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第一章【出会い編】
最凶の涙
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■■■■
俺は走っていた、猛烈に走っていた!捕えられた友人のために──、ではなく、朝から犬に追いかけられていた……しかも超大型犬に……
「くっそー! なんなんだよぉぉもぅ! 犬は可愛いから好きだけど、大型犬に追いかけられるとチョー怖いんだけど!!」
───っとう!!
持ち前の身体能力でブロック塀を飛び越え、なんとか大型犬を振り切、これで一安心と思いきや……
「もしもし、警察ですか!? 家の庭に不審者が……はい……はい、宜しくお願いします」
オイオイ……やめてくれよ……
どうやら人様の敷地内に入り込んでしまったらしい。慌てて違うんですとアピールしながら再び道路に舞い戻る。
走り回って随分遠回りになってしまったが、とりあえず学校に行きたい。一刻も早く知っている人のいる場所に行きたい! 俺が置かれている状況を誰かにわかって欲しい!
道には迷ったが、方角は見失ってはいない。学校のある方を目指して歩き出す。
しかし──、
行けども行けども進めない。
行き止まり。工事中。ヤンキーの溜まり場……これって本当に学校に繋がる道あるの?と疑うレベルだ。
一度通った道も覚えてなく、いつになったら学校に着くのかと絶望しかけたその時、背後から救いの声が掛けられ俺は振り向いた。
「よーう恭!お前この辺に住んでたんだっけ?」
整えられたオールバックの髪型に、キリッとした眉毛、耳には複数ピアス。一見昔のヤンキーを思わせるその風体。
「なんだ大吉か……」
「なんだとはなんだ!? お前の唯一の友達だと俺は思ってるんだけどな」
こいつの名前は『末永 大吉』。羨ましい程大層な名前を付けられたこの男は、入学初日から絡んできて、俺にやけに付きまとう奴だ。しかし俺も別に毛嫌いしている訳では無く、寧ろ話しやすく親しみがあり、俗に言ういい奴だ。
「ちょっと色々あってな……申し訳ねぇんだけど、学校まで案内してくんない?」
「その歳で迷子かよ。ったく、しょうがねぇ。カレーパン一個で手を打ってやるぜ」
しょうがないと言いながらも、どこか嬉しそうに俺の肩を二、三回叩き、着いてこいと俺の前を歩き出す大吉。
ちくしょー! おみくじで無駄に散財した挙句カレーパンを奢るハメになるとは……金ねぇのに。
その後、大吉に連れられやっとこ大学に到着したのだが、やけにアッサリ着いてしまった。もしかしたら、サタコに刈り取られた運が補充されてきたのしも知れない。それを裏付けるかのように、前方から見覚えのある女の子が手を振りながら駆け寄ってきた。
「おーい! 大吉君、恭君らおはよう!」
声をかけてきたのは『福田 幸』ちゃんだ。
ここで我がアイドル、ユキちゃんについて少しだけご紹介しよう。
茶髪に染めた髪は背中まで伸びていい感じのロングヘアー。目はぱっちり二重で顔はアイドル級に可愛い! 俺が大学生活の初日で出会った奇跡の天使だ。この幸運を思えば、これまでの凶運なんて些細な事だと思えてくる。
「おはようユキちゃん!」
「あ、あの……恭君。遭っていきなりなんだけど……ちょっといいかな。こっち……来て? 話したい事が、あるの……」
ユキちゃんは顔を赤らめ、モジモジしながら「こっちに来て」と言っているではないか。なんだこの急展開は。いい! 実に良いじゃないか。
「大吉君ごめんね……恭君と二人きりで話がしたいの……」
「お、おぅ。別に構わねーよ」
ユキちゃん自ら大吉を遠ざけ、二人っきりの空間が生まれた。もうコレは完全にあの流れだ。
不幸の後には幸運がやって来るというのは本当だったらしい。俗にいうバイオリズムってやつだ。都市伝説だと思っていたぜ。
「ユキちゃん、話ってなに?」
本当は勘づいているのだが、敢えて惚けたふりをしてみせる。意地悪かも知れないが、こんな状況に慣れていない俺にはコレしか出来なかった。
「あ……あの……言いづらいんだけど……」
頬を林檎のように赤らめ、手を前でクロスした姿がいじらしく、めちゃくちゃ可愛い。
「気にしないで言ってごらん?」
「そ、そう? あのね……“あいてるよ”」
恥ずかしいのか、声が小さくてよく聞き取れなかった。『愛してる』って聞こえた気がしたが、念のためもう一度聞きかえしてみる。単純にもう一度聞きたいというのもあったのだが。
「えっと、もう一回ハッキリ言ってくれるかな?」
するとユキちゃんは、一層顔を真っ赤にして、ハッキリと言った。
「ズボンのチャック開いてるよ!!」
って。
ベタだ……ベタすぎる。そして俺は最低だ。女の子になんて事をハッキリ言わせてるんだ……
逃げ出したい! いや、ここは逃げる! とてもじゃないがいたたまれない。
「ユキちゃんゴメン!!」
捨て台詞の様に謝って、俺はダッシュで家に帰った。
終わった! 俺のハッピー・キャンパスライフは今日終わったのだ。
あんまりだ! それもこれもアイツのせいだ! 許さねぇ! 俺のキャンパスライフを返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せぇ!!
