94 / 118
Let's ギルドバトル!
Stage Eighty-Seven
しおりを挟む
「サクラちゃん強いね。どう?僕のギルドに入らない?」
「・・・」
カムイよ、俺のパーティーメンバーを誘うか。引き抜きってやつ?でもそれって、喧嘩売ってるのと同義だよな?
そんなことを思ったが、サクラが抱き着いてきたので許してやった。うん、可愛いは正義だよ。怒りなんて感情は可愛いの前では無力。これ常識。
「・・・やだ・・・キラ、と、いる」
俺はミライだけだ。俺はミライだけだ。俺はミライだけだ。俺は───
「でもキラにはミライがいるだろう?女の子は1人で十分じゃないかな?」
「・・・ちがう・・・私、キラ、好き・・・ハーレム、おっけー・・・一緒、に、いる」
───ミラだけのはずなのにその意思が亡くなっていく・・・
それよりもカムイよ。なにが『女の子は1人で十分』だ。自分を取り巻く状況をよく見て考えろ。俺より女子いるだろ。・・・自分を除いた時の女子率は考えてはいけません。
「それは納得しているのかい?」
「・・・してない」
「じゃあ・・・」
「・・・キラが」
そこまで詳しく言う必要はないんじゃないかな。事実だけど。でもそれを聞いたカムイはなんて思うと思う?多分『女の子に好意を寄せられてるのに無下にするなんて許せない。ハーレムが許されるんだろ?ちゃんと答えろ』とか思うんだろうな。結婚してるから無下にはしてないぞ。
「それはそうだろう。キラにはミライがいるんだ。そこに自分を想ってくれてる子が現れたらいい気分じゃない」
およ?俺の予想と違う。カムイなら俺に怒ってきそうだったのにサクラを説教してるのか?
説教されてるサクラは全く聞いていないように見えるが。
「だからサクラちゃん。二人の邪魔をするのはやめて僕のところに来ない?」
それが狙いか貴様ぁ!
「・・・やだ」
「でも・・・」
「・・・しつこい」
サクラにぴしゃりと言われ、カムイは押し黙った。や~いビビってやんの!・・・俺とミライ?はははっ、忘れろください。
「んで?どうすんの?降参?」
「・・・」
今現在のカムイの戦力は、カムイとイシス、それだけだ。俺にわかる限りは。ギルドメンバーは全員倒されている。まさに四面楚歌状態だ。
「僕は・・・僕は最後まであきらめない!イシス!僕を回復して少しの間守ってくれ!」
「わかりました。ですが10秒も持たないかと」
「わかった。それだけあれば十分だ」
何が始まるんだ?
イシスはカムイの前に立ち、俺達と相対した。イシスの強さは、ミライでも勝てるほどに弱い。正直、5秒持てば凄いと称賛できる。
「では、私の全身全霊全力の時間稼ぎ、始めましょうか」
イシスがそう告げ、俺達とイシスの戦いが始まった。
イシスは始まると同時に上空へ飛んだ。それに即座に反応したサクラが空へ向かって矢を放ち、移動を牽制する。・・・カムイを守っていないことに突っ込んでいいのかな?
矢を避けたイシスは、急旋回しこっちに突っ込んできた。それに対し俺達は転がることで回避。すれ違いざまにカオリがイシスを切りつけた。
「───【風壁】!」
またもや上空へ逃げるイシスに、ミライがイシスの真正面に風の壁を展開。速度を落としたイシスは、サクラにとって恰好の的だ。一瞬のうちにイシスの背中はハリネズミのようになった。
すると、イシスの身体が薄く輝き、今までよりもさらに飛翔速度が上がった。恐らく今の輝きは【神力解放】と回復魔法だろう。
「【勝利への活路】」
どこからともなく聞こえてきた声に驚き、周りを見渡すと、カムイの隣に美しい女性が立っていた。腰からは一対の翼を生やし、豊満な胸の前で祈りを捧げるように手を組んでいた。
ハッとしてイシスの方を見ると、さらに飛翔速度を上げて遥か上空を旋回していた。あの高さでは、サクラの矢が届かない。
「ミライ、カオリ、[純白翼のコート]を貸すからイシス倒してこい。墜落させてサクラにとどめを刺させてもいい。俺はカムイをやる」
「わかったわ。任せて」
「・・・わかた」
俺はミライとカオリにコートを渡し、カムイに向かって駆けた。
「縛りプレイも面白いな!」
「その縛りを解除するくらい圧倒してあげるよ!」
「それは無理だ。予言してやろう。カムイ、お前は3分も持たない」
「それはどうかなっ!ニケ!」
「は~い。それ~【勝利への活路】」
「よし、【居合】!」
カムイの攻撃を軽々と躱し、お返しに【居合】を使う。・・・ニケに。
「ニケ!」
「大丈夫だよ。HPが9割くらい無くなっただけだから」
「そんなに!?くっ、イシス!」
ニケのHPを回復させようと思ったのか、カムイはイシスの名を呼ぶ。それに釣られて俺もイシスの方を見ると、丁度空から落ちているところだった。
そして、その下で待ち構えていたサクラが、弓を目一杯引き絞り、そして───手を弦から離した。
ストッパーが亡くなった矢はヒュンと風切り音を残し、イシスの頭頂に寸分違わず命中。そして地面に激突し、小さなクレーターを残し倒れたまま動かなくなった。
「・・・」
カムイよ、俺のパーティーメンバーを誘うか。引き抜きってやつ?でもそれって、喧嘩売ってるのと同義だよな?
