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第一巻
★カミングアウト~釣りをしていると色々話したくなるもの~
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一時間ほど投げたが、、、釣れねー
私の持久力のほうがヤバいわ・・・・
田中さん一匹釣ってるから強ぇ~まだニコニコで投げて巻いてはるわ。
多分何も考えないで永遠と同じことをやり通せる人のほうがルアー釣りには向いているように思う。そういうゾーンを持った人。あにぃとかそういうところあるけど、私はどうも一時間ぐらいやって反応がないとなにか違うことをしたくなってしまう。
けど今日は田中さんがいるからちょっと自分を押し殺している。もうちょっと続けるかな。。。
「なかなか、釣れなくなりましたねー」
田中さんから声がかかる。けどまだまだ顔に余裕がある。女子はだいたい釣りしだして二十分ぐらい何も釣れなかったらもうブーたれてやめてしまったりどこかに座りに行ったりする子が多い。けど最初に釣れたので田中さんは「釣り持久力」が落ちてきたとは言え、まだまだありそう。
「普通、こんなんやでルアー釣りって」
「ええ?そうなんですか、シビアですね」
「時合とその時の潮と、あとはタイミングみたいなもんかな。まりっぺは持ってるわ」
「えへへへ、嬉しいです」
「今日の優勝はまりっぺになりそうやな」
「マジですか。いきなり来て優勝ですか~」
「うんうん、写メあにぃが撮ってたから後でもらい」
「あ、多分さっきメッセージアプリが反応してたんで。多分もう」
「あ、私とも交換してもらっていい?」
「え?樹里さんと?!」
「うん」
どうせ釣れそうにもないので、タックルをティップを海側に出して地面においた。
ヒップバックからスマホを出す。
「これ私の二次元コード」
コードを見せてあげる。
「すみません、私も竿、地面においても大丈夫ですか?」
「うん、ベールのところだけ上向けといたって」
「ベール?」
「リールのその糸を掴んで回すところ。そこ傷いくと糸に傷いく可能性があるから」
「ええっと・・・・」
傍までいって「貸して」タックルを預かり、ベールを指でなぞる
「ああ、それかあ」
「よくベールを開けてとか、返してとか、戻して、とか私言ってたでしょ」
「な、なんとなくでやってました」最初はそんなもんかな。
あにぃのは道具キチの父親のお下がりが多いので一応高級品。そこそこは気を使ってあげる。私がベールを上にした状態で地面に置く。ボディは父親のときから結構傷んでいるし。
その間に田中さんがお尻のポケットに入れかえていたスマホを出す。
「はい、それじゃあ」
田中さんが二次元コードの読み込みを行った。「キンコーン」と音が鳴り、私のなんの写真もない「樹里」とだけ名前が出る、我ながら不愛想なアイコンが表示された。
「いやあ、私樹里さんとアプリ交換したわ、、、ハハハ」
「よろしく」
「いえいえ、あの・・・・えーーーー」
笑いながら私のメッセージアプリのアイコンを見ながらフラフラしてにやけている。
「あー、、、ちょっと自慢できるかも」
「テキトーにはいいけど、でもあんまり言いふらさんといてな。私あんまり交換していないから」
「あ、はい。それはもう絶対に守ります」
そこはビシッと田中さんが気持ちの姿勢を正したみたい。
「あと、それと」
田中さんが私を窺うように下から見てくる。だいたいは分かっているが
「うん、何?」
違っていれば違っていたらでいい。私に損することはなにもない。スマホをヒップバックに直す。
「さっき電車の中で聞いてほしいことがあるけど、後でって言ったことなんですけど・・・」
「うん」
私はあえてロッドを手に取る。
「聞いてもらっていいですか?」
「いいよ、投げながら聞いていい?」
「はい、全然かまわないです」
あえて相手の顔を見ないで、他のことをしているようにして、私からのプレッシャーをかけないようにしている。
ロッドが鋭く空を切る音がする。
「学校での私のことなんです。悩みっていうのは」
「うん」
ちょっと肩が竦んで見えた。あえて見ないようにしているが目の端には彼女がいるようにしている。
「私、昔っからなんですけど。。。」
「うん」
「その・・・・・学校での立場が、なんというか・・・良くないんです」
ベールを戻し糸を巻き取っていく。あえてロースピードで。
私の持久力のほうがヤバいわ・・・・
田中さん一匹釣ってるから強ぇ~まだニコニコで投げて巻いてはるわ。
多分何も考えないで永遠と同じことをやり通せる人のほうがルアー釣りには向いているように思う。そういうゾーンを持った人。あにぃとかそういうところあるけど、私はどうも一時間ぐらいやって反応がないとなにか違うことをしたくなってしまう。
けど今日は田中さんがいるからちょっと自分を押し殺している。もうちょっと続けるかな。。。
「なかなか、釣れなくなりましたねー」
田中さんから声がかかる。けどまだまだ顔に余裕がある。女子はだいたい釣りしだして二十分ぐらい何も釣れなかったらもうブーたれてやめてしまったりどこかに座りに行ったりする子が多い。けど最初に釣れたので田中さんは「釣り持久力」が落ちてきたとは言え、まだまだありそう。
「普通、こんなんやでルアー釣りって」
「ええ?そうなんですか、シビアですね」
「時合とその時の潮と、あとはタイミングみたいなもんかな。まりっぺは持ってるわ」
「えへへへ、嬉しいです」
「今日の優勝はまりっぺになりそうやな」
「マジですか。いきなり来て優勝ですか~」
「うんうん、写メあにぃが撮ってたから後でもらい」
「あ、多分さっきメッセージアプリが反応してたんで。多分もう」
「あ、私とも交換してもらっていい?」
「え?樹里さんと?!」
「うん」
どうせ釣れそうにもないので、タックルをティップを海側に出して地面においた。
ヒップバックからスマホを出す。
「これ私の二次元コード」
コードを見せてあげる。
「すみません、私も竿、地面においても大丈夫ですか?」
「うん、ベールのところだけ上向けといたって」
「ベール?」
「リールのその糸を掴んで回すところ。そこ傷いくと糸に傷いく可能性があるから」
「ええっと・・・・」
傍までいって「貸して」タックルを預かり、ベールを指でなぞる
「ああ、それかあ」
「よくベールを開けてとか、返してとか、戻して、とか私言ってたでしょ」
「な、なんとなくでやってました」最初はそんなもんかな。
あにぃのは道具キチの父親のお下がりが多いので一応高級品。そこそこは気を使ってあげる。私がベールを上にした状態で地面に置く。ボディは父親のときから結構傷んでいるし。
その間に田中さんがお尻のポケットに入れかえていたスマホを出す。
「はい、それじゃあ」
田中さんが二次元コードの読み込みを行った。「キンコーン」と音が鳴り、私のなんの写真もない「樹里」とだけ名前が出る、我ながら不愛想なアイコンが表示された。
「いやあ、私樹里さんとアプリ交換したわ、、、ハハハ」
「よろしく」
「いえいえ、あの・・・・えーーーー」
笑いながら私のメッセージアプリのアイコンを見ながらフラフラしてにやけている。
「あー、、、ちょっと自慢できるかも」
「テキトーにはいいけど、でもあんまり言いふらさんといてな。私あんまり交換していないから」
「あ、はい。それはもう絶対に守ります」
そこはビシッと田中さんが気持ちの姿勢を正したみたい。
「あと、それと」
田中さんが私を窺うように下から見てくる。だいたいは分かっているが
「うん、何?」
違っていれば違っていたらでいい。私に損することはなにもない。スマホをヒップバックに直す。
「さっき電車の中で聞いてほしいことがあるけど、後でって言ったことなんですけど・・・」
「うん」
私はあえてロッドを手に取る。
「聞いてもらっていいですか?」
「いいよ、投げながら聞いていい?」
「はい、全然かまわないです」
あえて相手の顔を見ないで、他のことをしているようにして、私からのプレッシャーをかけないようにしている。
ロッドが鋭く空を切る音がする。
「学校での私のことなんです。悩みっていうのは」
「うん」
ちょっと肩が竦んで見えた。あえて見ないようにしているが目の端には彼女がいるようにしている。
「私、昔っからなんですけど。。。」
「うん」
「その・・・・・学校での立場が、なんというか・・・良くないんです」
ベールを戻し糸を巻き取っていく。あえてロースピードで。
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