5 / 24
胃袋を掴むとは
しおりを挟む
■■■■
次の日の朝。
私は例の如く早起きをしてお弁当を作っていた。
空いた隙間に真っ赤なタコさんウインナーを載せ、最後に市販の型抜きキットを使って文字を乗せていく。
『だいすき♡』
「これでよしっと。──えぇ!? もうこんな時間!? いけない、ついつい夢中になりすぎちゃったわ!」
慌ててお弁当を包み、化粧台の前に座り込む。今日は久しぶりに瑠二君と会うのだ。当然お化粧にも気合を入れなければならない。
今日の化粧ノリは最高だ。ナチュラルを意識しつつも、自分のポテンシャルを最大限に引き出した最高の出来。
服は少し落ち着きのあるロングスカートを選んだ。今日はお弁当を渡す、気遣い上手なお姉さんなのだ。エロは要らない。上は白のブラウスで行こう。清潔感が大切だから。
よし! 今日も私は可愛いんだ。きっと上手くいく。大丈夫! 待ってて瑠二君。今、お弁当を届けに行くからね。
■■■■
家を出て、毎日瑠二君が通る道で待ち伏せをした。
ここは丁度曲がり角になっている所に電柱が立っていて、私はその影に身を潜め、まだかまだかと瑠二君を待った。
──待つ事五分──
遂に瑠二君が現れた。
私は瑠二君が目の前を通り過ぎた瞬間、背後から声をかける。
「待って瑠二君!」
急に呼ばれて驚いたのか、声にもならぬ声を上げ驚いた表情を見せた瑠二君。
もう本当に可愛すぎるわ。このまま家に連れて帰りたいくらい。
「ま。またあなたですか。確か……菜抽子さん、でしたっけ?」
「そう、そうそうそうよ! 私の名前は菜抽子! 覚えてくれたのね! とっても嬉しいわ!」
瑠二君が私の名前を覚えていてくれた! 顔も覚えて、名前まで。これはもう知り合い以上の存在になった事は間違いない!
「……もう俺の前に現れないで下さいって言いましたよね? で、今日は何の用ですか? 愛の告白でもするんなら無駄ですからね」
その言葉に私は俯いた。やはりまだ彼の気持ちはこっちには向いていない。でも、それも今日までの話。このお弁当で──、
私は持っていたお弁当をギュッと握りしめ、勇気を出して彼にお弁当を差し出した。
「今日は違うの。これを渡したくて……あの、私、どうしても瑠二君の力になりたくて」
「え? これは、お弁当ですか? もしかして俺の為にわざわざ作ったんですか?」
コクリと頷くので精一杯だった。瑠二君の前では何故か上手く言葉がでてこなかった。男の人にお弁当を渡す事が初めての事だった、というのも多少はあっただろうか。
「でも、申し訳ないけど受け取れませんよ。知らない人からお弁当だなんて。本当にすみません」
そう言うと瑠二君は深々と頭を下げた。彼のその礼儀正しい姿に誠実さを感じた。が、なぜ?
なぜ受け取ってくれないのだろうか? そんなに私に興味が無いのか?
こんなにもあなたを愛していると言うのに──、
私は感情を抑えるように、キュッと唇を噛み締める。ゴリっと音がし、唾液とは違う液体で口の中が満たされた。更にその赤い液体は口元から溢れ滴り落ちる。
少し、強く噛みすぎたようだ。
「わかったわ。それじゃこれは持ち帰って捨てる事にするわ。こんな無駄な物で時間を浪費させてしまって……ごめんなさいね」
「ちょ、ちょっと、そのお弁当捨てるんですか!? 自分で食べればいいじゃないですか? そして血! 口から血が出てますよ!? だ、大丈夫ですか!? 何やってるんですか!」
慌てふためいた瑠二君は、ポケットに手を入れ何かを探し始めた。
私の事を心配してくれるの? 本当、なんだかんだ優しいのよね。もしかしてツンデレさんなのかしら? それとも私を更にのめり込ませる為の罠なのかしら? 流石ね。それじゃあ私も負けていられないわね。
「もういいの。コレはあなたに食べてもらうために、早起きして一生懸命作ったの。私が食べる物じゃないのよ。帰ってゴミ箱に叩き込んでおくわ。今日が生ゴミの日で本当に助かったわ……」
「ちょ、分かりました、分かりましたよ! 食べます! せっかく作ったんですから俺にそのお弁当を下さい」
──く、食いついてきたァァァァッッ──
「ほ、本当? ちゃんと食べてくれるの?」
「は、はい。食べますから。せっかく作ったのを捨てるだなんて、しちゃだめですよ?」
私はニッコリ笑って、瑠二君の気持ちが変わる前にお弁当を手渡した。そして、大学に向かう彼に手を振り見送った。その姿はまさに、理想の────
彼女ォォッッッ!!!
