とある最弱者の貴族転生~高貴な《身分》と破格の《力》を手に入れた弱者は第二の人生で最強となり、生涯をやり直す~

詩葉 豊庸(旧名:堅茹でパスタ)

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第三十一話 放課後にて

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 お久しぶりです
 お待たせして申し訳ございません!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 時は経つのは早いもので気がつけば放課後になっていた。

「はぁぁぁぁぁ~今日も何とか乗り切ったぁ~!」

 前の席に座るジンが爺臭い声をあげながら伸びをする。
 
「お疲れだな、ジン」
「まぁな。やっぱ中等部にいた時と比べるとハードだわ」
「そんなに変わるのか?」
「おう。中等部の頃はトイレ目的で授業抜けしてサボり放題だったんだがな……」
「サボり放題って……」

 まぁ確かにうちの担任結構厳しいし。
 トイレ行く時も監視役の生徒一人連れていかないとダメという決まりがある。

 ジンのようなおサボり野郎が出ないための策ってわけ。

(でも、これでも学年主席入学なんだよなぁ……ジンって)

 不真面目なのか、真面目なのか……本当に判断しにくい男だ。

「なぁ、ユーリ。今日の放課後って時間あるか?」

 話題は放課後の話へ切り替わる。
 だが今日は生憎放課後は予定あり。

 丁重にお断りすることに。

「悪い、ジン。今日はちょっと用事があるんだ。また今度でいいか?」
「お? もしかしてフィアット会長とおデートでもするつもりか?」
「は、はぁっ!? なんでそうなるんだよ!」
「だって、さっき会長とコソコソとヤってたじゃんか!」

 勢い余って声を張り上げるジン。
 それに反応し、周りのクラスメートたちが一斉にこっちに目を向けてきた。

「お、おい! 誤解を招く言い方は止めろって!」
「でも事実だろぉ?」

 いやらしさを全開にした表情でこっちをじーっと見てくる。
 こいつ……俺で遊んでやがるな……。

「ふ、普通に会話をしていただけだ! それ以上でもそれ以下でもない」
「ほう、学年も違うのに向こうからわざわざこっちに来てもらうほどのお話ねぇ……」
「な、なんだよ……」
「いやぁ~別にぃ~」

 うわぁ……なんかすっげぇ腹立つ。
 確かに入学早々から有名人に目をつけられれば、こういう反応にならんこともない。

 実際、フィアットが来た時も周りの人たちの視線が凄かった。

「べ、別にお前が思っているような用事じゃない。放課後に生徒会室にこいと言われただけだ」
「せ、生徒会室でって……! ユーリ、お前見た目に似合わず中々のプレイボーイなんだな!」
「は、はぁ?」

 この人は何をおっしゃっているのか。
 まぁ一つだけ分かるのは、彼は俺の話の意図を一ミリも理解していないということ。

 それだけはよーく分かった。

「ま、そういうことなら仕方ねぇ。お前の潔さに敬意を示して今日は引いてやるよ。んじゃ、また明日な」
「あ、ああ……また明日」

 何を理解されたのか一切分からないが、まぁいい。
 
(俺も早く生徒会室に行かないといけないし)

 俺は教科書類をバックにしまい、肩にかけると、生徒会室へ向けて教室を出たのだった。
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