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第5話 付与術師、馬車の代金を返却される
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そして……ようやく俺たちは、街に到着した。
俺たちが到着したのは、マイゼリアという名前の街。
王都より規模感は小さいものの、活気のありそうな街だった。
街に入る時、門番には馬車の後ろを馬がついて走る光景についてさんざん質問されそうになったが……マリーさんが顔を出し「通してあげなさい」と言うと、途端に表情を変えてすんなりと通してくれた。
車内ではどうでもいい話で盛り上がっていたので、マリーさんの素性を聞くのは完全に忘れていたのだが……もしかして、かなり権力を持っている人なのだろうか。
疑問には思ったが、ありがたいという思いが先行したので、結局深くは聞かなかった。
マリーさん一行はここが目的地だったらしく、門を過ぎると、俺は彼女らと別れることになった。
「この度は本当にお世話になりました。お礼の印として、まずはこちらをお受け取りください」
マリーさんはそう言って、俺にずっしりと重さのある袋を渡した。
中身を見ると……そこに入っていたのは、金貨の山。
おそらく五十万ジャーチ相当は有るであろう大金を、俺は受け取ってしまった。
「こんなにいいんですか?」
「もちろんです。今は手持ちが少ないので、このくらいしか渡せませんが……後日改めて、正式なお礼をしたいと思っています」
しかもマリーさんは、今後更に多くのお礼の品を俺に渡すつもりのようだった。
マリーさんは、こう続けた。
「ですから……もしロイルさんさえ良かったら、数日この街に滞在してはもらえないでしょうか? その間に、急ぎお礼の場を設けようと思いますので」
それに対し、俺はこう答えた。
「問題ないですよ。俺、しばらくはここを拠点に冒険者活動をしようと思いますので」
別に、俺には決まった行くあてがあったわけじゃあない。
王都や前線都市でさえなければ、活動拠点にする街はどこでも構わないのだ。
来ようと思って来たわけではないものの、ここマイゼリアは雰囲気も良さそうで、住みやすそうな街だとは思っている。
そこにそんな理由も加わるなら……この街を拠点にしない理由は、どこにもない。
というわけで、俺はマリーさんの問いにそう返答した。
「助かります! では後日、またお会いしましょう!」
マリーさんはそう言って、ナナさんと馬と共に路地に消えていった。
命を助けたことを思えば、決して高くはないのだろうが……思わぬ大金を手に入れてしまったな。
そんなことを思いつつ、俺はまず馬車を返却しに、この街の馬車貸出所を目指すことにした。
◇
しばらく馬車を徐行運転させていると……「馬車貸出所 マイゼリア支部」という看板がかかった建物が見つかった。
建物入り口前に馬車を停め、受付に向かう。
「すみません。馬車の返却に来ました」
「分かりました。車庫の管理人に案内させますので、少々お待ちください」
受付嬢にそう言われ、しばらく待っていると……奥の部屋から男が一人出てきて、俺はその人に案内してもらうことになった。
「私がここの車庫管理人のマリュウだ。馬車は……外か?」
「はい。すぐそこにつけてます」
車庫に向かうため、マリュウと名乗る男と共に貸出所を出る。
マリュウさんは俺の馬車を目にすると……男は訝しげな表情をして、俺にこう聞いてきた。
「あの……馬はどこへ?」
マリュウさんは、馬車に馬が繋がれていないことを疑問に思ったようだった。
「借りてませんよ」
そう言って、俺は王都の貸出所で受け取っていた領収書を見せた。
領収書には、王都の貸出所で押してもらった印が付いている。
これを見せれば……俺が馬を失くしたのを隠そうとしていると誤解されることはないだろう。
「……む、これは本部の領収印だな。ということは、本当に馬を借りていないのか。……って、じゃあどうやってここまで来たんだ!?」
