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50.蠢く気配
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振鈴の音が森全体に響く。
と、同時に飛び交う影が一挙にリベルの元に集合。
警戒することもなく、リベルに切りかかろうとした――時だった。
「今だ、みんな!」
攻撃の合図と同時に隣にいたソフィアがすぐさま無詠唱で――
「光よ、放て! ≪セイント・サンライト≫!」
放たれる光属性の魔法。
ただこれは攻撃魔法ではなく、激しい閃光を生み出す補助魔法だ。
シャドウ・ビーストたちは音に敏感な他にも強い光が苦手という弱点を持っている。
そして光を当てるとその姿がより鮮明になる。
今回の作戦はソフィアの魔法が発動している間に誘き寄せたシャドウ・ビーストたちを一気に叩くってのが作戦内容の全てだったのだ。
「穿て、≪ファイア・ボール≫」
「大地を揺るがしき地の神よ、我が小さきなるものに神なる恩恵を与えたまえ≪ロック・バースト≫!」
俺とイリアも続けて魔法を。
ボルはルナの強化魔法と強靭な身体でシャドウ・ビーストたちを次々となぎ倒していく。
盾を巧みに使いながら素手殴り倒していくボル。
その迫力は温厚そうな見た目に反して巨体通りの豪快な戦いっぷりだった。
が、中でも一番すごかったのはリーダーのリベル。
すぐさま戦闘に参加するなり、巧みなナイフ捌きで次々とシャドウ・ビーストたちを切り刻んでいった。
「す、すげぇな……」
まるで料理の食材を切るが如く、スパッとモンスターたちが一刀両断されていく。
「リベルさん、すごいね……」
「ああ、俺たちも負けてられないな」
それにまだシャドウ・ビーストたちは残っている。
俺とイリアも攻撃の手を止めない。
そして――
「これで、最後!」
放たれた爆炎がモンスターを包み込み、そのまま消滅。
最後の一匹を俺が仕留め、シャドウ・ビーストたちの討伐は終わりを迎えたのだった。
♦
「ふぅ……とりあえず上手くいったね。みんなお疲れさま」
「お疲れ様です!」「お疲れ様です」「お疲れです」
討伐完了後、俺たちはシャドウ・ビーストから得られる素材を採取しつつ休憩を取っていた。
一応、このシャドウ・ビーストの毛皮や犬歯は売ると結構な値になるらしい。
あと防具の強化や新調する際にも結構使う有用な素材なんだとか。
で、今俺はソフィアと共に毛皮の剥ぎ取りをしていた。
「上手くいって本当に良かったです。あの、わたし上手く皆さんの手助けができてましたか?」
「もちろんだソフィア。むしろあの光があったからこそ、楽に討伐できたんだ。ナイスアシストだったぞ」
「ほ、本当ですか!? 良かったです!」
嬉しそうに笑みを浮かべるソフィア。
俺も俺で一人で戦うこと以外の戦い方を学べたので非常に勉強になった。
「やはりパーティーというのはいいものですね。仲間と共に一つのことに取り組む。素晴らしいです!」
「同感だ。俺も一人でやる時よりも達成感を凄く感じた。初めてソフィアとクエストに出た時のことを思い出したよ」
あの時も二人だけだったとはいえ、他の人と(しかも異性と)クエストに出るなんて経験が全くなかったから全てが新鮮だった。
自分だけではなく、パートナーにも気を配りながら戦う。
普段パーティーを組んでクエストに行く者にとっては普通なんだろうけど、ソロの冒険者にとっては立ち回りから何まで全てが変わってくる。
作戦を立てて、戦略的に行動するなんてことはソロじゃ絶対に味わえないことだ。
「みんな、集まってくれ!」
と、ここでリベルから号令がかかる。
俺たちはすぐにリベルの元へ駆け寄る……がその時だ。
――ゾクッ!!
ん、なんだこの感覚は?
脳内に入ってくる邪悪な感覚。
しかもかなり近い。
後に続いて魔力の流れも――
(一体これは……)
――GYAAAAAAAAAA!!