■■■■
俺は家に着くなり勢いよくドアを開ける!!
──バァン!!
短い廊下を抜け、部屋に入るなり──、
「おい!サタコ!!お前のせいで俺は……」
サタコに向かって文句を言う……筈だったのだが、振り返ったサタコの目には大粒の涙がとめどなく溢れ出していて……
俺は思いがけない出来事に、その場に呆然と立ち尽くした。そして気づく。
思えばコイツも俺に勝手に呼び出されて、挙句の果てには戻れませんって言われてんだ。こんな見知らぬ世界で……独りぼっちで。見た所まだ子供だぞ? 寂しく無い訳無いじゃないか! なんでわかってやれなかったんだ。俺は、本当に、最低だ……
「サタコ……お前……大丈夫か?」
「家畜に心配されるなんて魔族の恥だな」
サタコは大粒の涙をワンピースの袖で拭いながら精一杯に強がって見せる。俺はその姿に心が痛くなり、思わずサタコを抱きしめた。
「サタコ、俺が悪かった。お前の気持ちをもっと分かってやるべきだった。これからは俺も協力するから、一緒に魔界に戻る方法、探そうな!」
サタコを安心させたくて、泣きそうだったけど頑張って笑顔で言った。
そんな俺の懐でモソモソと動くサタコ。
「こ、こら。モソモソ動くなよ! くすぐったいだろー」
じゃれていると思ったが、どうやら違う。懐の中で、サタコは必死に手を伸ばし何かを取ろうとしている。これは──、
テレビの『リモコン』?
テレビに映し出されていたのは昨日俺が見ていた『魔女っ子マジョリん』の最終回だ。
まさか……そんな……あはは。
俺は走っていた、猛烈に走っていた!捕えられた友人のために──、ではなく、朝から犬に追いかけられていた……しかも超大型犬に……
「くっそー! なんなんだよぉぉもぅ! 犬は可愛いから好きだけど、大型犬に追いかけられるとチョー怖いんだけど!!」
───っとう!!
持ち前の身体能力でブロック塀を飛び越え、なんとか大型犬を振り切、これで一安心と思いきや……
「もしもし、警察ですか!? 家の庭に不審者が……はい……はい、宜しくお願いします」
オイオイ……やめてくれよ……
どうやら人様の敷地内に入り込んでしまったらしい。慌てて違うんですとアピールしながら再び道路に舞い戻る。
走り回って随分遠回りになってしまったが、とりあえず学校に行きたい。一刻も早く知っている人のいる場所に行きたい! 俺が置かれている状況を誰かにわかって欲しい!