マリュウさんは一瞬納得しかけたが……次の瞬間表情を変え、目を白黒させながらそう聞いてきた。
「念じれば動く付与をかけて走らせてきたんですよ。一応私、付与術を心得ておりますので」
そう返事しつつ、俺は王都で見せたように手放しで馬車を前後させた。
「な、なんじゃこりゃ……」
マリュウさんは絶句して、その場で固まってしまった。
「試しに車庫まで乗っていきますか?」
「お、おう……」
呆然としたままのマリュウさんを馬車に乗せ、馬車を徐行させる。
マリュウさんが示す方向に運転していって、俺たちは車庫の前に到着した。
「付与術でこんなことができてしまうなんて、アンタ一体何者なんだ……」
馬車を降りると、マリュウさんは開口一番そう呟いた。
「ただの付与術師ですよ」
「こんなことができる男が、ただの付与術師の訳ないだろ……」
本当にただの付与術師になってしまったんだがな。
まあそんなことを言ってもしょうがないので、俺はさっさと納入を済ませてもらうことにした。
「ちなみに……この馬車、お前が念じないと動かないのか?」
車庫の鍵を開けながら、マリュウさんはそんな事を聞いてきた。
「そうですね。『念動運転』は、付与した本人だけが馬車を動かせる仕様ですので……」
「そうか……」
答えると、マリュウさんは若干残念そうな顔をした。
その表情は、「誰でも動かせたら馬車の商品価値が上がったのに」とでも言いたげだった。
……商品価値といえば、この馬車、ボアヴァルカンとの衝突でどこか傷んでるかもしれないんだよな。
今は正常に動いているとはいえ、このまま黙って返却するのもアレだし……何かしらの付与をして、せめてものケアをしておくか。
「良かったら、何かこの馬車に有用な付与かけておきましょうか?」
そんな風に、提案をしてみる。
「……いいのかい? アンタの付与なら大歓迎だよ」
すると、マリュウさんの表情はさっきとは打って変わって明るくなった。
「……では。『念動運転』解除、『構造強化』『反重力』付与」
俺は馬車に手を当て、『念動運転』の代わりに二つの付与を施した。
『構造強化』は文字通り、馬車の耐久性を上げる付与。
これをかけておけば、ボアヴァルカンとの衝突を考慮しても、耐用年数は差し引きプラスになるだろう。
そして『反重力』は、馬車そしてその内部に入れたものの重量を軽減する付与効果。
これがあれば、馬の負担は大幅に軽減される。
「付与が終わりました、ちょっと押してみてください」
「……軽っ!」
マリュウさんが馬車を押すと、大した力を入れずとも馬車はスーッと動いた。
馬車を車庫内の定位置まで移動させたマリュウさんは、驚いた顔でこちらに向かってきた。
「今回は、馬車の耐久性を上げる付与と馬車を軽くする付与をかけておきました。より少ない馬の頭数で引けるようになっているので、馬一頭分価格を上げるなり自由にやってください」
「あ、ありがてえ!」
付与効果を説明すると、マリュウさんは満面の笑みで喜んでくれた。
「最後にちょっと点検するから、それが終わるまで貸出所で待っててくれ」
そしてマリュウさんはそう言いつつ、馬車を点検しに車庫に戻っていった。
ナナさんの剣の時もそうだったが、自分の付与を他人に喜んでもらえるのはやはり良いもんだな。
そんなことを考えつつ、俺は貸出所に戻って待つことにした。
◇
十分ほどして、俺は再び受付に呼ばれた。
点検の結果、特に問題はなかったようで、俺はそのまま帰っていいことになった。
内部の部品が故障しかけていたりしないかと心配だったが、杞憂だったようだな。
そう安心して帰ろうとした時……俺は受付嬢に呼び止められた。
「あの……十万ジャーチ、還元します」
受付嬢はそう言って、俺に金貨数枚を手渡した。
「……なぜです?」
「管理人から、なんか馬車に物凄い付与をしてくださったと聞いたもので。お礼に、今回の利用のお代は頂かないことにしたのです」
なんと……弁償費用が発生するどころか、キャッシュバックが発生していたのだ。
「……本当ですか? ありがとうございます」
