2 / 37
第1話:魔王様、旅立つ!
しおりを挟む
俺、イブリス・エル・サタニールは魔界一帯を治める魔族の王、人呼んで魔王だ。
年は100歳を超えているが魔族ではまだ成人にも満たしていない。人間を基準にして考えれば大体15歳のくらいのものだろうか。
ちなみ俺は歴代の魔王の中では最年少でこの座についた男だ。もちろん最初は魔界の民からの不安の声もあったが、今は安定して新たな魔王として認められつつあった。
(すごい助けてもらったけどなぁ……)
俺はそんな過去の出来事を思い出しながら玉座の間へと向かっていた。
先のパーティー会場で天魔大幹部の一人、グシオンに呼び出された。玉座の間で話すことだ。よっぽど重要なことに違いない。
俺は少しドキドキしながら歩き、玉座の間の入り口付近にまで来た。
玉座の間の前には数人の魔王軍の兵士、そして使用人が俺の到着を待っていた。
「お待ちしておりました。我が崇高なる主、大魔王イブリス様」
「うむ、出迎えご苦労だった」
「中でグシオン様がお待ちです。案内いたします」
「ああ、頼む」
扉の両側に立った兵士二人が同時に扉を開扉し、使用人の一人が俺を中へと案内する。
中に続くは幅広い一本道。そしてその先には金銀などの豪華な装飾品で彩られた玉座がある。
見慣れた光景のはずなのにまだ魔王としての実感が湧かない。
(それに、「崇高なる」とか「大魔王」とか言われるのもなんか気が狂うんだよなぁ……)
まぁどんなに腐っても立場は魔王に変わりはない。俺自身も必死にそれを受け止めようと今まで引き気味だった言葉遣いを威厳のある形に変えたのだがやはり慣れない。グシオンにそう提案されたのはいいものの中々自然に話すことが出来ずにいた。
恥ずかしさに耐えるだけで必死だった。
中へ入ると玉座の前にグシオンの姿があった。彼は俺が姿を現すとすぐさま跪き、頭を下ろす。
俺は玉座にゆっくりと腰を掛け、兵士と使用人たちも一斉に俺の前で跪き始める。
「ご苦労だった。お前たちはもう下がってよいぞ」
「はっ! それでは失礼致します」
兵士と使用人は軽く会釈をし、そのまま玉座の間から出て行った。
(……にしてもこんな広々とした空間に二人だけとは。落ち着かないなぁ)
基本的に玉座の間は定例の幹部会をする以外用途は特にない。あとは緊急事態の報告とかだ。
なので名目上は玉座の間ということではあるがあってもなくてもそんなに変わらないという場所でもあった。
この静かな空間で俺は息をゆっくりと吐き、話し始める。
「頭を上げよ。魔王軍階序列第三位、グシオン・アルバザードよ」
グシオンは俺の命を聞き、ゆっくりと頭を上げる。
「……それで、話とは一体何なのだ?」
グシオンは高々と玉座から見つめる俺に対し、大きな声で話す。
「はい。しかしですが魔王様、まずはわざわざ私の無粋な我が儘でご足労いただいたことに感謝を申し上げたいと思います」
「え? いや、わざわざそこまでしなくてよい。俺と貴公の間柄だ。礼なんていらない」
「左様でございますか。ありがとうございます」
(こういう時はさすが旧魔王軍の人間だな。細かな所までしっかりとしている)
感心しつつ、俺は本題に入るよう催促する。
「ああ。で、話とは?」
グシオンは小さく咳払いをすると気を改め直して話し始める。
「はい。今日魔王様に来ていただいたのは今後の方針についてです」
「方針?」
「左様で御座います。我々が今後人間界を支配する上で重要な情報を集めたいと思っておりまして指図をできる身ではございませんが魔王様にも一肌脱いでもらおうと」
「え、あ、ああ……それは構わないが俺は具体的に何をすればよいのだ?」
「はい。それは端的にいいますと……」
「いいますと……?」
「学園潜入でございます」
……え?
中々言葉が出ず、固まってしまう。
「が、学園潜入とはどういうことなんだ?」
「はい。魔王様には人間族が住む街へと直接出向いてもらい、生態調査をしてもらおうと思っております」
「せいたい……ちょうさ?」
俺が首を傾げるとグシオンは首を縦に振った。
「そうです。数百年前、貴方の御父上であるゼメスター様が失脚へと追い込まれた原因、それは圧倒的情報力の欠如でした。ゼメスター様は度重なる雑務で自分自らの目で人という存在を知ることが出来なかったのです」
グシオンは息をつく間もなく続ける。
「それに我々幹部たちもそれぞれの仕事に追われ、人間界に住むものの種族分析を怠っていました。表面状の情報しか我々の元には入ってこなかったのです。その結果、我々は情報になかった規格外の存在に出会ってしまった……」
「それが……『勇者』ということか」
「ご名答です。我々はその『勇者』という存在を知らず、人間界を掌握しようとしていました。ですが彼らと出会い、人間とは思えない破格な力を見せつけられた我々魔王軍は遂に我が主であるゼメスター様までも打ち取ってしまった。私はその頃、王国軍との戦闘の指揮をしていたので存じてはいなかったのですが……」
なるほどな……そういうことだったのか。
俺は父ゼメスターがなぜ人間相手に敗北を喫したのか分からなかった。先々代が人間界を統治した際、『勇者』という存在はなかった。だが奴らは急に現れ、我々を脅かし、遂には壊滅の一歩手前まで追い込まれた。
(それが……まさかの情報不足だったとは)
だがあの厳格な父上がそんな単純なことを見落とすはずがない。『勇者』が現れるまでは順当に人間界を支配しつつあったんだ。恐らく何らかの原因で生まれたイレギュラーな存在、それが『勇者』だったんだ。
「それで話を戻すが、なぜまた人間界の学園に行かねばならないんだ?」
「それについては単純です。学園という場所はいわば人間界の教育機関、人がそれなりに集まり、彼らがどんなことを学んでいるか知ることができるからです。人間界といえど広い世界に変わりはありません。その中で特定の場所を絞って情報収集をした方が効率が良いのではないかと判断致しました」
「……な、なるほど」
「それだけではありません。魔王様が出向かれる予定の学園は人間界で言えば名門中の名門。そこに今後の勇者候補が入学してくるとの情報を得ました」
「なに? 勇者候補だと?」
グシオンは静かに頷く。
軍の情報班によれば今現在、人間界では『勇者』に値する人物が出てきていないという。しかも父を倒されたあの日以来、数百年もの間だ。既存の勇者たちは皆この世を去り、『勇者』という存在は伝説になりつつあった。
そんな中、魔王復活を危惧していた王国軍は大陸全土から勇者となりえる逸材をかき集め招集。その勇者候補たちが一同にその学園へと入学してくるという。
さらに情報を開示すればその者たちの潜在能力は凄まじく、中には異端者とも呼べるような人間もいるとのことだ。
「……そんなわけで同時に勇者の身元調査も行うこともできます。我々にとっては非常に好都合なことです。生憎、人間界の者は我々が復活していることに気が付いていません。疑いはしているみたいですが……」
「なるほど。その上俺が魔王になったのも奴らは知らない。顔を存じていないという利点もあるということか」
「そういうことです。まさに絶好の条件と言えるでしょう。どうでしょうか?」
「ああ、さすがは我が魔王軍の策士だ。抜かりない」
「お褒めに預かり、光栄です」
確かに彼の言う通り、今は下手に動かない方が良さそうだ。今はじっくりと時間をかけて情報を惇んることに徹した方がいいだろう。
俺は彼の提案を受け入れ、学園へと行くことを決意する。
「素晴らしいご決断、ありがとうございます」
「ああ、それで情報はどう伝達するんだ?」
「リリンを伝達係兼補佐として同行するよう私から言っておきましょう。魔王様は彼女に得た情報をお伝えください」
「リリン……? ああ、あのサキュバスの秘書官か」
「左様です。彼女ほどの適任者はいないでしょう。きっとお役に立てると思いますよ」
「分かった。すまないな、何から何まで」
「いえ、それでは私の話は以上となります。ご健闘を」
「うむ。では下がってよいぞ」
グシオンは軽く一礼、そして後ろを振り向き去っていった。
(人間界の学園に潜入……か。重要な立ち位置を任されてしまったな)
だが俺に迷いはなかった。全ては自らの願いを叶えるため、そして信じてくれる者たちのために俺はなんでもしてやろうと思っている。
そして後日、俺は魔王城を旅立ち、人間界統治への第一歩を踏み出したのだった。
年は100歳を超えているが魔族ではまだ成人にも満たしていない。人間を基準にして考えれば大体15歳のくらいのものだろうか。
ちなみ俺は歴代の魔王の中では最年少でこの座についた男だ。もちろん最初は魔界の民からの不安の声もあったが、今は安定して新たな魔王として認められつつあった。
(すごい助けてもらったけどなぁ……)
俺はそんな過去の出来事を思い出しながら玉座の間へと向かっていた。
先のパーティー会場で天魔大幹部の一人、グシオンに呼び出された。玉座の間で話すことだ。よっぽど重要なことに違いない。
俺は少しドキドキしながら歩き、玉座の間の入り口付近にまで来た。
玉座の間の前には数人の魔王軍の兵士、そして使用人が俺の到着を待っていた。
「お待ちしておりました。我が崇高なる主、大魔王イブリス様」
「うむ、出迎えご苦労だった」
「中でグシオン様がお待ちです。案内いたします」
「ああ、頼む」
扉の両側に立った兵士二人が同時に扉を開扉し、使用人の一人が俺を中へと案内する。
中に続くは幅広い一本道。そしてその先には金銀などの豪華な装飾品で彩られた玉座がある。
見慣れた光景のはずなのにまだ魔王としての実感が湧かない。
(それに、「崇高なる」とか「大魔王」とか言われるのもなんか気が狂うんだよなぁ……)
まぁどんなに腐っても立場は魔王に変わりはない。俺自身も必死にそれを受け止めようと今まで引き気味だった言葉遣いを威厳のある形に変えたのだがやはり慣れない。グシオンにそう提案されたのはいいものの中々自然に話すことが出来ずにいた。
恥ずかしさに耐えるだけで必死だった。
中へ入ると玉座の前にグシオンの姿があった。彼は俺が姿を現すとすぐさま跪き、頭を下ろす。
俺は玉座にゆっくりと腰を掛け、兵士と使用人たちも一斉に俺の前で跪き始める。
「ご苦労だった。お前たちはもう下がってよいぞ」
「はっ! それでは失礼致します」
兵士と使用人は軽く会釈をし、そのまま玉座の間から出て行った。
(……にしてもこんな広々とした空間に二人だけとは。落ち着かないなぁ)
基本的に玉座の間は定例の幹部会をする以外用途は特にない。あとは緊急事態の報告とかだ。
なので名目上は玉座の間ということではあるがあってもなくてもそんなに変わらないという場所でもあった。
この静かな空間で俺は息をゆっくりと吐き、話し始める。
「頭を上げよ。魔王軍階序列第三位、グシオン・アルバザードよ」
グシオンは俺の命を聞き、ゆっくりと頭を上げる。
「……それで、話とは一体何なのだ?」
グシオンは高々と玉座から見つめる俺に対し、大きな声で話す。
「はい。しかしですが魔王様、まずはわざわざ私の無粋な我が儘でご足労いただいたことに感謝を申し上げたいと思います」
「え? いや、わざわざそこまでしなくてよい。俺と貴公の間柄だ。礼なんていらない」
「左様でございますか。ありがとうございます」
(こういう時はさすが旧魔王軍の人間だな。細かな所までしっかりとしている)
感心しつつ、俺は本題に入るよう催促する。
「ああ。で、話とは?」
グシオンは小さく咳払いをすると気を改め直して話し始める。
「はい。今日魔王様に来ていただいたのは今後の方針についてです」
「方針?」
「左様で御座います。我々が今後人間界を支配する上で重要な情報を集めたいと思っておりまして指図をできる身ではございませんが魔王様にも一肌脱いでもらおうと」
「え、あ、ああ……それは構わないが俺は具体的に何をすればよいのだ?」
「はい。それは端的にいいますと……」
「いいますと……?」
「学園潜入でございます」
……え?
中々言葉が出ず、固まってしまう。
「が、学園潜入とはどういうことなんだ?」
「はい。魔王様には人間族が住む街へと直接出向いてもらい、生態調査をしてもらおうと思っております」
「せいたい……ちょうさ?」
俺が首を傾げるとグシオンは首を縦に振った。
「そうです。数百年前、貴方の御父上であるゼメスター様が失脚へと追い込まれた原因、それは圧倒的情報力の欠如でした。ゼメスター様は度重なる雑務で自分自らの目で人という存在を知ることが出来なかったのです」
グシオンは息をつく間もなく続ける。
「それに我々幹部たちもそれぞれの仕事に追われ、人間界に住むものの種族分析を怠っていました。表面状の情報しか我々の元には入ってこなかったのです。その結果、我々は情報になかった規格外の存在に出会ってしまった……」
「それが……『勇者』ということか」
「ご名答です。我々はその『勇者』という存在を知らず、人間界を掌握しようとしていました。ですが彼らと出会い、人間とは思えない破格な力を見せつけられた我々魔王軍は遂に我が主であるゼメスター様までも打ち取ってしまった。私はその頃、王国軍との戦闘の指揮をしていたので存じてはいなかったのですが……」
なるほどな……そういうことだったのか。
俺は父ゼメスターがなぜ人間相手に敗北を喫したのか分からなかった。先々代が人間界を統治した際、『勇者』という存在はなかった。だが奴らは急に現れ、我々を脅かし、遂には壊滅の一歩手前まで追い込まれた。
(それが……まさかの情報不足だったとは)
だがあの厳格な父上がそんな単純なことを見落とすはずがない。『勇者』が現れるまでは順当に人間界を支配しつつあったんだ。恐らく何らかの原因で生まれたイレギュラーな存在、それが『勇者』だったんだ。
「それで話を戻すが、なぜまた人間界の学園に行かねばならないんだ?」
「それについては単純です。学園という場所はいわば人間界の教育機関、人がそれなりに集まり、彼らがどんなことを学んでいるか知ることができるからです。人間界といえど広い世界に変わりはありません。その中で特定の場所を絞って情報収集をした方が効率が良いのではないかと判断致しました」
「……な、なるほど」
「それだけではありません。魔王様が出向かれる予定の学園は人間界で言えば名門中の名門。そこに今後の勇者候補が入学してくるとの情報を得ました」
「なに? 勇者候補だと?」
グシオンは静かに頷く。
軍の情報班によれば今現在、人間界では『勇者』に値する人物が出てきていないという。しかも父を倒されたあの日以来、数百年もの間だ。既存の勇者たちは皆この世を去り、『勇者』という存在は伝説になりつつあった。
そんな中、魔王復活を危惧していた王国軍は大陸全土から勇者となりえる逸材をかき集め招集。その勇者候補たちが一同にその学園へと入学してくるという。
さらに情報を開示すればその者たちの潜在能力は凄まじく、中には異端者とも呼べるような人間もいるとのことだ。
「……そんなわけで同時に勇者の身元調査も行うこともできます。我々にとっては非常に好都合なことです。生憎、人間界の者は我々が復活していることに気が付いていません。疑いはしているみたいですが……」
「なるほど。その上俺が魔王になったのも奴らは知らない。顔を存じていないという利点もあるということか」
「そういうことです。まさに絶好の条件と言えるでしょう。どうでしょうか?」
「ああ、さすがは我が魔王軍の策士だ。抜かりない」
「お褒めに預かり、光栄です」
確かに彼の言う通り、今は下手に動かない方が良さそうだ。今はじっくりと時間をかけて情報を惇んることに徹した方がいいだろう。
俺は彼の提案を受け入れ、学園へと行くことを決意する。
「素晴らしいご決断、ありがとうございます」
「ああ、それで情報はどう伝達するんだ?」
「リリンを伝達係兼補佐として同行するよう私から言っておきましょう。魔王様は彼女に得た情報をお伝えください」
「リリン……? ああ、あのサキュバスの秘書官か」
「左様です。彼女ほどの適任者はいないでしょう。きっとお役に立てると思いますよ」
「分かった。すまないな、何から何まで」
「いえ、それでは私の話は以上となります。ご健闘を」
「うむ。では下がってよいぞ」
グシオンは軽く一礼、そして後ろを振り向き去っていった。
(人間界の学園に潜入……か。重要な立ち位置を任されてしまったな)
だが俺に迷いはなかった。全ては自らの願いを叶えるため、そして信じてくれる者たちのために俺はなんでもしてやろうと思っている。
そして後日、俺は魔王城を旅立ち、人間界統治への第一歩を踏み出したのだった。
0
お気に入りに追加
274
あなたにおすすめの小説
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
勇者がパーティーを追放されたので、冒険者の街で「助っ人冒険者」を始めたら……勇者だった頃よりも大忙しなのですが!?
シトラス=ライス
ファンタジー
漆黒の勇者ノワールは、突然やってきた国の皇子ブランシュに力の証である聖剣を奪われ、追放を宣言される。
かなり不真面目なメンバーたちも、真面目なノワールが気に入らず、彼の追放に加担していたらしい。
結果ノワールは勇者にも関わらずパーティーを追い出されてしまう。
途方に暮れてたノワールは、放浪の最中にたまたまヨトンヘイム冒険者ギルドの受付嬢の「リゼ」を救出する。
すると彼女から……「とっても強いそこのあなた! 助っ人冒険者になりませんか!?」
特にやることも見つからなかったノワールは、名前を「ノルン」と変え、その誘いを受け、公僕の戦士である「助っ人冒険者」となった。
さすがは元勇者というべきか。
助っ人にも関わらず主役級の大活躍をしたり、久々に食事やお酒を楽しんだり、新人の冒険者の面倒を見たりなどなど…………あれ? 勇者だったころよりも、充実してないか?
一方その頃、勇者になりかわったブランシュは能力の代償と、その強大な力に振り回されているのだった……
*本作は以前連載をしておりました「勇者がパーティーをクビになったので、山に囲まれた田舎でスローライフを始めたら(かつて助けた村娘と共に)、最初は地元民となんやかんやとあったけど……今は、勇者だった頃よりもはるかに幸せなのですが?」のリブート作品になります。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる