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オーネストへ!
Stage Thirty-Three
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「さて、かなり時間を使っちゃったが、早く冒険者ギルドまで行こう!」
「元はと言えばキラのせいだけどね」
「本当にごめんなさい」
そんなこんなで色々ありつつ、俺達は無事に冒険者ギルドまで辿り着くことができた。・・・門からあまり離れてなかったことはここだけの秘密。
【オーネスト】の冒険者ギルドは、流石世界で二番目の都市と言うべきかとても大きい。【始まりの街】の冒険者ギルドは周りの建物と比べると大きい平屋だったが、【オーネスト】の冒険者ギルドは【始まりの街】の冒険者ギルドよりも大きく、三階建てだ。唯一、同じところは両開きの扉の上に彫られている冒険者ギルドのエンブレムだけだ。
「ついたわね」
「つきました」
「・・・到着」
「さ、中に入ろうぜ」
中に入った俺達を出迎えたのは、俺達を品定めするかのような鋭い視線だった。・・・これはアレあるか?
向けられる視線を無視して、入って真正面にある受付へと進む。・・・ミライとサクラに視線がいかないように俺が遮蔽物となって視線を遮る。カオリがうるさいが、無視。・・・この扱いがいけないのかなぁ。
カオリの事について考えながら進んでいると、受付の方から声がかけられた。
「冒険者ギルドへようこそ!ご用件はなんでしょうか?」
「俺以外の冒険者登録がしたい」
「冒険者登録ですね。・・・三人なので3000Gです」
「わかった。・・・ほら」
「・・・はい。3000G、確認しました。冒険者ギルドの説明はご必要ですか?」
「大丈夫だ」
「わかりました。では、この水晶に触れてください」
ここからは俺の時と同じだったので、割愛。それで今俺達は、冒険者ギルドの裏にある訓練場にいる。何故かって?俺が望んでたアレがあったからだよ。
それは遡ること数分前———
「おう坊主。その年で冒険者はちと危ないぜ?不本意だが俺様が指導してやる。報酬は、そうだなぁ・・・お前が侍らせてる女全員。これでどうだ?」
「ん?今何て言った?俺からミライを奪う?そう言ったのか?」
「ミライ?違う違う」
「そうか。なら良かった」
「お前が侍らせてる女全員だ。勘違いするなよ?」
「ほぅ。カオリとサクラ、それにミライまで俺から奪う、と。そう言うことか?」
「話が早くて助かるぜ。さぁ、早く移動しようか」
「待て。俺はお前の指導を受けるなんて言ってないぞ?」
「あん?お前俺様からの好意を受け取れねぇってのか?」
「生憎、学ぶことはなさそうだしな」
「んだと!?なら決闘だ!お前は女全員。俺は全財産をかける」
「あ、お金には困ってないんで」
「・・・ならこの武器ならどうだ?」
「武器もいらない」
「・・・・・・とりあえず決闘だ!そんなに自信があるならお前だけ賭けても文句はないよな?勝てばいいんだし。その代わり、俺様が勝ったら女全員だからな?」
「別にいいけどさ。・・・そんなに女が好きなのか?モテないからか?かわいそー」
「うるせぇ!」
とまぁ、こんな事があった訳だ。この勝負、俺が負けることは絶対にないので、俺は縛りプレーでやろうと思う。
まず、スキルの使用不可。流石に【剣術】系統は無理だけど。
次に、一歩も動かない事。これはできるだろ。
最後、魔法使用不可。
これ、ヌルゲーかな?・・・じゃあ、武器はカオリが出した【鉄の剣】にしよう。勿論、スキル使用不可のスキルには武技も入ってるから、【居合】とか【神足通】とかは使えない。これでもヌルゲーだけど。
「両者準備は良いですか?」
ここの訓練場の貸し出しをしてくれた冒険者ギルド職員の人が審判を務める。アイツの武器はアイツの背丈を優に超える大剣。俺とアイツとの距離は7m程。俺なら一歩で距離を詰められる。動かないけど。本当なら、試合が始まってすぐに【威圧】使って降参させればいいんだけど、それは盛り上がりに欠けると言うかなんと言うか・・・。まぁ、気分?
「それでは、Cランク冒険者・ジョセフVSFランク冒険者・キラの試合を始めます。・・・始めッ!」
職員の始めの合図と同時にジョセフが地面を蹴り俺に接近し、移動中に振り上げていた大剣を勢いよく振りかざして、俺を切りつけようと刃が迫る。が、行動が大きすぎるし、遅いので余裕で避けられる。でも独自ルールのせいでそれが出来ないので、俺はそれを【鉄の剣】で受け、衝撃を吸収しながら、ジョセフの大剣を受け止める。
「口先だけじゃないようだなぁ、お前」
「あんたは思っていたよりも弱いな」
軽く挑発すると、ジョセフは顔を真っ赤にさせ、力任せにまた大剣で切りかかってきた。これしかできないのか?また同じようにして対処する。
「お前は俺を怒らせた」
ジョセフはそう言うと、俺と距離を取った。お、おう。で?もっと強くなるの?
「後悔するなよ」
うん。多分しないから大丈夫。
「【制限・超越】」
ジョセフがそう言った途端、俺はジョセフの力が数倍にまで膨れ上がったのを感じた。
———————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————
遅れてすみません!大変身勝手ですがこれからゴールデンウィークまで少し更新時間を遅らせていただきます。その代わり、ゴールデンウィークは毎日投稿が出来ればいいなと思っております!