きた……遂にここまで来たわ。長かったけど、彼の気持ちは確実に私に傾いているはず。これは大きく前進したに違いないわ。
■■■■
私は大学の出口で瑠二を待っていた。お弁当箱を回収するためだ。お弁当を返してもらうのを口実に、また瑠二君と会話が出来ると、気持ちがウキウキしていた。まさに一石二鳥の大作戦。
──そして6時間後──
学校から出てきた瑠二君にを見つけるやいなや、すかさず駆け寄った。
「瑠二く~ん」
「菜抽子さん? もしかして待ってたんですか!?」
「そうよ。お弁当箱返すのに困ると思って。で、お弁当のお味はどうでしたか?旦那様」
「え、えと……まず旦那じゃないと否定しますね。味は良かったですよ。完璧でした。本当に美味しかったです、ご馳走様でした。ただ──、」
「ただ?」
「中を開けたら『あいしてる♡』の文字がめちゃくちゃ恥ずかしかったんですよ! そのせいでどれだけ友達に冷やかされた事か……」
お弁当を受け取りながらそんな会話を楽しんだ。そして、これは大チャンス。私の耳は『美味しかった』を聞き逃しはしなかった。
「いいじゃない、本当の事なんだから。それで、あの……も、もし良かったら私と付き合ってください!」
「ごめんなさい。気持ちは嬉しいんですけど、俺は菜抽子さんとは付き合えません。お弁当ももう無理して作ってくれなくても大丈夫ですから」
その言葉に私は絶句した。瑠二君は確かに美味しかったと言ってくれた。では何故断られたのか?
『胃袋を掴む』とは一体なんだったのか?
都市伝説だとでも言うのか?
はたまた馬鹿な女子の間で流行った、ただの流行語だったのか。
そこまで考えたところで私の頭は真っ白になり、足にも力が入らぬままフラフラと家に帰った。
■■■■
正直本当に自分の足で帰ってきたのかさえ覚えていなかった。気づけば家のベッドでシーツに包まり、いつものようにシクシクと涙を流していた。
それでも暫く泣いたら少しスッキリし気持ちが落ち着いてきた。私の想いは変わっていない。しっかり瑠二君を愛していると確認できた。振られる前より更に──、
ところで瑠二君、お弁当ちゃんと食べてくれたのかな?
