【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件【第二作目連載中】

木村 サイダー

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第一巻

★スクールカーストもこう使えば悪くない。

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それでも後味の悪い次の日、
僕たちは来月・・・というかもう一か月全然ないけど、一応区切りでいえば来月からの新制服になったときに、どこでおかずパーティーをするかを考えながら校内を散策していたんだが、、、これまたあんまり良いところがない。外で食べたいとなるとグラウンド側だが、グラウンドネットと校舎の間の大きな道のベンチは、いわばカップル、つまりどちらかといえば陽キャの集まりが多いし、ボール遊びとかしていて飛んでくることもある。普通に飛んできたボールを拾って投げ返すぐらいなら問題はないが、おもっきりどこからか持ってきた野球のバットで打った球が直撃すればゴムボールでも痛いし、手持ちのお弁当が台無しになることもある。それにこっちは日当たり良好で、これからの季節には向いていない。それととにかく人目。これが多い。陰キャ族なのだからあまり日光が燦燦とあたり、人目が多いところは避けたいのだ。後は体育館の裏だが、ここは体育系の部活の洗濯もの干し場になっていて、部活やっている連中ならまあまあランチをできなくもないが、僕らがいけば「なんできてんの?」的な目があちこちから飛んでくる。まさか正面玄関で座って飯食うわけにもいかんし。駐車場も嫌やし。。。
後は条件的には校舎内でどこか探すということになる。しかし、今度校内でベンチなどが置かれている場所は特になく、二階の下駄箱上のガラスのところに踊り場があるんだが、誰も使っているのを見たことがないし、多分窓が開かないし、何となく床面も汚くてそこに行こうという気がしない。
「良いとこないね~」

結局早めに教室に戻ってきてしまった。

ちなみに来月は七月だが、僕らの学校には『七月から夏休み』という文字はない。
夏休みは八月十日以降から末までである。これでもマシになった方で僕らが一年のときは八月十日から八月二十日でしかなく、そこから近くの大きな山寺に籠って勉強合宿だった。普通七月後半から八月いっぱい休みで、この地方の某大手私立総合大学などは七月前半から八月いっぱいまで休みというところもあるのに、と思うが、先生たちの言い分は、

「社会人よりは長いやん」

だった。
確かにうちの父親も、夏は三日ほどしか休んでいない。それと土日を合わせて五日程度だ。今の僕たちからしたら考えられない。あんなのでやっていける身体と精神力にちゃんとなるのだろうか。。。

「こんにちは~」
都会とここらへんの地域独特のイントネーションが混ざった言葉遣いで、樹里が入ってくる。
「あ、樹里ちゃん!」
田中さんが手を振る。江藤さんが「こんにちは」と笑顔で挨拶する。
もう年上のしかも特進科の教室であろうが関係なしだ。
その後ろから、亜子さんも入ってきた・・・その後ろに?

・・・・追っかけだろうか。
「樹里様や」
「樹里様また特進科入っていった」
「友達おるん?」
「え?まさか彼氏?」
「いや、お兄さんがいてるとか」
「ええ?そんなイケメンおらんで」
・・・・・・・・・もうええって。
続々と女子、、、こういうのは女子の方が圧倒的に多い。男子もその行為に引き連れられてきたみたいな連中がいる。特進科の教室前は人だかりができる。

僕は異変にすぐ分かった。そして自信満々に
「スカート丈。。。」
と言ってやった。
今日は樹里と亜子さん、二人そろってスカート丈が膝下だ。
「模範生やろ」
「態度がアウトやろうなあ」
「ぎりセーフやろ」
いや、アウトやろうが(笑)
僕たちは窓際に縦三列で座っているが、その横、僕の真横に亜子さん、一つあけて田中さんの真横に樹里が座った。座るなり樹里は「あ~あ」と人の席で身体を伸ばす。何やら一仕事してきた後のようにも見える。
「ホンマはここのお腹のところで生地を巻き上げて調整してもええねんけどなあ・・・」
「それやとなんかなあ・・・・」
亜子さんが言う。
君ら気合入りすぎやねんて。

・・・・・亜子さん、あれ?顔が・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ちょ、、、私お兄さんにめっちゃ見られてんねんけど(笑)あっしそんな顔ヤバい?」
樹里に亜子さんが照れくさそうに言う。
「あにぃ、そんな人の顔ジロジロみたらあかんて」
「いやいや、そんな変なつもりないって」
手を振るジェスチャーで否定する。
「変や思ってるんでしょう、めっちゃ嫌やわ」
亜子さんが笑いながら言うけど、そうじゃない。
年相応、、、というかなんというか。
「いや、普通にキレイや思いますよ」