「元はと言えばキラのせいだけどね」
「本当にごめんなさい」
そんなこんなで色々ありつつ、俺達は無事に冒険者ギルドまで辿り着くことができた。・・・門からあまり離れてなかったことはここだけの秘密。
【オーネスト】の冒険者ギルドは、流石世界で二番目の都市と言うべきかとても大きい。【始まりの街】の冒険者ギルドは周りの建物と比べると大きい平屋だったが、【オーネスト】の冒険者ギルドは【始まりの街】の冒険者ギルドよりも大きく、三階建てだ。唯一、同じところは両開きの扉の上に彫られている冒険者ギルドのエンブレムだけだ。
「ついたわね」
「つきました」
「・・・到着」
「さ、中に入ろうぜ」
中に入った俺達を出迎えたのは、俺達を品定めするかのような鋭い視線だった。・・・これはアレあるか?
向けられる視線を無視して、入って真正面にある受付へと進む。・・・ミライとサクラに視線がいかないように俺が遮蔽物となって視線を遮る。カオリがうるさいが、無視。・・・この扱いがいけないのかなぁ。
カオリの事について考えながら進んでいると、受付の方から声がかけられた。
「冒険者ギルドへようこそ!ご用件はなんでしょうか?」
「俺以外の冒険者登録がしたい」
「冒険者登録ですね。・・・三人なので3000Gです」
「わかった。・・・ほら」
「・・・はい。3000G、確認しました。冒険者ギルドの説明はご必要ですか?」
「大丈夫だ」
「わかりました。では、この水晶に触れてください」
ここからは俺の時と同じだったので、割愛。それで今俺達は、冒険者ギルドの裏にある訓練場にいる。何故かって?俺が望んでたアレがあったからだよ。
それは遡ること数分前———
「おう坊主。その年で冒険者はちと危ないぜ?不本意だが俺様が指導してやる。報酬は、そうだなぁ・・・お前が侍らせてる女全員。これでどうだ?」
「ん?今何て言った?俺からミライを奪う?そう言ったのか?」
「ミライ?違う違う」
「そうか。なら良かった」
「お前が侍らせてる女全員だ。勘違いするなよ?」
「ほぅ。カオリとサクラ、それにミライまで俺から奪う、と。そう言うことか?」
「話が早くて助かるぜ。さぁ、早く移動しようか」
「待て。俺はお前の指導を受けるなんて言ってないぞ?」
「あん?お前俺様からの好意を受け取れねぇってのか?」
「生憎、学ぶことはなさそうだしな」
「んだと!?なら決闘だ!お前は女全員。俺は全財産をかける」
「あ、お金には困ってないんで」
「・・・ならこの武器ならどうだ?」
「武器もいらない」
「・・・・・・とりあえず決闘だ!そんなに自信があるならお前だけ賭けても文句はないよな?勝てばいいんだし。その代わり、俺様が勝ったら女全員だからな?」
「別にいいけどさ。・・・そんなに女が好きなのか?モテないからか?かわいそー」
「うるせぇ!」
とまぁ、こんな事があった訳だ。この勝負、俺が負けることは絶対にないので、俺は縛りプレーでやろうと思う。
まず、スキルの使用不可。流石に【剣術】系統は無理だけど。
次に、一歩も動かない事。これはできるだろ。
最後、魔法使用不可。
これ、ヌルゲーかな?・・・じゃあ、武器はカオリが出した【鉄の剣】にしよう。勿論、スキル使用不可のスキルには武技も入ってるから、【居合】とか【神足通】とかは使えない。これでもヌルゲーだけど。
「両者準備は良いですか?」
ここの訓練場の貸し出しをしてくれた冒険者ギルド職員の人が審判を務める。アイツの武器はアイツの背丈を優に超える大剣。俺とアイツとの距離は7m程。俺なら一歩で距離を詰められる。動かないけど。本当なら、試合が始まってすぐに【威圧】使って降参させればいいんだけど、それは盛り上がりに欠けると言うかなんと言うか・・・。まぁ、気分?
「それでは、Cランク冒険者・ジョセフVSFランク冒険者・キラの試合を始めます。・・・始めッ!」
職員の始めの合図と同時にジョセフが地面を蹴り俺に接近し、移動中に振り上げていた大剣を勢いよく振りかざして、俺を切りつけようと刃が迫る。が、行動が大きすぎるし、遅いので余裕で避けられる。でも独自ルールのせいでそれが出来ないので、俺はそれを【鉄の剣】で受け、衝撃を吸収しながら、ジョセフの大剣を受け止める。
「口先だけじゃないようだなぁ、お前」
「あんたは思っていたよりも弱いな」
軽く挑発すると、ジョセフは顔を真っ赤にさせ、力任せにまた大剣で切りかかってきた。これしかできないのか?また同じようにして対処する。
「お前は俺を怒らせた」
ジョセフはそう言うと、俺と距離を取った。お、おう。で?もっと強くなるの?
「後悔するなよ」
うん。多分しないから大丈夫。
「【制限・超越】」
ジョセフがそう言った途端、俺はジョセフの力が数倍にまで膨れ上がったのを感じた。
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遅れてすみません!大変身勝手ですがこれからゴールデンウィークまで少し更新時間を遅らせていただきます。その代わり、ゴールデンウィークは毎日投稿が出来ればいいなと思っております!
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