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新たなステージへ!
Stage Ninety-Three
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そして、アンラが風呂場から帰ってくるのを待ってご飯を食べに行った。場所は【小鳥の囀り亭】からほど近くにあるこじんまりとしたレストランで、プレイヤーの姿も見かけないことからあまり有名な所ではないらしい。
中はテーブル席が数席と、カウンター席が数席。ファミレスでよく見かける席配置だ。
「何食べる?」
通された席に座り、置いてあったメニューに目を通す。そこにはわかりやすく絵が描かれ、どのメニューがどのような感じかわかるようになっていた。
港町なので、やはり魚料理が多かった。刺身や姿焼きなどたくさん種類がある。
「ねー皆でわけっこしよ?」
アンラがそう提案すると、誰からも異論は出なかった。それだけみんな食べたいものがあったということだ。全部おいしそうだから当たり前だけどさ。
アンラが店員に注文し、料理を待っている間、俺達は今後の計画を軽く打ち合わせていた。
「これからアンラ達のレベル上げしてそれが終わったら【種族転生】をしに行こうと思ってる」
「場所はわかってるの?」
アンラが質問する。それに対し答えたのは、意外なことにミライだった。
「少し遠いところに神殿があるんですよね。そこで何かをすることで【種族転生】ができるそうです」
しかも俺よりも詳しい情報を持ってる。俺は教会で七つの大罪が関係してるとカオリと予想したが、神殿なのか。てことは七つの大罪じゃないかもな。てかなんでそんな詳しく知ってるんだよ。
「【オーネスト】にある書庫で読んだんですよ。暇な時間が多かったですから。誰かが鉱石採取と称して朝帰りするとかありましたし」
「うぐっ」
根に持ちすぎじゃないですかねぇ?
「そこに行けば【種族転生】できるの?」
「多分そうだろうな。まぁどう考えても強化イベだから準備を万全にしてから挑むためにレベル上げしてるわけだ」
「レベル上げ終わったらすぐに向かうの?」
今度はカオリが質問してきた。そこなんだよなぁ。すぐに向かってもいいけど向かってる間に何かあったら面倒だし、なら帰ればいい話なんだけどそれも面倒臭いし、俺だけ先に向かって着いたら【転移】で連れてくるという手もあるけどそうしたらミライ達が心配だし面倒くさい。・・・まぁ、とりあえず面倒くさい!
神殿の場所も明らかになってないからかなり時間がかかるのも問題なんだよな。・・・いや、それは解決してるか。ミカエル達を使って捜索させる。熾天使であるミカエル達が二体づつ俺が持っていて、そこから天使でも呼び出したら総勢56体。天使達は三体くらいで行動してミカエル達は単体で行動するとしたら24チームできるから八方に三チームづつ向かわせれば効率良いだろ。ミライのルシファーでも使えばもっと効率的になる。
よし。これで大丈夫だな。レベル上げが終わりそうになったら指示出しておくか。
今後の計画を脳内で練っていると、料理が運ばれてきた。おいしそうな匂いが周囲に充満し、いやでも食欲をそそられる。
「「「「「「「いただきます」」」」」」」
この後めちゃくちゃ食べまくった。魚だけでなく野菜は勿論、少量だけど肉も入っていたから味に飽きるということはなかった。それこそなんでこんなに過疎ってんだって程においしかった。
余談だけど、プレイヤーが作る料理はバフがつくのに対し、NPCの料理人が作った料理は大幅に空腹ゲージを回復するという効果を持っている。さらに一定時間空腹ゲージが減らないという特典付き。味はレベル6~10で、その店がある街のグレードによって味が変わる。ここは7か8くらいだと思う。値段とはつり合わないほどの味だ。もっと高くてもいいと思う。
ご飯を食べ終わった俺達は、宿に帰ってきていた。アンラなんかベッドの上で寝転んでいる。早すぎだろ。
そんなアンラは放っておいて、俺は風呂に入ることにした。誰も入ってくるなよ。フリじゃないからな?
「広い・・・」
やっぱり風呂は広かった。てか外見的にこれは広すぎるんだけども。あれか、建物の中に入ったら何故か見た目よりも広くなってるあれか。
ささっと体を洗い、浴槽に入る。この時だけはウィンドウを全て非表示にしている。リラックスしたいからな。表示してると嫌でもゲームの中だってことを意識させられる。だから結構前からせめて風呂の時だけは非表示にしている。
俺が入っている風呂からは湯気エフェクトが出ており、体感的にも視覚的にも温かく感じる。
「ん?」
と、俺が気持ちよく風呂に入っているときに、脱衣所の方から物音がした。ミライかサクラだろうな。まったく、今くらい俺は1人でいたいんだけどなぁ。
「ん!?」
とまぁ、俺の驚き具合からしてミライかサクラではないことはわかったと思う。ミライかサクラが入ってきても俺は驚かないし。
「ちょキラ!こっち見ないでよエロにぃ!」
「【氷柱】は危ないからやめて!?」
なんと脱衣所から出てきたのはバスタオルを体に巻いただけどアンラだった。いや、お前が勝手に入ってきたんだからな?俺がアンラに魔法を打たれる覚えはないんだけどな?てかいくら俺のステが高くても、アンラのステも高いし魔法の威力も高いから普通に危ないんだけど。
中はテーブル席が数席と、カウンター席が数席。ファミレスでよく見かける席配置だ。
「何食べる?」
通された席に座り、置いてあったメニューに目を通す。そこにはわかりやすく絵が描かれ、どのメニューがどのような感じかわかるようになっていた。
港町なので、やはり魚料理が多かった。刺身や姿焼きなどたくさん種類がある。
「ねー皆でわけっこしよ?」
アンラがそう提案すると、誰からも異論は出なかった。それだけみんな食べたいものがあったということだ。全部おいしそうだから当たり前だけどさ。
アンラが店員に注文し、料理を待っている間、俺達は今後の計画を軽く打ち合わせていた。
「これからアンラ達のレベル上げしてそれが終わったら【種族転生】をしに行こうと思ってる」
「場所はわかってるの?」
アンラが質問する。それに対し答えたのは、意外なことにミライだった。
「少し遠いところに神殿があるんですよね。そこで何かをすることで【種族転生】ができるそうです」
しかも俺よりも詳しい情報を持ってる。俺は教会で七つの大罪が関係してるとカオリと予想したが、神殿なのか。てことは七つの大罪じゃないかもな。てかなんでそんな詳しく知ってるんだよ。
「【オーネスト】にある書庫で読んだんですよ。暇な時間が多かったですから。誰かが鉱石採取と称して朝帰りするとかありましたし」
「うぐっ」
根に持ちすぎじゃないですかねぇ?
「そこに行けば【種族転生】できるの?」
「多分そうだろうな。まぁどう考えても強化イベだから準備を万全にしてから挑むためにレベル上げしてるわけだ」
「レベル上げ終わったらすぐに向かうの?」
今度はカオリが質問してきた。そこなんだよなぁ。すぐに向かってもいいけど向かってる間に何かあったら面倒だし、なら帰ればいい話なんだけどそれも面倒臭いし、俺だけ先に向かって着いたら【転移】で連れてくるという手もあるけどそうしたらミライ達が心配だし面倒くさい。・・・まぁ、とりあえず面倒くさい!
神殿の場所も明らかになってないからかなり時間がかかるのも問題なんだよな。・・・いや、それは解決してるか。ミカエル達を使って捜索させる。熾天使であるミカエル達が二体づつ俺が持っていて、そこから天使でも呼び出したら総勢56体。天使達は三体くらいで行動してミカエル達は単体で行動するとしたら24チームできるから八方に三チームづつ向かわせれば効率良いだろ。ミライのルシファーでも使えばもっと効率的になる。
よし。これで大丈夫だな。レベル上げが終わりそうになったら指示出しておくか。
今後の計画を脳内で練っていると、料理が運ばれてきた。おいしそうな匂いが周囲に充満し、いやでも食欲をそそられる。
「「「「「「「いただきます」」」」」」」
この後めちゃくちゃ食べまくった。魚だけでなく野菜は勿論、少量だけど肉も入っていたから味に飽きるということはなかった。それこそなんでこんなに過疎ってんだって程においしかった。
余談だけど、プレイヤーが作る料理はバフがつくのに対し、NPCの料理人が作った料理は大幅に空腹ゲージを回復するという効果を持っている。さらに一定時間空腹ゲージが減らないという特典付き。味はレベル6~10で、その店がある街のグレードによって味が変わる。ここは7か8くらいだと思う。値段とはつり合わないほどの味だ。もっと高くてもいいと思う。
ご飯を食べ終わった俺達は、宿に帰ってきていた。アンラなんかベッドの上で寝転んでいる。早すぎだろ。
そんなアンラは放っておいて、俺は風呂に入ることにした。誰も入ってくるなよ。フリじゃないからな?
「広い・・・」
やっぱり風呂は広かった。てか外見的にこれは広すぎるんだけども。あれか、建物の中に入ったら何故か見た目よりも広くなってるあれか。
ささっと体を洗い、浴槽に入る。この時だけはウィンドウを全て非表示にしている。リラックスしたいからな。表示してると嫌でもゲームの中だってことを意識させられる。だから結構前からせめて風呂の時だけは非表示にしている。
俺が入っている風呂からは湯気エフェクトが出ており、体感的にも視覚的にも温かく感じる。
「ん?」
と、俺が気持ちよく風呂に入っているときに、脱衣所の方から物音がした。ミライかサクラだろうな。まったく、今くらい俺は1人でいたいんだけどなぁ。
「ん!?」
とまぁ、俺の驚き具合からしてミライかサクラではないことはわかったと思う。ミライかサクラが入ってきても俺は驚かないし。
「ちょキラ!こっち見ないでよエロにぃ!」
「【氷柱】は危ないからやめて!?」
なんと脱衣所から出てきたのはバスタオルを体に巻いただけどアンラだった。いや、お前が勝手に入ってきたんだからな?俺がアンラに魔法を打たれる覚えはないんだけどな?てかいくら俺のステが高くても、アンラのステも高いし魔法の威力も高いから普通に危ないんだけど。
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