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★今日も田中さんと一緒に帰ります。
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「じゃあ、いこっか?」
「うん」
僕は皆が帰るのと時間差を付けるため、田中さんに伝えておいて、少し校舎をブラブラ、大方一周してくる。
僕のことなんかそんな知る人間はいないし、顔もクラスの連中らしか指すことはない。
勿論田中さんもそうしてほしい、とのことだった。
二人並んで校舎を出て帰ったら、一気にどんな噂が広がるか分からないからな。
もうこのぐらいになると、部活やってるやつは部活の更衣室に行ってるし、
帰宅部は帰っている。ちょうどいいピンスポタイムだ。
あと、話すことなんだが、ない。
だからもう開き直った。多分皆そうなんだ。
最初から話すことなんて、親兄弟じゃないんだから、無いはず。
だから自分のことを話していこう。で、勿論ネガティブじゃないことを話そうと思った。
「田中さん、音楽とか聞くの?」
凄く月並な事しか聞けないので申し訳なく思うが、仕方ない。
「うん、時々聞いているよ」
「え?どんなん聞く?」
「普通に、、、〇〇とか〇×××とか、、、」
ありきたりな最近流行のポップスのヒット歌手の名前が出てくる。
多少は分かる。
「ああ、〇×××格好良いよね~」僕が相槌をうつ。
確かにあのバンドはポップス全盛期において、なかなか格好良い。少しロック色があるんだ。
「こないだ音楽番組に出てたでしょ」
「ああ、出てた出てた」
そういや、こないだ洗い物片付けしている時、テレビで歌っているの流れてきたっけな。
「歌うまいよね、あの人」
「うん、確かにうまいね。なんかちょっと古いタイプのメロディアスな歌の感じなんだけど、今のロックというかポップスにあっているというか」
自分なりの感想を言ってみる。
「ねえねえ、salvage知ってる?あのバンドと蒼介と似てない?」
ふいに僕の中の時間が停止したような幻覚にさらわれた。
田中さんの口から出たのは、僕のかつて中学生時代に
憧れて、憧れて、憧れて・・・・
真似をして、歌も練習して、服も髪型も似せて、
そして生き方まで真似しようとしたあのバンドの名前だった。
「あ、え、知ってるよ、てか、めっちゃ好きやったよ」
青春の一部でした。
きっと死ぬまで忘れない、
自分の心の中のフォトグラフが溢れて、
窓から風の中へ、消えていくとき、
彼らの写真、蒼介の姿は、ここに(心の中)ある。
とか、まあそんな重たい話してもダメだしね。
「私もめっちゃ好きやった。お兄ちゃんが私おるねん」
「ほうほう、うちと同じか」
「あ、御堂君も妹さん、いてるんや」
まあ知らないなら、誰とはまだ言わないでおこうかな。あいつの名前だすのは、ひょっとしたら諸刃の剣かもしれん。
「そんでなんか話した感じがお兄ちゃんぽいんやあ。それでな、お兄ちゃんが良く聞いてたから私も、良く聞くようになってん」
「めちゃ格好良かったよなあ」
僕にはそんな言葉では片付けられないけど
「めちゃ格好良かった。蒼介(そうすけ:ヴォーカル)も晃(あきら:ギター)も」
「MV見たことある?」
「あるよ~」
「弁天(べんてん:ベース)と麻生(サイドギター)が不動なんだよね」
「笑、そうそう、あれ蒼介と晃と、凄い差があって、、、あれはあれで良かったね」
田中さんが口元に手をあてて笑う。
「元也(げんや:ドラム)はこの三人と違ってムキムキマッチョで朗らかそうだし」
「ああ、そうそう(笑)個性が際立ってたよね」
そう、salvageというバンド名は皆の名前の一部をとって作られていた。「L」以外は。
「そして、江川(えがわ)」
「マネージャーさんでしょ」
田中さん、ちゃんと知ってる。なかなかのファンだと言うことが分かる。
最後の「e」は『いつも僕たちのために色々尽くしてくれるマネージャーもバンドのメンバーじゃねぇのか』ということで「e」が入った。
間に合わせ説もあるんだけどね・・・・あれ?
