【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件【第二作目連載中】

木村 サイダー

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第二巻

★背後が気になりませんか?

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その後歩き疲れたのもあって、いったん、足湯に入りに行くことにした。

しかしそこのコンクリートに長椅子に座ることは、先ほど僕と結衣さんが二人共通して見た、あれに背を向けることになるんだけど・・・・

「あ~良い感じやわー」」
「でもちょっと温くない?」
「あ、多分これ、場所じゃね?」
「私一番上手(かみて)は熱いぐらいよ」
「う、うん・・・・」
「・・・・・・・・」
「なんか飲食したくなってきたなあ」


――――身体をよじって窓ガラスの方を何度となく意識していまう。


「なんで、そこ二人揃って館内覗いてんの?」
シゲ君が疑念のある顔で僕らを見る。

「あれ、雅樹兄さんて、ひょっとして結衣さんが彼女?」
「ああ・・良い雰囲気かも」
高橋君のきわどい質問に手をポンと手のひらで打つこーちゃん。
「あははは・・・違います」
「う、うん。違います」

表情はともかくとして、僕ら二人だけが身体をよじって違う方向を見ているのは確かに意味ありげだ。この疑いは仕方ない。

「違う違う」
「・・・・なんで樹里さんが?」
「私よう知っているから。君らホモだちやろ」
隣同士に座ってる高橋君とシゲ君を指で一くくりにする。

「そうなんすよーなあシゲ」
「そうですよ、樹里さんに僕たちのア〇ルあげれません」
「ああ・・・なんか飲みたくなってきたなあ」
「もうかい?」
「終いに火に近づいたら引火するんとちゃうか」
「恋の炎絶賛燃え盛り中」
そう言って高橋君はガッツポーズするも。
「相手いないから空焚きやん」
「空焚きって、うまい!こーちゃん」
がっくりと冗談でうなだれる高橋君。こーちゃんとらんちゃんがナイス!と言い合ってハイタッチする。



「飲み物、お酒やビールがある足湯あるよ、どう?」

少し体が右に傾いた、メガネをかけて、髪の毛がない、優しそうなおじいさんがいつの間にか僕らのそばに立っていた。身なりはジャージで、そこらへんの近所の人といった出立だった。

「酒、ビール・・・足湯・・・いいなあ」
「行ってみようか」

高橋君とシゲ君の目が輝く。

ビールや飲料水やおつまみは当然有料と推測する。けどそういうちょっとしたものを出してくれてかつくつろげる足湯はありがたいかも。

「ちなみに足湯の代金は?」樹里が値段を聞くと、
「御一人様300円」
ニッコリと指3本立てた。

「カーーーッ!ええとこ突きよるはおじいちゃん、行くか!」
樹里が足をお湯から出してクロックスを吐いた。
「行こ行こ、飲めて何でも食えて足湯あるんやったら行くわ」
「I SEE YOU♪」
多分足湯(あしーゆー)とかけたなあ。今度はらんちゃんのダジャレにこーちゃんが滑っていた。
けどなぜか紗良さんはバカ受けしてた。笑いのツボは分からんわ。そのバカ受けしている姿に周囲が笑う。

「うん、行こう!」
「ええ、行きましょう」
僕と結衣さんの「行こう」は互いに分かることで、皆とは違うところにあった。



あの女子の姿・・・顔が脳裏に焼き付いて離れない。幻覚じゃない・・・確かに存在した。その女子がいたところを背にするのは、どうしても怖かったからだ。
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