チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!

しりうす。

文字の大きさ
上 下
100 / 118
新たなステージへ!

Stage Ninety-Three

しおりを挟む
 そして、アンラが風呂場から帰ってくるのを待ってご飯を食べに行った。場所は【小鳥の囀り亭】からほど近くにあるこじんまりとしたレストランで、プレイヤーの姿も見かけないことからあまり有名な所ではないらしい。
 中はテーブル席が数席と、カウンター席が数席。ファミレスでよく見かける席配置だ。

「何食べる?」

 通された席に座り、置いてあったメニューに目を通す。そこにはわかりやすく絵が描かれ、どのメニューがどのような感じかわかるようになっていた。
 港町なので、やはり魚料理が多かった。刺身や姿焼きなどたくさん種類がある。

「ねー皆でわけっこしよ?」

 アンラがそう提案すると、誰からも異論は出なかった。それだけみんな食べたいものがあったということだ。全部おいしそうだから当たり前だけどさ。

 アンラが店員に注文し、料理を待っている間、俺達は今後の計画を軽く打ち合わせていた。

「これからアンラ達のレベル上げしてそれが終わったら【種族転生】をしに行こうと思ってる」
「場所はわかってるの?」

 アンラが質問する。それに対し答えたのは、意外なことにミライだった。

「少し遠いところに神殿があるんですよね。そこで何かをすることで【種族転生】ができるそうです」

 しかも俺よりも詳しい情報を持ってる。俺は教会で七つの大罪が関係してるとカオリと予想したが、神殿なのか。てことは七つの大罪じゃないかもな。てかなんでそんな詳しく知ってるんだよ。

「【オーネスト】にある書庫で読んだんですよ。暇な時間が多かったですから。誰かが鉱石採取と称して朝帰りするとかありましたし」
「うぐっ」

 根に持ちすぎじゃないですかねぇ?

「そこに行けば【種族転生】できるの?」
「多分そうだろうな。まぁどう考えても強化イベだから準備を万全にしてから挑むためにレベル上げしてるわけだ」
「レベル上げ終わったらすぐに向かうの?」

 今度はカオリが質問してきた。そこなんだよなぁ。すぐに向かってもいいけど向かってる間に何かあったら面倒だし、なら帰ればいい話なんだけどそれも面倒臭いし、俺だけ先に向かって着いたら【転移】で連れてくるという手もあるけどそうしたらミライ達が心配だし面倒くさい。・・・まぁ、とりあえず面倒くさい!
 神殿の場所も明らかになってないからかなり時間がかかるのも問題なんだよな。・・・いや、それは解決してるか。ミカエル達を使って捜索させる。熾天使であるミカエル達が二体づつ俺が持っていて、そこから天使でも呼び出したら総勢56体。天使達は三体くらいで行動してミカエル達は単体で行動するとしたら24チームできるから八方に三チームづつ向かわせれば効率良いだろ。ミライのルシファーでも使えばもっと効率的になる。
 よし。これで大丈夫だな。レベル上げが終わりそうになったら指示出しておくか。

 今後の計画を脳内で練っていると、料理が運ばれてきた。おいしそうな匂いが周囲に充満し、いやでも食欲をそそられる。

「「「「「「「いただきます」」」」」」」

 この後めちゃくちゃ食べまくった。魚だけでなく野菜は勿論、少量だけど肉も入っていたから味に飽きるということはなかった。それこそなんでこんなに過疎ってんだって程においしかった。
 余談だけど、プレイヤーが作る料理はバフがつくのに対し、NPCの料理人が作った料理は大幅に空腹ゲージを回復するという効果を持っている。さらに一定時間空腹ゲージが減らないという特典付き。味はレベル6~10で、その店がある街のグレードによって味が変わる。ここは7か8くらいだと思う。値段とはつり合わないほどの味だ。もっと高くてもいいと思う。

 ご飯を食べ終わった俺達は、宿に帰ってきていた。アンラなんかベッドの上で寝転んでいる。早すぎだろ。
 そんなアンラは放っておいて、俺は風呂に入ることにした。誰も入ってくるなよ。フリじゃないからな?

「広い・・・」

 やっぱり風呂は広かった。てか外見的にこれは広すぎるんだけども。あれか、建物の中に入ったら何故か見た目よりも広くなってるあれか。
 ささっと体を洗い、浴槽に入る。この時だけはウィンドウを全て非表示にしている。リラックスしたいからな。表示してると嫌でもゲームの中だってことを意識させられる。だから結構前からせめて風呂の時だけは非表示にしている。
 俺が入っている風呂からは湯気エフェクトが出ており、体感的にも視覚的にも温かく感じる。

「ん?」

 と、俺が気持ちよく風呂に入っているときに、脱衣所の方から物音がした。ミライかサクラだろうな。まったく、今くらい俺は1人でいたいんだけどなぁ。

「ん!?」

 とまぁ、俺の驚き具合からしてミライかサクラではないことはわかったと思う。ミライかサクラが入ってきても俺は驚かないし。

「ちょキラ!こっち見ないでよエロにぃ!」
「【氷柱フロストエッジ】は危ないからやめて!?」

 なんと脱衣所から出てきたのはバスタオルを体に巻いただけどアンラだった。いや、お前が勝手に入ってきたんだからな?俺がアンラに魔法を打たれる覚えはないんだけどな?てかいくら俺のステが高くても、アンラのステも高いし魔法の威力も高いから普通に危ないんだけど。
しおりを挟む
感想 39

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

Free Emblem On-line

ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。 VRMMO『Free Emblem Online』 通称『F.E.O』 自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。 ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。 そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。 なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。 そんな世界に唯一現れた白髪の少年。 その少年とは神様に転生させられた日本人だった。 その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。 ⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。 ⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。

処理中です...