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しりうす。

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Let's ギルドバトル!

Stage Eighty-Seven

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「サクラちゃん強いね。どう?僕のギルドに入らない?」
「・・・」

 カムイよ、俺のパーティーメンバーを誘うか。引き抜きってやつ?でもそれって、喧嘩売ってるのと同義だよな?
 そんなことを思ったが、サクラが抱き着いてきたので許してやった。うん、可愛いは正義だよ。怒りなんて感情は可愛いの前では無力。これ常識。

「・・・やだ・・・キラ、と、いる」

 俺はミライだけだ。俺はミライだけだ。俺はミライだけだ。俺は───

「でもキラにはミライがいるだろう?女の子は1人で十分じゃないかな?」
「・・・ちがう・・・私、キラ、好き・・・ハーレム、おっけー・・・一緒、に、いる」

 ───ミラだけのはずなのにその意思が亡くなっていく・・・
 それよりもカムイよ。なにが『女の子は1人で十分』だ。自分を取り巻く状況をよく見て考えろ。俺より女子いるだろ。・・・自分を除いた時の女子率は考えてはいけません。

「それは納得しているのかい?」
「・・・してない」
「じゃあ・・・」
「・・・キラが」

 そこまで詳しく言う必要はないんじゃないかな。事実だけど。でもそれを聞いたカムイはなんて思うと思う?多分『女の子に好意を寄せられてるのに無下にするなんて許せない。ハーレムが許されるんだろ?ちゃんと答えろ』とか思うんだろうな。結婚してるから無下にはしてないぞ。

「それはそうだろう。キラにはミライがいるんだ。そこに自分を想ってくれてる子が現れたらいい気分じゃない」

 およ?俺の予想と違う。カムイなら俺に怒ってきそうだったのにサクラを説教してるのか?
 説教されてるサクラは全く聞いていないように見えるが。

「だからサクラちゃん。二人の邪魔をするのはやめて僕のところに来ない?」

 それが狙いか貴様ぁ!

「・・・やだ」
「でも・・・」
「・・・しつこい」

 サクラにぴしゃりと言われ、カムイは押し黙った。や~いビビってやんの!・・・俺とミライ?はははっ、忘れろください。

「んで?どうすんの?降参?」
「・・・」

 今現在のカムイの戦力は、カムイとイシス、それだけだ。俺にわかる限りは。ギルドメンバーは全員倒されている。まさに四面楚歌状態だ。

「僕は・・・僕は最後まであきらめない!イシス!僕を回復して少しの間守ってくれ!」
「わかりました。ですが10秒も持たないかと」
「わかった。それだけあれば十分だ」

 何が始まるんだ?
 イシスはカムイの前に立ち、俺達と相対した。イシスの強さは、ミライでも勝てるほどに弱い。正直、5秒持てば凄いと称賛できる。

「では、私の全身全霊全力の時間稼ぎ、始めましょうか」

 イシスがそう告げ、俺達とイシスの戦いが始まった。

 イシスは始まると同時に上空へ飛んだ。それに即座に反応したサクラが空へ向かって矢を放ち、移動を牽制する。・・・カムイを守っていないことに突っ込んでいいのかな?
 矢を避けたイシスは、急旋回しこっちに突っ込んできた。それに対し俺達は転がることで回避。すれ違いざまにカオリがイシスを切りつけた。

「───【風壁ウィンドガード】!」

 またもや上空へ逃げるイシスに、ミライがイシスの真正面に風の壁を展開。速度を落としたイシスは、サクラにとって恰好の的だ。一瞬のうちにイシスの背中はハリネズミのようになった。
 すると、イシスの身体が薄く輝き、今までよりもさらに飛翔速度が上がった。恐らく今の輝きは【神力解放】と回復魔法だろう。

「【勝利への活路】」

 どこからともなく聞こえてきた声に驚き、周りを見渡すと、カムイの隣に美しい女性が立っていた。腰からは一対の翼を生やし、豊満な胸の前で祈りを捧げるように手を組んでいた。

 ハッとしてイシスの方を見ると、さらに飛翔速度を上げて遥か上空を旋回していた。あの高さでは、サクラの矢が届かない。

「ミライ、カオリ、[純白漆黒翼のコート]を貸すからイシス倒してこい。墜落させてサクラにとどめを刺させてもいい。俺はカムイをやる」
「わかったわ。任せて」
「・・・わかた」

 俺はミライとカオリにコートを渡し、カムイに向かって駆けた。

「縛りプレイも面白いな!」
「その縛りを解除するくらい圧倒してあげるよ!」
「それは無理だ。予言してやろう。カムイ、お前は3分も持たない」
「それはどうかなっ!ニケ!」
「は~い。それ~【勝利への活路】」
「よし、【居合】!」

 カムイの攻撃を軽々と躱し、お返しに【居合】を使う。・・・ニケに。

「ニケ!」
「大丈夫だよ。HPが9割くらい無くなっただけだから」
「そんなに!?くっ、イシス!」

 ニケのHPを回復させようと思ったのか、カムイはイシスの名を呼ぶ。それに釣られて俺もイシスの方を見ると、丁度空から落ちているところだった。
 そして、その下で待ち構えていたサクラが、弓を目一杯引き絞り、そして───手を弦から離した。
 ストッパーが亡くなった矢はヒュンと風切り音を残し、イシスの頭頂に寸分違わず命中。そして地面に激突し、小さなクレーターを残し倒れたまま動かなくなった。
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