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120.防衛網
しおりを挟む「少し予想外ですね。これは……」
「まさかここまで見張りがいるとは……」
5階大フロア前にて。
俺たちは予想外の護衛の多さに行く手を阻まれていた。
「見える人だけでも20……いや、30はいるな」
「中央に一番人が配置されているようです」
その奥には何やら小さな扉らしきものがあった。
多分その先が屋根裏部屋へと続く道なのだろう。
その前に露骨な数の見張りが配置されていた。
「正面突破は難しそうですね……」
でも屋根裏部屋へと続く道は建物の構造上一つしかない。
あとできるとすれば実際に屋根までよじ登って天井に穴をあけて潜入するくらいだ。
「そう言えば、まだあそこに沢山見張りがいるということはドロイドさんたちはまだ来ていないみたいですね」
「そうっぽいな」
俺たちの方が早く着けたことは嬉しいが、安否が気になる。
連絡手段がないから、リアルタイムで現状を把握することができないからな。
「無事だといいんだけど……」
俺みたいな人が心配するのも失礼だと思うけど。
「大丈夫ですよ、ドロイドさんなら。きっとうまくやっているはずです」
「ああ、そう信じよう」
「とにかく今は目の前の現実をどう崩すかですね。見たところ、他に侵入経路はないみたいですし……」
会敵は避けられないということか。
出来ることなら、見つからずにいきたい。
見つかれば、色々と面倒なことなるだろうからな。
作戦会議の時にも見つからないための選択肢があるのなら、そっちを最優先するようドロイドさんも言ってたし。
でも中々いい案が思いつかない。
見つからずにかつ、三人であの部屋の前まで安全に行ける方法……
これが理想の形だが、そんなに都合の良い方法があるとは……
「あっ、そうだ! あれがあったじゃないか!」
あることを閃き、つい声が張る。
「ランス、あれってなんです……?」
首を傾げるソフィアに、
「ゲートだ。この前、ソフィアにも教えたやつ!」
「ゲート……あぁ! その手がありましたか!」
ゲート。
前にソフィアにも少し教えた魔法の一種だ。
転移魔法に近い感じで場所と場所とを繋ぐことが出来る。
普段でもソフィアと王都に行く時に(気分によって歩きで行く時もあるが)使ったりしているものだ。
ただ一つ問題なのは、ゲートを発現できるのは一度自分が足を踏み入れ、マッピングした場所のみ。
要は俺があの奥の部屋まで行き、マッピングをしてこっちまで帰ってくる必要があるということ。
「でもそれだとランス一人に負担が……」
「いや、大丈夫だ。今ちょっといい案が出てきたところだから」
「いい案……?」
「うん。この方法なら敵に見つからずに向こう側にいける。もちろん安全にね」
俺は自信満々と言わんばかりの口調で、ソフィアに頷いた。
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