そんなことを思ったが、サクラが抱き着いてきたので許してやった。うん、可愛いは正義だよ。怒りなんて感情は可愛いの前では無力。これ常識。
「・・・やだ・・・キラ、と、いる」
俺はミライだけだ。俺はミライだけだ。俺はミライだけだ。俺は───
「でもキラにはミライがいるだろう?女の子は1人で十分じゃないかな?」
「・・・ちがう・・・私、キラ、好き・・・ハーレム、おっけー・・・一緒、に、いる」
───ミラだけのはずなのにその意思が亡くなっていく・・・
それよりもカムイよ。なにが『女の子は1人で十分』だ。自分を取り巻く状況をよく見て考えろ。俺より女子いるだろ。・・・自分を除いた時の女子率は考えてはいけません。
「それは納得しているのかい?」
「・・・してない」
「じゃあ・・・」
「・・・キラが」
そこまで詳しく言う必要はないんじゃないかな。事実だけど。でもそれを聞いたカムイはなんて思うと思う?多分『女の子に好意を寄せられてるのに無下にするなんて許せない。ハーレムが許されるんだろ?ちゃんと答えろ』とか思うんだろうな。結婚してるから無下にはしてないぞ。
「それはそうだろう。キラにはミライがいるんだ。そこに自分を想ってくれてる子が現れたらいい気分じゃない」
およ?俺の予想と違う。カムイなら俺に怒ってきそうだったのにサクラを説教してるのか?
説教されてるサクラは全く聞いていないように見えるが。
「だからサクラちゃん。二人の邪魔をするのはやめて僕のところに来ない?」
それが狙いか貴様ぁ!
「・・・やだ」
「でも・・・」
「・・・しつこい」
サクラにぴしゃりと言われ、カムイは押し黙った。や~いビビってやんの!・・・俺とミライ?はははっ、忘れろください。
「んで?どうすんの?降参?」
「・・・」
今現在のカムイの戦力は、カムイとイシス、それだけだ。俺にわかる限りは。ギルドメンバーは全員倒されている。まさに四面楚歌状態だ。
「僕は・・・僕は最後まであきらめない!イシス!僕を回復して少しの間守ってくれ!」
「わかりました。ですが10秒も持たないかと」
「わかった。それだけあれば十分だ」
何が始まるんだ?
イシスはカムイの前に立ち、俺達と相対した。イシスの強さは、ミライでも勝てるほどに弱い。正直、5秒持てば凄いと称賛できる。
「では、私の全身全霊全力の時間稼ぎ、始めましょうか」
イシスがそう告げ、俺達とイシスの戦いが始まった。
イシスは始まると同時に上空へ飛んだ。それに即座に反応したサクラが空へ向かって矢を放ち、移動を牽制する。・・・カムイを守っていないことに突っ込んでいいのかな?
矢を避けたイシスは、急旋回しこっちに突っ込んできた。それに対し俺達は転がることで回避。すれ違いざまにカオリがイシスを切りつけた。
「───【風壁】!」
またもや上空へ逃げるイシスに、ミライがイシスの真正面に風の壁を展開。速度を落としたイシスは、サクラにとって恰好の的だ。一瞬のうちにイシスの背中はハリネズミのようになった。
すると、イシスの身体が薄く輝き、今までよりもさらに飛翔速度が上がった。恐らく今の輝きは【神力解放】と回復魔法だろう。
「【勝利への活路】」
どこからともなく聞こえてきた声に驚き、周りを見渡すと、カムイの隣に美しい女性が立っていた。腰からは一対の翼を生やし、豊満な胸の前で祈りを捧げるように手を組んでいた。
ハッとしてイシスの方を見ると、さらに飛翔速度を上げて遥か上空を旋回していた。あの高さでは、サクラの矢が届かない。
「ミライ、カオリ、[純白翼のコート]を貸すからイシス倒してこい。墜落させてサクラにとどめを刺させてもいい。俺はカムイをやる」
「わかったわ。任せて」
「・・・わかた」
俺はミライとカオリにコートを渡し、カムイに向かって駆けた。
「縛りプレイも面白いな!」
「その縛りを解除するくらい圧倒してあげるよ!」
「それは無理だ。予言してやろう。カムイ、お前は3分も持たない」
「それはどうかなっ!ニケ!」
「は~い。それ~【勝利への活路】」
「よし、【居合】!」
カムイの攻撃を軽々と躱し、お返しに【居合】を使う。・・・ニケに。
「ニケ!」
「大丈夫だよ。HPが9割くらい無くなっただけだから」
「そんなに!?くっ、イシス!」
ニケのHPを回復させようと思ったのか、カムイはイシスの名を呼ぶ。それに釣られて俺もイシスの方を見ると、丁度空から落ちているところだった。
そして、その下で待ち構えていたサクラが、弓を目一杯引き絞り、そして───手を弦から離した。
ストッパーが亡くなった矢はヒュンと風切り音を残し、イシスの頭頂に寸分違わず命中。そして地面に激突し、小さなクレーターを残し倒れたまま動かなくなった。
11
お気に入りに追加
1,213
あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる