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第三章【陰陽師編】
二人一組
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■■■■
九月中旬某日。
夏休みも残すところ後わずかとなったある日。
俺は携帯の着信音で目が覚める。
見れば大吉からの電話だった。
「おー、恭! もちろん行きたいよな?」
大吉特有の誘い文句だ。主語を言わなければさっぱり分からないのだが。
「なんだよ朝っぱらから、いったい何処に行こうってんだよ」
「夏休みの思い出作りに皆で『水族館』行こうぜ? 決まってんだろ」
別に決まってはいないだろ。まぁ、みんなで遊びに行くってのには大賛成で、もちろん答えはイエス。
「流石親友だぜ。今日の十二時に池袋な。じゃーな!」
「今日ぉ!?」
俺の反応を聞くまもなく電話は切られてしまった。
そんなこんなで、俺は直ぐに出かける準備を始めた。その隣では、サタコさんがそわそわチラチラしている。
「…………もしかして行きたいのか?」
「べ、別に私は行きたいだなんて」
腕を後ろで組み、体をブラブラさせながら否定の言葉を述べるサタコさん。実にわかり易い。
「あっそ。お土産はバームクーヘンでいいか?」
「恭おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぁ!!」
泣きながら足にしがみついてくるサタコさん。
「行きたいなら行きたいって言え!」
■■■■
俺達は電車を乗り継ぎ、池袋に初上陸していた。池袋は交通の便が良い街で多くの電車が走る正に大都市だった。
「うわぁ、見ろ恭。人がゴミの様だ」
「その表現恥ずかしいからやめろ」
実際、池袋はめちゃくちゃ人が多い。高層ビルが立ち並び、サラリーマン、若者、年配の方と年齢層の幅も広い。
水族館は駅から歩いて十分程の所にある。俺達は人混みを掻き分け、水族館を目指した。
ビルの中に水族館はあるらしく、ようやく辿り着いたそのビルの前では、華やかな女子メンバーが出迎えてくれた。
シルシルとユキちゃんに、その他。
「いや~ん♡ダーリン、今日の服装とっても素敵ね!」
「お、おう、サクのタンクトップにホットパンツもなかなかいい味出してるぜ……」
なんでいつもコイツらが付いてくんだよ! オマケってのは普通貰って嬉しいもんでしょうが! 全くもって嬉しくないんですけど!
「恭、今日は楽しもう。おっと、ダジャレになってしまったな。オレとした事が」
涼がキラリと白い歯を光らせたが、滑っていることには何ら変わりはない。
なんなんだよコイツら……お荷物はサタコだけでいいんだよ!
そのお荷物のサタコはというと──、
「おい。ユキ、バームクーヘンやるから家来になれ」
バームクーヘンをユキちゃんに差し出し交渉中だ。そして苦笑いのユキちゃん。
そのネタまだ引っ張ってたの!? それ先週のネタだから! 大人には通用しないからやめてくれ。
いくら俺の担当がツッコミだからと言っても、このペースだと水族館に着く前に日が暮れてしまう。
俺は大吉に目配せし、早く進むように促した。
「んじゃ、早速水族館に行こうぜ!!」
俺達は水族館目指してビルの中を突き進む。中は華やかなお店が立ち並び、田舎者の俺にとっては開いた口が塞がらなかった。
その後進み続け、ビルの上層階を目指しエレベーターに乗り、水族館のある階で扉が開いた。
「おお!!」
そこにはビルの中とは思えない程の別世界が広がっていた。
それぞれチケットを買い、お待ちかねの水族館へと向かう。水族館の前まで来ると、お喋りな大吉の口が開いた。
「んじゃ、恒例のペア決めしよーぜ?」
え? 何を仰ってるのですか、大吉さん。そんな事していい事ありましたか? 主に俺が……
「今回はペアで行動してもらう! 皆で楽しい水族館ライフを!!」
今回はペア抽選か。
大当たりはシルシル、ユキちゃん。
ハズレはサタコ、涼、大吉。
大ハズレは勿論サクだろうな。
当然俺の運からいったら大ハズレを引くんだろうが、毎度毎度そうはさせてなる物か。俺はここ数ヶ月で運命に抗う事を俺は覚えたのだ。
頼んだぜ、シルシル!
俺はシルシルに視線を送り目で合図する。しかし──、
全然コッチを見てねぇぇぇ!!
肝心のシルシルが下を向いている。心なしか顔が赤い。暑さと人混みにでもやられたのだろうか。
まずい、非常にまずい……
「今回はあみだくじだ! さぁ! 好きなところを選びたまえ!」
大吉が一枚の紙を広げると、皆それぞれ思い思いの所に印を付けていくと、最後に印がつけられていない所が二つだけ残った。
まだ選んで無いのは俺とシルシルだけだ。
まだチャンスはある──、
深いため息と共にシルシルが印を付け、必然的に残った一枠が俺という事になる。
オープン!!
