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119.潜入4

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「さっきの話、どういう意味でしょうか?」

「さぁな。でも一つ分かったのは、とにかくドロイドさんたちよりも早く目的地に着かないといけないってことだ」

 さっきの話が本当なら、ヤバイことになる。
 どういう仕組みは知らないが、屋根裏には他者が介入できないような良からぬ仕掛けがあるらしい。
 
 もし先にドロイドさんたちが着いて、何も知らずに屋根裏まで行けば……

 もうその先は想像通りだ。

 しかし、実際にどうかは行ってみないと分からない。
 ただ、現場での証言だから情報の信憑性はかなり高いと思っていいだろう。

 とにかく今すべきことは敵に見つからずに早急に目的地へとたどり着くということ。
 それだけだ。

「ドロイドさんたちは無事でしょうか……?」

「分からない。でも今のところ大きな騒ぎがないってことは見つかってはいないと思う。むしろ先に進んでいる可能性もあるし」

 ドロイドさんは俺らとは違って建物の構造を把握している。
 先に進んでいる可能性も十分に考えられるだろう。

 俺たちは従業員を階段を上がり、二階、三階へと順調に上がっていく。

 そして潜入してから約15分。
 俺たちは建物の最上階である五階まで難なくたどり着くことができた。

「ここまですんなりこれましたね!」

「だな。滑り出しとはしては最高だ」

 少し上手く行きすぎな気もするが……

 五階に行くと、階段は続いておらず、鉄の扉だけがあった。
 事前に確認したところによると、この先にある廊下を少し進むと大きなフロアに出るはずだ。

 そしてその最奥に俺たちの目指す屋根裏部屋への小さな階段があるとのこと。

「本番はここからだな……」

「ですね……」
 
 恐らくこの先は厳重な警備がされているだろう。
 さっきの話のこともあるし、ここからより一層慎重な行動を求められる。

「まずはトラップ確認からだな」

 俺は一歩前に出て鉄の扉の前でピタリと止まる。

「≪トラップ・ディテクション≫」

 さっきと同じく探知魔法を展開し、扉の先に何かないかを確認。
 反応は特になかった。
 
「よし、とりあえずトラップ等はなさそうだな」

 安全確認が済んだところで。
 俺は扉のドアノブに手をかけようとすると、

「お待ちください、ランス殿」

 ブライアンさんが止めに入った。
 そして剣を鞘から抜き、前に出てくる。

「ここから先は私が先導しましょう。戦闘員がいてもおかしくないですからね。お二人は私の背中に」

「すみません、お願いします」

 今までは俺が勢いのまま先頭を務めていたけど、ここから先は何が起こるか分からない。
 ここは経験ある騎士様に守ってもらいながら、進んだ方がいい。

 さっきみたいにソフィアにカッコつけられなくはなるけど……

「では、行きますよ……」

 ブライアンの合図に俺とソフィアは同時に頷く。
 その返事を受け取ると、ブライアンさんはゆっくりと慎重に――鉄の扉を開いた。

 少し重々しい音を立て、開く扉の先には広い廊下があった。
 周りに敵がいないことを確認し、俺たちは静かに廊下へと出る。

「この先に大フロアがあるはずです。行きましょう」

 随時安全確認をしながら、先へ進んでいく。
 
 と、もう一つ、予想通りの出来事が。

「これは、少し強行手段に出ないといけないかもしれませんね」

「みたい……ですね」

 大フロア一歩手前までは辿り着く事が出来た。
 だが、厄介なのはその先からだった。
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