俺は一礼して、十万ジャーチを受け取った。
まさか、こんなことになるとはな。
「いえいえ。またのご来店、お待ちしております」
そう笑顔で手を振ってくれる受付嬢に見送られつつ、俺は貸出所を後にしたのだった。
俺たちが到着したのは、マイゼリアという名前の街。
王都より規模感は小さいものの、活気のありそうな街だった。
街に入る時、門番には馬車の後ろを馬がついて走る光景についてさんざん質問されそうになったが……マリーさんが顔を出し「通してあげなさい」と言うと、途端に表情を変えてすんなりと通してくれた。
車内ではどうでもいい話で盛り上がっていたので、マリーさんの素性を聞くのは完全に忘れていたのだが……もしかして、かなり権力を持っている人なのだろうか。
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「この度は本当にお世話になりました。お礼の印として、まずはこちらをお受け取りください」
マリーさんはそう言って、俺にずっしりと重さのある袋を渡した。
中身を見ると……そこに入っていたのは、金貨の山。
おそらく五十万ジャーチ相当は有るであろう大金を、俺は受け取ってしまった。
「こんなにいいんですか?」
「もちろんです。今は手持ちが少ないので、このくらいしか渡せませんが……後日改めて、正式なお礼をしたいと思っています」
しかもマリーさんは、今後更に多くのお礼の品を俺に渡すつもりのようだった。
マリーさんは、こう続けた。
「ですから……もしロイルさんさえ良かったら、数日この街に滞在してはもらえないでしょうか? その間に、急ぎお礼の場を設けようと思いますので」
それに対し、俺はこう答えた。
「問題ないですよ。俺、しばらくはここを拠点に冒険者活動をしようと思いますので」
別に、俺には決まった行くあてがあったわけじゃあない。
王都や前線都市でさえなければ、活動拠点にする街はどこでも構わないのだ。
来ようと思って来たわけではないものの、ここマイゼリアは雰囲気も良さそうで、住みやすそうな街だとは思っている。
そこにそんな理由も加わるなら……この街を拠点にしない理由は、どこにもない。
というわけで、俺はマリーさんの問いにそう返答した。
「助かります! では後日、またお会いしましょう!」
マリーさんはそう言って、ナナさんと馬と共に路地に消えていった。
命を助けたことを思えば、決して高くはないのだろうが……思わぬ大金を手に入れてしまったな。
そんなことを思いつつ、俺はまず馬車を返却しに、この街の馬車貸出所を目指すことにした。
◇
しばらく馬車を徐行運転させていると……「馬車貸出所 マイゼリア支部」という看板がかかった建物が見つかった。
建物入り口前に馬車を停め、受付に向かう。
「すみません。馬車の返却に来ました」
「分かりました。車庫の管理人に案内させますので、少々お待ちください」
受付嬢にそう言われ、しばらく待っていると……奥の部屋から男が一人出てきて、俺はその人に案内してもらうことになった。
「私がここの車庫管理人のマリュウだ。馬車は……外か?」
「はい。すぐそこにつけてます」
車庫に向かうため、マリュウと名乗る男と共に貸出所を出る。
マリュウさんは俺の馬車を目にすると……男は訝しげな表情をして、俺にこう聞いてきた。
「あの……馬はどこへ?」
マリュウさんは、馬車に馬が繋がれていないことを疑問に思ったようだった。
「借りてませんよ」
そう言って、俺は王都の貸出所で受け取っていた領収書を見せた。
領収書には、王都の貸出所で押してもらった印が付いている。
これを見せれば……俺が馬を失くしたのを隠そうとしていると誤解されることはないだろう。
「……む、これは本部の領収印だな。ということは、本当に馬を借りていないのか。……って、じゃあどうやってここまで来たんだ!?」
マリュウさんは一瞬納得しかけたが……次の瞬間表情を変え、目を白黒させながらそう聞いてきた。
「念じれば動く付与をかけて走らせてきたんですよ。一応私、付与術を心得ておりますので」
