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創造神に会いに行こう!あとついでに龍神も
Stage Forty
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ヒュン
風切り音がした。──────ミライの後ろから。
「え?」
当然ミライは反応できていない。そもそも、こんな危険な所で呑気に話している方が異常なのだ。いつ何時敵に襲われるかわからない中、悠長に誰かを褒めている場合ではないのだ。俺も【結界】とか貼っておけば良かったが、今更そんなとこを言っても後の祭りだ。だが───
「【静止】」
ここには最強のプレイヤー、つまり俺がいるわけで。
「えっ?」
「嘘・・・」
「・・・ん!?」
俺がそれを使ったことによって、ミライ、カオリ、サクラが目を見開いて驚いていた。それもそうだろう。だって、放たれた矢を空中で静止させているのだから。
「【反射】」
その言葉でミライに向いていた鏃が敵の方を向いた。つられてミライたちもそちらを向く。そこには──────十を超えるリザードマンがいて、その全員が俺達に向けて弓を引き絞っていた。その光景に体を強張らせるミライたちを尻目に、俺は絶対に逃がさないように魔法を使った。
「【固定】」
この魔法によって敵を全てその空間に固定した。これが指し示すことはつまり。空間ごと移動しない限り動けないことであり、あいつらが自分たちが動けないことを悟り驚愕しているが、表情を無る限りそこまで危険視していないようだ。馬鹿だなぁ、と内心思いながら、四つ目の魔法を使う。
「【複製】」
この魔法で一本だけだった矢を一本から二本、そして四本、八本、十六本───と、どんどん増やしていった。するとどうだろう。今までなぜか余裕の表情をしていたリザードマンたちが慌てだした。空間ごと固定されてるから逃げれないけど。そしてこの矢、恐ろしいことにまだ動ける。どういう事かというと、この矢は停止させてはいるが、運動力?はそのままなのだ。つまり、矢にかけている魔法【静止】を解けば、矢は一気にリザードマンたちに襲い掛かる。そして、今まさに矢の数が一千本を超えた矢が、一斉に掃射された。
「【始動】」
そのたった一言によって。
瞬間、空間固定から解かれた矢は、一斉に動けないリザードマンたちに襲い掛かった。頭に突き刺さり、爆散。数十本もの矢が体に刺さり、爆散、などなど。矢が発射されてものの数十秒で全てのリザードマンが爆散していた。
普段の俺ならここまではしていない。精々【水属性中級魔法・水球幕】くらいしか使わないだろう。ならばなぜここまでしたのか?それは───ミライを攻撃したからだ。それ以外に理由はない。たまたま【概念属性上級魔法・静止】を使って、『あれ?これかっこよくね?』と思って【概念属性中級魔法・反射】使った後に『逃げられたら困るな』ってことで【概念属性中級魔法・固定】使って『このまま最後まで完璧にやり遂げてれば超かっこよくね?』と思い【概念属性中級魔法・複製】で数増やしてからの【概念属性上級魔法《静止》付属魔法・始動】を使ったわけじゃない。
「き、キラ君、強すぎませんか?」
「あれ、決闘とかで使われたら手も足も出ずに負けるわよね」
「・・・最強魔法」
そうでもないんだよなぁこれが。
「違うぞ?【概念属性魔法】には【空間】【時間】【引力】とかあるけど、直接プレイヤーに干渉できるのは【概念属性神級魔法・引力操作】ぐらいなんだよ。他の魔法、例えばさっき使った【概念属性中級魔法・固定】とかはプレイヤーには使えないし、プレイヤーが使ってる武器にも使えないんだ。唯一干渉できるのが矢とNPCだけなんだよ。でも【概念属性中級魔法・複製】は直接干渉しているわけじゃないから使えるけどね」
「それでも強すぎるわよ!」
「でもこの魔法燃費が悪くてすぐMP無くなるぞ?」
「じゃあなんでキラは使えたのよ!」
「そ、それは・・・」
どうする!?ステータスばらすか!?もう既にバレている可能性のあるし、ばらすのは良いんだけど。・・・よし、ばらしてみるか。
「俺のステータスを見てくれ」
そう言って俺は、ミライたちに俺のステータスを見せた。
「はぁぁぁぁぁぁああああああああ!?」
俺のステータス見た瞬間、カオリが叫んだ。
「ステータスが、エラー、ですか?」
ミライも大声こそ出さないものの、凄く驚いていた。
「・・・最強」
その通りだよ、サクラ。
「で!?この【武神】とか【賢者】って何!?」
「【武神】は、このゲームにある全ての戦闘スキルや武技を総合したやつで、【賢者】は【武神】の魔法版だよ」
「チートじゃない!?キラ、チーターだったの!?」
「違うよ。このスキルは───」
と、こんな感じでミライたちに洗いざらい、隠すことなく全て話した。その結果、
「へぇ~、キラがソロでβテスト攻略ねぇ」
「やっぱり凄いです!」
「・・・凄い」
「キラ!今度皆で戦闘訓練しましょう!もし襲われたときに対処できるように」
「別にいいけど」
「じゃあ決まりね!」
戦闘訓練をすることになった。別にいいけどね?いざという時戦えなかったら大変だもんね。
「さて、そうと決まれば今すぐ帰って戦闘訓練、略して戦練やりましょう!」
「待て待て。龍神に合わないといけないだろ?そもそも、それが目的だし」
「そうだったわね」