大吉『A』
ユキ『B』
涼『B』
サタコ『A』
サク『C』
シルシル『C』
俺『D』
──ッD!?
俺、一人だけ……?
大凶はシルシルによって防がれたが、一人って──、それはそれで寂しいんですけど……
そんな俺を見ていたシルシルが胸元から猫を取り出した。
「凶さんにはシーちゃんを貸してあげます。一人じゃ寂しいですよね?」
俺は取り出されたシーを掌で受け止めた。
まだシルシルの温もりのある白い猫。
コイツは今までファンタジーゾーンに居た猫だ。匂いを嗅いでみると、心なしかいい匂いがした。
「ぐっはぁ……」
お腹に衝撃!見れば、シルシルの膝が突き刺さっていた。
「なん……で」
「三秒後にお尻を触られました。それを未然に防いだんです」
「嘘ついてんじゃねぇぇ!!」
「う、嘘じゃありません」
シルシルの前では妄想すら許されないのか。いいじゃん、妄想くらい……男の子だもの。
「んじゃー、ペアも決まった事だし、水族館へレッツゴー!!」
それぞれが続々と水族館の中に入っていく。その光景を見て、改めて組み合わせが酷いと感じる。
『大吉サタコ』は安定の不安。
『シルサク』も本当に不安。
『ユキ涼』限りなく不安。
もしかして俺達が一番まともなペアなんじゃとさえ錯覚してしまう。
「おい恭。あんまり不安がってんじゃねーよ。水族館も楽しめねーようじゃ、男が下がるぜ?」
シーの性格はなかなか男前で、その容姿を除けば、正に頼れるアニキって感じだ。
「こんなに美味そうな『餌』がウジャウジャ居るんだ! 早く品定めしよーぜ、へっへっへっ」
そうでも無かった。
「と、とりあえず俺達も行くか……」
不安しかない水族館見学が、今始まる!!
果たして俺達は無事に帰ってくる事が出来るのだろうか!?
「お客様、ペットの持ち込みはちょっと……」
ですよねぇぇ!?
俺達ペアは、水族館入口で当たり前の様に止められた。
九月中旬某日。
夏休みも残すところ後わずかとなったある日。
俺は携帯の着信音で目が覚める。
見れば大吉からの電話だった。
「おー、恭! もちろん行きたいよな?」
大吉特有の誘い文句だ。主語を言わなければさっぱり分からないのだが。
「なんだよ朝っぱらから、いったい何処に行こうってんだよ」
「夏休みの思い出作りに皆で『水族館』行こうぜ? 決まってんだろ」
別に決まってはいないだろ。まぁ、みんなで遊びに行くってのには大賛成で、もちろん答えはイエス。
「流石親友だぜ。今日の十二時に池袋な。じゃーな!」
「今日ぉ!?」
俺の反応を聞くまもなく電話は切られてしまった。
そんなこんなで、俺は直ぐに出かける準備を始めた。その隣では、サタコさんがそわそわチラチラしている。
「…………もしかして行きたいのか?」
「べ、別に私は行きたいだなんて」
腕を後ろで組み、体をブラブラさせながら否定の言葉を述べるサタコさん。実にわかり易い。
「あっそ。お土産はバームクーヘンでいいか?」
「恭おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぁ!!」
泣きながら足にしがみついてくるサタコさん。
「行きたいなら行きたいって言え!」
■■■■
俺達は電車を乗り継ぎ、池袋に初上陸していた。池袋は交通の便が良い街で多くの電車が走る正に大都市だった。
「うわぁ、見ろ恭。人がゴミの様だ」
「その表現恥ずかしいからやめろ」
実際、池袋はめちゃくちゃ人が多い。高層ビルが立ち並び、サラリーマン、若者、年配の方と年齢層の幅も広い。
水族館は駅から歩いて十分程の所にある。俺達は人混みを掻き分け、水族館を目指した。
ビルの中に水族館はあるらしく、ようやく辿り着いたそのビルの前では、華やかな女子メンバーが出迎えてくれた。
シルシルとユキちゃんに、その他。
「いや~ん♡ダーリン、今日の服装とっても素敵ね!」
「お、おう、サクのタンクトップにホットパンツもなかなかいい味出してるぜ……」
なんでいつもコイツらが付いてくんだよ! オマケってのは普通貰って嬉しいもんでしょうが! 全くもって嬉しくないんですけど!
