チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!

しりうす。

文字の大きさ
上 下
9 / 118
デスゲーム?

Stage Eight

しおりを挟む
「はぁ~。仕方ない。どんなやつなんだ?」
「えっとね。【始まりの森】にあるオークのコロニーを調査又は攻略、だって」
「それってこの前見つけたやつか」
「そだよ」
「はぁ、仕方ない。やるか」
「いぇーい」

 アンラが面倒くさいクエストを受けてきたので、仕方なくやることにした。・・・俺だけなら3秒くらいで終わるのに・・・。

「そういえば、アンラのステータスってどうなってる?」
「えっ!?お、教えないとダメ?」
「ん?別に教えなくてもいいけど、なんでそんなに驚いてんの?」
「い、いや~、何でもないよ?ホント、ホント。夜更かしとかしてないし~」
「へ~。夜更かししてるのか~。ダメって言ったはずなんだけどな~」
「な、何故バレた!?」
「アンラ。ステータス、見せてくれるよね?」
「うっ、・・・はい」

 アンラが快くステータスを見せてくれたので、どれくらいの強さなのか見てみようと思う。

アンラ

種族:人
状態:正常
Lv.13
HP:10,200   
MP:2,400
体力:1,000
攻撃力:980
防御力:790
魔法攻撃力:1,300
魔法防御力:800
俊敏:990
運:34

〈スキル〉
[コモンスキル]
・MP自動回復量増加Lv.5 ・水属性魔法Lv.6 ・光属性魔法Lv.4 ・風属性魔法Lv.3 ・解体Lv.7 
・棍棒術Lv.2
[耐性]
・物理攻撃耐性Lv.5 ・魔法攻撃耐性Lv.5

〈称号〉
・βテストクリア者

〈所持金〉
 100G


「え?」
「驚いた?」
「ああ、驚いたよ。こんなに強いとはな」
「【βテストクリア者】のお陰だよ」
「そこ。何でその称号持ってんだ?まさか、本当にクリアしたのか?」
「クリアしたんだよ。キラがログアウトしたのって、サービス終了の30分前くらいでしょ?」
「そうだったかな・・・?」
「うん。それでね、キラはソロでクリアしたけど、私はパーティでクリアしたの」
「マジか。ってことは、この称号を持っているプレイヤーがまだいるってことか」
「そうだね。でも結構ギリギリだったなー。パーティメンバー全員がHP残り数ドットだったからね。よくキラはソロでクリアできたよね」
「俺はレベルカンストしてたからな。弱く感じたよ。何レべで挑んだの?」
「えっとね・・・確か、最高が22で、最低が18、平均が19くらい、かな?」
「よくそれでクリアできたな。レイドか?」
「1パーティだよ」
「プレイスキルが高いんだな」
「キラに言われたくないよ・・・」
「そうか・・・?アンラ、ついたぞ?」

 俺とアンラが談笑していると、いつの間にかオークの巣まで来ていたようだ。
 数は、オーク18、オークソルジャー4、オークアーチャー5、オークソードマン7、オークメイジ3。そして、オークキングがいた。

「これ規模デカくね?」
「だね。どうしようか・・・」
「アンラが突撃する」
「人任せ過ぎない!?」
「アンラが勝手に受けたんだろ」
「うっ」

 アンラは軽く呻いた後、オークの巣に向かって歩き出した。
 すると、アンラは杖を取り出し、詠唱を始めた。魔法を使うようだ。

「#$%―――【水球ウォーターボール
 アンラが魔法名を言った次の瞬間。

ドゴォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオン!!

 とても大きい爆発音とともに、水飛沫が飛び散った。
 しかし、全てのオークを倒せたわけじゃない。現に、オークキングがまだ生きている。しかも軽傷。それに加え、再生までしていた。

「嘘・・・」
「大丈夫そうか?」
「む、無理ぃ」
「わかった。見てろ」

 アンラがギブアップしたので、俺とバトンタッチだ。
 どうやって倒そうかなぁ~。ま、あれでいいか。
 俺は杖を取り出し、詠唱を唱え始めた。

「#$%―――【水球】」
 
 使うのはアンラと同じ【水球】。ただし、威力は10倍で留めてある。
 俺が放った【水球】が巣に着弾したのと同時に、周りを無音が支配する。続いてやってきたのは衝撃。コンマ数秒遅れて音が来た。

「な、なにあれ!」

 アンラは驚いていた。その顔をスクショして将来見せてやりたいくらいだった。


「じゃあ、また一緒にクエスト受けようね~」
「あぁ!」

 俺はアンラと別れて、始まりの街のスラムの方へとやってきた。・・・【水球】について追及されなかったのか?・・・・・・想像に任せる。

 閑話休題それはともかく。俺が始まりの街のスラムへ来た理由は、未来探しだ。本来は明日からなのだが、暇だし、明日の探す分が少なくなればいいな~、的なノリでやってきた。何故、スラムなのか。それは、おそらく未来はお金を持っていないだろう。持っていたとしても、そんなに長く宿に泊まれるかはわからないので宿に泊まり続ける、ということはないと思う。そして、お金を稼ぐことだけど、それはたぶん無理だと思う。だって、フィールドはたくさんのプレイヤーがいるし、魔物とのバトルでもおそらく神崎がやってて、後方支援だけじゃないかと思う。なので、戦闘能力の低い未来が野宿するとも考えにくい。よって、ここスラムに行きつくわけだ。

「さて、居るかな?」

 俺は始まりの街のスラムを見回ることにした。



「居た・・・」

 見回り始めて3分ほど。俺は未来を発見した。―――路上に倒れた姿で。しかし、気は失ってないようだ。小さく、助けて、と呟いている。

「大丈夫か?」
「!・・・いやぁ、こないでぇ・・・」

 極限状態だったのだろう。ここはスラム。そこら中にヤバいやつらがいる。よく気を確かに持てたと思うよ。俺だったら、多分もう諦めてると思う。

「大丈夫だ。何もしない。朝倉たちが探してたぞ?」
「!か、薫・・・?」
「ああ、クラスの皆がお前の事探してるぞ」
「み、皆が・・・」

 そのことを聞いて安心したのか、泣き出してしまった。

「怖かった・・・怖かったよぉ・・・・・・」
「わかった。わかった。よく頑張ったな」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああん!」

 ・・・よほど怖かったんだろうな。でもね?そんなに大声で泣かないで?耳が死にそうなんだけど?


「うっぐ・・・ぐすっ・・・おえっ」
「吐くなよ!?」
「わかった。我慢する・・・」
「とりあえず、俺が泊まっている宿に行くか?」
「・・・うん。・・・ごめんね?」
「これくらい気にすんな。困ったときはお互い様だ」
「ふふ・・・ありがとう」
「どういたしまして」





「さてと。明日葉、事情を聞かせてくれ。何があった?」

 俺は今泊まっている宿に未来を連れてきて、事情を聴いた。・・・宿の店主や宿泊者たちにニヤニヤされた。解せぬ。
しおりを挟む
感想 39

あなたにおすすめの小説

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

処理中です...