チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!

しりうす。

文字の大きさ
上 下
93 / 118
Let's ギルドバトル!

Stage Eighty-Six

しおりを挟む
 俺は皆の為だろうが関係ない。自分勝手にこのゲームをプレイしていく。それに、俺が言ったように全てのプレイヤーが帰りたいと思っているわけじゃないはず。そう思っている人の方が多いのはわかってるけど。
 そもそも、カムイはこのゲームをクリアすると言っているが、もしクリアして帰れたとしたら、残ったプレイヤーはどうするつもりなのだろうか。最後にクリアするなら話は別だが、その時は多分クレアシオン級の強さを持った神が残っているだろうからかなりの犠牲を出すと思うが。

「キラ、自己中心的な考えはやめてくれ。これは、全プレイヤーの事なんだ。その一人として、皆のために行動してくれ。頼む」

 皆の為。そう言えば俺が納得すると思っているんだろうか。もしそうなら、ただの馬鹿だ。こんなにも頑なに拒否しているのに、まだ希望があると思っているのだろうか。
 
「断る」
「・・・そうか。もし帰れなくなっても僕は知らないからね」

 何を言っているのだろうか。俺の本気がこの程度なわけがない。本気を出してしまったら一瞬で決着がついてしまう。それくらいの差があるのに、何故そんなことを言われないといけないのだろうか。
 大体、帰りたければ既に俺は帰っている。龍神なりクレアシオンなりを倒して。

「じゃあ、この勝負勝たせてもらうね」
「できるものならどうぞ。【威圧】」
「!?」

 俺がやったことは単純。スキル【威圧】を使って相手の行動を一時的に不能にしたのだ。
 このスキルは、相手に行動不能の状態異常を付与し、相手とのレベル差によって効果時間が変わる。一つ欠点があるが。
今の俺は【武神】で力を下げているからそこまで長くないが、カムイを倒すだけならば十分足りる時間だ。

「くっ ●●●◆───【水球ウォーターボール】!」

 そして、この欠点というのがこれ。動くことは不可能なのだが、魔法を使うことは可能なのだ。そして、カムイが魔法を使ったことによってカムイの職業が確定した。【剣士】【魔法使い】【魔法剣士】だ。
 【魔法剣士】は、通常杖が無ければ魔法を使えないが、剣を使って魔法を使えたり、杖を使って相手を切りつけたりすることができる職業だ。ただし、剣で魔法を使うときは魔法の命中率と威力が、杖で相手を切る場合は威力とクリティカル率が下がる。

「【魔力放射】」

 カムイが魔法を使ったのに対し俺は、スキル【魔力放射】を使った。
 このスキルは、相手が魔法を使うのに使ったMPの量の倍以上のMPを消費して、使われた魔法を消すスキルだ。消せなくても、魔法の威力を弱めるために使われる。というかほとんどの使い方がこれ。俺の場合は【魔力放射】使わなくても【賢者】で消せるんだけど。それも効率的に。

「ははっ、でたらめじゃないか。そんなの使われたら勝ち目がない」
「敗者に勝者から一つ教えてやるよ。俺の強さは今お前らが束になって掛かってきても勝てないほどに強いと思っておけ。信じられないなら実演してやるが?」

 そう言って俺は周りを見渡す。あ、丁度いい奴を見つけた。

「カオリ」
「ちょ、私!?」
「とサクラも」
「・・・わかた」

 この二人は、【愛縁】のお陰で強くなってはいるが、所詮はステ値二倍だ。俺の【身体強化】の十倍には及ばない。比べるものがおかしいのは気のせいだよ。

 さてっと、こんなこと話してる場合じゃない。早速二対一で戦ってみよう。
 今回は、いつも剣を使ってるから体術にしようかな。俺の印象だけど、【武神】って言ったら体術って感じがするんだよな。なんに関係ないけど。

 俺が構えるのを見ると、サクラは一瞬で矢を放ってきた。マジで手加減してないやつだ。それを俺は少し後退しながらも全ての矢を避けたり掴み取ってへし折ったりした。これくらい余裕です。

「はぁぁぁあああああ!【居合】!」
「おっと」

 俺が全ての矢をいなし終わったと同時に、今度はカオリが【居合】を使って切りかかってきた。まぁ、【居合】だから余裕で避けられるんだけど。

「隙あり!【天衣無縫】!」
「なっ!?」

 これまた俺が移動し終わったタイミングで、アンラが【天衣無縫】を使って攻撃してきた。アンラさんよ、それは卑怯じゃないかね。俺はサクラとカオリしか指名してないはずだけど。しかも地味に一番ダメージデカい奴だし。

「飛び入り参加!さぁキラ!出来るもんなら倒してみなさい!」
「え、いいの?」
「え、出来るの?」

 え、アンラ達倒していいの?ほら見てみろよ。胸張ってドヤ顔決めてるお前の後ろ。サクラとアンラが一生懸命首振ってるぞ。

「できるかできないかって言われたら楽勝」
「ふ、ふ~ん・・・あ、分かった!ブラフでしょブラフ!はい見破った~!そんなの私に効かないからね!」

 だから後ろ見ろって。あ、アンラの後ろには誰もいなかったわ。もうサクラ達はミライの所に移動し終わったらしい。倒さないよ?安心して?

「キラと誰かが戦ってるところにいたら余波とかで死ぬわ!」

 その言いようは酷くにかねカオリさんや。それとミライを盾にして何してんの?

「わかった。もういいよ。今のを見れただけで勝てないってわかった」

 と、俺がカオリの姿に笑いをこらえていると、カムイが言ってきた。ようやっとわかってくれたか。もっと早く分かれと言いたい。てか俺戦ってない。避けただけだ。

「キラは回避が上手だね。いくら僕が攻撃しようと躱されたらダメージが入らない。勝てるわけがないよ」
「斃す。絶対に斃す」

 こいつ俺にチキンだって言いたいんだろ?攻撃はカスだけど回避に全力だから仕方ないって。はは~言ってくれるなぁ。よし斃そう。

「俺が攻撃できないとでも思ってるのか?」
「ソンナワケナイジャナイカー」
「きゃー!初めてカムイ君の棒読み聞いた!どうしよー!」

 うるせー!なんで邪魔するかな!?反応してもいいからせめて小声にして!?・・・いや、邪魔だし倒すか。
 サクラにアイコンタクト───視界に表示されているメッセージアイコンを目で操作し、選択したプレイヤーにメッセージを送る。【愛縁】のお陰で出来るようになった事。多分普通のプレイヤーに送ることはできない。───で指示を出し、サクッと射抜いてもらった。流石。




———————————————————————————————————————————————————
 お久しぶりです。遅れてすみません。
 一つ言い訳させてもらうと、実はこのお話。昨日に内に書き終わってたんです。でもその時凄い頭痛が酷くて、投稿できなかったんです。ごめんなさい。
 それにしてもなんで頭痛がしたんでしょうね?24時間稼働してたのが悪いのかな。
しおりを挟む
感想 39

あなたにおすすめの小説

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

処理中です...