「・・・・・ぷっ」
亜子さんが一瞬僕の答えに間隔が空き、そのあと吹いた。

「キレイちゃう、目がつぶらな瞳や」
僕の言ったことを樹里が嫌味で否定する。
でもマスカラはほどよく卒なく塗られている。
これならよくよく見ないと分からない。リップもらんちゃんが付けてるんじゃないかと思わせるような自然で健康的に見せるものを付けているように思う。

「うるさいねえ、あんた(笑)」
「目全然小さくないし」
素直に僕は思う。
「うん全然小さくない」江藤さんと田中さんが同意する。「私の方が小さいです」江藤さんが言うけど、それ自虐・・・・
「いえいえ・・・」
「いやいや、ホンマ・・・・何か雰囲気が変わってその・・・・」年相応の「可愛いくてキレイな人ですよ、亜子さん」

「・・・・あは(照れたのか、口を左手で軽く抑えて)今日ここ来てよかったわ(笑)」
「何言うてんねん、何言う天然記念物」
「樹里が何いうてんねん」
「いや、なんか・・・・あのなんか、はあ~なんか・・・今日はいい日やなあ」
両手を頬にあて、僕を見ては樹里を見たり、また僕を見ては他の誰かを見たりして、また笑いだす。
なにかおかしい?そんなおかしいこと言ったかな?
マズいこと言ったんなら謝らないと。。。
「いや、お兄さんなんか毎日樹里と居てるじゃないですか。そしたら毎日こんな美の顔面凶器でしょ」
「誰が顔面凶器やねん」
「美の言うてるやんか」
「微妙の微かもしれへんやんか」
「おまえ面倒くさいねん(笑)」
らんちゃんとは全然また違うやりとり。中学時代の友達、不良仲間だったやっこ、氏原康子と似ているような感じかな。
「なんかそんなん毎日見てる人から、そう言われたら、凄く良い自信になりました、はい!」
「はははははは・・・・」
何か僕が照れくさくなってきてもうた。
「これからあっし、薄い目にしていこうかな・・・」
「目立つんもな」
「アンタに言われたないねん」
「は~~~~あ、なんかここええなあ。。。私もここで授業受けようかな」
「あ~もう大歓迎です!ぜひぜひ」
田中さんが笑顔で答える

「ありがとう、まりっぺ。あっし来年は特進科いくで」

「おお!御堂君と一緒ですね。兄妹揃い組」
「ええ?なんでやねん、普通科おりぃよ」亜子さんが口先をとがらす
「一年飛び進級とかはできへんのかな?」
「それは聞いたことないですね」江藤さん。
日本の学校制度で、それはないんちゃうかなあ。
「英数科とかどうですか?」田中さん。
「英数科とか行き来出来やんかったと思う。向こうは理系メインやし」江藤さん
「あ、そうかあ」
偏差値でいけば英数科がこの学校内の最強である。目指すは私立のどこでも良いから「医学部」「薬学部」を目指すためのコースである。たとえCランク大学であっても「医学部」「薬学部」は僕たちより上の存在。特進科はこの地方の上位優秀私立四大学ないし八大学の文系を狙う専門。普通科は大学ならどこでも、といった棲み分けだ。

確かに樹里の中学時代の成績なら普通科ではもったいない。ほぼ毎日遊び惚けて家にも帰らないでもここの普通科を遥かに凌ぐ偏差値はあった。

「あ、樹里ちゃん!」
大成君が超絶太陽のような光度の笑顔で教室に入ってきた。こないだまでは樹里からちょっと逃げていたのに。。。憑き物が取れたようだ。
「あ、昨日はありがとう」
「いえいえ、また行こうや、あ、万里崎さんも昨日はありがとう」
万里崎は亜子さんの苗字。
樹里と亜子さんの間、つまり江藤さんの右向かいに座った。

