とある最弱者の貴族転生~高貴な《身分》と破格の《力》を手に入れた弱者は第二の人生で最強となり、生涯をやり直す~

詩葉 豊庸(旧名:堅茹でパスタ)

文字の大きさ
上 下
31 / 35

第三十一話 放課後にて

しおりを挟む
 お久しぶりです
 お待たせして申し訳ございません!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 時は経つのは早いもので気がつけば放課後になっていた。

「はぁぁぁぁぁ~今日も何とか乗り切ったぁ~!」

 前の席に座るジンが爺臭い声をあげながら伸びをする。
 
「お疲れだな、ジン」
「まぁな。やっぱ中等部にいた時と比べるとハードだわ」
「そんなに変わるのか?」
「おう。中等部の頃はトイレ目的で授業抜けしてサボり放題だったんだがな……」
「サボり放題って……」

 まぁ確かにうちの担任結構厳しいし。
 トイレ行く時も監視役の生徒一人連れていかないとダメという決まりがある。

 ジンのようなおサボり野郎が出ないための策ってわけ。

(でも、これでも学年主席入学なんだよなぁ……ジンって)

 不真面目なのか、真面目なのか……本当に判断しにくい男だ。

「なぁ、ユーリ。今日の放課後って時間あるか?」

 話題は放課後の話へ切り替わる。
 だが今日は生憎放課後は予定あり。

 丁重にお断りすることに。

「悪い、ジン。今日はちょっと用事があるんだ。また今度でいいか?」
「お? もしかしてフィアット会長とおデートでもするつもりか?」
「は、はぁっ!? なんでそうなるんだよ!」
「だって、さっき会長とコソコソとヤってたじゃんか!」

 勢い余って声を張り上げるジン。
 それに反応し、周りのクラスメートたちが一斉にこっちに目を向けてきた。

「お、おい! 誤解を招く言い方は止めろって!」
「でも事実だろぉ?」

 いやらしさを全開にした表情でこっちをじーっと見てくる。
 こいつ……俺で遊んでやがるな……。

「ふ、普通に会話をしていただけだ! それ以上でもそれ以下でもない」
「ほう、学年も違うのに向こうからわざわざこっちに来てもらうほどのお話ねぇ……」
「な、なんだよ……」
「いやぁ~別にぃ~」

 うわぁ……なんかすっげぇ腹立つ。
 確かに入学早々から有名人に目をつけられれば、こういう反応にならんこともない。

 実際、フィアットが来た時も周りの人たちの視線が凄かった。

「べ、別にお前が思っているような用事じゃない。放課後に生徒会室にこいと言われただけだ」
「せ、生徒会室でって……! ユーリ、お前見た目に似合わず中々のプレイボーイなんだな!」
「は、はぁ?」

 この人は何をおっしゃっているのか。
 まぁ一つだけ分かるのは、彼は俺の話の意図を一ミリも理解していないということ。

 それだけはよーく分かった。

「ま、そういうことなら仕方ねぇ。お前の潔さに敬意を示して今日は引いてやるよ。んじゃ、また明日な」
「あ、ああ……また明日」

 何を理解されたのか一切分からないが、まぁいい。
 
(俺も早く生徒会室に行かないといけないし)

 俺は教科書類をバックにしまい、肩にかけると、生徒会室へ向けて教室を出たのだった。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

悪役令嬢?いま忙しいので後でやります

みおな
恋愛
転生したその世界は、かつて自分がゲームクリエーターとして作成した乙女ゲームの世界だった! しかも、すべての愛を詰め込んだヒロインではなく、悪役令嬢? 私はヒロイン推しなんです。悪役令嬢?忙しいので、後にしてください。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

処理中です...