道には迷ったが、方角は見失ってはいない。学校のある方を目指して歩き出す。
しかし──、
行けども行けども進めない。
行き止まり。工事中。ヤンキーの溜まり場……これって本当に学校に繋がる道あるの?と疑うレベルだ。
一度通った道も覚えてなく、いつになったら学校に着くのかと絶望しかけたその時、背後から救いの声が掛けられ俺は振り向いた。
「よーう恭!お前この辺に住んでたんだっけ?」
整えられたオールバックの髪型に、キリッとした眉毛、耳には複数ピアス。一見昔のヤンキーを思わせるその風体。
「なんだ大吉か……」
「なんだとはなんだ!? お前の唯一の友達だと俺は思ってるんだけどな」
こいつの名前は『末永 大吉』。羨ましい程大層な名前を付けられたこの男は、入学初日から絡んできて、俺にやけに付きまとう奴だ。しかし俺も別に毛嫌いしている訳では無く、寧ろ話しやすく親しみがあり、俗に言ういい奴だ。
「ちょっと色々あってな……申し訳ねぇんだけど、学校まで案内してくんない?」
「その歳で迷子かよ。ったく、しょうがねぇ。カレーパン一個で手を打ってやるぜ」
しょうがないと言いながらも、どこか嬉しそうに俺の肩を二、三回叩き、着いてこいと俺の前を歩き出す大吉。
ちくしょー! おみくじで無駄に散財した挙句カレーパンを奢るハメになるとは……金ねぇのに。
その後、大吉に連れられやっとこ大学に到着したのだが、やけにアッサリ着いてしまった。もしかしたら、サタコに刈り取られた運が補充されてきたのしも知れない。それを裏付けるかのように、前方から見覚えのある女の子が手を振りながら駆け寄ってきた。
「おーい! 大吉君、恭君らおはよう!」
声をかけてきたのは『福田 幸』ちゃんだ。
ここで我がアイドル、ユキちゃんについて少しだけご紹介しよう。
茶髪に染めた髪は背中まで伸びていい感じのロングヘアー。目はぱっちり二重で顔はアイドル級に可愛い! 俺が大学生活の初日で出会った奇跡の天使だ。この幸運を思えば、これまでの凶運なんて些細な事だと思えてくる。
「おはようユキちゃん!」
「あ、あの……恭君。遭っていきなりなんだけど……ちょっといいかな。こっち……来て? 話したい事が、あるの……」
ユキちゃんは顔を赤らめ、モジモジしながら「こっちに来て」と言っているではないか。なんだこの急展開は。いい! 実に良いじゃないか。
「大吉君ごめんね……恭君と二人きりで話がしたいの……」
「お、おぅ。別に構わねーよ」
ユキちゃん自ら大吉を遠ざけ、二人っきりの空間が生まれた。もうコレは完全にあの流れだ。
不幸の後には幸運がやって来るというのは本当だったらしい。俗にいうバイオリズムってやつだ。都市伝説だと思っていたぜ。
「ユキちゃん、話ってなに?」
本当は勘づいているのだが、敢えて惚けたふりをしてみせる。意地悪かも知れないが、こんな状況に慣れていない俺にはコレしか出来なかった。
「あ……あの……言いづらいんだけど……」
頬を林檎のように赤らめ、手を前でクロスした姿がいじらしく、めちゃくちゃ可愛い。
「気にしないで言ってごらん?」
「そ、そう? あのね……“あいてるよ”」
恥ずかしいのか、声が小さくてよく聞き取れなかった。『愛してる』って聞こえた気がしたが、念のためもう一度聞きかえしてみる。単純にもう一度聞きたいというのもあったのだが。
「えっと、もう一回ハッキリ言ってくれるかな?」
するとユキちゃんは、一層顔を真っ赤にして、ハッキリと言った。
「ズボンのチャック開いてるよ!!」
って。
ベタだ……ベタすぎる。そして俺は最低だ。女の子になんて事をハッキリ言わせてるんだ……
逃げ出したい! いや、ここは逃げる! とてもじゃないがいたたまれない。
「ユキちゃんゴメン!!」
捨て台詞の様に謝って、俺はダッシュで家に帰った。
終わった! 俺のハッピー・キャンパスライフは今日終わったのだ。
あんまりだ! それもこれもアイツのせいだ! 許さねぇ! 俺のキャンパスライフを返せ! 返せ! 返せ! 返せ! 返せぇ!!
■■■■
俺は家に着くなり勢いよくドアを開ける!!
──バァン!!
短い廊下を抜け、部屋に入るなり──、
「おい!サタコ!!お前のせいで俺は……」
サタコに向かって文句を言う……筈だったのだが、振り返ったサタコの目には大粒の涙がとめどなく溢れ出していて……
俺は思いがけない出来事に、その場に呆然と立ち尽くした。そして気づく。
思えばコイツも俺に勝手に呼び出されて、挙句の果てには戻れませんって言われてんだ。こんな見知らぬ世界で……独りぼっちで。見た所まだ子供だぞ? 寂しく無い訳無いじゃないか! なんでわかってやれなかったんだ。俺は、本当に、最低だ……
「サタコ……お前……大丈夫か?」
「家畜に心配されるなんて魔族の恥だな」
サタコは大粒の涙をワンピースの袖で拭いながら精一杯に強がって見せる。俺はその姿に心が痛くなり、思わずサタコを抱きしめた。
「サタコ、俺が悪かった。お前の気持ちをもっと分かってやるべきだった。これからは俺も協力するから、一緒に魔界に戻る方法、探そうな!」
サタコを安心させたくて、泣きそうだったけど頑張って笑顔で言った。
そんな俺の懐でモソモソと動くサタコ。
「こ、こら。モソモソ動くなよ! くすぐったいだろー」
じゃれていると思ったが、どうやら違う。懐の中で、サタコは必死に手を伸ばし何かを取ろうとしている。これは──、
テレビの『リモコン』?
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まさか……そんな……あはは。
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