「あ、樹里ちゃんに亜子ちゃんいらっしゃい」
辻本君も帰ってきて、樹里の前隣に陣取った。テンションは大成君とは違うけど、挨拶から隣に着席まで実にスマートな動作で座っていく。
それに合わせてなぜか仲道が辻君のさらに前、西脇君が仲道の右隣、その他クラスの女子二名が「私も~」といって亜子さんの後隣、僕の後に座った。ちょっと遊んでる風な二人なのよ。一人は村岡さん。確かこの子も神宮のなんとか、、なんとか言う地域、確か三社宮(ささみ)とかいうところに住んでるとか言ってた。それ以外は特に知らない。最初の校外授業活動の時の班が一緒でその時に向こうから話しかけてくれた気さくな女子。でもなんかちょっと遊んでる雰囲気がある。男慣れしてんなって感じする。亜子さんみたいに不良ヤンキー臭はしないけど。もう一人は確か三谷さん。あんまり知らない。
そうなるとどうだろう、樹里と大成君と亜子さん辻本君の四人を中心に放物線席順カオス状態になった。ちょっとでも前で樹里の姿にあやかりたい人は教壇の前で立っていたりもする。
三原くんや宮本くんに至るまでわが席には座っていない。というかもうどれが自分の席かだなんて関係なかった。樹里と亜子さん以外の生徒で他のクラスの子らも入ってきていた。
先ほどから教室の前に人だかりができている。

「ええっと・・・・田中さんと江藤さん?」
辻本君が名前を呼んだ。
「あ、はい」「はい」

「あのさ、もし、言われてキツイなあって思うようなこと言われたり、聞こえてきたら・・・それは僕たちに言ってな」

二人がハッとしている。
仲道が横を向く、西脇君は頭を隠して寝たふりをする。

次に大成君が、
「僕らも見てながら見て見ぬふりしていて悪かったと思っている。せやからここまでのことはもう水に流してもうて、これからなんかそういうのあったら必ず言ってきてな、相談乗って対応考えるから」

二人に向かって意志ある語気で宣言した。

多少雑談がそこらであって、阻害する要素かもしれないが、今の辻本くんと大成君のいわゆる「宣言」はクラスの中にいる生徒には、皆に聞こえただろう。
「他のクラスのはなかなか難しいけど、それでもクラス会とか先生らを通して連携はできるし」
「僕も色んなクラスに知ってる子いるし、また言うてくれたらいいから」大成君が言う。
「やっぱりこういうのは大きいことになってしまった時が終わりやと思う。だから今までホンマごめんな。これからは言うてきてくれたら学級委員長としてどこまでやれるかは分からないけど、課題としてちゃんとするから」

辻本君が言うと、堪えきれなかったのか、田中さんが口を抑え涙ぐんだ。
江藤さんも顔がどんどん赤くなって、ついにポツポツと涙がこぼれてきたのを指でぬぐった。
今まで苦しくて、でも持って行きようがなくて、堪えていたものが溢れだした。

女の子二人が泣き出してしまったので、少し空気が締まって間が空いた。

そこに
「昨日、樹里ちゃんに注意されたん効いたなあ」大成君がやられた!といった感じで顔をしかめて辻本君に振ると
「うん、でもホンマ思うところであって、自分がちゃんとしてなかったところであったよ。もっとなんか・・・」
「なんか・・・?」樹里

「遅刻して自転車ダッシュばっかりしているキレイなお姉さんぐらいにしか思ってなかったわ(笑)」

その瞬間、クラスがドッとうけた。
「ちょう待ってちょう待って、私そんな遅刻ばっかりしてる女ちゃうって」周りが樹里の声に静かになる。
「何時入ってんの?」大成君
「八時四十分!」
亜子さんがクラス中に聞こえる大声で言い放った言葉にまた周りがどっかーん!とウケた。
「遅刻やん!」
「遅刻ちゃう!」
「門で?下駄箱で?」
「樹里さんて足めちゃ早いんで」
「ぎりセーフやろ」
「いいぞいいぞ!」
色んな生徒の色んな黄色い声が飛び交い、ネタをもとに縦横無尽に会話の声が広がっていく。グルーヴという言葉があてはまるのかもしれない。音楽やお笑いとはまた違うそれ。
まるで大きい城に主がいて、大老や家臣がいて、その城の中心に城下町が形成され、そこに町民の文化が広がるかのようだ。

僕にはこんなことできやしない。
カーストの低い子たちを上位者が庇う仕組みを作り、攻撃していたものたちから無血で勝利を納める。
僕は目を瞑ってカーストの低い子らが蔑まれているのを、黙って見ているだけ。
てか、こんなことできるやつなんてこのクラスにはいない。
まさにおまえの、おまえの実力だ。まさに主だ。
その主は樹里、間違いなくおまえだ。

