106 / 118
新たなステージへ!
Stage Ninety-Nine
しおりを挟む
「で、フィールド破壊して何してんの?」
「魔物の駆除をしてました」
「過剰威力だよね?」
「面倒臭かったので」
「威力弱めの魔法使おうとか、思わないの?」
「一番使いやすい魔法を使った方が楽なので」
俺は空から降りてきたフィールド破壊犯を問い詰めている。因みに犯人はミカエルだ。神殿を発見して俺達に知らせようと【オーネスト】に戻るときにあの魔物の群れを発見したらしい。それで魔物を倒していたら俺達が来たと。・・・倒してくれたのは良いんだけど地形を破壊するのだけはやめて欲しかった。勝手に直るけどさ。
「もういいや。どうせここに来るプレイヤーは居ないんだ。放っておこう」
ここは【荒れ果て荒野】に繋がる道なので誰も通らないだろう。通る奴は馬鹿だ。自ら死にに行くようなもんだからな。
さて、帰るか。俺が魔物を倒すときも同じようなことをしようとしていたことを悟られないうちに。【流星群】使おうとしてたけど【天変地異】くらいで良かったかな。
ん?ミライどしたのそんなフラットなジト目なんかして。かわいいじゃないか。
「───【転移】」
【転移】で【オーネスト】まで戻る。ミカエルには自分で帰ってきてもらうことにした。飛んだらすぐだし【転移】を使う程でもないよね。俺も飛べばよかったって?ミライはどうするんだよ。抱えればいい?・・・なるほど、その手があったか。
家に帰り、リビングへ向かう。そこには全員が集合していた。ブルーとレッドはパソコンを弄り、アンラはソファで昼寝。サクラはカオリと庭で遊んでいる。少しデジャヴ。
と、そんな事を思っていると、庭の方からかわいらしい悲鳴がした。ゆっくり駆け付けると、案の定ミカエルがいた。予想以上に早いな。
「ん?今の可愛い悲鳴は誰のだ?」
少し棒読みで言う。皆が俺を見る中、一人だけそっぽを向いていた。
「べ、別に私じゃないわよ・・・?」
カオリが悲鳴の主のようだ。ま、予想はできてたって言うか確信してたけどな。だってサクラ大きな声出さなそうだし悲鳴とか上げなそうだろ?「・・・わー」とか一瞬遅れてから驚きそうだろ?しかも抑揚のない平坦な口調で。
場所をリビングに変え、ミカエルからの情報を聞く。ミカエルはソファに座る俺の足元・・・ではなく膝の上に座った。をい。
「・・・」
「・・・」
サクラが無言で弓を構え、静かに照準をミカエルに合わせた。番えている矢の数は二本。絶対頭と胸を狙ってやがる。それを見たミカエルが素早い動きで俺から離れソファに挟まれているテーブルの横で跪いた。そしてサクラは弓をしまうと俺の膝の上に座り、安定するところを探すためかお尻をぐりぐり。
「で、では報告します。神殿を一つ見つけました。場所は【龍神山】を超えたさらに先にある秘境。敵のレベルも高く、最低でも170以上はあった方が良いかと。私は天使を出したのでギリギリですが攻撃を受けずに辿り着くことができました。そして、そこは深い森の中なので上からの神殿到達は不可能です。逆に中から外に出ることはできます。木々を破壊することはできません。なので必然的に徒歩で向かうことになります。が、そこは暗闇に包まれており魔法やアイテムで光を灯す必要があります。魔法を使うとMPが減ります」
「ん?それは当たり前じゃないのか?」
魔法はMPを消費して使うのだから当たり前じゃないのか?【光源】などの発動してから長時間の間効果を発揮する(バフを除く)魔法は、時間に応じてMPを消費するため、ミカエルが今言ったことは態々言うことではない。
「MPの量が減るのではなく、最大MP量が減るのです。森から出れば元に戻りますが。まさに強化イベントにピッタリな難易度ではないでしょうか」
そういうことか。なんと面倒臭い縛りがあるもので・・・。でも魔法を使わなければいい話・・・あぁ、暗いから魔法は使わないといけないのか。松明とかアイテムであるけど耐久力がなぁ。
ま、俺が明かり付けて魔法で戦うのはミライとサクラに任せるか。俺はカオリと接近戦。アンラ達はどうするかな。
「勿論行くよ!」
「いやでもレベル・・・」
今のアンラのレベルは大体100。いくら何でも危なすぎる。ブルーとレッドに関してはさらに低いのだからここで待っていてもらった方が良い。
「「武器造ってます!」」
「仕方ないか。少しでも危険があるならやめた方が良いよね」
「レベル上げしたら連れて行ってやるから。それまで我慢な。多分それまでにはもっと見つかってるだろうから好きな所に行けばいい」
「うん、そうするよ」
アンラに納得してもらって、俺達は早速秘境の森にあると言う神殿に向かうことにした。
「魔物の駆除をしてました」
