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1巻
1-3
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その後、俺たちは早速ギルドに出向き、パーティ加入の手続きを進めた。
「――はい。これで手続きは完了です。こちら、新しいパーティバッジになります。紛失には気を付けてくださいね」
「ありがとうございます」
俺は受付嬢からパーティバッジを受け取る。
パーティバッジというのは一言で言えば、パーティに所属しているという証明みたいなもの。
パーティごとにバッジの形状は異なり、有名パーティにもなると、これを見せただけでどこに所属しているかが分かる。
いわゆるパーティの象徴だな。
他にも、ランク制限のあるクエストが解放されたり一部の娯楽施設が割引価格になったりと、特典が盛りだくさん。
そしてパーティランクが上がるにつれて、特典内容のレベルも上がるという仕組みになっている。
「まさか、【聖光白夜】のパーティバッジをこの手にすることができるだなんて……」
夢みたいだ。
いつかは入りたいパーティだと思っていたからな。
バッジを手に持って感動していると、カイザーが声をかけてきた。
「おぅ、お前も手続き終わったか?」
「ああ、今終わったところだよ」
「それにしてもこのバッジを手に取る日がこようとはな。なんかこれからが楽しみで仕方ないぜ!」
「だな。俺も今、全く同じことを思っていたところだ」
お互いにキラキラした新品のバッジを見せ合い、笑みを浮かべる。
Sランクパーティのバッジは特殊な希少金属でコーティングされているため、光を当てると蒼く輝く仕様になっている。
なので、一発で見分けることができる。
正直、俺にとっては身の丈以上の代物だけどね……
「お二人とも手続きは終わりましたか?」
そんなことを思っていると、他の件で手続きをしていたエレノアさんたちが帰ってきた。
「はい。今終わったところです」
「右に同じです!」
「ではこれで正式にパーティ加入ですね! ようこそ【聖光白夜】へ! 歓迎いたします!」
ニコッと可愛く微笑むエレノアさん。
いやちょっと待て。
無茶苦茶、かわいいんだが?
今まではまさに高嶺の花って感じで、遠くから眺めるだけだったけど、同じパーティに入ったというだけでこんなにも違うものなのか。
一人で感動していると、エレノアさんが思い出したように言う。
「歓迎会の方も準備させていただきますね。ただ、今は色々と立て込んでいて、やるとしても後日になってしまいますが……」
「いえいえ、気にしないでください!」
「そ、そうですよ! むしろ歓迎会をしてくれること自体、ありがたいんですから!」
【聖光白夜】はただでさえ、人数が多いパーティだ。
普通のパーティは、ある程度の人数になってくると、キリがなくなってくることもあって、歓迎会を行なわなくなる。
だがこのパーティは、メンバーが入った時には必ず歓迎会を行うのだと、噂で聞いたことがある。
噂なんて大体ガセな情報ばかりだが、本当の話だったんだな。
「では今日はこれで解散となります。一応明日から活動を始めますので、よろしくお願いします」
「あの、エレノアさ……じゃなくリーダー!」
カイザーが何かを質問したいようで勢いよく挙手をする。
「エレノアでいいですよ。何でしょうか?」
「明日から活動ということは、俺たちもリールに?」
リールは少し離れた場所にある巨大商業都市で、【聖光白夜】が活動拠点にしているところだ。
このブルームも決して小さい街ではないが、リールと比べたら、小都市という扱いになる。
そんなカイザーの質問に、エレノアさんは首を横に振った。
「いえ、流石に明日からすぐにリールに来ていただくわけにはいきませんので、少しの間はわたしたちがこっちに赴く予定です。ですが、ゆくゆくは移動したいと考えていますので、一応頭の中に入れておいていただけると嬉しいです」
「了解ですっ!」
「わ、分かりました」
移動か。
リールはそこまで遠くないから、馬車を使えば通えるには通えるな……カレアおばさんを一人にするのは心配だから、その選択肢も考えておこう。
理由を言えば、エレノアさんなら通いにしてくれるんだろうけど、どこかのタイミングで相談しないと。
「では、そういうことで。今日はお疲れさまでした」
「「「「「お疲れさまでした!」」」」」
エレノアさんが締めると、皆ぞろぞろとギルドから去っていく。
俺もカイザーと一緒にギルドを出ようとしたのだが――
「あ、あのマルクくん」
「は、はい?」
「この後、お時間いただけますか? 少しお話したいことがあるんですが」
「え、ええ。大丈夫ですよ」
いきなりのエレノアさんからのお誘いで、少し戸惑いつつも俺は頷く。
「なら俺は先に帰ってるわ。また明日な、マルク!」
「お、おう!」
カイザーは瞬時に何かを察知したのか、そそくさとその場から去っていった。
去り際に不敵な笑みを浮かべて。
「場所を変えましょうか。ついてきてください」
「は、はい……」
というわけで。
俺はエレノアさんに導かれるまま、ある公園にやってきた。
公園と言っても、街の中心街から少し離れたところにあるちょっとした広場だ。
周りに人の気配はなく、小鳥の囀りだけが響いている。
そんな場所を、俺とエレノアさんは二人並んで歩いていた。
「ごめんなさい。いきなりお誘いしてしまって」
「い、い、いえ! ぜ、全然大丈夫っすから!」
緊張で呂律が回っていない上に、失礼な言葉遣いになってしまった。
やっぱりカイザーがいる時といない時じゃ、雰囲気も緊張感も全然違う。
一人になるとこうも違うとは……き、緊張で目すらも合わせられん!