「もう、おもしろすぎ。。。凄いなあ」
田中さんが泣きながら笑う。江藤さんも涙をハンカチで拭きながら頷く。

こういうふうに使えばきっと、、、スクールカーストも悪くない。

「はいは~い、みんなもうすぐ授業やで~」
担任の山花先生がのそのそと生徒たちの間をぬって入ってくる。丸い眼鏡をかけた見るからに温厚な小太りの男の先生。他の先生たちだったら即「こら!おまえら!」だ。この辺は温厚な人で僕が好意を感じる部分だ。担当は古文で一年の時は現代国語だった。
「あ、いらっしゃい、御堂樹里さん」
「やまぴーやん、やまぴー私ここのクラスの生徒になりたい!」
そう言って樹里は立ち上がった。それにつられて亜子さんも立つ。
ぼちぼちひとだかりと笑顔の城下町の輪はほどけていく。
人のとこの担任「やまぴー」かい(笑)
声には出さないが、笑いながら山原先生は顔をしかめた。
「お、それは嬉しいこと言ってくれるやないかおまえ」
「うん、ここ雰囲気一番好きかも」
「でもやっぱり問題児はええけど、ムーブメント(革命)起こす生徒はいらん、脅威すぎる(笑)」
「ははっ、なんでよ(笑)」
しかめっ面の正体はそれか。

冗談を先生と言い合った後、田中さんに近づいた。
「今日放課後帰らんと残れる?」
「グズッ・・・・はい、、、大丈夫です。本当に、、、本当にありがとうございます」
また涙が溢れ出す。
「よっしゃ、じゃあ、今度はうっとこのクラスに来て。待っとくわ、一人で来てな」
「・・・・ヒック、はい」
「よっしゃ、んじゃ、亜子帰ろうか」

二人は特進科のクラスから出ていくとき、まだまだ残っていた生徒たちの花道を通るかのように教室から出て行った。


★亜子の視界


こんな格好いい女、見たことない。
きっともう人生の中でも現れないと思う。
後から樹里の背中を見て歩きながらそう思った。
それでいてどこか危なっかしかったり、顔に傷作ってきたり、子供みたいな駄々こねてきたり、それも計算なのに憎めない。そして、何かしら「大きなもの」が欠如していて一緒に補ってあげたくなる。

「谷もっちゃんそんな怖くなかったやろ?」
不意に後に振り返り、私に声をかける。
教室の前、まだ少々時間があるから立ち止まって廊下に二人横に並ぶ。
「そうやなあ、でももうちょっとおまえも校則守れよって言われたときは、こっから一気に怒られてまうかなとか思ったわ」
「でもそれだけで終わったやん」
「うん、言葉の後ろのほうは笑っていたし」
「谷もっちゃんは、逃げるやつや逆らうやつはとことんやっつけるけど、自分から飛び込んできたり、疑問を投げかけてくる子にはおそらく寛大やねん。典型的な強者やで」
「ふ~ん」
あの生活指導室でのやりとりで、樹里の言っていることが正解だということが分かる気がした。そしてなぜ私があそこに居た方がよかったのかもよく分かった。
私は学生手帳をポケットから出し、メモをとった、ペンが挟まれている部分にもう一度、目を通す。
そしてその確認行為よりも言いたいことを言う。
「最後、谷本に、『御堂、大学卒業したらまたこの学校に戻って来て、おまえが先生になれ、必ず採用するから』って言われてたやん」
「あんなん冗談やって(笑)」
いや、あれは冗談の言い方じゃない。
間違いなく本気だった。
「あんなこと言われるのは、、凄いなあって思ったわ。それでさっきの特進科のクラスでのことも納得できるし」
「私は・・・そういうのんじゃない。私を動かすものがあって動いているだけで、別に先生のような指導力とか正義感とか責任感でやっているんじゃない」
目を合わせず、何処を見ているのか分からない視線でそう言った。

そうかな、それは卵が先か鶏が先か、みたいな話だと思うけどな。

「あ、先生きた」
私らはクラスの大勢の中に入っていった。
私はこの御堂樹里に、残りの高校生活はついていこうと思う。
私は御堂樹里と、樹里のお兄さんには、これから目が離せない。


★亜子の視界 終了
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