39 / 118
オーネストへ!
Stage Thirty-Three
しおりを挟む
「さて、かなり時間を使っちゃったが、早く冒険者ギルドまで行こう!」
「元はと言えばキラのせいだけどね」
「本当にごめんなさい」
そんなこんなで色々ありつつ、俺達は無事に冒険者ギルドまで辿り着くことができた。・・・門からあまり離れてなかったことはここだけの秘密。
【オーネスト】の冒険者ギルドは、流石世界で二番目の都市と言うべきかとても大きい。【始まりの街】の冒険者ギルドは周りの建物と比べると大きい平屋だったが、【オーネスト】の冒険者ギルドは【始まりの街】の冒険者ギルドよりも大きく、三階建てだ。唯一、同じところは両開きの扉の上に彫られている冒険者ギルドのエンブレムだけだ。
「ついたわね」
「つきました」
「・・・到着」
「さ、中に入ろうぜ」
中に入った俺達を出迎えたのは、俺達を品定めするかのような鋭い視線だった。・・・これはアレあるか?
向けられる視線を無視して、入って真正面にある受付へと進む。・・・ミライとサクラに視線がいかないように俺が遮蔽物となって視線を遮る。カオリがうるさいが、無視。・・・この扱いがいけないのかなぁ。
カオリの事について考えながら進んでいると、受付の方から声がかけられた。
「冒険者ギルドへようこそ!ご用件はなんでしょうか?」
「俺以外の冒険者登録がしたい」
「冒険者登録ですね。・・・三人なので3000Gです」
「わかった。・・・ほら」
「・・・はい。3000G、確認しました。冒険者ギルドの説明はご必要ですか?」
「大丈夫だ」
「わかりました。では、この水晶に触れてください」
ここからは俺の時と同じだったので、割愛。それで今俺達は、冒険者ギルドの裏にある訓練場にいる。何故かって?俺が望んでたアレがあったからだよ。
それは遡ること数分前———
「おう坊主。その年で冒険者はちと危ないぜ?不本意だが俺様が指導してやる。報酬は、そうだなぁ・・・お前が侍らせてる女全員。これでどうだ?」
「ん?今何て言った?俺からミライを奪う?そう言ったのか?」
「ミライ?違う違う」
「そうか。なら良かった」
「お前が侍らせてる女全員だ。勘違いするなよ?」
「ほぅ。カオリとサクラ、それにミライまで俺から奪う、と。そう言うことか?」
「話が早くて助かるぜ。さぁ、早く移動しようか」
「待て。俺はお前の指導を受けるなんて言ってないぞ?」
「あん?お前俺様からの好意を受け取れねぇってのか?」
「生憎、学ぶことはなさそうだしな」
「んだと!?なら決闘だ!お前は女全員。俺は全財産をかける」
「あ、お金には困ってないんで」
「・・・ならこの武器ならどうだ?」
「武器もいらない」
「・・・・・・とりあえず決闘だ!そんなに自信があるならお前だけ賭けても文句はないよな?勝てばいいんだし。その代わり、俺様が勝ったら女全員だからな?」
「別にいいけどさ。・・・そんなに女が好きなのか?モテないからか?かわいそー」
「うるせぇ!」
とまぁ、こんな事があった訳だ。この勝負、俺が負けることは絶対にないので、俺は縛りプレーでやろうと思う。
まず、スキルの使用不可。流石に【剣術】系統は無理だけど。
次に、一歩も動かない事。これはできるだろ。
最後、魔法使用不可。
これ、ヌルゲーかな?・・・じゃあ、武器はカオリが出した【鉄の剣】にしよう。勿論、スキル使用不可のスキルには武技も入ってるから、【居合】とか【神足通】とかは使えない。これでもヌルゲーだけど。
「両者準備は良いですか?」
ここの訓練場の貸し出しをしてくれた冒険者ギルド職員の人が審判を務める。アイツの武器はアイツの背丈を優に超える大剣。俺とアイツとの距離は7m程。俺なら一歩で距離を詰められる。動かないけど。本当なら、試合が始まってすぐに【威圧】使って降参させればいいんだけど、それは盛り上がりに欠けると言うかなんと言うか・・・。まぁ、気分?
「それでは、Cランク冒険者・ジョセフVSFランク冒険者・キラの試合を始めます。・・・始めッ!」
職員の始めの合図と同時にジョセフが地面を蹴り俺に接近し、移動中に振り上げていた大剣を勢いよく振りかざして、俺を切りつけようと刃が迫る。が、行動が大きすぎるし、遅いので余裕で避けられる。でも独自ルールのせいでそれが出来ないので、俺はそれを【鉄の剣】で受け、衝撃を吸収しながら、ジョセフの大剣を受け止める。
「口先だけじゃないようだなぁ、お前」
「あんたは思っていたよりも弱いな」
軽く挑発すると、ジョセフは顔を真っ赤にさせ、力任せにまた大剣で切りかかってきた。これしかできないのか?また同じようにして対処する。
「お前は俺を怒らせた」
ジョセフはそう言うと、俺と距離を取った。お、おう。で?もっと強くなるの?
「後悔するなよ」
うん。多分しないから大丈夫。
「【制限・超越】」
ジョセフがそう言った途端、俺はジョセフの力が数倍にまで膨れ上がったのを感じた。
———————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————
遅れてすみません!大変身勝手ですがこれからゴールデンウィークまで少し更新時間を遅らせていただきます。その代わり、ゴールデンウィークは毎日投稿が出来ればいいなと思っております!
