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デスゲーム?
Stage One
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【Another World・Online】のβテストが終わって、数週間。季節は夏に入っている。
「さて、あと30分か」
クーラーが効いている部屋で、【Another World・Online】をクリアした俺———雲母八雲は、部屋の中をウロチョロしていた。その理由は・・・
「あ~早くAWOやりたいよ~」
午前10時から始まる、【Another World・Online】の本サービス開始時刻が待ち遠しいからだ。
「おにぃ、気持ち悪いよ?」
今俺に毒を吐いたのは俺の妹の瑚白。黒髪黒目で成績優秀、スポーツ万能。おまけに見た目も可愛い、完璧な子だ。因みに俺は、黒髪黒目、成績普通、運動神経は普通、見た目は、背は高いけど、他が普通の所謂フツメンだ。それはいいとして、今の瑚白からの口撃はグサッときた。何か言ってやらねば。
「そういうことはもう少しオブラートに包んでくれよ~。お兄ちゃん、ちょっと心に来るものがあるぞ~?」
「おにぃ、・・・やっぱ無理だわ。だからはっきり言うね。キモイ」
「ぐはっ」
「まぁ~気持ちは分かるけどね」
「だろ?」
「でも、もう少し落ち着こうよ。ほら、これでも読んでて」
そう言って、瑚白は【Another World・Online】の紹介パンフレットを投げ渡してきた。俺はそれをキャッチし、中身を読んだ。
1:【Another World・Online】はVRMMORPGの最新作品である。
2:【Another World・Online】の世界
【Another World・Online】はライトノベルなどによくある『異世界』をテーマにして作られている。勿論、人間もいれば、魔物もいる。さらに、獣人族に森霊族などの亜人族。他には、魔物とは別に竜がいたりする。そして、ここが【Another World・Online】のオリジナル要素で、行く先々によって、環境は勿論、文明発達度まで変わる。現在の地球よりも劣っているところから、とても優れているところもある。
3:【Another World・Online】で出来ること
【Another World・Online】で出来ることは無限である。完全自己学習型AIを組み込んでいるので、国を作るのも良し、組織を作るのも良し、結婚するのも良し。完全自己学習型AIがいつもプログラミングしているので、バグが起きることもない。サーバーは世界中の人がプレイしても、全く問題が無いので、重い、ラグいなどの心配はいらない。キャラクターメイクのところで、人族以外にもなれる。
4:【Another World・Online】の目的
【Another World・Online】の目的は無い。一応魔王がいるが、倒さなくても良い。魔王は倒しても、ストーリーがあるとかはない。
5:【Another World・Online】に居るNPC
それらにも、完全自己学習型AIが入っているため、プレイヤーとあまり変わらない。ただし、戦闘や鍛冶などは出来ない。【Another World・Online】で出来ることは無限なので、勿論、NPCとの結婚も可能。子供はとあるコマンドを実行すれば、作ることが可能。
「おにぃ、もうすぐ時間だよ?早く」
「おう!始まりの街の広場集合でいいか?」
「いいよ。あ、名前は『アンラ』だから」
「了解。俺は『キラ』だ」
と、瑚白との軽い打ち合わせをやってから、自室へと向かう。
自室に入ると、ベッドに横になる。楽しみすぎて準備は完璧に出来ているので、後はログインするだけだ。
時計を見と、そこには9時58分と示されていた。こみ上げてくる興奮を押さえつけ、チョーカー型のハードを自分の首につける。よく分からないが、このチョーカーから針が出て、神経と接続し、脳から送られてきた信号をゲーム内のキャラに反映するらしい。うん、わからん。
もう一度時計を見る。9時59分50秒。心の中で10秒数えてから、起動コマンドを、口にした。
「《ダイブ・イン》!」
「さて、あと30分か」
クーラーが効いている部屋で、【Another World・Online】をクリアした俺———雲母八雲は、部屋の中をウロチョロしていた。その理由は・・・
「あ~早くAWOやりたいよ~」
午前10時から始まる、【Another World・Online】の本サービス開始時刻が待ち遠しいからだ。
「おにぃ、気持ち悪いよ?」
今俺に毒を吐いたのは俺の妹の瑚白。黒髪黒目で成績優秀、スポーツ万能。おまけに見た目も可愛い、完璧な子だ。因みに俺は、黒髪黒目、成績普通、運動神経は普通、見た目は、背は高いけど、他が普通の所謂フツメンだ。それはいいとして、今の瑚白からの口撃はグサッときた。何か言ってやらねば。
「そういうことはもう少しオブラートに包んでくれよ~。お兄ちゃん、ちょっと心に来るものがあるぞ~?」
「おにぃ、・・・やっぱ無理だわ。だからはっきり言うね。キモイ」
「ぐはっ」
「まぁ~気持ちは分かるけどね」
「だろ?」
「でも、もう少し落ち着こうよ。ほら、これでも読んでて」
そう言って、瑚白は【Another World・Online】の紹介パンフレットを投げ渡してきた。俺はそれをキャッチし、中身を読んだ。
1:【Another World・Online】はVRMMORPGの最新作品である。
2:【Another World・Online】の世界
【Another World・Online】はライトノベルなどによくある『異世界』をテーマにして作られている。勿論、人間もいれば、魔物もいる。さらに、獣人族に森霊族などの亜人族。他には、魔物とは別に竜がいたりする。そして、ここが【Another World・Online】のオリジナル要素で、行く先々によって、環境は勿論、文明発達度まで変わる。現在の地球よりも劣っているところから、とても優れているところもある。
3:【Another World・Online】で出来ること
【Another World・Online】で出来ることは無限である。完全自己学習型AIを組み込んでいるので、国を作るのも良し、組織を作るのも良し、結婚するのも良し。完全自己学習型AIがいつもプログラミングしているので、バグが起きることもない。サーバーは世界中の人がプレイしても、全く問題が無いので、重い、ラグいなどの心配はいらない。キャラクターメイクのところで、人族以外にもなれる。
4:【Another World・Online】の目的
【Another World・Online】の目的は無い。一応魔王がいるが、倒さなくても良い。魔王は倒しても、ストーリーがあるとかはない。
5:【Another World・Online】に居るNPC
それらにも、完全自己学習型AIが入っているため、プレイヤーとあまり変わらない。ただし、戦闘や鍛冶などは出来ない。【Another World・Online】で出来ることは無限なので、勿論、NPCとの結婚も可能。子供はとあるコマンドを実行すれば、作ることが可能。
「おにぃ、もうすぐ時間だよ?早く」
「おう!始まりの街の広場集合でいいか?」
「いいよ。あ、名前は『アンラ』だから」
「了解。俺は『キラ』だ」
と、瑚白との軽い打ち合わせをやってから、自室へと向かう。
自室に入ると、ベッドに横になる。楽しみすぎて準備は完璧に出来ているので、後はログインするだけだ。
時計を見と、そこには9時58分と示されていた。こみ上げてくる興奮を押さえつけ、チョーカー型のハードを自分の首につける。よく分からないが、このチョーカーから針が出て、神経と接続し、脳から送られてきた信号をゲーム内のキャラに反映するらしい。うん、わからん。
もう一度時計を見る。9時59分50秒。心の中で10秒数えてから、起動コマンドを、口にした。
「《ダイブ・イン》!」
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