「ん、マルクくん? どうかしましたか?」
「い、いいえ! な、なななんでもないですよ?」
「そ、そうですか……」
この動揺っぷりだ。
何とも情けない。
エレノアさんは、困ったように苦笑している。
「この辺なら人も来ないし、大丈夫かな」
歩くことしばし、エレノアさんはそう言って、広場にポツンとあった休憩スペースのベンチに腰をかける。
座るよう手招きされたので、俺もそのベンチに座った。
「ふぅ……これでようやく二人きりで話せますね」
俺が座るのを確認すると、息をつくエレノアさん。
こうして見たら、やっぱり美人だな。
リナの方も大概だと思っていたが、こっちは別格だ。
可愛い。
強い。
人格者。
エレノアさんは、リナが持っていない要素を持っている。
もっと分かりやすく言えば、リナに欠けているところをほぼ全て持っている人とも言えよう。
聖女ってのは、こういう人のことを言うんだな……
ぼけーっとそんなことを考えながら、彼女を見ていたのだが――
「あ、あの……マルクくん? わたしの顔に何かついていますか……?」
「へ?」
エレノアさんは何やら頬を紅潮させていた。
そして恥ずかしそうに目を逸らす。
「い、いえ……あまりにもわたしの顔を凝視しておられたので……」
「えっ!? そんなに俺、見てましたか!?」
「ま、まぁ……」
マジかよ、全然気付かなかった。
その美貌に見惚れて、無意識でガン見していたようだ。
やべぇ……やっちまった……
ボロだけは絶対に出さないようにしようと思っていたのに……
俺はすぐに謝罪した。
「ご、ごめんなさい! エレノアさんがあまりにも可愛かったので、つい……!」
「か、可愛いっ……!?」
「あ……」
なんかまた余計なことを……と思ったら、エレノアさんの顔がさっきよりも更に赤くなっていた。
耳まで真っ赤で、とうとう顔まで手で覆い隠してしまう。
「あ、あの……! い、今のは……!」
「う、うぅぅ……いくら久しぶりだからってそれは反則です……」
「す、すみません……」
頭の整理が追い付かないほど、よく分からない状況になってしまった。
そんな中、エレノアさんはまだ少し頬を赤くした顔をこっちに向ける。
「ホント、そういう無神経なところは昔と変わりませんね。あの時もそうだったし……」
「あ、あの時……?」
はて、何のことだろう。
確かにエレノアさんとはこれが初対面ではないが、こういう状況になったのは初めてだ。大抵は他の人もその場にいたからな。
話したことがあるって言っても、ほんのちょっとだったし。
「あ、その顔だとやっぱり覚えていないんですね……前々からそうじゃないかなとは思っていましたけど、今ので確信しました」
「それってどういう……」
エレノアさんはポカンとする俺に少し残念そうにしながら、口を開く。
「本当に覚えていないんですか? わたしたち、冒険者になる前から面識があるんですよ?」
「えっ……!?」
そんなバカな。
俺の記憶には……いや、待てよ?