「元はと言えばキラのせいだけどね」
「本当にごめんなさい」
そんなこんなで色々ありつつ、俺達は無事に冒険者ギルドまで辿り着くことができた。・・・門からあまり離れてなかったことはここだけの秘密。
【オーネスト】の冒険者ギルドは、流石世界で二番目の都市と言うべきかとても大きい。【始まりの街】の冒険者ギルドは周りの建物と比べると大きい平屋だったが、【オーネスト】の冒険者ギルドは【始まりの街】の冒険者ギルドよりも大きく、三階建てだ。唯一、同じところは両開きの扉の上に彫られている冒険者ギルドのエンブレムだけだ。
「ついたわね」
「つきました」
「・・・到着」
「さ、中に入ろうぜ」
中に入った俺達を出迎えたのは、俺達を品定めするかのような鋭い視線だった。・・・これはアレあるか?
向けられる視線を無視して、入って真正面にある受付へと進む。・・・ミライとサクラに視線がいかないように俺が遮蔽物となって視線を遮る。カオリがうるさいが、無視。・・・この扱いがいけないのかなぁ。
カオリの事について考えながら進んでいると、受付の方から声がかけられた。
「冒険者ギルドへようこそ!ご用件はなんでしょうか?」
「俺以外の冒険者登録がしたい」
「冒険者登録ですね。・・・三人なので3000Gです」
「わかった。・・・ほら」
「・・・はい。3000G、確認しました。冒険者ギルドの説明はご必要ですか?」
「大丈夫だ」
「わかりました。では、この水晶に触れてください」
ここからは俺の時と同じだったので、割愛。それで今俺達は、冒険者ギルドの裏にある訓練場にいる。何故かって?俺が望んでたアレがあったからだよ。
それは遡ること数分前———
「おう坊主。その年で冒険者はちと危ないぜ?不本意だが俺様が指導してやる。報酬は、そうだなぁ・・・お前が侍らせてる女全員。これでどうだ?」
「ん?今何て言った?俺からミライを奪う?そう言ったのか?」
「ミライ?違う違う」
「そうか。なら良かった」
「お前が侍らせてる女全員だ。勘違いするなよ?」
「ほぅ。カオリとサクラ、それにミライまで俺から奪う、と。そう言うことか?」
「話が早くて助かるぜ。さぁ、早く移動しようか」
「待て。俺はお前の指導を受けるなんて言ってないぞ?」
「あん?お前俺様からの好意を受け取れねぇってのか?」
「生憎、学ぶことはなさそうだしな」
「んだと!?なら決闘だ!お前は女全員。俺は全財産をかける」
「あ、お金には困ってないんで」
「・・・ならこの武器ならどうだ?」
「武器もいらない」
「・・・・・・とりあえず決闘だ!そんなに自信があるならお前だけ賭けても文句はないよな?勝てばいいんだし。その代わり、俺様が勝ったら女全員だからな?」
「別にいいけどさ。・・・そんなに女が好きなのか?モテないからか?かわいそー」
「うるせぇ!」
とまぁ、こんな事があった訳だ。この勝負、俺が負けることは絶対にないので、俺は縛りプレーでやろうと思う。
まず、スキルの使用不可。流石に【剣術】系統は無理だけど。
次に、一歩も動かない事。これはできるだろ。
最後、魔法使用不可。
これ、ヌルゲーかな?・・・じゃあ、武器はカオリが出した【鉄の剣】にしよう。勿論、スキル使用不可のスキルには武技も入ってるから、【居合】とか【神足通】とかは使えない。これでもヌルゲーだけど。
「両者準備は良いですか?」
ここの訓練場の貸し出しをしてくれた冒険者ギルド職員の人が審判を務める。アイツの武器はアイツの背丈を優に超える大剣。俺とアイツとの距離は7m程。俺なら一歩で距離を詰められる。動かないけど。本当なら、試合が始まってすぐに【威圧】使って降参させればいいんだけど、それは盛り上がりに欠けると言うかなんと言うか・・・。まぁ、気分?
「それでは、Cランク冒険者・ジョセフVSFランク冒険者・キラの試合を始めます。・・・始めッ!」
職員の始めの合図と同時にジョセフが地面を蹴り俺に接近し、移動中に振り上げていた大剣を勢いよく振りかざして、俺を切りつけようと刃が迫る。が、行動が大きすぎるし、遅いので余裕で避けられる。でも独自ルールのせいでそれが出来ないので、俺はそれを【鉄の剣】で受け、衝撃を吸収しながら、ジョセフの大剣を受け止める。
「口先だけじゃないようだなぁ、お前」
「あんたは思っていたよりも弱いな」
軽く挑発すると、ジョセフは顔を真っ赤にさせ、力任せにまた大剣で切りかかってきた。これしかできないのか?また同じようにして対処する。
「お前は俺を怒らせた」
ジョセフはそう言うと、俺と距離を取った。お、おう。で?もっと強くなるの?
「後悔するなよ」
うん。多分しないから大丈夫。
「【制限・超越】」
ジョセフがそう言った途端、俺はジョセフの力が数倍にまで膨れ上がったのを感じた。
———————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————
遅れてすみません!大変身勝手ですがこれからゴールデンウィークまで少し更新時間を遅らせていただきます。その代わり、ゴールデンウィークは毎日投稿が出来ればいいなと思っております!
11
お気に入りに追加
1,213
あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる