チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!

しりうす。

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デスゲーム?

Stage Five

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「なあ、ソードマンなどの上位種がこのあたりにポップするってことは、近くにオークのコロニーがあるのか?」
「十中八九そうだと思うよ」
「だよなぁ~」

 【始まりの森】入り口付近に上位種がポップするとしたら、近くにその上位種の括りの魔物の巣があると考えていい。例えば、オークソードマンがいたとすると、その近くにオークの巣があるということだ。

「じゃあ、ここは逃げた方がいいよな。幸い、まだ見つかってないし」
「そうだね。2,3体で行動してるオークを狩った方がいいかも」
「そうするか」


 それから数時間、二人はオークとゴブリンを狩りまくっていた。その為、キラのレベルが凄いことになっていた。

キラ

種族:人
状態:正常
Lv.13
HP:60,000
MP:45,000
体力:14,000
攻撃力:6,400
防御力:7,000
魔法攻撃力:6,400
魔法防御力:7,000
俊敏:7,200
運:48

〈スキル〉
[ユニークスキル]
・身体強化Lv.6 ・武神Lv.6 ・賢者Lv.6 ・経験値自乗 ・ステータス上昇値自乗 
・スキルレベルアップ速度上昇Lv.6 ・ストレージ ・完璧鑑定 ・完全偽装
・レアアイテムドロップ率上昇Lv.6

[コモンスキル]
・HP自動回復量増加Lv.6 ・MP自動回復量増加Lv.6 

[耐性]
・苦痛耐性Lv.6

〈称号〉
・βテストクリア者

〈所持金〉
 3000G


 このゲームで超えることのできない数値がここにある。レベル13は今現在、このゲームで最高レベル。ステータスも勿論最高だ。

「よし。これくらいにしておくか」
「そうだね。明日学校あるし、落ちる?」
「ん~?街まで戻るか。そこで宿とって落ちるか」
「それでいいね」

 今日のところはここまでになり、街まで戻ってログアウトすることになった。ログアウト前に冒険者ギルドに寄り、クエスト達成の報告と、その他にも余分に狩った魔物の素材も売った。その時の受付嬢の顔が引きつっていたのは言うまでもない。

※ 

 翌日、八雲が通う学校———黄道北星高等学校こうどうほくせいこうとうがっこうは昨日サービスを開始した【Another World・Online】の話題で持ちきりだった。それもそのはず、この学校は結構カッコイイ名前しているくせに生徒の九割方ゲーマーだ。その学校の八雲の立ち位置は、ボッチだ。しかしその腕は確かで、生徒たちが知らないだけで、学校で一番ゲームが上手い。それは「俺が一番うまい!」と、豪語している男子生徒がいるが、そんなやつなど片手間に倒せるくらいに。

「プレイヤー多すぎじゃね?」
「それな。なんであんなに居るんだよ」
「まぁ、それくらい人気なんだよ。そんなことよりさ、レベルどれくらい上がった?」
「聞いて驚け、なんと5だ!」
「「おぉ!!」」
「それでよぉ、レベル5に上がったとたん周りのやつが弱く見えるんだよ。剣振る速度遅いな。とかな」
「「へぇ~」」
「ま、早く俺のところまで来なよ」
「「(やべぇ~、俺たちレベル7まで上がってるなんていえねぇ)」」

 そんな会話を盗み聞きしていた時に、それは起こった。

「みんな!大変!未来みくがAWOから帰ってきていないらしいの!」

 そう言って教室に入ってきたのはこのクラスの委員長、朝倉薫あさくらかおり。実はこのクラスで八雲を抜いて1,2を争うレベルの腕を持つゲーマーだ。勿論ゲームだけでなく、勉強にスポーツ、何でもできる。容姿は十人いれば四、五人は可愛い、綺麗、美人、などいう感想を持つだろう。そして、薫が言った未来というのは、明日葉あしたば未来。ゲームの腕は周りと比べて普通程度。しかし、普通だからと言って侮ってはいけない。何故なら、基準がこの学校だからだ。世間一般を基準にするなら、ゲームの世界大会に出場できる程の腕は持っている。やっぱりこの学校可笑しい。未来は、成績は優秀だがスポーツが少し苦手で、容姿は薫より少し優れている。・・・女性特有のとある部分が薫と違い、ぺったんこだが。