言われてみると、エレノアさんと似たような子が一人だけ、うっすらとだが記憶に残っていた。
彼女と同じ、白銀の綺麗な髪を持った子だ。
そして脳みそを絞っていくにつれて、その記憶は少しずつ鮮明になっていき……
「ま、まさか……エリー、なのか?」
エリーというのは、かつて親交のあったその子の愛称である。
確かに何度か遊んだことがあるが、もう十年以上も前の話だ。
するとエレノアさんは、これまでにない輝かしい笑顔を見せた。
「やっと……やっと思い出してくれたんだね!」
やや声を張ってそう言う彼女の目には、うっすらと涙が溜まっていた。
「ほ、本当にエリーなのか……?」
「そうだよ! 久しぶりだね、マルくん!」
この日、俺はまた一つ驚愕の事実を知ることとなった。
俺の憧れだった人が、もう一人の幼馴染だったということを。
俺たちは本当の意味で、十数年ぶりの再会を果たしたのだ。
エリーと俺が初めて会ったのは、とある学園の初等部に在籍していた頃だ。
人当たりが良く、友達が多かったエリーとは、同じクラスで席が隣だったことをきっかけに仲良くなった。
彼女は当時ショートヘアーで、性格もサバサバしていたこともあって、最初は男だと思っていたから、女だと知った時は流石に驚いたっけ。
しかしあっという間に仲良くなり、いろんなことを話し、放課後も一緒に帰ることがよくあった。だいたい、近くの公園で遊んでから帰ってたんだよな。
一つ思い出すと、他の記憶も次々に蘇ってくる。
それにしても……
「驚いた……まさかあのエリーがこんなにも美人になっていたなんて」
「思い出すの遅すぎだよ。今までも何度か会ってきたのに……」
少しムッとするエレノアさん改めエリー。
でも、昔と比べたら容姿も雰囲気も相当変わっているから仕方ないだろう。
俺の知っているエリーとは遠くかけ離れていた。
もちろんそれは、いい意味でだ。
当時の男子っぽいイメージが定着していたから、パッと見ても気付かなかったんだと思う。
名前だって、エリーという愛称しか覚えてなかったしな。
そんなことを考えていると、エリーがくすくすと笑う。
「なんかすごい驚いてるみたいだね」
「そりゃ驚いているよ。もしかして人生で一番驚いたかもしれない」
「そんな大袈裟な……」
エリーはそう言うが、割と大袈裟でもない。
真実を知った今でも情報整理が間に合ってないしな。
昔の記憶から今のエリーに上書きするのは時間がかかる。
それくらい変化があるのだ。
「でも、思い出してくれてすごく嬉しい。本当はマルくんから気付いてほしかったんだけど……」
「ご、ごめん。俺も嬉しいよ。こうしてまたエリーに会えて」
今まで他人を装って接していたのは、俺に気付いてほしかったからか、と今更ながら理解する。
こういう機会がなかったら、多分一生知らないまま生きてくことになっていただろうな……
それにしても、世の中って意外と狭いものである。
「はぁ~、なんかスッキリした! 今までずっと言えなかったから」
「俺も。驚きの連続で少し疲れたよ」
エリーが幼馴染だと分かったおかげで、いつの間にか緊張が解れていた。
「ちなみに、エリーはいつから気付いていたんだ?」
「わたし? わたしは初めて会った時から気付いてたよ?」
「えっ、マジで?」
「マジです」
ということは、一年以上も前から認知していたということか。
まぁ俺は昔とさほど変わっていないから、気付かれて当たり前か。
「なんか悪いことをしたな……」
「ううん、大丈夫! これからに期待するから!」
「そ、そうか……」
これからとは一体……?
すると、エリーは突然スッとベンチから立ち上がり――
「さて、前置きはこのくらいにして……早速やりますか」
そんなことを言い出した。
「やるって、何を?」
「魔法の特訓よ。カミングアウトはそのついで。こっちが本命なの」
「え、特訓……?」
突拍子もなく放たれたその言葉に唖然としていると――
「説明は後でするから。ささっ、こっちに来て!」
「ちょっ……エリー!」
歩いていくエリーを追いかける。
連れてこられた先は街の外、木々の生い茂る森林地帯だった。
「なんで街の外に?」
「街中で魔法なんて使ったら、治安騎士に捕まっちゃうでしょ」
「そ、そうだけど……そもそも何で魔法の特訓をするんだ?」
「その前に一つだけ聞いてもいい?」
「う、うん」
こんなところに連れてこられて、何を聞かれるんだ?
「マルくんってさ、あれから魔法の練習とかってした?」
「あれから?」
「そう。昔わたしが教えたじゃない。実技で赤点取りそうだから~って頼まれて。もしかして覚えてない?」
「いや、覚えているけど……」
そんな理由だったっけか?
正直、そこまで覚えていない。
でも昔の俺は超がつくほどの勉強嫌いだったから、多分そんなことを言ったんだろう。
ま、今でも勉強は大嫌いだけど。
「それで? 魔法の練習はしたの、あれから」
「し、してない……な」
俺は早く冒険者になってカレアおばさんに恩返ししたくて、中等部から先には進学していない。
だから勉強もそこでスッパリと止まってしまっている。
「あ、でも冒険者になる前にカレアおばさんに冒険者としての基本を教えてもらったことがあるんだけど……その時に、冒険者として最低限の魔法が使えるようにって言われたな」
「カレアさんって、マルくんを育ててくれた方だよね? そんなことまで教えてくれたんだ」
「うん。でもそれ以降は全くやってない」
少なくとも俺の記憶にはない。
「ちなみに、教えてもらった魔法は覚えられたの?」
「少しだけな。あ、でもなんかカレアおばさんには、もっと魔法を勉強したら、すごい魔術師になれそうなのに~って言われた気が――」
「そう、それよっ!」
エリーは突然指を指し、声を張り上げながら俺の言葉を遮った。
突然のことに、俺はビクッとしてしまう。
「ど、どうしたよいきなり……」
「マルくんは自分の持っている才能に気付けていないってことよ」
才能?