「でも解散しちゃったよね~」
「うん」
僕は皆が帰るのと時間差を付けるため、田中さんに伝えておいて、少し校舎をブラブラ、大方一周してくる。
僕のことなんかそんな知る人間はいないし、顔もクラスの連中らしか指すことはない。
勿論田中さんもそうしてほしい、とのことだった。
二人並んで校舎を出て帰ったら、一気にどんな噂が広がるか分からないからな。
もうこのぐらいになると、部活やってるやつは部活の更衣室に行ってるし、
帰宅部は帰っている。ちょうどいいピンスポタイムだ。
あと、話すことなんだが、ない。
だからもう開き直った。多分皆そうなんだ。
最初から話すことなんて、親兄弟じゃないんだから、無いはず。
だから自分のことを話していこう。で、勿論ネガティブじゃないことを話そうと思った。
「田中さん、音楽とか聞くの?」
凄く月並な事しか聞けないので申し訳なく思うが、仕方ない。
「うん、時々聞いているよ」
「え?どんなん聞く?」
「普通に、、、〇〇とか〇×××とか、、、」
ありきたりな最近流行のポップスのヒット歌手の名前が出てくる。
多少は分かる。
「ああ、〇×××格好良いよね~」僕が相槌をうつ。
確かにあのバンドはポップス全盛期において、なかなか格好良い。少しロック色があるんだ。
「こないだ音楽番組に出てたでしょ」
「ああ、出てた出てた」
そういや、こないだ洗い物片付けしている時、テレビで歌っているの流れてきたっけな。
「歌うまいよね、あの人」
「うん、確かにうまいね。なんかちょっと古いタイプのメロディアスな歌の感じなんだけど、今のロックというかポップスにあっているというか」
自分なりの感想を言ってみる。
「ねえねえ、salvage知ってる?あのバンドと蒼介と似てない?」
ふいに僕の中の時間が停止したような幻覚にさらわれた。
田中さんの口から出たのは、僕のかつて中学生時代に
憧れて、憧れて、憧れて・・・・
真似をして、歌も練習して、服も髪型も似せて、
そして生き方まで真似しようとしたあのバンドの名前だった。
「あ、え、知ってるよ、てか、めっちゃ好きやったよ」
青春の一部でした。
きっと死ぬまで忘れない、
自分の心の中のフォトグラフが溢れて、
窓から風の中へ、消えていくとき、
彼らの写真、蒼介の姿は、ここに(心の中)ある。
とか、まあそんな重たい話してもダメだしね。
「私もめっちゃ好きやった。お兄ちゃんが私おるねん」
「ほうほう、うちと同じか」
「あ、御堂君も妹さん、いてるんや」
まあ知らないなら、誰とはまだ言わないでおこうかな。あいつの名前だすのは、ひょっとしたら諸刃の剣かもしれん。
「そんでなんか話した感じがお兄ちゃんぽいんやあ。それでな、お兄ちゃんが良く聞いてたから私も、良く聞くようになってん」
「めちゃ格好良かったよなあ」
僕にはそんな言葉では片付けられないけど
「めちゃ格好良かった。蒼介(そうすけ:ヴォーカル)も晃(あきら:ギター)も」
「MV見たことある?」
「あるよ~」
「弁天(べんてん:ベース)と麻生(サイドギター)が不動なんだよね」
「笑、そうそう、あれ蒼介と晃と、凄い差があって、、、あれはあれで良かったね」
田中さんが口元に手をあてて笑う。
「元也(げんや:ドラム)はこの三人と違ってムキムキマッチョで朗らかそうだし」
「ああ、そうそう(笑)個性が際立ってたよね」
そう、salvageというバンド名は皆の名前の一部をとって作られていた。「L」以外は。
「そして、江川(えがわ)」
「マネージャーさんでしょ」
田中さん、ちゃんと知ってる。なかなかのファンだと言うことが分かる。
最後の「e」は『いつも僕たちのために色々尽くしてくれるマネージャーもバンドのメンバーじゃねぇのか』ということで「e」が入った。
間に合わせ説もあるんだけどね・・・・あれ?
「でも解散しちゃったよね~」
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