【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件【第二作目連載中】

木村 サイダー

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第一巻

★樹里から『田中さんと外で食べておいでよ』と言われた。

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ブブブブブブー

マナーモードのスマホが震える。
机の上で震える。
今は教室で一限目と二限目の間の休憩時間。
一限目の復習をほんの少しだけしていたけど、余裕だったし、この辺で終わろう。
授業中はいや、学校に入ると同時にスマホの電源を消さないといけない校則だったけど、
最近はなにかと、気象系、政府広報系の連絡もスマホの緊急が多いため、むしろ消すほうがタブーになってきているため、つけっぱなしでもあまりなにも言われなくなったなあ。
まあでも露骨にやってりゃあ、そりゃ怒られるわけで。たまにそういう我慢の足りない子?
あるいは夢中に連絡を取り合いたい相手がいる子、つまり「恋をしている子」とか結構先生に見つかって、怒られて一時取り上げ食らっちゃったりしている。
僕はいつも通り、一人で自分の机のところにいる。
机のスマホに目をやる。
樹里からスマホにメッセージアプリが受信する
<今日はヤバかった(汗)遅刻しかかった。校門当番、おかじゅんだったからまだセーフ(ホッ)>
なんとなく想像してしまって笑ってしまう。
おかじゅんとは、先生の名前だ。
五十半ばぐらいの先生で、本名は岡順一。略しておかじゅん。
男前で女子にも人気がいまでもある。雰囲気がさっぱりしていて、学校的には余りよくないのかもしれないけど、樹里がするような、少々の悪いことしても、「おまえもう、ちゃんとせぇよ!」ってなぐらいで、許してもらっている。

ブブブブブブー

また樹里から入る
<ちゃんと起こしてーや!(怒りマーク)>
いや、起こしてるっつうの!
<起こしているよ(冷や汗マーク)今日だって起きなかったの樹里の方やん>
送信!
ったく。

ブブブブブブー
また来た。

文句か?
なになに~
<起こし方が甘いねん。まず添い寝して、甘い言葉囁いてくれるとか(ZZZ)そういうのん欲しいねんけど?>
「ぶっ!」
吹き出した。
思わず即返信!
<あほか~あほか~おまえはあほか~(拍手)←なぜこれにしたのかは不明>

ブブブブブブー
反撃か?
<耳元で、おはよう、今日の朝ごはんは餃子だよ、とか(ギョーザマーク)>
朝ごはんで餃子って・・・・どんな食欲?いやどんなセンス?
さては今晩は餃子を・・・・食べたいんか?
今日スーパーで買ってあげようかなとか思ってしまう。
とりあえず
<ありえへん(ギョーザマーク+バツ)>

でもドキドキしてしまった。
添い寝とか、甘い言葉とか、できるかそんなこと!でもできるならしたいような・・・・赤面しているな、僕。
でも樹里みたいな女の子ゲットできる男で、朝を一緒に迎えれることがあったら、
そりゃあ男冥利に尽きるかもな。

ブブブブブブー

また来た。
<非モテ、キショイ(爆発)・・・>
うっさいわこいつ、自分で言うといて。どうせ僕は非モテですよ!こういう『引いておいて突き放す』を、樹里はよくやってくる。
まだ続きある。

<今日は、晩御飯、田中さんと外で食べておいでよ>
「う・・・・」
僕はなぜか思わず立ち上がる。。。
二つ前には、田中さんがこちらに背を向けて(つまり黒板方向に体を正面の正しい姿勢)で、勉強している。
そしてまた、座る。
要するに、僕は落ち着かないのだ。そういや、昨日見られていたよなあ。見事に「裏の裏」をかきやがったや、樹里。確か、田中さん、今日また一緒に帰りたいと言ったし。。。
まあそれはいいとして、
普通に不安だ。喋ることが続くのかな、もあるし、
そういうこと言う度胸あるかな。とかもあるし、
言って嫌な空気にならないかな、とかもある。
嫌な空気になった後のリカバリとか、やり方分からんし。とかもね。
童貞の女性に対する根性なんてこんなものである。
<そんなんいきなりようせんわ(汗)>
以上の数式?から導かれた、僕の答えはこれだった。

そして二限目が始まる。
チャイムが鳴る。

ブブブブブブー

あ~もう、うっさいなあ
樹里のメッセージに「うっさいなあ」と言えるのは僕の特権か。
<いけるって(パンチ)>
この後、何をどう?これをどう?ああなったらどうする?なんて聞いていたら授業中全部それに時間を消化してしまうか、スマホ没収になりかねないので、やめた。
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