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★私は彼のにおいで癒される。
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胸が苦しい。心臓がドキドキする。
落ち着こう、落ち着かせなきゃ・・・・
ダメだ、そんなこと。許されるわけない。
おかしくならないように、
おかしくならないように!
いてもたってもいられない。
このままだと自分はおかしくなるんじゃないかと、焦燥感に駆られる。
落ち着かせよう!
私はベッドから出て部屋からでた。
あにぃの部屋に行こう。これからすることははっきり言って「夜這い」。自分の今の姿はブラもせずにTシャツに、ボクサーショーツだけ。だけど、
(そんなもんかまうもんか!いざとなったらなんとでも言って冗談にしてしまえ!)
こないだもそうだった。エロゲーに夢中になっているお兄ちゃんの部屋に忍び込んで、ベッドの中でお兄ちゃんを待っていた。
小学校の時、5年生のあの日まで・・・・ずっと添い寝してくれてたんだ。
そうやって癒していたんだ、私自身を。
だって怖いもん。普通の子がそうはならないことが私にはそうなって、気を抜いたら襲い掛かってくる。だから常に緊張の糸は張っておいて、危険を予知して生きて行かないといけないし、強くなくてはならない。でもそれはとても疲れることだから。夜に最愛でかつ何も気を使わず、良いところも悪いところも全部受け入れてくれる人に抱きしめられて眠るのは、一番の癒やし。
部屋をノックもせずに開ける。
「・・・・・・・・・・」
同じく薄明かりで、、、、眠っている。。。
とても平和そうに。。。
私は部屋に入ろうとしたが、踏みとどまる。
寝ているあにぃの、、、横に?
世間体とプライドが阻害する。世間体・・・・あのクソ婆の母親が私にかけた呪いね。私までいちいち気にするようになって、生きて行くのが余計にしんどくなった。
こっそりと傍まで行く。寝顔を見つめる。
まるで少年のようなあどけない顔をして寝ているこの人の横で、この人のにおいをずっと朝までかぎ続けたい。
けど、色々自分の中のセンサーが、NG を示す。大人になっていくというのは、センサーがたくさん身についてしまうことなのかな?
何度か行きたい衝動が身体を走ったが、なんとか踏みとどまらせていた。
じゃあせめて一緒の部屋で寝るとかは?
――――今からマット抱えてここに来る?それもまた別の私が、あにぃが起きるぞ、とか、世間的にどうなん?とか、プライドが‥‥とか、やかましく懸念してくる。
あにぃが起きることとか、世間体はいざとなれば言い訳で振り切る自信があるけど‥‥
いや、あかんわ。。。
やっぱりこのままで。。。
一緒の部屋で寝るようにするなら、もっと起きている時になにか口実をつけて捻じ伏せてしまおう。今日するのは違う‥‥
「・・・・・ごめん」
私はそっと部屋の扉を閉めた。
そのまま私は風呂場の脱衣場に行った。
探すものはひとつ。
「・・・・・あった」
私はそれを取り出し、自分の部屋に持ち帰った。
それは‥‥あにぃの今日釣りの時に着ていた、汗の染みたTシャツ。
私は枕の上からそれらを敷いた。
そして、そっとうつ伏せになり、顔を左に向け、それらに顔をうずめた。
あにぃのにおいが私を包む。。。
私の乱れた波長が、どんどんと正常なものになってゆく気がした。
このにおいだ、このにおい‥‥幸せ。。。
私をずっと包んでくれたこのにおい。。。
今日も私を助けてくれたときの、このにおい。。。
ああ‥‥嬉しい。。。
気持ちが一時的にではあるけれど、満たされた。
「はあ・・・・・疲れた」
そう言ってすぐに、私は意識がなくなった。
朝は早く目が覚めた。
あにぃのにおいで熟睡したものの、こんなの敷いて寝ているのがバレたら、夜這いして添い寝に持ち込むより言い訳は難しくなるし、プライドが傷つく。格好悪い。
でもこのにおいと一分一秒離れたくない。
私は枕の下に隠す。こうすれば起こしに来ても、見つかりはしない。
あとは寝たふりをしてやり過ごして、あにぃが学校に行ったのを見計らって洗濯ものの中に戻しておけばいい。
★樹里の視界 終了
落ち着こう、落ち着かせなきゃ・・・・
ダメだ、そんなこと。許されるわけない。
おかしくならないように、
おかしくならないように!
