【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件【第二作目連載中】

木村 サイダー

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第二巻

★あの子が水着に着替えたら・・・・ PART2

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”シーサイドハイツ松屋根浜”

南国の眩しい太陽と白い砂浜を思わせる真っ白な外壁。おそらく海に繋がる山の地積を三角にハーフカットし、開発したこの一帯で一番海に近い昔の高級リゾートマンション。

そのため正面玄関は五階にあり、フロントからは一面オーシャンビューが広がる。一階には入居者用の二十五メートルプールと子供用のプールが道路を挟んで海に臨む。

ちなみにこの坂のもっとも頂上に先ほど僕らが入った足湯のある超高級ホテルがある。

僕らは四一七号室へと向かった。

「もう着替え終わってるやろう」
「いや、どうかな?おめかしして水着きてるような奴なら時間かかるんじゃないか?」

インターホンを鳴らす。中から聞き覚えのある男性の声が聞こえてきて、扉が開いた。

「おいっすー」

ライム色のラッシュガードを羽織り、膝下ほどの黒いハーフパンツ水着を着た高橋君が開けてくれた。それぞれの荷物やクーラーボックスを持って入った。

中に入ってみると、こちらは二十畳以上はあるだろうリビングに座って囲む足は短いが八人ずつ左右に座れる年輪の入った木の巨大なテーブルが置かれてあり、そこにタバコ、ライター、お菓子、小さなハンドバック、女性小物、そして旅のお供の必須とも言える『きのこの山』『たけのこの里』『じゃがりこ』が散乱していた。

左右に六畳の洋室と和室が一つずつ。キッチンとユニットバスという間取りだ。

僕らの部屋みたいに、いきなり階段、上ったところで八畳程度のキッチン。風呂とトイレが一体になったユニットバス。海側に六畳一間、山側に六畳一間、という間取りとは違う。

――――いったい何人寝泊りできるんだろう。うちらが寝るところと二部屋所有・・・やっぱり紗良さんちは凄いなあ。

すでに男たちは水着に着替えて待っていた。だいたいみんなひざ丈のハーフパンツに何かしら羽織るもの、だよな。

最近は男子でも上を着ることが多くなった。近くのショッピングモールに展示してある男性用水着のマネキンを見て、僕もなんとなくその傾向は察知していた。

僕もUV保護ラッシュガードの半袖Tシャツを着ていた。勿論そのまま水に入れるタイプのものだ。

「・・・雅樹兄さん、結構体格いかついっすね」

高橋君が僕の胸辺りをポンポンと軽く叩いてきた。

「え?そう?」
「腹筋とかもまあまあ割れてるし、肩とかも筋肉で丸みがありますわ」
「私もこの頃ずっと思っててん」
「いいなあ、俺ガリガリやから肉つかないっす」

ガリガリなのはシゲ君であるが、ホンマの貧弱ガリガリかといえばそうでもない。余分な肉がついてないという感じだ。おそらく食事の量を増やしても太らない体質と思う。

一方こーちゃんは、白地に赤のラインがチャックに沿って入ったラッシュガードを着ているが、胸元から見える白い肌におなかがポチャっとしたシルエット。シゲ君とは対照的な体つきである。こーちゃんは逆によっぽどじゃないと痩せない体質なのだろう。

樹里とのトレーニングが功を奏しているのか、確かに最近目に見えていい体にはなってきたが自慢できるかといえばそこまででもない気がする。

「樹里さん、その水着はないわ・・・・」
「なんでやねん?」
「もっとこう、胸がこぼれそうなビキニで、下も股上の短いやつ履いてくるんかと思ったあ」

シゲ君が露骨に不服そうに言うと。

「そんな生地少ないやついらんわ!」
らしい答えだ。

「しかも生地が少ないくせに、無駄に高い!訳わからん」

樹里らしい答えPART2だ。生地の量=値段の大小という考え方。

「それやったら海女さんやないですか」

僕と同じことを思っていたみたいで声に出して笑ってしまう。
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