「よし、行くぞ!」
「「おー!」」
「・・・おー」
何故か気合が入っているミライとカオリ、それとサクラを連れて、【龍神山】を登り始めた。
風切り音がした。──────ミライの後ろから。
「え?」
当然ミライは反応できていない。そもそも、こんな危険な所で呑気に話している方が異常なのだ。いつ何時敵に襲われるかわからない中、悠長に誰かを褒めている場合ではないのだ。俺も【結界】とか貼っておけば良かったが、今更そんなとこを言っても後の祭りだ。だが───
「【静止】」
ここには最強のプレイヤー、つまり俺がいるわけで。
「えっ?」
「嘘・・・」
「・・・ん!?」
俺がそれを使ったことによって、ミライ、カオリ、サクラが目を見開いて驚いていた。それもそうだろう。だって、放たれた矢を空中で静止させているのだから。
「【反射】」
その言葉でミライに向いていた鏃が敵の方を向いた。つられてミライたちもそちらを向く。そこには──────十を超えるリザードマンがいて、その全員が俺達に向けて弓を引き絞っていた。その光景に体を強張らせるミライたちを尻目に、俺は絶対に逃がさないように魔法を使った。
「【固定】」
この魔法によって敵を全てその空間に固定した。これが指し示すことはつまり。空間ごと移動しない限り動けないことであり、あいつらが自分たちが動けないことを悟り驚愕しているが、表情を無る限りそこまで危険視していないようだ。馬鹿だなぁ、と内心思いながら、四つ目の魔法を使う。
「【複製】」
この魔法で一本だけだった矢を一本から二本、そして四本、八本、十六本───と、どんどん増やしていった。するとどうだろう。今までなぜか余裕の表情をしていたリザードマンたちが慌てだした。空間ごと固定されてるから逃げれないけど。そしてこの矢、恐ろしいことにまだ動ける。どういう事かというと、この矢は停止させてはいるが、運動力?はそのままなのだ。つまり、矢にかけている魔法【静止】を解けば、矢は一気にリザードマンたちに襲い掛かる。そして、今まさに矢の数が一千本を超えた矢が、一斉に掃射された。
「【始動】」
そのたった一言によって。
瞬間、空間固定から解かれた矢は、一斉に動けないリザードマンたちに襲い掛かった。頭に突き刺さり、爆散。数十本もの矢が体に刺さり、爆散、などなど。矢が発射されてものの数十秒で全てのリザードマンが爆散していた。
普段の俺ならここまではしていない。精々【水属性中級魔法・水球幕】くらいしか使わないだろう。ならばなぜここまでしたのか?それは───ミライを攻撃したからだ。それ以外に理由はない。たまたま【概念属性上級魔法・静止】を使って、『あれ?これかっこよくね?』と思って【概念属性中級魔法・反射】使った後に『逃げられたら困るな』ってことで【概念属性中級魔法・固定】使って『このまま最後まで完璧にやり遂げてれば超かっこよくね?』と思い【概念属性中級魔法・複製】で数増やしてからの【概念属性上級魔法《静止》付属魔法・始動】を使ったわけじゃない。
「き、キラ君、強すぎませんか?」
「あれ、決闘とかで使われたら手も足も出ずに負けるわよね」
「・・・最強魔法」
そうでもないんだよなぁこれが。
「違うぞ?【概念属性魔法】には【空間】【時間】【引力】とかあるけど、直接プレイヤーに干渉できるのは【概念属性神級魔法・引力操作】ぐらいなんだよ。他の魔法、例えばさっき使った【概念属性中級魔法・固定】とかはプレイヤーには使えないし、プレイヤーが使ってる武器にも使えないんだ。唯一干渉できるのが矢とNPCだけなんだよ。でも【概念属性中級魔法・複製】は直接干渉しているわけじゃないから使えるけどね」
「それでも強すぎるわよ!」
「でもこの魔法燃費が悪くてすぐMP無くなるぞ?」
「じゃあなんでキラは使えたのよ!」
「そ、それは・・・」
どうする!?ステータスばらすか!?もう既にバレている可能性のあるし、ばらすのは良いんだけど。・・・よし、ばらしてみるか。
「俺のステータスを見てくれ」
そう言って俺は、ミライたちに俺のステータスを見せた。
「はぁぁぁぁぁぁああああああああ!?」
俺のステータス見た瞬間、カオリが叫んだ。
「ステータスが、エラー、ですか?」
ミライも大声こそ出さないものの、凄く驚いていた。
「・・・最強」
その通りだよ、サクラ。
「で!?この【武神】とか【賢者】って何!?」
「【武神】は、このゲームにある全ての戦闘スキルや武技を総合したやつで、【賢者】は【武神】の魔法版だよ」
「チートじゃない!?キラ、チーターだったの!?」
「違うよ。このスキルは───」
と、こんな感じでミライたちに洗いざらい、隠すことなく全て話した。その結果、
「へぇ~、キラがソロでβテスト攻略ねぇ」
「やっぱり凄いです!」
「・・・凄い」
「キラ!今度皆で戦闘訓練しましょう!もし襲われたときに対処できるように」
「別にいいけど」
「じゃあ決まりね!」
戦闘訓練をすることになった。別にいいけどね?いざという時戦えなかったら大変だもんね。
「さて、そうと決まれば今すぐ帰って戦闘訓練、略して戦練やりましょう!」
「待て待て。龍神に合わないといけないだろ?そもそも、それが目的だし」
「そうだったわね」
「よし、行くぞ!」
「「おー!」」
「・・・おー」
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