なんか俺とは縁のない言葉が出てきたぞ?
「どういうこと? 俺に魔法の才能があるって言いたいのか?」
「そういうこと。自分では分からないかもしれないけど、マルくんからスゴイ魔力を感じるの。昔も桁違いだと思っていたけど、ここまでになるなんて……」
「へ、へぇ……」
全く分からないし、スゴイ魔力を感じるというのもピンとこない。
俺は他人の魔力を感じることができないし、もし俺の才能が凄いのなら、リナ辺りは気付いているんじゃなかろうか?
でもあいつは俺を無能扱いしていたからな。
よく分からぬ。
そう悩んでいると、エリーは口を開く。
「わたしね、実は魔法科の先生を目指しているの。人に何かを教えるのが好きで」
「そ、そうなんだ」
魔法科の先生か、確かにエリーにぴったりな仕事だ。
「だからマルくんのような才能ある人を見ると、この手で才能を開花させたいって欲求が働いて教えたくなっちゃうのよ!」
「な、なる……ほど?」
あまり共感できないが、ざっくりと解釈すると、魔法を教えて俺の底に眠る才能を覚醒させたいと……
「そういうことなのか?」
「その通り!」
首を三回くらいブンブンと縦に振るエリー。
まず俺に才能があるってところから、既に疑問なんだが……
ここは何も言わずに分かったと言うべきだろう。
別に断る理由もないし。
「どう? わたしに魔法、教わってみない?」
覗き込むように見てくるエリー。
顔の近さとほんのり香る甘い匂いで、他のことに思考を持っていかれかけるが、何とか持ち直す。
「わ、分かった……なら、教えてもらおうかな?」
「やったぁ! じゃ、早速……」
嬉々として口を開くエリー。
それにしても、勉強かぁ……
本音を言えば嫌だが、致し方ない。
それに、美人になったエリーと少しでも長く一緒にいたいし、ここは特訓を受け入れよう。
「そうそう、いい感じよマルくん!」
だだっ広い平原で二人きり。
俺はエリーに魔法の指導をしてもらっていた。
今やっているのは、魔法を使う時の基本中の基本である魔力操作。
そんなの俺でもある程度は把握している、と思ったが、エリー曰くこの魔力操作がとても重要らしい。
なんか、こうやって教えられていると昔を思い出すな~、なんて思っている間にも、指導は続く。
「じゃあ、その溜めた魔力を一気に放ってみて」
「え、いいのか?」
「ここなら大丈夫よ。街の外だし、被害もそこまでにならないだろうし」
「わ、分かった。じゃ、じゃあ……行くぞ?」
俺は前方に両手を突き出すと、手に溜めた魔力を一気に解き放った。
「……はぁぁッ!」
するとどうだろう。
魔力を放った瞬間に、辺りに突風が巻き起こり、周りの地面に亀裂を生じさせる。
瞬間的だったが地面が揺れ動き、強い衝撃を自分でも感じた。
「な、なんだ……今の……」
ポカンと手の平を見つめる俺と同様、隣にいたエリーも呆然としていた。
「ま、まさか短時間でここまで成長するなんて……」
「え、エリー。今のって……俺がやったんだよな?」
「そうだよ」
「ヤバくね?」
「うん、ヤバイ」
魔力を放った瞬間に感じたあの湧き上がるような力。
今までに感じたことのないものだった。
なんかこう、一気に身体が熱くなって……
「俺の中にこんな力が秘められていたなんてな……自分で言うのもなんだけど、おっかないわ」
「でもこれでわたしの言っていたことが分かったでしょ? マルくんにはとんでもない才能があるの。それこそ、わたしなんかじゃ到底敵わないレベルの才能がね」
「んなバカな。流石にエリー相手じゃ、俺に勝ち目はないよ。おだてすぎだって」
「そんなことない。マルくんは、いずれ誰もが認めるものすっごい魔術師になるよ!」
俺の両手を握り、ニパーッと笑うエリー。
この天使のような微笑みを見られただけでも、俺はもう満足である。
「だから今度からもっともっと魔法を教えさせて! その代わり、わたしにできることなら何でも言ってくれていいから!」
「ま、マジで!?」
何でも……何でもかぁ……
真っ先に思いつくあんなことやこんなこと。
『何でも』なんてパワーワードを言われると、その想像力は無限にも広がってしまう。
まぁこれは男の性ってやつだからな、しょうがない。
「あ、今なんか、いかがわしいこと考えてたでしょ?」
ギクッ!
そんなに分かりやすかったのか、速攻で見破られる。
「――はい。これで手続きは完了です。こちら、新しいパーティバッジになります。紛失には気を付けてくださいね」
「ありがとうございます」
俺は受付嬢からパーティバッジを受け取る。
パーティバッジというのは一言で言えば、パーティに所属しているという証明みたいなもの。
パーティごとにバッジの形状は異なり、有名パーティにもなると、これを見せただけでどこに所属しているかが分かる。
いわゆるパーティの象徴だな。
他にも、ランク制限のあるクエストが解放されたり一部の娯楽施設が割引価格になったりと、特典が盛りだくさん。
そしてパーティランクが上がるにつれて、特典内容のレベルも上がるという仕組みになっている。
「まさか、【聖光白夜】のパーティバッジをこの手にすることができるだなんて……」
夢みたいだ。
いつかは入りたいパーティだと思っていたからな。
バッジを手に持って感動していると、カイザーが声をかけてきた。
「おぅ、お前も手続き終わったか?」
「ああ、今終わったところだよ」
「それにしてもこのバッジを手に取る日がこようとはな。なんかこれからが楽しみで仕方ないぜ!」
「だな。俺も今、全く同じことを思っていたところだ」
お互いにキラキラした新品のバッジを見せ合い、笑みを浮かべる。
Sランクパーティのバッジは特殊な希少金属でコーティングされているため、光を当てると蒼く輝く仕様になっている。
なので、一発で見分けることができる。
正直、俺にとっては身の丈以上の代物だけどね……
「お二人とも手続きは終わりましたか?」
そんなことを思っていると、他の件で手続きをしていたエレノアさんたちが帰ってきた。
「はい。今終わったところです」
「右に同じです!」
「ではこれで正式にパーティ加入ですね! ようこそ【聖光白夜】へ! 歓迎いたします!」
ニコッと可愛く微笑むエレノアさん。
いやちょっと待て。
無茶苦茶、かわいいんだが?
今まではまさに高嶺の花って感じで、遠くから眺めるだけだったけど、同じパーティに入ったというだけでこんなにも違うものなのか。
一人で感動していると、エレノアさんが思い出したように言う。
「歓迎会の方も準備させていただきますね。ただ、今は色々と立て込んでいて、やるとしても後日になってしまいますが……」
「いえいえ、気にしないでください!」
「そ、そうですよ! むしろ歓迎会をしてくれること自体、ありがたいんですから!」
【聖光白夜】はただでさえ、人数が多いパーティだ。
普通のパーティは、ある程度の人数になってくると、キリがなくなってくることもあって、歓迎会を行なわなくなる。
だがこのパーティは、メンバーが入った時には必ず歓迎会を行うのだと、噂で聞いたことがある。
噂なんて大体ガセな情報ばかりだが、本当の話だったんだな。
「では今日はこれで解散となります。一応明日から活動を始めますので、よろしくお願いします」
「あの、エレノアさ……じゃなくリーダー!」
カイザーが何かを質問したいようで勢いよく挙手をする。
「エレノアでいいですよ。何でしょうか?」
「明日から活動ということは、俺たちもリールに?」
リールは少し離れた場所にある巨大商業都市で、【聖光白夜】が活動拠点にしているところだ。
このブルームも決して小さい街ではないが、リールと比べたら、小都市という扱いになる。
そんなカイザーの質問に、エレノアさんは首を横に振った。
「いえ、流石に明日からすぐにリールに来ていただくわけにはいきませんので、少しの間はわたしたちがこっちに赴く予定です。ですが、ゆくゆくは移動したいと考えていますので、一応頭の中に入れておいていただけると嬉しいです」
「了解ですっ!」
「わ、分かりました」
移動か。
リールはそこまで遠くないから、馬車を使えば通えるには通えるな……カレアおばさんを一人にするのは心配だから、その選択肢も考えておこう。
理由を言えば、エレノアさんなら通いにしてくれるんだろうけど、どこかのタイミングで相談しないと。
「では、そういうことで。今日はお疲れさまでした」
「「「「「お疲れさまでした!」」」」」
エレノアさんが締めると、皆ぞろぞろとギルドから去っていく。
俺もカイザーと一緒にギルドを出ようとしたのだが――
「あ、あのマルクくん」
「は、はい?」
「この後、お時間いただけますか? 少しお話したいことがあるんですが」
「え、ええ。大丈夫ですよ」
いきなりのエレノアさんからのお誘いで、少し戸惑いつつも俺は頷く。
「なら俺は先に帰ってるわ。また明日な、マルク!」
「お、おう!」
カイザーは瞬時に何かを察知したのか、そそくさとその場から去っていった。
去り際に不敵な笑みを浮かべて。
「場所を変えましょうか。ついてきてください」
「は、はい……」
というわけで。
俺はエレノアさんに導かれるまま、ある公園にやってきた。
公園と言っても、街の中心街から少し離れたところにあるちょっとした広場だ。
周りに人の気配はなく、小鳥の囀りだけが響いている。
そんな場所を、俺とエレノアさんは二人並んで歩いていた。
「ごめんなさい。いきなりお誘いしてしまって」
「い、い、いえ! ぜ、全然大丈夫っすから!」
緊張で呂律が回っていない上に、失礼な言葉遣いになってしまった。
やっぱりカイザーがいる時といない時じゃ、雰囲気も緊張感も全然違う。
一人になるとこうも違うとは……き、緊張で目すらも合わせられん!
「ん、マルクくん? どうかしましたか?」
「い、いいえ! な、なななんでもないですよ?」
「そ、そうですか……」
この動揺っぷりだ。
何とも情けない。
エレノアさんは、困ったように苦笑している。
「この辺なら人も来ないし、大丈夫かな」
歩くことしばし、エレノアさんはそう言って、広場にポツンとあった休憩スペースのベンチに腰をかける。
座るよう手招きされたので、俺もそのベンチに座った。
「ふぅ……これでようやく二人きりで話せますね」
俺が座るのを確認すると、息をつくエレノアさん。
こうして見たら、やっぱり美人だな。
リナの方も大概だと思っていたが、こっちは別格だ。
可愛い。
強い。
人格者。
エレノアさんは、リナが持っていない要素を持っている。
もっと分かりやすく言えば、リナに欠けているところをほぼ全て持っている人とも言えよう。
聖女ってのは、こういう人のことを言うんだな……
ぼけーっとそんなことを考えながら、彼女を見ていたのだが――
「あ、あの……マルクくん? わたしの顔に何かついていますか……?」
「へ?」
エレノアさんは何やら頬を紅潮させていた。
そして恥ずかしそうに目を逸らす。
「い、いえ……あまりにもわたしの顔を凝視しておられたので……」
「えっ!? そんなに俺、見てましたか!?」
「ま、まぁ……」
マジかよ、全然気付かなかった。
その美貌に見惚れて、無意識でガン見していたようだ。
やべぇ……やっちまった……
ボロだけは絶対に出さないようにしようと思っていたのに……
俺はすぐに謝罪した。
「ご、ごめんなさい! エレノアさんがあまりにも可愛かったので、つい……!」
「か、可愛いっ……!?」
「あ……」
なんかまた余計なことを……と思ったら、エレノアさんの顔がさっきよりも更に赤くなっていた。
耳まで真っ赤で、とうとう顔まで手で覆い隠してしまう。
「あ、あの……! い、今のは……!」
「う、うぅぅ……いくら久しぶりだからってそれは反則です……」
「す、すみません……」
頭の整理が追い付かないほど、よく分からない状況になってしまった。
そんな中、エレノアさんはまだ少し頬を赤くした顔をこっちに向ける。
「ホント、そういう無神経なところは昔と変わりませんね。あの時もそうだったし……」
「あ、あの時……?」
はて、何のことだろう。
確かにエレノアさんとはこれが初対面ではないが、こういう状況になったのは初めてだ。大抵は他の人もその場にいたからな。
話したことがあるって言っても、ほんのちょっとだったし。
「あ、その顔だとやっぱり覚えていないんですね……前々からそうじゃないかなとは思っていましたけど、今ので確信しました」
「それってどういう……」
エレノアさんはポカンとする俺に少し残念そうにしながら、口を開く。
「本当に覚えていないんですか? わたしたち、冒険者になる前から面識があるんですよ?」
「えっ……!?」
そんなバカな。
俺の記憶には……いや、待てよ?
