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第二章【能力者狩り編】
情報収集
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■■■■
九月に入り、夏休みも残すところあと一ヶ月。
俺には夏休み中に、どうしてもやりたい事があった。それは、サタコを魔界に帰す為の情報収集だ。学校が始まれば、そんなに時間をかけることも出来なくなる。
とりあえずサタコに朝食(運)を与え。
盛大に塩をキッチンでぶちまけ。
掃除をしようと水道の蛇口を捻ったら、蛇口が吹き飛び水浸しになり。
それを綺麗に拭き取り。
サタコを連れて家を出る。慣れたものだ。
「サタコがこっちに来て約五ヶ月か?」
「うむ。大分生活にも慣れたな。なかなか楽しいぞ」
「俺は毎日ボロボロなんだけどそれは……」
サタコを魔界に帰す手掛かりになりそうな物は二つ。
一つ目は図書館で見つけた本『正しい召喚の行い方』だ。かなり胡散臭い内容で、過去に本の通りにやったが失敗に終わっている。しかしながら、実際にウロボロスを召喚できた事は事実で、不思議な力を行使するやり方が記されている事は間違いない。
二つ目は『神社のおみくじ』だ。俺を含めシルシル、涼の三人は、いずれもあの神社でおみくじを引き『最凶』を引き当てている。
召喚における条件とも言えるだろう。もしかしたら、神社には帰す手がかりがあるのではないだろうかと、俺は思っている。
俺達は先に神社に向かっていた。図書館に行く時には、シルシルも連れて行きたかったからだ。
シルシルに連絡を入れておこうと、電話をしながら向かったのだが、シルシルは電話に出なかった。
境内でシルシルのお父さんが、宮司の仕事をしているのを発見してたので声をかけてみる。
今回のターゲットは、シルシルと言うよりも寧ろこの“お父さん”である。
「あの、お父さん。瑞さんはいらしゃいますか?」
「おお! 恭君じゃないか! 残念だけど瑞は今、涼ちゃんと旅行に行ってて居ないんだよ。わざわざ来てくれたのにゴメンね」
シルパパは白の着物に黒い紋様を施された袴を履いていて、流石に威厳がある。
それでも、優しさ溢れる表情と気さくな話し方が、俺の気持ちを和らげてくれた。
シルシルが居なかったのは残念だが、今日はシルパパとお話するチャンスだ。
俺は勇気を出して神社の事を聞くことにした。
「あの、実はこの神社について少しお話を伺いたいのですが……」
「話? こんなオジサンの話で良ければ喜んで。瑞じゃなくてすまないね」
「いえ、とんでもないです!」
快く引き受けてくれたシルパパは、若めの神主さんに「休憩を取る」と告げ、俺達を離れた家に案内してくれた。
■■■■
「さて、神社について聞きたいだなんて、恭君は若いのに立派なんだね。それとも、いよいよウチを継ぐ覚悟が出来たのかな?」
お茶の置かれた机を挟んで、シルパパは開口一番、笑みを浮かべ聞いてきた。
「いえ、そんな大それた事では無くて、少しだけこの神社の秘密が知りたくて──、あと、後半ちょっと意味が分からないんですけど……」
「アハハっ、すまないすまない。私はてっきり!──、神社の秘密ねぇ。別に隠してる事など無いと思うんだけどな?」
顎に手を当て考え込むシルパパ。
『召喚』については何も知らないのだろうか。だとすれば、下手に質問するのはマズイか。
「この神社は悪魔を祀っているとお伺いしたのですが、どういったエピソードがあるんですか?」
「ふむ。今から八百年以上前の話だ。当時この辺りでは、災害が相次いでいてね。飢饉、台風、洪水、地震。それは大変な有様だったとか。そんな時、ある二人の活躍により、天災がピタリと治まったと伝えられている」
「その二人とは?」
「一人が『町娘お京』そして二人目が『魔王サターオ』だ。おや? 何だか君達に似ているね! アハハハ」
「お京とサターオ──、」
話の途中だったが。サタコが俺の服の袖をクイックイッと引っ張り、何やら耳打ちして来る。
「私のおと様だ」
「ええぇぇぇぇ!?」
マジか。サタコの親父!? そんな偶然があっていいのかよ──、
「恭君、どうかしたのかい?」
「あ、いえ、何でもないです。ははは……それで、その二人はその後どうなったのですか?」
「資料によると、“二人は『陰陽師』により魔界に帰された”と、記されているね」
「陰陽師!? それって今も実在するんですか!?」
新たなキーワードに、思わず机に手を付き前のめりになる。そして食い気味にシルパパに詰め寄った。
「お、おぉ……こんなにいい反応をするとはね。最近の若者に陰陽師は大人気というのは本当だったようだ。しかしながら、現在に於いて陰陽師と言われる人達は存在してはいないよ」