いてもたってもいられない。
このままだと自分はおかしくなるんじゃないかと、焦燥感に駆られる。
落ち着かせよう!
私はベッドから出て部屋からでた。
あにぃの部屋に行こう。これからすることははっきり言って「夜這い」。自分の今の姿はブラもせずにTシャツに、ボクサーショーツだけ。だけど、
(そんなもんかまうもんか!いざとなったらなんとでも言って冗談にしてしまえ!)
こないだもそうだった。エロゲーに夢中になっているお兄ちゃんの部屋に忍び込んで、ベッドの中でお兄ちゃんを待っていた。
小学校の時、5年生のあの日まで・・・・ずっと添い寝してくれてたんだ。
そうやって癒していたんだ、私自身を。
だって怖いもん。普通の子がそうはならないことが私にはそうなって、気を抜いたら襲い掛かってくる。だから常に緊張の糸は張っておいて、危険を予知して生きて行かないといけないし、強くなくてはならない。でもそれはとても疲れることだから。夜に最愛でかつ何も気を使わず、良いところも悪いところも全部受け入れてくれる人に抱きしめられて眠るのは、一番の癒やし。
部屋をノックもせずに開ける。
「・・・・・・・・・・」
同じく薄明かりで、、、、眠っている。。。
とても平和そうに。。。
私は部屋に入ろうとしたが、踏みとどまる。
寝ているあにぃの、、、横に?
世間体とプライドが阻害する。世間体・・・・あのクソ婆の母親が私にかけた呪いね。私までいちいち気にするようになって、生きて行くのが余計にしんどくなった。
こっそりと傍まで行く。寝顔を見つめる。
まるで少年のようなあどけない顔をして寝ているこの人の横で、この人のにおいをずっと朝までかぎ続けたい。
けど、色々自分の中のセンサーが、NG を示す。大人になっていくというのは、センサーがたくさん身についてしまうことなのかな?
何度か行きたい衝動が身体を走ったが、なんとか踏みとどまらせていた。
じゃあせめて一緒の部屋で寝るとかは?
――――今からマット抱えてここに来る?それもまた別の私が、あにぃが起きるぞ、とか、世間的にどうなん?とか、プライドが‥‥とか、やかましく懸念してくる。
あにぃが起きることとか、世間体はいざとなれば言い訳で振り切る自信があるけど‥‥
いや、あかんわ。。。
やっぱりこのままで。。。
一緒の部屋で寝るようにするなら、もっと起きている時になにか口実をつけて捻じ伏せてしまおう。今日するのは違う‥‥
「・・・・・ごめん」
私はそっと部屋の扉を閉めた。
そのまま私は風呂場の脱衣場に行った。
探すものはひとつ。
「・・・・・あった」
私はそれを取り出し、自分の部屋に持ち帰った。
それは‥‥あにぃの今日釣りの時に着ていた、汗の染みたTシャツ。
私は枕の上からそれらを敷いた。
そして、そっとうつ伏せになり、顔を左に向け、それらに顔をうずめた。
あにぃのにおいが私を包む。。。
私の乱れた波長が、どんどんと正常なものになってゆく気がした。
このにおいだ、このにおい‥‥幸せ。。。
私をずっと包んでくれたこのにおい。。。
今日も私を助けてくれたときの、このにおい。。。
ああ‥‥嬉しい。。。
気持ちが一時的にではあるけれど、満たされた。
「はあ・・・・・疲れた」
そう言ってすぐに、私は意識がなくなった。
朝は早く目が覚めた。
あにぃのにおいで熟睡したものの、こんなの敷いて寝ているのがバレたら、夜這いして添い寝に持ち込むより言い訳は難しくなるし、プライドが傷つく。格好悪い。
でもこのにおいと一分一秒離れたくない。
私は枕の下に隠す。こうすれば起こしに来ても、見つかりはしない。
あとは寝たふりをしてやり過ごして、あにぃが学校に行ったのを見計らって洗濯ものの中に戻しておけばいい。
★樹里の視界 終了
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