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エピローグ
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あれから12年の月日が流れた。
「川井菜抽子、出ろ」
あの日私は生き延びていた──、
私に下された判決は13年の禁固刑。
そして今日は私の仮釈放の日だ。
あの日、落下した先には警察によってエアーマットが敷かれていた為、私は死ぬ事が出来なかった。
「もう戻ってくるんじゃないぞ」
そう言われ、看守さんにペコリと頭を下げると再び歩き出す。
私は僅かなお金を握りしめ、通りに出てすぐにタクシーを捕まえた。
私はとても急いでいた。
この日をどれだけ待ち望んだ事か──、
1度は自殺した身でありながら、何故のうのうと今日まで生きていたかと言うと、それには理由があった。
私には、無様に生きてでも会いたい人がいるからだ。
タクシーを降りて一目散に目的地を目指す。そしてその人物を見つけると、足早に駆け寄り声をかけた。
「今まで待たせてごめんね、瑠二」
そう──、この目の前に居る男こそが私が12年をかけてでも会いたかった人だ。
刑期中は何度も面会に来てくれていたので、会うのはそれ程久しぶりでもない。が、実際に触れる事、これから一緒に生活できるという嬉しさから涙が零れた。
「待ちくたびれたよ。お帰りなさい。お母さん」
私は、かつて愛した瑠二君にそっくりの、若い瑠二君を抱きしめた。そして耳元でこう囁いた。
「ごめんね。もう絶対に離さないからね」
終わり。
ドキドキしていただけたなら短編で【理想の友達】という本格的なホラーも掲載しております。そちらの方も宜しくお願いします。
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