「陰陽師が──、いない……」
俺の上がった熱が一気に冷めた。
ペタンと座り込み、肩を落とした。
話が振り出しに戻ったのだ。
■■■■
「お邪魔しました。お仕事中だったのにすみませんでした」
「いやいや、気にする事は無いよ。久しぶりに私も楽しかったからね」
俺達は、シルパパの休憩が終わるというタイミングで帰る事になった。
「それで、恭君。瑞とは最近どうなんだい?」
「え? ど、どうって。いつも仲良くさせて頂いてます。とてもいい娘さんですね!」
思っていた答えが返せなかったのか、シルパパは不満そうな表情を僅かに見せるも「気をつけてね」と見送ってくれた。
■■■■
次は真っ直ぐ図書館に向かう。無人島で散々浪費した時間を取り戻すのだ。
「まさかサタコの父ちゃんがこの街を救っていたなんてなぁ」
「自慢のおと様だ。同じ街に召喚されて誇りに思うぞ」
「でもお前は街を救うどころか、ぶっ壊しそうだけどな」
「恭。何だか小腹が空いてきたな」
「す、すみませんでしたぁぁ!」
そんなこんなで図書館に到着。
目的と場所が分かっている為、すぐに中に入り、真っ直ぐ例の本のある棚に向かう。
「えーと。確かこの辺に────、って無ぇぇ!!」
いくら探しても見つからない。
隣の本棚にも、下の段にも無い。
あんな胡散臭い本を借りる人が、俺達の他に居るのだろうか。
念の為、貸し出し確認をしてもらう為に受付に居た司書さんに聞いてみる事にした。
「あの、すみません。『正しい召喚の行い方』って本探しているんですけど、貸し出し中とかですかね?」
「ちょっと待って下さい」といい、すぐにメガネをかけた知的なお姉さんがパソコンを叩き調べてくれた。
「えーと。貸し出し中になってますね」
「貸し出し中!? 一体誰が!?」
「んーと。この方ですね」
そのパソコンに映し出されていいた名前は──、
『間場 凛』
「まじょう……りん?」
聞いたこと無い名前だな。知り合いなら借りられたのに……それにしてもこの本を借りるって事は、“召喚士かあるいは悪魔そのもの”って可能性が高いよなぁ。一応記憶に留めておくか。
その後俺達は、これ以上の捜索は無理と判断し家に帰る事にした。
「ほぼ収穫無しかぁ。『陰陽師』に『間場 凛』ねぇ。これじゃあ、いつサタコを帰せるかわかんねぇな」
「私はもう暫く居てもいいぞ?」
「俺の身が持たねぇんだよ!」
九月に入り、夏休みも残すところあと一ヶ月。
俺には夏休み中に、どうしてもやりたい事があった。それは、サタコを魔界に帰す為の情報収集だ。学校が始まれば、そんなに時間をかけることも出来なくなる。
とりあえずサタコに朝食(運)を与え。
盛大に塩をキッチンでぶちまけ。
掃除をしようと水道の蛇口を捻ったら、蛇口が吹き飛び水浸しになり。
それを綺麗に拭き取り。
サタコを連れて家を出る。慣れたものだ。
「サタコがこっちに来て約五ヶ月か?」
「うむ。大分生活にも慣れたな。なかなか楽しいぞ」
「俺は毎日ボロボロなんだけどそれは……」
サタコを魔界に帰す手掛かりになりそうな物は二つ。
一つ目は図書館で見つけた本『正しい召喚の行い方』だ。かなり胡散臭い内容で、過去に本の通りにやったが失敗に終わっている。しかしながら、実際にウロボロスを召喚できた事は事実で、不思議な力を行使するやり方が記されている事は間違いない。
二つ目は『神社のおみくじ』だ。俺を含めシルシル、涼の三人は、いずれもあの神社でおみくじを引き『最凶』を引き当てている。
召喚における条件とも言えるだろう。もしかしたら、神社には帰す手がかりがあるのではないだろうかと、俺は思っている。
俺達は先に神社に向かっていた。図書館に行く時には、シルシルも連れて行きたかったからだ。
シルシルに連絡を入れておこうと、電話をしながら向かったのだが、シルシルは電話に出なかった。
境内でシルシルのお父さんが、宮司の仕事をしているのを発見してたので声をかけてみる。
今回のターゲットは、シルシルと言うよりも寧ろこの“お父さん”である。
「あの、お父さん。瑞さんはいらしゃいますか?」
「おお! 恭君じゃないか! 残念だけど瑞は今、涼ちゃんと旅行に行ってて居ないんだよ。わざわざ来てくれたのにゴメンね」
シルパパは白の着物に黒い紋様を施された袴を履いていて、流石に威厳がある。
それでも、優しさ溢れる表情と気さくな話し方が、俺の気持ちを和らげてくれた。
シルシルが居なかったのは残念だが、今日はシルパパとお話するチャンスだ。
俺は勇気を出して神社の事を聞くことにした。
「あの、実はこの神社について少しお話を伺いたいのですが……」
「話? こんなオジサンの話で良ければ喜んで。瑞じゃなくてすまないね」
「いえ、とんでもないです!」
快く引き受けてくれたシルパパは、若めの神主さんに「休憩を取る」と告げ、俺達を離れた家に案内してくれた。
■■■■
「さて、神社について聞きたいだなんて、恭君は若いのに立派なんだね。それとも、いよいよウチを継ぐ覚悟が出来たのかな?」
お茶の置かれた机を挟んで、シルパパは開口一番、笑みを浮かべ聞いてきた。
「いえ、そんな大それた事では無くて、少しだけこの神社の秘密が知りたくて──、あと、後半ちょっと意味が分からないんですけど……」
「アハハっ、すまないすまない。私はてっきり!──、神社の秘密ねぇ。別に隠してる事など無いと思うんだけどな?」
顎に手を当て考え込むシルパパ。
『召喚』については何も知らないのだろうか。だとすれば、下手に質問するのはマズイか。
「この神社は悪魔を祀っているとお伺いしたのですが、どういったエピソードがあるんですか?」
「ふむ。今から八百年以上前の話だ。当時この辺りでは、災害が相次いでいてね。飢饉、台風、洪水、地震。それは大変な有様だったとか。そんな時、ある二人の活躍により、天災がピタリと治まったと伝えられている」
「その二人とは?」
「一人が『町娘お京』そして二人目が『魔王サターオ』だ。おや? 何だか君達に似ているね! アハハハ」
「お京とサターオ──、」
話の途中だったが。サタコが俺の服の袖をクイックイッと引っ張り、何やら耳打ちして来る。
「私のおと様だ」
「ええぇぇぇぇ!?」
マジか。サタコの親父!? そんな偶然があっていいのかよ──、
「恭君、どうかしたのかい?」
「あ、いえ、何でもないです。ははは……それで、その二人はその後どうなったのですか?」
「資料によると、“二人は『陰陽師』により魔界に帰された”と、記されているね」
「陰陽師!? それって今も実在するんですか!?」
新たなキーワードに、思わず机に手を付き前のめりになる。そして食い気味にシルパパに詰め寄った。
「お、おぉ……こんなにいい反応をするとはね。最近の若者に陰陽師は大人気というのは本当だったようだ。しかしながら、現在に於いて陰陽師と言われる人達は存在してはいないよ」
「陰陽師が──、いない……」
俺の上がった熱が一気に冷めた。
ペタンと座り込み、肩を落とした。
話が振り出しに戻ったのだ。
■■■■
「お邪魔しました。お仕事中だったのにすみませんでした」
「いやいや、気にする事は無いよ。久しぶりに私も楽しかったからね」
俺達は、シルパパの休憩が終わるというタイミングで帰る事になった。
「それで、恭君。瑞とは最近どうなんだい?」
「え? ど、どうって。いつも仲良くさせて頂いてます。とてもいい娘さんですね!」
思っていた答えが返せなかったのか、シルパパは不満そうな表情を僅かに見せるも「気をつけてね」と見送ってくれた。
■■■■
次は真っ直ぐ図書館に向かう。無人島で散々浪費した時間を取り戻すのだ。
「まさかサタコの父ちゃんがこの街を救っていたなんてなぁ」
「自慢のおと様だ。同じ街に召喚されて誇りに思うぞ」
「でもお前は街を救うどころか、ぶっ壊しそうだけどな」
「恭。何だか小腹が空いてきたな」
「す、すみませんでしたぁぁ!」
そんなこんなで図書館に到着。
目的と場所が分かっている為、すぐに中に入り、真っ直ぐ例の本のある棚に向かう。
「えーと。確かこの辺に────、って無ぇぇ!!」
いくら探しても見つからない。
隣の本棚にも、下の段にも無い。
あんな胡散臭い本を借りる人が、俺達の他に居るのだろうか。
念の為、貸し出し確認をしてもらう為に受付に居た司書さんに聞いてみる事にした。
「あの、すみません。『正しい召喚の行い方』って本探しているんですけど、貸し出し中とかですかね?」
「ちょっと待って下さい」といい、すぐにメガネをかけた知的なお姉さんがパソコンを叩き調べてくれた。
「えーと。貸し出し中になってますね」
「貸し出し中!? 一体誰が!?」
「んーと。この方ですね」
そのパソコンに映し出されていいた名前は──、
『間場 凛』
「まじょう……りん?」
聞いたこと無い名前だな。知り合いなら借りられたのに……それにしてもこの本を借りるって事は、“召喚士かあるいは悪魔そのもの”って可能性が高いよなぁ。一応記憶に留めておくか。
その後俺達は、これ以上の捜索は無理と判断し家に帰る事にした。
「ほぼ収穫無しかぁ。『陰陽師』に『間場 凛』ねぇ。これじゃあ、いつサタコを帰せるかわかんねぇな」
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