「……!? なんだ!?」
と、良からぬ異変に気づいた時。
突如として謎の咆哮が、森中に轟いた。
と、同時に飛び交う影が一挙にリベルの元に集合。
警戒することもなく、リベルに切りかかろうとした――時だった。
「今だ、みんな!」
攻撃の合図と同時に隣にいたソフィアがすぐさま無詠唱で――
「光よ、放て! ≪セイント・サンライト≫!」
放たれる光属性の魔法。
ただこれは攻撃魔法ではなく、激しい閃光を生み出す補助魔法だ。
シャドウ・ビーストたちは音に敏感な他にも強い光が苦手という弱点を持っている。
そして光を当てるとその姿がより鮮明になる。
今回の作戦はソフィアの魔法が発動している間に誘き寄せたシャドウ・ビーストたちを一気に叩くってのが作戦内容の全てだったのだ。
「穿て、≪ファイア・ボール≫」
「大地を揺るがしき地の神よ、我が小さきなるものに神なる恩恵を与えたまえ≪ロック・バースト≫!」
俺とイリアも続けて魔法を。
ボルはルナの強化魔法と強靭な身体でシャドウ・ビーストたちを次々となぎ倒していく。
盾を巧みに使いながら素手殴り倒していくボル。
その迫力は温厚そうな見た目に反して巨体通りの豪快な戦いっぷりだった。
が、中でも一番すごかったのはリーダーのリベル。
すぐさま戦闘に参加するなり、巧みなナイフ捌きで次々とシャドウ・ビーストたちを切り刻んでいった。
「す、すげぇな……」
まるで料理の食材を切るが如く、スパッとモンスターたちが一刀両断されていく。
「リベルさん、すごいね……」
「ああ、俺たちも負けてられないな」
それにまだシャドウ・ビーストたちは残っている。
俺とイリアも攻撃の手を止めない。
そして――
「これで、最後!」
放たれた爆炎がモンスターを包み込み、そのまま消滅。
最後の一匹を俺が仕留め、シャドウ・ビーストたちの討伐は終わりを迎えたのだった。
♦
「ふぅ……とりあえず上手くいったね。みんなお疲れさま」
「お疲れ様です!」「お疲れ様です」「お疲れです」
討伐完了後、俺たちはシャドウ・ビーストから得られる素材を採取しつつ休憩を取っていた。
一応、このシャドウ・ビーストの毛皮や犬歯は売ると結構な値になるらしい。
あと防具の強化や新調する際にも結構使う有用な素材なんだとか。
で、今俺はソフィアと共に毛皮の剥ぎ取りをしていた。
「上手くいって本当に良かったです。あの、わたし上手く皆さんの手助けができてましたか?」
「もちろんだソフィア。むしろあの光があったからこそ、楽に討伐できたんだ。ナイスアシストだったぞ」
「ほ、本当ですか!? 良かったです!」
嬉しそうに笑みを浮かべるソフィア。
俺も俺で一人で戦うこと以外の戦い方を学べたので非常に勉強になった。
「やはりパーティーというのはいいものですね。仲間と共に一つのことに取り組む。素晴らしいです!」
「同感だ。俺も一人でやる時よりも達成感を凄く感じた。初めてソフィアとクエストに出た時のことを思い出したよ」
あの時も二人だけだったとはいえ、他の人と(しかも異性と)クエストに出るなんて経験が全くなかったから全てが新鮮だった。
自分だけではなく、パートナーにも気を配りながら戦う。
普段パーティーを組んでクエストに行く者にとっては普通なんだろうけど、ソロの冒険者にとっては立ち回りから何まで全てが変わってくる。
作戦を立てて、戦略的に行動するなんてことはソロじゃ絶対に味わえないことだ。
「みんな、集まってくれ!」
と、ここでリベルから号令がかかる。
俺たちはすぐにリベルの元へ駆け寄る……がその時だ。
――ゾクッ!!
ん、なんだこの感覚は?
脳内に入ってくる邪悪な感覚。
しかもかなり近い。
後に続いて魔力の流れも――
(一体これは……)
――GYAAAAAAAAAA!!
「……!? なんだ!?」
と、良からぬ異変に気づいた時。
突如として謎の咆哮が、森中に轟いた。
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