【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件【第二作目連載中】

木村 サイダー

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第一巻

★田中の本性~これが本当の彼女の姿・完全なる見下し~

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僕はとりあえず今日のは資料が色々多すぎて諄かった(くどかった)のかもしれないと思い返した。確かにテキストのコピー貼ったり、自分の文字が多く付箋もはりまくって注釈も書きまくった。それがダメなんだろう。
でも勉強は勉強だから、やはりある程度自分で調べて考えてもらったさきに答えを見つけるものがいい。
僕は注釈の付箋を減らし、テキストのコピーの添付などをやめて、自分もサッと出せるように答えは書くけど、そこにテキストに書かれているページ番号何番参照と書いて答えの上に付箋を貼り付けた。何行も文面で書いてあるところはテーマパークで買ったキャラクターの貼り付けられるメモで対応した。それならめくってしまえば答えはすぐ見れるし、気になるところはテキストのそのページに飛べばいい。必要な知識不必要な知識というのが確かにあるだろうから、そこの取捨選択は田中さんに委ねることにしよう。時短すべきところは時短し、しっかり勉強したいところは時短のなかでテキストを開けば説明が出てくる。これは我ながらいいアイデアだと思った。

今日は少しだけ遅れて購買部でパンを買った。前の授業で一部見直すところがあったからだが、ほんの五分程度だ。しかし学生のお昼はこの五分が大きな差を呼ぶ。案の定人気のパンはもうすでになくなっていた。講堂裏で食べようかと思っていた。ひょっとしたらままた亜子さんや他の誰か、、、来るかもしれないと淡い期待を抱いてた。しかし曇り空はやがてその重さに耐えきれず、ちょうどパンの袋を破いたところで雨のしずくが落ちてきた。仕方ないので教室に戻って食べ終わるぐらいの時だった。

「誰がこんなんせぇって言った?」
田中さんが激昂しだした。
ノートが放られて、机の上を滑って床に落ちた。
その飛行中に、テーマパークの貼り付けメモは宙を舞い、空しく床に落ちた。
しかも名前呼ばれたときに、かなり怒気を帯びていたので思わず席を立ちあがった。入口から村岡さんや三谷さんを引き連れて入って来てのその行為だった。
いや、引き連れてはなかったのかもしれない。たまたま一緒に入ってきたのかも。何でかっていえば、田中さんのその行動にさすがに村岡さんらも一瞬硬直して引いているのが分かったから。

「答えだけでええって言ったやろ、あたし、なあ?」
詰めよってきた時に、先ほど宙を舞ったテーマパークのメモ用紙は田中さんに踏みつけられた。

「・・・・いや、勉強やから」
「あんたに関係ないやろ、私の勉強なんか。私の自由やんか!」
昼休み時に田中さんの声が教室に響き渡る。そんなにこの時間はたくさんの生徒は残っていないが周囲はざわつきだし、何の騒ぎかという感じになってき始めた。そこまで大きな怒鳴り声ではないにしろ、周囲を威圧するには充分だった。村岡さんが「まりちゃん、〇〇の影響受けすぎちゃうか~」と三谷さんとヒソヒソ話しているのが耳にはいった。おそらく今仲良くしている子らなのか。知っている名前ではなかった。
「こんな答えのところに付箋はったらいちいち見るのに時間がかかるぐらい分からんのか!なあ??」
化粧をしていても分かるほどに、その顔は修羅のごとく俺を睨んできた。
「・・・・・・・・」
まるで立たされて叱られている子だった。

「おちょくってる?おちょくってんの、私を?あんたみたいな妹だけが凄いしょうもない人間が?」
「・・・・・ごめんなさい、良かれと思ってしたことだったんだけど」
「良かれ?あんた何様?」
「え・・・?」
「いや、何様かって聞いてんねん」
「・・・・・・・・・・」
「あんた今の私の忙しさ分かるん?」
「・・・・・・・ごめん」
「ごめんちゃうって。あんた今私がどれだけ大事な時期か分かるんかって聞いてるねん」
「・・・・・・・分かりません」
「そうやろうなあ、あんたみたいな自分の殻から出れない、どこかのひょうたんしもぶくれ顔と一緒な、へたれ学生生活送っている身分のもんが、一歩踏み出して努力して駆け上がった私に対して良かれ?そんなんなにが『良かれ』とか分かるん?」
「・・・・・・・ごめんなさい」
「もう全然生きてる次元違うから。あんたとなあ(笑)ハハハハハハハ、、、おもしろなってくるわ、妹おらんかったら何にもできへん弱虫のくせに」
猛攻撃だった。
しかも自分の言われて痛いところをザクザク刃物で突きまくられたようだった。

なんで?
なんで何があったん?
なんでそんな怖い顔してきつい目して、口は歪んでるの?

僕は男なのに泣きそうになってしまっていた。
ひょうたんしもぶくれ顔って、江藤さんのことやんか。
かつてえっちゃんえっちゃんて仲良かった田中さんの友達やんかあ、一緒にいじめられてそのいじめから凌いで助け合ってきた仲間やんかあ、それをそんなエグい相手の一番気にしている悪いところを捲し立てれるの?
「締めてる締めてる・・・・あれきっと締めてんで」
村岡さんらがまたヒソヒソ話をこちらを見てする。
ちょっと笑っているようにも見えた。
昔を思い出してくる。中学時代、、、いじめが始まったころ。そういえば今までそこそこ仲良かった女子たちが皆いっせいのにソッポを向きだし、中には僕を指さして影で笑う女子もいた。それと似ていた。

僕、締められてるん?なんで僕が締められるんだろう、僕を締めても田中さんに致命的に悪いことなんてなんもしてないやんか。それなのになんで僕を締めるの?
全てが嫌になった。関わったこと、深入りしたこと、樹里に相談したこと、樹里に加わってもらったこと、お弁当食べたこと、釣りにいったこと、デートしたこと・・・・こんなんになるんだったら全部無くてよかったんだ!

それと今解ったように思う。この子の正体。なぜ両親が内面をきっちり磨かないとあかんよ、と彼女に言ったのか、あの時、『シバキたい』なんて言葉を使っていたのか。

この子の内在していた性格は、元々これなんだ。

発展家でその時々の強者についていく。そして不要になれば無視か、近づいてくれば見下し、言うことを聞かせようとする。反すれば無慈悲に粛清。一切の言い訳や抵抗を認めず。
それがたまたま色んな弱さが重なって、自分の不自由さでこの性格が表に出ず、当たり障りのない自分を演じていた。
僕は開けてはならない封印を切ってしまったんだ。

「明日からちゃんとしてきて・・・・ねえ、聞いてる?」
僕は返事しなかった。俯いたままひたすら堪えていた。怒り?むしろ情けなさだった。
「返事は・・・・・?」
声を出したら泣き声になりそうだったから、それと今はこんなのでもかつて好きだった女の子だったから、何も言えなかった。

「あんたシケた顔してんなあ!(笑)」

ひと際大きな声で僕に罵声を浴びせたとき



「あんた、それ誰に言うてんねん?」
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