「恭、今日は楽しもう。おっと、ダジャレになってしまったな。オレとした事が」
涼がキラリと白い歯を光らせたが、滑っていることには何ら変わりはない。
なんなんだよコイツら……お荷物はサタコだけでいいんだよ!
そのお荷物のサタコはというと──、
「おい。ユキ、バームクーヘンやるから家来になれ」
バームクーヘンをユキちゃんに差し出し交渉中だ。そして苦笑いのユキちゃん。
そのネタまだ引っ張ってたの!? それ先週のネタだから! 大人には通用しないからやめてくれ。
いくら俺の担当がツッコミだからと言っても、このペースだと水族館に着く前に日が暮れてしまう。
俺は大吉に目配せし、早く進むように促した。
「んじゃ、早速水族館に行こうぜ!!」
俺達は水族館目指してビルの中を突き進む。中は華やかなお店が立ち並び、田舎者の俺にとっては開いた口が塞がらなかった。
その後進み続け、ビルの上層階を目指しエレベーターに乗り、水族館のある階で扉が開いた。
「おお!!」
そこにはビルの中とは思えない程の別世界が広がっていた。
それぞれチケットを買い、お待ちかねの水族館へと向かう。水族館の前まで来ると、お喋りな大吉の口が開いた。
「んじゃ、恒例のペア決めしよーぜ?」
え? 何を仰ってるのですか、大吉さん。そんな事していい事ありましたか? 主に俺が……
「今回はペアで行動してもらう! 皆で楽しい水族館ライフを!!」
今回はペア抽選か。
大当たりはシルシル、ユキちゃん。
ハズレはサタコ、涼、大吉。
大ハズレは勿論サクだろうな。
当然俺の運からいったら大ハズレを引くんだろうが、毎度毎度そうはさせてなる物か。俺はここ数ヶ月で運命に抗う事を俺は覚えたのだ。
頼んだぜ、シルシル!
俺はシルシルに視線を送り目で合図する。しかし──、
全然コッチを見てねぇぇぇ!!
肝心のシルシルが下を向いている。心なしか顔が赤い。暑さと人混みにでもやられたのだろうか。
まずい、非常にまずい……
「今回はあみだくじだ! さぁ! 好きなところを選びたまえ!」
大吉が一枚の紙を広げると、皆それぞれ思い思いの所に印を付けていくと、最後に印がつけられていない所が二つだけ残った。
まだ選んで無いのは俺とシルシルだけだ。
まだチャンスはある──、
深いため息と共にシルシルが印を付け、必然的に残った一枠が俺という事になる。
オープン!!
大吉『A』
ユキ『B』
涼『B』
サタコ『A』
サク『C』
シルシル『C』
俺『D』
──ッD!?
俺、一人だけ……?
大凶はシルシルによって防がれたが、一人って──、それはそれで寂しいんですけど……
そんな俺を見ていたシルシルが胸元から猫を取り出した。
「凶さんにはシーちゃんを貸してあげます。一人じゃ寂しいですよね?」
俺は取り出されたシーを掌で受け止めた。
まだシルシルの温もりのある白い猫。
コイツは今までファンタジーゾーンに居た猫だ。匂いを嗅いでみると、心なしかいい匂いがした。
「ぐっはぁ……」
お腹に衝撃!見れば、シルシルの膝が突き刺さっていた。
「なん……で」
「三秒後にお尻を触られました。それを未然に防いだんです」
「嘘ついてんじゃねぇぇ!!」
「う、嘘じゃありません」
シルシルの前では妄想すら許されないのか。いいじゃん、妄想くらい……男の子だもの。
「んじゃー、ペアも決まった事だし、水族館へレッツゴー!!」
それぞれが続々と水族館の中に入っていく。その光景を見て、改めて組み合わせが酷いと感じる。
『大吉サタコ』は安定の不安。
『シルサク』も本当に不安。
『ユキ涼』限りなく不安。
もしかして俺達が一番まともなペアなんじゃとさえ錯覚してしまう。
「おい恭。あんまり不安がってんじゃねーよ。水族館も楽しめねーようじゃ、男が下がるぜ?」
シーの性格はなかなか男前で、その容姿を除けば、正に頼れるアニキって感じだ。
「こんなに美味そうな『餌』がウジャウジャ居るんだ! 早く品定めしよーぜ、へっへっへっ」
そうでも無かった。
「と、とりあえず俺達も行くか……」
不安しかない水族館見学が、今始まる!!
果たして俺達は無事に帰ってくる事が出来るのだろうか!?
「お客様、ペットの持ち込みはちょっと……」
ですよねぇぇ!?
俺達ペアは、水族館入口で当たり前の様に止められた。
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