そう返事しつつ、俺は王都で見せたように手放しで馬車を前後させた。
「な、なんじゃこりゃ……」
マリュウさんは絶句して、その場で固まってしまった。
「試しに車庫まで乗っていきますか?」
「お、おう……」
呆然としたままのマリュウさんを馬車に乗せ、馬車を徐行させる。
マリュウさんが示す方向に運転していって、俺たちは車庫の前に到着した。
「付与術でこんなことができてしまうなんて、アンタ一体何者なんだ……」
馬車を降りると、マリュウさんは開口一番そう呟いた。
「ただの付与術師ですよ」
「こんなことができる男が、ただの付与術師の訳ないだろ……」
本当にただの付与術師になってしまったんだがな。
まあそんなことを言ってもしょうがないので、俺はさっさと納入を済ませてもらうことにした。
「ちなみに……この馬車、お前が念じないと動かないのか?」
車庫の鍵を開けながら、マリュウさんはそんな事を聞いてきた。
「そうですね。『念動運転』は、付与した本人だけが馬車を動かせる仕様ですので……」
「そうか……」
答えると、マリュウさんは若干残念そうな顔をした。
その表情は、「誰でも動かせたら馬車の商品価値が上がったのに」とでも言いたげだった。
……商品価値といえば、この馬車、ボアヴァルカンとの衝突でどこか傷んでるかもしれないんだよな。
今は正常に動いているとはいえ、このまま黙って返却するのもアレだし……何かしらの付与をして、せめてものケアをしておくか。
「良かったら、何かこの馬車に有用な付与かけておきましょうか?」
そんな風に、提案をしてみる。
「……いいのかい? アンタの付与なら大歓迎だよ」
すると、マリュウさんの表情はさっきとは打って変わって明るくなった。
「……では。『念動運転』解除、『構造強化』『反重力』付与」
俺は馬車に手を当て、『念動運転』の代わりに二つの付与を施した。
『構造強化』は文字通り、馬車の耐久性を上げる付与。
これをかけておけば、ボアヴァルカンとの衝突を考慮しても、耐用年数は差し引きプラスになるだろう。
そして『反重力』は、馬車そしてその内部に入れたものの重量を軽減する付与効果。
これがあれば、馬の負担は大幅に軽減される。
「付与が終わりました、ちょっと押してみてください」
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馬車を車庫内の定位置まで移動させたマリュウさんは、驚いた顔でこちらに向かってきた。
「今回は、馬車の耐久性を上げる付与と馬車を軽くする付与をかけておきました。より少ない馬の頭数で引けるようになっているので、馬一頭分価格を上げるなり自由にやってください」
「あ、ありがてえ!」
付与効果を説明すると、マリュウさんは満面の笑みで喜んでくれた。
「最後にちょっと点検するから、それが終わるまで貸出所で待っててくれ」
そしてマリュウさんはそう言いつつ、馬車を点検しに車庫に戻っていった。
ナナさんの剣の時もそうだったが、自分の付与を他人に喜んでもらえるのはやはり良いもんだな。
そんなことを考えつつ、俺は貸出所に戻って待つことにした。
◇
十分ほどして、俺は再び受付に呼ばれた。
点検の結果、特に問題はなかったようで、俺はそのまま帰っていいことになった。
内部の部品が故障しかけていたりしないかと心配だったが、杞憂だったようだな。
そう安心して帰ろうとした時……俺は受付嬢に呼び止められた。
「あの……十万ジャーチ、還元します」
受付嬢はそう言って、俺に金貨数枚を手渡した。
「……なぜです?」
「管理人から、なんか馬車に物凄い付与をしてくださったと聞いたもので。お礼に、今回の利用のお代は頂かないことにしたのです」
なんと……弁償費用が発生するどころか、キャッシュバックが発生していたのだ。
「……本当ですか? ありがとうございます」
俺は一礼して、十万ジャーチを受け取った。
まさか、こんなことになるとはな。
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