方法は、アレで決まりだな。
俺は採取のプランを立てつつ、街中の標識に従い東の平原を目指した。
◇
何十分か歩いて、俺は東の平原に到着した。
東の平原は、ところどころに木がポツンポツンと生えている以外何もない、だだっ広い草原だった。
キリア草って確か、木陰に群生する傾向にある薬草だったよな。
そう思い、近くに生えている木に近づいてみると……確かに、そこには依頼書に描かれているのとよく似た草がたくさん生えていた。
……これで間違いないな、作戦開始だ。
俺はまず、近くに落ちていた木の棒を一本拾い……それに『風刃』という効果を付与した。
『風刃』を付与した木の棒を、地面スレスレで一薙ぎする。
すると……風の刃が発生し、群生していた草は一気に茎の部分から宙に舞った。
これで、キリア草含め大量の草が一気に刈り取られた。
大量にとは言っても、見た目には一種類の草しか生えてなかったので、刈り取ったのは殆どがキリア草かドクキリア草だろうが。
俺は今度は木の棒から『風刃』の付与を外すと、代わりに『毒磁石』という付与をかけた。
『毒磁石』を付与した木の棒を、刈った草の山にかざすと……一部の草が、次々と木の棒にくっついてきた。
これが、ドクキリア草の方だな。
草が大量にくっついた木の棒を手に、数歩移動し……俺はそこで『毒磁石』を解除し、ドクキリア草を地面に置いた。
その作業を繰り返すこと数回。
もはや、『毒磁石』を付与した木の棒を元の草の山にかざしても全く草がついてこなくなったところで……俺はこの作業をやめることにした。
これで元の草の山にある草は、全てキリア草ということになる。
選り分けられたキリア草をかき集めると、俺はそれらを全て魔法袋に収納した。
この魔法袋、ボアヴァルカンを収納しているせいで容量がカツカツだったんだが……昨日一旦『亜空間拡張』の付与を外して再度付与し直すと、ちょっとだけ容量に空きができたんだよな。
おそらく、魔法袋を作った当時より付与術の腕が上がっていたため、同じ付与でもそんな結果になったのだろう。
だから俺は今、キリア草をこの袋に収納することができたのだ。
……というかボアヴァルカンの死体、ギルドで売ってくればよかったな。
この依頼を終えて帰ったら、今度こそ買い取りに出すとしよう。
そんなことを考えながら、俺は今度は『毒磁石』についてきた草の山に向かい、その草を手に取った。
これは採取対象ではないドクキリア草の方だが……だからと言って、捨てるのはもったいない。
「『遺伝子組み換え』付与」
俺はドクキリア草にそんな付与をかけ、その遺伝子情報を操作した。
ドクキリア草とキリア草は、遺伝子の配列がとても良く似ている。
だから、この付与でちょっとだけ手を加えてやれば、ドクキリア草はキリア草になるのだ。
どういう原理かは知らないが、ドクキリア草は遺伝子配列が変わってキリア草になった瞬間毒が消え、薬効を持つようになる。
これをギルドに持っていき、薬師に調合してもらえば……出来上がる薬は、普通のキリア草を用いたものと全く同じ効果を持つポーションになるだろう。
この方法を用いれば、通常より手っ取り早く、たくさんのキリア草を収穫することができる。
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