私は持ち帰ったお弁当の包を解いて中を確認してみた。もしかしたら胃袋を掴めていなかっただけだったのかも知れない。
──、結果は全て残さず綺麗に食べられていた。
「瑠二君……」
そしてもう一つ気になったのが箸箱だ。私は箸箱から箸を取り出すと、それを自分の口に運びおしゃぶりの様にしゃぶってみた。
瑠二君の味がする……口の傷に染みるわ……
次はどうやって彼の気をひこうか。
瑠二君。必ず私の物にしてあげるからね。もう少しだけ──、
待ってて。
ちゅぱちゅぱちゅぱ……
次の日の朝。
私は例の如く早起きをしてお弁当を作っていた。
空いた隙間に真っ赤なタコさんウインナーを載せ、最後に市販の型抜きキットを使って文字を乗せていく。
『だいすき♡』
「これでよしっと。──えぇ!? もうこんな時間!? いけない、ついつい夢中になりすぎちゃったわ!」
慌ててお弁当を包み、化粧台の前に座り込む。今日は久しぶりに瑠二君と会うのだ。当然お化粧にも気合を入れなければならない。
今日の化粧ノリは最高だ。ナチュラルを意識しつつも、自分のポテンシャルを最大限に引き出した最高の出来。
服は少し落ち着きのあるロングスカートを選んだ。今日はお弁当を渡す、気遣い上手なお姉さんなのだ。エロは要らない。上は白のブラウスで行こう。清潔感が大切だから。
よし! 今日も私は可愛いんだ。きっと上手くいく。大丈夫! 待ってて瑠二君。今、お弁当を届けに行くからね。
■■■■
家を出て、毎日瑠二君が通る道で待ち伏せをした。
ここは丁度曲がり角になっている所に電柱が立っていて、私はその影に身を潜め、まだかまだかと瑠二君を待った。
──待つ事五分──
遂に瑠二君が現れた。
私は瑠二君が目の前を通り過ぎた瞬間、背後から声をかける。
「待って瑠二君!」
急に呼ばれて驚いたのか、声にもならぬ声を上げ驚いた表情を見せた瑠二君。
もう本当に可愛すぎるわ。このまま家に連れて帰りたいくらい。
「ま。またあなたですか。確か……菜抽子さん、でしたっけ?」
「そう、そうそうそうよ! 私の名前は菜抽子! 覚えてくれたのね! とっても嬉しいわ!」
瑠二君が私の名前を覚えていてくれた! 顔も覚えて、名前まで。これはもう知り合い以上の存在になった事は間違いない!
「……もう俺の前に現れないで下さいって言いましたよね? で、今日は何の用ですか? 愛の告白でもするんなら無駄ですからね」
その言葉に私は俯いた。やはりまだ彼の気持ちはこっちには向いていない。でも、それも今日までの話。このお弁当で──、
私は持っていたお弁当をギュッと握りしめ、勇気を出して彼にお弁当を差し出した。
「今日は違うの。これを渡したくて……あの、私、どうしても瑠二君の力になりたくて」
「え? これは、お弁当ですか? もしかして俺の為にわざわざ作ったんですか?」
コクリと頷くので精一杯だった。瑠二君の前では何故か上手く言葉がでてこなかった。男の人にお弁当を渡す事が初めての事だった、というのも多少はあっただろうか。
「でも、申し訳ないけど受け取れませんよ。知らない人からお弁当だなんて。本当にすみません」
そう言うと瑠二君は深々と頭を下げた。彼のその礼儀正しい姿に誠実さを感じた。が、なぜ?
なぜ受け取ってくれないのだろうか? そんなに私に興味が無いのか?
こんなにもあなたを愛していると言うのに──、
私は感情を抑えるように、キュッと唇を噛み締める。ゴリっと音がし、唾液とは違う液体で口の中が満たされた。更にその赤い液体は口元から溢れ滴り落ちる。
少し、強く噛みすぎたようだ。
「わかったわ。それじゃこれは持ち帰って捨てる事にするわ。こんな無駄な物で時間を浪費させてしまって……ごめんなさいね」
「ちょ、ちょっと、そのお弁当捨てるんですか!? 自分で食べればいいじゃないですか? そして血! 口から血が出てますよ!? だ、大丈夫ですか!? 何やってるんですか!」
慌てふためいた瑠二君は、ポケットに手を入れ何かを探し始めた。
私の事を心配してくれるの? 本当、なんだかんだ優しいのよね。もしかしてツンデレさんなのかしら? それとも私を更にのめり込ませる為の罠なのかしら? 流石ね。それじゃあ私も負けていられないわね。
「もういいの。コレはあなたに食べてもらうために、早起きして一生懸命作ったの。私が食べる物じゃないのよ。帰ってゴミ箱に叩き込んでおくわ。今日が生ゴミの日で本当に助かったわ……」
「ちょ、分かりました、分かりましたよ! 食べます! せっかく作ったんですから俺にそのお弁当を下さい」
──く、食いついてきたァァァァッッ──
「ほ、本当? ちゃんと食べてくれるの?」
「は、はい。食べますから。せっかく作ったのを捨てるだなんて、しちゃだめですよ?」
私はニッコリ笑って、瑠二君の気持ちが変わる前にお弁当を手渡した。そして、大学に向かう彼に手を振り見送った。その姿はまさに、理想の────
彼女ォォッッッ!!!
