【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件【第二作目連載中】

木村 サイダー

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第一巻

★田中さんを交えた釣行は無事終了。

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その後魚の当たりは樹里に小さなガシラが一匹きたのと、サビキも僕が少しだけやって、そこそこ大きいけど尺はないアジが二匹かかっただけ。午後五時半頃で終了。もうここから僕たちの家まで帰ったら午後六時半時、田中さんだったら午後七時以降になるだろう。予定より三十分早い切り上げだった。
今日は完全に釣り初めての田中さんに、僕たちは釣り負けたようで
「すみませんでしたー勉強させていただきましたー」
と、樹里と二人で深々と頭を下げる。
「いやいや!(笑)そんなん、こちらこそ、色々ありがとうございます!」
「どう?楽しかった?」
樹里が聞くと
「ええ!めっちゃアウトドアしてた感じで、しかも良い思いまでさせてもらって」
声の感じからして、おべんちゃらとかその場しのぎのお愛想ではなさそうだ。
本当に楽しそうだった。
しかも時間も短かったからそこまでクタクタにはならなかっただろうし。ちょうどいいのかもね。
「そっかそっか」
釣りの『一つの目的』は満足いく結果だったようだなと思う。
もう一つの方はどうだったんだろう、樹里はずっと置いていたスマホのチェックをしている。

そのまま僕たちは電車に乗り、ターミナル駅で乗り換えて、自分たちの住む街に向かってくれる電車に乗り換えた。
時間が短くて疲れていないとはいえ、やっぱり気は使ったし、ちょっとしたアクシデントもあったため、自然と無口になり、僕は意識が飛んでしまっていた。
ひょっとしたら特急とかならすごいスピードで走るから起きているのかもしれないけど、この状況にこの鉄道の鈍行ぶりは、今の僕たちの心地よい適度な疲れの中では、まるで眠るための揺りかごだ。「起きておけ」というほうが拷問のようだ。
樹里と田中さんも同様で時折夢なのか現実なのか分からないが、寝息が聞こえたり、お喋りしたり・・・・

「あれ、考えておいてな」
樹里かな・・・・
「ええ。きっとお金も結構かかっちゃうことなので・・・考えてみますね」
「その気になったら、これからは実技みたいなことになるから、その時は連絡ちょうだい。しかもいきなり一気にやるスケジュールではなく私に考えがあるから。アプリあるから大丈夫やんね」
「は、はい、連絡は必ずしますので、大丈夫です」

・・・・これからは実技指導?
なにすんの?
空手でも教えるのかな。。。。
まさか。

僕は再び眠りに落ちた。

ひとしきり感謝の挨拶をいただき、僕たちは駅で手を振り、田中さんと別れた。
さてと、
「なあ樹里」
「うん?」
「これから靴買いに行くんやろ」
「うん、靴言うてもまたいつもの(通気口のあいたスポーツサンダル)やけどな」
「じゃあ、今日は疲れたから魚捌くのは堪忍してもらって、魚にも申し訳ないけど、そこのモールでなんかもう食べて帰らない?」
「お、いいね!」
本来おいしい魚を鮮度抜群の時に食べたいのなら、このまま持って帰ってすぐに食べるのが一番だが、何分にもやはり疲れたし、アジやガシラはかろうじて捌けるが、基本的にそこまで魚は上手に捌けない。仮にもし、鯛を釣ったならモール内の鮮魚店で有料で捌いて刺身にして持って帰るか、釣ったところの地元でそういう店を見つけて捌いてもらって帰る。
餅屋は餅屋だ。
なにしろ鯛や黒鯛は鱗が凄すぎるから。
キッチンがキラキラになってくる。悪い意味でな。

帰って荷物をおいて出てくるのは微妙なのでそのままモールの中に入っていき、とあるブランドスポーツサンダル専門店でまったく同じ?白い通気穴のあるスポーツサンダルを買った。
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