「AWOから帰ってきてないってどういうことだよ!」
「そのままの意味よ。昨日、AWOにインしてから今日の朝まで起きてきていないらしいの。最初は親も、学校までには起きてくると思ってたみたいだけど・・・」
「それで結局起きてこなかった、と。そういうこと?」
「うん」
「え!?どうするの?」
「今は自宅にいるらしいわよ。でも明日も起きなかったら、皆で探しに行かない?」
「「そうだな(ね)!」」

 今日のところはここまでで、話を切り上げた。



 翌日、学校は騒がしかった。理由は言わずもがな、未来のことだ。未来は今日の朝も起きなかった。しかし、唯一の救いは、ハードがチョーカー型だったことだろうか。もし、栄養などの関係で病院に入院することになった場合、運びやすいからだ。未来はもう運ばれたが。

「皆・・・未来が起きなかった。今日、皆で未来を探しに行こう?」
「そう、だな」
「え、えぇ」

 クラスの中に重い空気が蔓延する。

「(昨日はあんまりクエスト受けられなかったな。レベルは上がったけど・・・)」

 こんなことを考えているのは、勿論八雲だ。彼はクラスとは基本無干渉を貫いている。昨日皆が必死に未来を探している間にギルドでクエストを受けていたのだ。その時、瑚白は友達との用事で一緒ではなかった。レベルを上げていたのは八雲以外にもいたが、割愛する。



「とりあえず500人程ですが出来ましたよ」
「ふむ。ご苦労」

 男はそう言って、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
 此処は都内某所にあるゲーム開発会社の、とあるオフィスの中である。電気を付けず、窓には遮光カーテンを張り、その隙間から漏れる光とPCの光だけがオフィス内を照らす。オフィス内には、二人の男がいた。片方は白い白衣を着ていて、もう片方も白衣を着ているがとてもボロボロで、所々黒や茶色に汚れている。

「あとどれくらいいけそうだ?」
「う~ん、あと、1000人程ですかね」
「まぁ仕方あるまい。これから増やせばいいだろう」
「はい」

男にそう言われたボロボロの白衣を着た人物はまたもやPCをいじり始めた。



「はぁ、はぁ、・・・なん、で」
 少女——明日葉未来はとても疲弊していた。その理由は簡単。ログアウトが出来ないからだ。ログアウトできないから、このゲームの世界で生きなければならない。でもそのためにはお金がない。だから冒険者ギルドに加入する。でもそのためのお金がない。なら魔物を狩る。でも戦闘能力がない。今未来が置かれている状況、それは——詰み、だ。何もできない。お金も無い。だから【始まりの街】の市街区から外れ、所謂スラム街、というところに居る。そこは食料もなく、太陽光以外の光さえない場所だった。それに加え、未来は女の子、しかも外見もいい。つまり完全学習型AIを持っている男性NPCに襲われそうになっているのだ。ここで、【Another World・Online】のとある項目の説明を思い出してみよう。

⑤【Another World・Online】に居るNPC
 それらにも、完全学習型AIが入っているため、プレイヤーとあまり変わらない。ただし、戦闘や鍛冶などは出来ない。【Another World・Online】で出来ることは無限なので、勿論、NPCとの結婚も可能。子供はとあるコマンドを実行すれば、作ることが可能。

 ここだ。この『子供はとあるコマンドを実行すれば、作ることが可能』。これはプレイヤーだけでなくNPCにも言えることで、NPCがこのコマンドを実行すればプレイヤーが子供を産むことも可能なのだ。勿論、プレイヤー同士でも。因みに、子供が生まれ、母親が育児を放棄した場合、強制的に牢獄へ転移させられてしまう。つまり子供が出来てしまうと、このスラム街から出るまでが長くなってしまうのだ。それを未来は避けたかった。

「誰か、助けてっ」

スラム街の一角に少女の悲痛な願いが響いた。

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