きた……遂にここまで来たわ。長かったけど、彼の気持ちは確実に私に傾いているはず。これは大きく前進したに違いないわ。
■■■■
私は大学の出口で瑠二を待っていた。お弁当箱を回収するためだ。お弁当を返してもらうのを口実に、また瑠二君と会話が出来ると、気持ちがウキウキしていた。まさに一石二鳥の大作戦。
──そして6時間後──
学校から出てきた瑠二君にを見つけるやいなや、すかさず駆け寄った。
「瑠二く~ん」
「菜抽子さん? もしかして待ってたんですか!?」
「そうよ。お弁当箱返すのに困ると思って。で、お弁当のお味はどうでしたか?旦那様」
「え、えと……まず旦那じゃないと否定しますね。味は良かったですよ。完璧でした。本当に美味しかったです、ご馳走様でした。ただ──、」
「ただ?」
「中を開けたら『あいしてる♡』の文字がめちゃくちゃ恥ずかしかったんですよ! そのせいでどれだけ友達に冷やかされた事か……」
お弁当を受け取りながらそんな会話を楽しんだ。そして、これは大チャンス。私の耳は『美味しかった』を聞き逃しはしなかった。
「いいじゃない、本当の事なんだから。それで、あの……も、もし良かったら私と付き合ってください!」
「ごめんなさい。気持ちは嬉しいんですけど、俺は菜抽子さんとは付き合えません。お弁当ももう無理して作ってくれなくても大丈夫ですから」
その言葉に私は絶句した。瑠二君は確かに美味しかったと言ってくれた。では何故断られたのか?
『胃袋を掴む』とは一体なんだったのか?
都市伝説だとでも言うのか?
はたまた馬鹿な女子の間で流行った、ただの流行語だったのか。
そこまで考えたところで私の頭は真っ白になり、足にも力が入らぬままフラフラと家に帰った。
■■■■
正直本当に自分の足で帰ってきたのかさえ覚えていなかった。気づけば家のベッドでシーツに包まり、いつものようにシクシクと涙を流していた。
それでも暫く泣いたら少しスッキリし気持ちが落ち着いてきた。私の想いは変わっていない。しっかり瑠二君を愛していると確認できた。振られる前より更に──、
ところで瑠二君、お弁当ちゃんと食べてくれたのかな?
私は持ち帰ったお弁当の包を解いて中を確認してみた。もしかしたら胃袋を掴めていなかっただけだったのかも知れない。
──、結果は全て残さず綺麗に食べられていた。
「瑠二君……」
そしてもう一つ気になったのが箸箱だ。私は箸箱から箸を取り出すと、それを自分の口に運びおしゃぶりの様にしゃぶってみた。
瑠二君の味がする……口の傷に染みるわ……
次はどうやって彼の気をひこうか。
瑠二君。必ず私の物にしてあげるからね。もう少しだけ──、
待ってて。
ちゅぱちゅぱちゅぱ……
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説


ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
氷の騎士様は実は太陽の騎士様です。
りつ
恋愛
イリスの婚約者は幼馴染のラファエルである。彼と結婚するまで遠い修道院の寄宿学校で過ごしていたが、十八歳になり、王都へ戻って来た彼女は彼と結婚できる事実に胸をときめかせていた。しかし両親はラファエル以外の男性にも目を向けるよう言い出し、イリスは戸惑ってしまう。
王女殿下や王太子殿下とも知り合い、ラファエルが「氷の騎士」と呼ばれていることを知ったイリス。離れている間の知らなかったラファエルのことを令嬢たちの口から聞かされるが、イリスは次第に違和感を抱き始めて……
※他サイトにも掲載しています
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる