【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件【第二作目連載中】

木村 サイダー

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第一巻

★君らにおごるとは言ってないよ。

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もう十分話し込んで、いつ行く、何持っていったらいいのか、いや田中さんは何もいらん、日焼け止めと日焼け対策だけはしてね、夕方三時ぐらいから向こうに付くようにいくから、前後移動時間とかこのくらいだから、それを親御さんらにちゃんと言っておいてね。などなど。話し込めば結構な時間になってしまった。いつもなら僕は樹里の晩御飯を準備して食べる少し前ぐらいになってきていた。田中さんの家の事情もあるから、まだまだ話したりないし、予定もまだカッチリ決まっていないけど、切り上げることにして席をたった。
「え?悪いって」田中さんが言う。
レジに向かう前に僕はさっとオーダー伝票を取り、支払いに向かった。
嬉しすぎたんで、これぐらいはさせてよ。そんな気持ちだったのだが、

何席か通過したところで、
僕の前に、
白い美しい女性の手だけが伸びてきたんだ。

そこには、同じオーダー伝票が挟まれていて、
言わないでもわかるこれ・・・・

案に僕に支払え、ってことでしょ?

「払っといてな、うちらの分」
「・・・・・・・・いつからおんねん」
「いや、今回たまたまやってんて(笑)」

樹里である。
なんとレジ横の席に座っていた。

たまたま説は間違っていないようだ。
樹里の向かいに、女子生徒おそらく一年生の子が一人いた。
「こんにちは」
座ったままであるが女子生徒が礼儀正しくニコっとして挨拶してくれる。
僕もニコっとして「こんにちは」
『この子が亜子』樹里が説明をいれる。
亜子、こないだ会話の中に出てきていた、彼氏がちょっと、、、な子かな。
万里崎亜子さん。うちの高校の子はみんな、大人し目の、ノー個性な感じの子が多いけど、おそらくこの子は、
少し目立つ要素が強めの子だな。
らんちゃんとはまた違う。どちらかといえばあまり健全ではない。
不良のテイスト。
髪の色も明るいし、巻いている。
顔も割と派手でマスカラとリップは使っているのがはっきりと分かる。
まあ、彼氏はそりゃできるやろうね。
樹里とは違うが、十五、六歳にしては艶っぽすぎる。

遅れて、
「・・・・え、あ、じゅ、樹里さん」
田中さんが思わず声を上げる。
すかさず、
「あ、こんにちは。兄がお世話になっています!」
樹里がしっかり僕に伝票を手渡し、田中さんに立って挨拶をした。
「あ、、ああ~ああ、、、樹里さん、こ、こちらこそ・・・・こんにちは」
田中さん、言葉おかしいよ。
突っ込みを入れてオーダー伝票を念のため確認すると、
うーんどれどれ?

厚切りサーロインステーキ(100g)とエビフライと紅ずわい蟹のクリームコロッケとごはんのセットにドリンクバー。
厚切りサーロインステーキ(100g)&海老のグリルと紅ずわい蟹のクリームコロッケに、野菜サラダとごはんのセットにドリンクバー
旬のいちごの濃厚ショコラサンデー二個

「・・・・・・・・・・」
え?
おかしいやろ!
本気で食ってるやんけ!
デザートまでついとる!
あれ?おい?これ払うの?おい?
「お兄さん、ごめんなさいね。こんなつもりなかったんですけど、樹里が『いい』言うから・・・・」
亜子ちゃんが手を合わせて笑顔で目を瞑り、謝る。
「あ、いやいや、、良いんだよ。いつも妹がお世話になっています」
「あ、いえいえ、樹里には、、妹さんには私が相談乗ってもらったり、アホなこと頼んだりしてしまってるんですよ」
なんかそういえばこないだあったような。。。
あちらはあちらで、
「今日も教室でお見掛けしましたね~」
「あ、、は、はい、、、あの・・・・」
「名前なんて言うんですか?」
「あ、わ、私は、、田中です」
女性二人の立ち話はしばらくの間、続くのであった。
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