「過剰威力だよね?」
「面倒臭かったので」
「威力弱めの魔法使おうとか、思わないの?」
「一番使いやすい魔法を使った方が楽なので」
俺は空から降りてきたフィールド破壊犯を問い詰めている。因みに犯人はミカエルだ。神殿を発見して俺達に知らせようと【オーネスト】に戻るときにあの魔物の群れを発見したらしい。それで魔物を倒していたら俺達が来たと。・・・倒してくれたのは良いんだけど地形を破壊するのだけはやめて欲しかった。勝手に直るけどさ。
「もういいや。どうせここに来るプレイヤーは居ないんだ。放っておこう」
ここは【荒れ果て荒野】に繋がる道なので誰も通らないだろう。通る奴は馬鹿だ。自ら死にに行くようなもんだからな。
さて、帰るか。俺が魔物を倒すときも同じようなことをしようとしていたことを悟られないうちに。【流星群】使おうとしてたけど【天変地異】くらいで良かったかな。
ん?ミライどしたのそんなフラットなジト目なんかして。かわいいじゃないか。
「───【転移】」
【転移】で【オーネスト】まで戻る。ミカエルには自分で帰ってきてもらうことにした。飛んだらすぐだし【転移】を使う程でもないよね。俺も飛べばよかったって?ミライはどうするんだよ。抱えればいい?・・・なるほど、その手があったか。
家に帰り、リビングへ向かう。そこには全員が集合していた。ブルーとレッドはパソコンを弄り、アンラはソファで昼寝。サクラはカオリと庭で遊んでいる。少しデジャヴ。
と、そんな事を思っていると、庭の方からかわいらしい悲鳴がした。ゆっくり駆け付けると、案の定ミカエルがいた。予想以上に早いな。
「ん?今の可愛い悲鳴は誰のだ?」
少し棒読みで言う。皆が俺を見る中、一人だけそっぽを向いていた。
「べ、別に私じゃないわよ・・・?」
カオリが悲鳴の主のようだ。ま、予想はできてたって言うか確信してたけどな。だってサクラ大きな声出さなそうだし悲鳴とか上げなそうだろ?「・・・わー」とか一瞬遅れてから驚きそうだろ?しかも抑揚のない平坦な口調で。
場所をリビングに変え、ミカエルからの情報を聞く。ミカエルはソファに座る俺の足元・・・ではなく膝の上に座った。をい。
「・・・」
「・・・」
サクラが無言で弓を構え、静かに照準をミカエルに合わせた。番えている矢の数は二本。絶対頭と胸を狙ってやがる。それを見たミカエルが素早い動きで俺から離れソファに挟まれているテーブルの横で跪いた。そしてサクラは弓をしまうと俺の膝の上に座り、安定するところを探すためかお尻をぐりぐり。
「で、では報告します。神殿を一つ見つけました。場所は【龍神山】を超えたさらに先にある秘境。敵のレベルも高く、最低でも170以上はあった方が良いかと。私は天使を出したのでギリギリですが攻撃を受けずに辿り着くことができました。そして、そこは深い森の中なので上からの神殿到達は不可能です。逆に中から外に出ることはできます。木々を破壊することはできません。なので必然的に徒歩で向かうことになります。が、そこは暗闇に包まれており魔法やアイテムで光を灯す必要があります。魔法を使うとMPが減ります」
「ん?それは当たり前じゃないのか?」
魔法はMPを消費して使うのだから当たり前じゃないのか?【光源】などの発動してから長時間の間効果を発揮する(バフを除く)魔法は、時間に応じてMPを消費するため、ミカエルが今言ったことは態々言うことではない。
「MPの量が減るのではなく、最大MP量が減るのです。森から出れば元に戻りますが。まさに強化イベントにピッタリな難易度ではないでしょうか」
そういうことか。なんと面倒臭い縛りがあるもので・・・。でも魔法を使わなければいい話・・・あぁ、暗いから魔法は使わないといけないのか。松明とかアイテムであるけど耐久力がなぁ。
ま、俺が明かり付けて魔法で戦うのはミライとサクラに任せるか。俺はカオリと接近戦。アンラ達はどうするかな。
「勿論行くよ!」
「いやでもレベル・・・」
今のアンラのレベルは大体100。いくら何でも危なすぎる。ブルーとレッドに関してはさらに低いのだからここで待っていてもらった方が良い。
「「武器造ってます!」」
「仕方ないか。少しでも危険があるならやめた方が良いよね」
「レベル上げしたら連れて行ってやるから。それまで我慢な。多分それまでにはもっと見つかってるだろうから好きな所に行けばいい」
「うん、そうするよ」
アンラに納得してもらって、俺達は早速秘境の森にあると言う神殿に向かうことにした。
11
お気に入りに追加
1,213
あなたにおすすめの小説

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる