【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件【第二作目連載中】

第一巻

★少しの間猶予をください。

誘うにしても、「いちのいち」で誘いの言葉をかける度胸もないので、
樹里には『三日、、、、三日ください！お願いいたします！神様仏様、樹里様！』
と懇願し、『しゃーないなあ・・・・』と、三日の猶予をもらった僕なんだが、

どのタイミングで言ったら良いのか分からないし
どういう手順で『釣り一緒にいこう』と切り返していくのか分からないし、そもそも『釣りが趣味なんです』なんて話すら、まだしていないし。
勿論相手が釣りに対してそういうイメージを持っているかなんてことも全然分かっていない

『え～～～釣り？臭いから嫌、くっさ～』
とか言われたらどうしよ・・・・
みたいな妄想にかられる。。。
しかもこれ、今はお昼時。
お弁当タイムは終わり、あと四十分ぐらいは『ボーッとタイム』か『お休みタイム』か『お散歩タイム』まあなんでも良いんだけど、そんな自由時間なのだ。

朝一、おはようのときに言った方が一番よかったかもなあ。。。
あのときはあのときで、いや、早すぎるやろ。しかもそんな唐突なこと。とか思ってしまう。けどこれ、後に回せば回すほど、何か精神的にきつくなってくるように思うんやけど・・・・

二階からボーッと外を眺める。
グラウンドで遊んでいる生徒たち。
笑いあって追いかけあっている男子ら。
カップルで真下のベンチに座っている男女。
ネットにもたれて話し合う男女複数。
今日も空には少しの鱗雲。

おそらく田中さんは江藤さんと、あと違うクラスのもう一人の子と、ランチしているはず。
どの辺で食べているんだろう・・・・
見渡しても当然に分かるわけもないか。

ブブブブブブブブブー

スマホが振動する。
僕はどうせやることも特になかったので、すぐに画面を確認したら

樹里だ。
なになに？

「休憩時間終わりしなにそっち寄るわ」
終わりしな・・・・終わる少し前に、という意味。
なんだろ・・・・猶予くれるって話していたから、催促とかではないよね。
なんか忘れものでもあったかな？あんまり学校では、絡まないからなあ。

学校では樹里はある意味忙しい。
いっつも話題の中心にいて、
男子にしても女子にしても、学年関係なく（まあまあ同学年が一番多いけど）スクールカースト上位者に囲まれている。
時に不良グループ（この学校にはあまりいないので最近はご無沙汰）、時にスポーツ万能メンズ、時にお笑い系カースト上位者、時にその他の学園のマドンナたち。
そのポジションがすごく似合ってて、昔から当然にその『女帝』たる位置に、僕の知る限り君臨しているように見える。

なので、僕はどうしても用事があるとき以外は近づかないようにしている。
本人からしてみれば、
まったく違うし、昔はあんまり友達おらんくて、あにぃとずっと一緒におった時もある。というのだが。
なんか僕にはそんな記憶が、、、ほとんどないんだよな