言われてみると、エレノアさんと似たような子が一人だけ、うっすらとだが記憶に残っていた。
彼女と同じ、白銀の綺麗な髪を持った子だ。
そして脳みそを絞っていくにつれて、その記憶は少しずつ鮮明になっていき……
「ま、まさか……エリー、なのか?」
エリーというのは、かつて親交のあったその子の愛称である。
確かに何度か遊んだことがあるが、もう十年以上も前の話だ。
するとエレノアさんは、これまでにない輝かしい笑顔を見せた。
「やっと……やっと思い出してくれたんだね!」
やや声を張ってそう言う彼女の目には、うっすらと涙が溜まっていた。
「ほ、本当にエリーなのか……?」
「そうだよ! 久しぶりだね、マルくん!」
この日、俺はまた一つ驚愕の事実を知ることとなった。
俺の憧れだった人が、もう一人の幼馴染だったということを。
俺たちは本当の意味で、十数年ぶりの再会を果たしたのだ。
エリーと俺が初めて会ったのは、とある学園の初等部に在籍していた頃だ。
人当たりが良く、友達が多かったエリーとは、同じクラスで席が隣だったことをきっかけに仲良くなった。
彼女は当時ショートヘアーで、性格もサバサバしていたこともあって、最初は男だと思っていたから、女だと知った時は流石に驚いたっけ。
しかしあっという間に仲良くなり、いろんなことを話し、放課後も一緒に帰ることがよくあった。だいたい、近くの公園で遊んでから帰ってたんだよな。
一つ思い出すと、他の記憶も次々に蘇ってくる。
それにしても……
「驚いた……まさかあのエリーがこんなにも美人になっていたなんて」
「思い出すの遅すぎだよ。今までも何度か会ってきたのに……」
少しムッとするエレノアさん改めエリー。
でも、昔と比べたら容姿も雰囲気も相当変わっているから仕方ないだろう。
俺の知っているエリーとは遠くかけ離れていた。
もちろんそれは、いい意味でだ。
当時の男子っぽいイメージが定着していたから、パッと見ても気付かなかったんだと思う。
名前だって、エリーという愛称しか覚えてなかったしな。
そんなことを考えていると、エリーがくすくすと笑う。
「なんかすごい驚いてるみたいだね」
「そりゃ驚いているよ。もしかして人生で一番驚いたかもしれない」
「そんな大袈裟な……」
エリーはそう言うが、割と大袈裟でもない。
真実を知った今でも情報整理が間に合ってないしな。
昔の記憶から今のエリーに上書きするのは時間がかかる。
それくらい変化があるのだ。
「でも、思い出してくれてすごく嬉しい。本当はマルくんから気付いてほしかったんだけど……」
「ご、ごめん。俺も嬉しいよ。こうしてまたエリーに会えて」
今まで他人を装って接していたのは、俺に気付いてほしかったからか、と今更ながら理解する。
こういう機会がなかったら、多分一生知らないまま生きてくことになっていただろうな……
それにしても、世の中って意外と狭いものである。
「はぁ~、なんかスッキリした! 今までずっと言えなかったから」
「俺も。驚きの連続で少し疲れたよ」
エリーが幼馴染だと分かったおかげで、いつの間にか緊張が解れていた。
「ちなみに、エリーはいつから気付いていたんだ?」
「わたし? わたしは初めて会った時から気付いてたよ?」
「えっ、マジで?」
「マジです」
ということは、一年以上も前から認知していたということか。
まぁ俺は昔とさほど変わっていないから、気付かれて当たり前か。
「なんか悪いことをしたな……」
「ううん、大丈夫! これからに期待するから!」
「そ、そうか……」
これからとは一体……?
すると、エリーは突然スッとベンチから立ち上がり――
「さて、前置きはこのくらいにして……早速やりますか」
そんなことを言い出した。
「やるって、何を?」
「魔法の特訓よ。カミングアウトはそのついで。こっちが本命なの」
「え、特訓……?」
突拍子もなく放たれたその言葉に唖然としていると――
「説明は後でするから。ささっ、こっちに来て!」
「ちょっ……エリー!」
歩いていくエリーを追いかける。
連れてこられた先は街の外、木々の生い茂る森林地帯だった。
「なんで街の外に?」
「街中で魔法なんて使ったら、治安騎士に捕まっちゃうでしょ」
「そ、そうだけど……そもそも何で魔法の特訓をするんだ?」
「その前に一つだけ聞いてもいい?」
「う、うん」
こんなところに連れてこられて、何を聞かれるんだ?
「マルくんってさ、あれから魔法の練習とかってした?」
「あれから?」
「そう。昔わたしが教えたじゃない。実技で赤点取りそうだから~って頼まれて。もしかして覚えてない?」
「いや、覚えているけど……」
そんな理由だったっけか?
正直、そこまで覚えていない。
でも昔の俺は超がつくほどの勉強嫌いだったから、多分そんなことを言ったんだろう。
ま、今でも勉強は大嫌いだけど。
「それで? 魔法の練習はしたの、あれから」
「し、してない……な」
俺は早く冒険者になってカレアおばさんに恩返ししたくて、中等部から先には進学していない。
だから勉強もそこでスッパリと止まってしまっている。
「あ、でも冒険者になる前にカレアおばさんに冒険者としての基本を教えてもらったことがあるんだけど……その時に、冒険者として最低限の魔法が使えるようにって言われたな」
「カレアさんって、マルくんを育ててくれた方だよね? そんなことまで教えてくれたんだ」
「うん。でもそれ以降は全くやってない」
少なくとも俺の記憶にはない。
「ちなみに、教えてもらった魔法は覚えられたの?」
「少しだけな。あ、でもなんかカレアおばさんには、もっと魔法を勉強したら、すごい魔術師になれそうなのに~って言われた気が――」
「そう、それよっ!」
エリーは突然指を指し、声を張り上げながら俺の言葉を遮った。
突然のことに、俺はビクッとしてしまう。
「ど、どうしたよいきなり……」
「マルくんは自分の持っている才能に気付けていないってことよ」
才能?
なんか俺とは縁のない言葉が出てきたぞ?
「どういうこと? 俺に魔法の才能があるって言いたいのか?」
「そういうこと。自分では分からないかもしれないけど、マルくんからスゴイ魔力を感じるの。昔も桁違いだと思っていたけど、ここまでになるなんて……」
「へ、へぇ……」
全く分からないし、スゴイ魔力を感じるというのもピンとこない。
俺は他人の魔力を感じることができないし、もし俺の才能が凄いのなら、リナ辺りは気付いているんじゃなかろうか?
でもあいつは俺を無能扱いしていたからな。
よく分からぬ。
そう悩んでいると、エリーは口を開く。
「わたしね、実は魔法科の先生を目指しているの。人に何かを教えるのが好きで」
「そ、そうなんだ」
魔法科の先生か、確かにエリーにぴったりな仕事だ。
「だからマルくんのような才能ある人を見ると、この手で才能を開花させたいって欲求が働いて教えたくなっちゃうのよ!」
「な、なる……ほど?」
あまり共感できないが、ざっくりと解釈すると、魔法を教えて俺の底に眠る才能を覚醒させたいと……
「そういうことなのか?」
「その通り!」
首を三回くらいブンブンと縦に振るエリー。
まず俺に才能があるってところから、既に疑問なんだが……
ここは何も言わずに分かったと言うべきだろう。
別に断る理由もないし。
「どう? わたしに魔法、教わってみない?」
覗き込むように見てくるエリー。
顔の近さとほんのり香る甘い匂いで、他のことに思考を持っていかれかけるが、何とか持ち直す。
「わ、分かった……なら、教えてもらおうかな?」
「やったぁ! じゃ、早速……」
嬉々として口を開くエリー。
それにしても、勉強かぁ……
本音を言えば嫌だが、致し方ない。
それに、美人になったエリーと少しでも長く一緒にいたいし、ここは特訓を受け入れよう。
「そうそう、いい感じよマルくん!」
だだっ広い平原で二人きり。
俺はエリーに魔法の指導をしてもらっていた。
今やっているのは、魔法を使う時の基本中の基本である魔力操作。
そんなの俺でもある程度は把握している、と思ったが、エリー曰くこの魔力操作がとても重要らしい。
なんか、こうやって教えられていると昔を思い出すな~、なんて思っている間にも、指導は続く。
「じゃあ、その溜めた魔力を一気に放ってみて」
「え、いいのか?」
「ここなら大丈夫よ。街の外だし、被害もそこまでにならないだろうし」
「わ、分かった。じゃ、じゃあ……行くぞ?」
俺は前方に両手を突き出すと、手に溜めた魔力を一気に解き放った。
「……はぁぁッ!」
するとどうだろう。
魔力を放った瞬間に、辺りに突風が巻き起こり、周りの地面に亀裂を生じさせる。
瞬間的だったが地面が揺れ動き、強い衝撃を自分でも感じた。
「な、なんだ……今の……」
ポカンと手の平を見つめる俺と同様、隣にいたエリーも呆然としていた。
「ま、まさか短時間でここまで成長するなんて……」
「え、エリー。今のって……俺がやったんだよな?」
「そうだよ」
「ヤバくね?」
「うん、ヤバイ」
魔力を放った瞬間に感じたあの湧き上がるような力。
今までに感じたことのないものだった。
なんかこう、一気に身体が熱くなって……
「俺の中にこんな力が秘められていたなんてな……自分で言うのもなんだけど、おっかないわ」
「でもこれでわたしの言っていたことが分かったでしょ? マルくんにはとんでもない才能があるの。それこそ、わたしなんかじゃ到底敵わないレベルの才能がね」
「んなバカな。流石にエリー相手じゃ、俺に勝ち目はないよ。おだてすぎだって」
「そんなことない。マルくんは、いずれ誰もが認めるものすっごい魔術師になるよ!」
俺の両手を握り、ニパーッと笑うエリー。
この天使のような微笑みを見られただけでも、俺はもう満足である。
「だから今度からもっともっと魔法を教えさせて! その代わり、わたしにできることなら何でも言ってくれていいから!」
「ま、マジで!?」
何でも……何でもかぁ……
真っ先に思いつくあんなことやこんなこと。
『何でも』なんてパワーワードを言われると、その想像力は無限にも広がってしまう。
まぁこれは男の性ってやつだからな、しょうがない。
「あ、今なんか、いかがわしいこと考えてたでしょ?」
ギクッ!
そんなに分かりやすかったのか、速攻で見破られる。
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