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第二章【能力者狩り編】
夏祭り
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■■■■
八月某日。
「凶さん、もういいですよー」
シルシルに呼ばれ、俺はキッチンとリビングを隔てる扉を開いた。
「おぉ……可愛い……」
俺の目を引いたのは、浴衣に着替えたサタコだった。今日の夏祭りに行くために、シルシルがお下がりの浴衣を貸してくれて、おまけに着付けまでしてくれたのだ。
「どうだ? 恭。まさか惚れたか?」
「バ、バカ言ってんじゃねぇ」
しかし確かに可愛い。もともと黒髪オカッパでどこか日本的な可愛さを持つサタコは浴衣が絶妙に似合っている。
黒をベースに花火の美しい柄、赤い帯。頭にはかんざしの様な物を付け、くるりと回って見せてご機嫌だ。
「馬子にも衣装とはこの事だぜ」
「サタコちゃん、とっても似合ってますよ! 可愛すぎます!」
シルシルがあまりの可愛さにサタコをギューッと抱きしめる。そんなシルシルも、緑の生地に蓮の花柄、黄色の帯と、華やかな浴衣を着ているせいで、めちゃくちゃ可愛い。こうして見るとまるで姉妹のようだ。
「恭、お祭りはどこでやるのだ?」
「あ、あぁ。シルシルの神社を中心にやるらしいぜ? お店とかも結構出るみたいだから楽しみだな!」
シルシルの神社は、古くから『悪魔』を祀っている珍しい神社らしい。なんでもその昔、悪魔に町を救われたんだとかなんとか。
俺も田舎から送ってもらった浴衣に袖を通し、夏祭りにいざ出発。
■■■■
お祭り会場は、既に多くの人で賑わい、様々な催し物が開催されていた。露店も数多く立ち並び、なかなか規模の大きな夏祭りだ。
遠くの方からはドンドンドンっと太鼓の音が聞こえてくる。
「恭! 恭! あれはなんだ?」
「ん? あれは綿アメだな。欲しいのか? 買ってやるよ」
まずサタコが飛びついたのは綿アメだ。普段見る事の無い綿アメはサタコの気を引くには充分すぎるほどのインパクトの様だ。
お店の人に五百円を渡し綿アメを貰う。そしてサタコに手渡すと、綿アメ片手に飛び跳ね大喜び。サタコさんは、普通にしてたら可愛いのだ。
「恭! 恭! あれはなんだ?」
「あれはチョコバナナだな。てか今綿アメ買ってやっただろ!? せめてそれ食ってからにしろ!」
「ケチんぼ」
それを見て「後で私が買ってあげますよ」と、笑うシルシル。なんとも微笑ましい。
出店を見て回っていると、金魚すくいを発見した。夏祭りに来てこれをやらない訳には行かないだろう。
屋台のオッチャンに二百円を渡し、『ポイ』を貰うと、隣では興味津々でサタコが見つめている。
よっしゃ、ここはカッコイイ所でも見せておくかな。後々役に立ちそうだし。
俺は狙いを定め、ポイを金魚スレスレ目掛け差し込み、素早くお椀にすくい上げる!! しかし──、
残念ながらポイは破れ、金魚さんは悠々と泳ぎ去っていってしまった。
「これは破れやすいのか?」
「ああ、だからなるべく水に付けないようにして、端っこの部分で金魚さんを捕らえるのかが鍵かな。まぁ失敗しちまったけど、サタコもやってみるか?」
もう一度金とポイを交換し、サタコに渡す。するとサタコは浴衣の腕を捲って、やる気満々だ。
「子供っていいですよねー、私も子供の時はよく夢中にな──、えっ?」
サタコを子供を見るような尊い目で見詰めていたシルシルの顔が、徐々に一変していく。
サタコは金魚目掛けポイを差し込みすかさずお椀にすくい上げる! 差し込みすくい上げる! すくい上げる! すくい上げる!!
そのスピードたるや尋常ではない。
どんどんお椀に金魚を入れていく。
「オイオイ、サタコさん!? 山盛りになってるって! 日〇昔話のご飯みたいになってるってぇぇ!」
それでもサタコは止まらない。お椀に入らなくなったと見るや、近くに置いてあったタライ目掛けて金魚をすくい上げる!
「おいおいおいおい、サタコさん!? どっかの料理マンガの千切りシーン見たいになってるって! ねえ!? 目を覚ましてくれサタコさん!?」
シュパパパパー──、
サタコの動きがようやく止まった時、水槽には金魚の姿は一匹も居なくなっていた。
ピチピチと跳ね回る金魚達、それを見ていた周りの子供たちは「えーん、えーん」「怖いよぉ」と泣いている。
──、地獄だ。
「ふう」と額の汗を拭い、達成感の顔を覗かせるサタコさん。
「ふう。じゃねぇーから! どうすんだよこの惨状ぉ!?」
「この後はどうするのだ?」
「イレギュラー過ぎてわかんねぇんだよ!」
あーだこーだ言い合っている俺とサタコの後ろに忍び寄る影。後ろ向きだが、背中にビンビン感じる圧力。
「お客様、ちょっと宜しいですかぁ?」
振り向くと、強面の金魚救い屋のオッチャンが指をパキパキ鳴らしながら立っていた。
さっきまでの、あの優しい笑顔は嘘だったんですね……あはは。
俺は身の危険を感じ、金魚を全て水槽に戻した後、シルシルとサタコの手を取り一目散に屋台を後にした。
■■■■
俺達は夜店を離れ、河川敷まで逃げてきていた。
「ハァハァ……ったく。とんでもねーチートスキル発動しやがって……」
「あ、あの……凶さん……」
ふと気がつけば、俺はまだシルシルの手を握っていた。細くしなやかな女の子の手だ。
「あ、いや、あの……これは……」
遠くで花火がヒューー。ドーーン。と打ち上がり、その音を響かせている。その度に俺達は七色の光に照らされた。
「そう言えば今日は荒川で花火大会でしたね」
「そ、そうだな……だ、大吉達はそっちに行ったんだよな」
「そうですね。お陰で凶さんと夏祭りに来れました」
「え?」
花火の音でよく聞こえなかったが、確かに今──、
「凶さんは覚えていますか? 涼ちゃんと初めてあった日の事。あの時、私は嘘をついたんです」
なんだか申し訳なさそうに下を俯くシルシル。一体急にどうしたというのか。
「あぁ、“俺が一生守る”って言ったってやつ? やっぱりあれは──、」
「そうじゃないんです。その……私、本当に凶さんの事が──、」
シルシルがそこまで言うと、遠くでサタコが、屋台のオッチャンに追いかけられながらこちらに走ってきた。
「恭ぉぉぉぉ! た、助けてくれぇ!!」
「ったくしょうがねぇ奴だな、もう」
俺は仕方なく一旦話を打ち切り、サタコを助けに行くことにした。
「今度は何やらかしたんだ!?───、え? 射的で全部撃ち落としたぁ!?」
■■■■
「ったく。瑞がこんなに一生懸命言ってるってのに、あの馬鹿は」
浴衣の隙間からちょこっと顔を出し、シーがボヤいた。
「凶さんのああいう所、素敵だと思います」
「そういうもんかねー」
こいする乙女瑞。彼女の戦いもまた、これからだ。
八月某日。
「凶さん、もういいですよー」
シルシルに呼ばれ、俺はキッチンとリビングを隔てる扉を開いた。
「おぉ……可愛い……」
俺の目を引いたのは、浴衣に着替えたサタコだった。今日の夏祭りに行くために、シルシルがお下がりの浴衣を貸してくれて、おまけに着付けまでしてくれたのだ。
「どうだ? 恭。まさか惚れたか?」
「バ、バカ言ってんじゃねぇ」
しかし確かに可愛い。もともと黒髪オカッパでどこか日本的な可愛さを持つサタコは浴衣が絶妙に似合っている。
黒をベースに花火の美しい柄、赤い帯。頭にはかんざしの様な物を付け、くるりと回って見せてご機嫌だ。
「馬子にも衣装とはこの事だぜ」
「サタコちゃん、とっても似合ってますよ! 可愛すぎます!」
シルシルがあまりの可愛さにサタコをギューッと抱きしめる。そんなシルシルも、緑の生地に蓮の花柄、黄色の帯と、華やかな浴衣を着ているせいで、めちゃくちゃ可愛い。こうして見るとまるで姉妹のようだ。
「恭、お祭りはどこでやるのだ?」
「あ、あぁ。シルシルの神社を中心にやるらしいぜ? お店とかも結構出るみたいだから楽しみだな!」
シルシルの神社は、古くから『悪魔』を祀っている珍しい神社らしい。なんでもその昔、悪魔に町を救われたんだとかなんとか。
俺も田舎から送ってもらった浴衣に袖を通し、夏祭りにいざ出発。
■■■■
お祭り会場は、既に多くの人で賑わい、様々な催し物が開催されていた。露店も数多く立ち並び、なかなか規模の大きな夏祭りだ。
遠くの方からはドンドンドンっと太鼓の音が聞こえてくる。
「恭! 恭! あれはなんだ?」
「ん? あれは綿アメだな。欲しいのか? 買ってやるよ」
まずサタコが飛びついたのは綿アメだ。普段見る事の無い綿アメはサタコの気を引くには充分すぎるほどのインパクトの様だ。
お店の人に五百円を渡し綿アメを貰う。そしてサタコに手渡すと、綿アメ片手に飛び跳ね大喜び。サタコさんは、普通にしてたら可愛いのだ。
「恭! 恭! あれはなんだ?」
「あれはチョコバナナだな。てか今綿アメ買ってやっただろ!? せめてそれ食ってからにしろ!」
「ケチんぼ」
それを見て「後で私が買ってあげますよ」と、笑うシルシル。なんとも微笑ましい。
出店を見て回っていると、金魚すくいを発見した。夏祭りに来てこれをやらない訳には行かないだろう。
屋台のオッチャンに二百円を渡し、『ポイ』を貰うと、隣では興味津々でサタコが見つめている。
よっしゃ、ここはカッコイイ所でも見せておくかな。後々役に立ちそうだし。
俺は狙いを定め、ポイを金魚スレスレ目掛け差し込み、素早くお椀にすくい上げる!! しかし──、
残念ながらポイは破れ、金魚さんは悠々と泳ぎ去っていってしまった。
「これは破れやすいのか?」
「ああ、だからなるべく水に付けないようにして、端っこの部分で金魚さんを捕らえるのかが鍵かな。まぁ失敗しちまったけど、サタコもやってみるか?」
もう一度金とポイを交換し、サタコに渡す。するとサタコは浴衣の腕を捲って、やる気満々だ。
「子供っていいですよねー、私も子供の時はよく夢中にな──、えっ?」
サタコを子供を見るような尊い目で見詰めていたシルシルの顔が、徐々に一変していく。
サタコは金魚目掛けポイを差し込みすかさずお椀にすくい上げる! 差し込みすくい上げる! すくい上げる! すくい上げる!!
そのスピードたるや尋常ではない。
どんどんお椀に金魚を入れていく。
「オイオイ、サタコさん!? 山盛りになってるって! 日〇昔話のご飯みたいになってるってぇぇ!」
それでもサタコは止まらない。お椀に入らなくなったと見るや、近くに置いてあったタライ目掛けて金魚をすくい上げる!
「おいおいおいおい、サタコさん!? どっかの料理マンガの千切りシーン見たいになってるって! ねえ!? 目を覚ましてくれサタコさん!?」
シュパパパパー──、
サタコの動きがようやく止まった時、水槽には金魚の姿は一匹も居なくなっていた。
ピチピチと跳ね回る金魚達、それを見ていた周りの子供たちは「えーん、えーん」「怖いよぉ」と泣いている。
──、地獄だ。
「ふう」と額の汗を拭い、達成感の顔を覗かせるサタコさん。
「ふう。じゃねぇーから! どうすんだよこの惨状ぉ!?」
「この後はどうするのだ?」
「イレギュラー過ぎてわかんねぇんだよ!」
あーだこーだ言い合っている俺とサタコの後ろに忍び寄る影。後ろ向きだが、背中にビンビン感じる圧力。
「お客様、ちょっと宜しいですかぁ?」
振り向くと、強面の金魚救い屋のオッチャンが指をパキパキ鳴らしながら立っていた。
さっきまでの、あの優しい笑顔は嘘だったんですね……あはは。
俺は身の危険を感じ、金魚を全て水槽に戻した後、シルシルとサタコの手を取り一目散に屋台を後にした。
■■■■
俺達は夜店を離れ、河川敷まで逃げてきていた。
「ハァハァ……ったく。とんでもねーチートスキル発動しやがって……」
「あ、あの……凶さん……」
ふと気がつけば、俺はまだシルシルの手を握っていた。細くしなやかな女の子の手だ。
「あ、いや、あの……これは……」
遠くで花火がヒューー。ドーーン。と打ち上がり、その音を響かせている。その度に俺達は七色の光に照らされた。
「そう言えば今日は荒川で花火大会でしたね」
「そ、そうだな……だ、大吉達はそっちに行ったんだよな」
「そうですね。お陰で凶さんと夏祭りに来れました」
「え?」
花火の音でよく聞こえなかったが、確かに今──、
「凶さんは覚えていますか? 涼ちゃんと初めてあった日の事。あの時、私は嘘をついたんです」
なんだか申し訳なさそうに下を俯くシルシル。一体急にどうしたというのか。
「あぁ、“俺が一生守る”って言ったってやつ? やっぱりあれは──、」
「そうじゃないんです。その……私、本当に凶さんの事が──、」
シルシルがそこまで言うと、遠くでサタコが、屋台のオッチャンに追いかけられながらこちらに走ってきた。
「恭ぉぉぉぉ! た、助けてくれぇ!!」
「ったくしょうがねぇ奴だな、もう」
俺は仕方なく一旦話を打ち切り、サタコを助けに行くことにした。
「今度は何やらかしたんだ!?───、え? 射的で全部撃ち落としたぁ!?」
■■■■
「ったく。瑞がこんなに一生懸命言ってるってのに、あの馬鹿は」
浴衣の隙間からちょこっと顔を出し、シーがボヤいた。
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