36 / 118
オーネストへ!
Stage Thirty
しおりを挟む
そこからは一方的だった。アーサーが剣を一振りすれば2,3人の首が吹き飛び、力強く踏み込めばそれだけで盗賊たちはバランスを崩し尻餅を搗く。その隙をアーサーが見逃すわけもなく、首をはねる。そうしてどんどん屍が増えていった。・・・余談だが、このゲームの設定のところで、感覚に関して設定ができる。例えば痛覚。『まったく感じない』から、『現実と同じくらい感じる』まで、自分で設定できる。これは五感全てに共通すること。視覚をなくす人なんているのかな?聴覚もか。その他にも、表現の度合いも設定できて、攻撃が当たるだけの、『なんにも外見に変化がない』から『血飛沫が飛ぶ』まで選べる。俺は五感は現実と同じ、表現は、『攻撃を受けたところだけ変化する』に設定してある。完全に余談だな。
「片付きました」
「ご苦労様」
「有り難きお言葉」
ものの数分で盗賊たちを片付けたアーサーに労いの言葉をかけ、アーサーにはアイテムに戻ってもらった。
それから俺達は【オーネスト】に向かって歩き出し、数時間後には【オーネスト】に入るための外壁の前についた。
※
【オーネスト】はこの世界で二番目に大きな都市で、人口(NPC)は約250万人。形は半径約2,5㎞の円形。数個にエリア分けされていて、商業が盛んにおこなわれている。【オーネスト】は高さ10メートルほどの防壁で囲われていて、防壁のすぐ内側には地霊族の鍛冶場が密集している為、防壁に近づけば近づくだけ地霊族による防具や武器創りの音が聞こえてくる。この都市の文明発達速度は中世ヨーロッパくらいで、建物のほぼ全てが石でできている。中心部には見上げるほど大きな白い城がある。これが白亜の城、【オーネスト王城】だ。王城とある通り、ここは王都。故にこれだけ広く、沢山の人がいるのも納得だろう。
「さて、ここまで来たのはいいが、どうやって中に入ろう?」
「普通に門から入ればよくない?」
「そうだな。俺は何に悩んでいたんだろう」
「・・・入る」
「お家、楽しみです」
サクラとミライが早く入りたそうにしているので入ることにしよう。
俺たちが門から中に入ろうとしたところ、門の横に立っていた鎧姿の、おそらく騎士であろうNPCに声を掛けられた。
「ちょっと待て」
「なんだ?」
「【オーネスト】に入る前に身分証を提示しろ」
「悪いが、俺以外に持っていないんだ。どうすれば良い?」
「今は1人1000Gで通してやる。その後、冒険者ギルドに行って冒険者カードを発行してもらえ」
「わかった。・・・ほら、俺の冒険者カードと3000Gだ」
「・・・確認が済んだ。通っていいぞ」
なにこれ面倒くさい。こんなことになるなら【ポータウン】で冒険者登録しておけば良かった。
「それじゃあ、言われた通り冒険者ギルドに行きますか」
「そうですね」
「そうね」
「・・・賛成」
皆からの賛成の意見も貰えたので、早速冒険者ギルドに行こうと思ったんだけど、
「冒険者ギルドって、どこにあるの?」
「少なくともここにはないと思うわよ?」
「不本意ですが、カオリに同じく」
「・・・同意」
絶賛迷子中です。仕方ないよ。広すぎるし。考えてみてよ。直径5㎞だよ?どうやって探すのさ。広すぎる。ここに住んでる人は家の近くにしか行かないだろうから大丈夫だけど、始めてきた人たちは絶対にわからないよ?・・・そこまで広くないとかそういうことは言わないでね?
今、俺達の周りにあるのは小さな家が数軒。これしかないんだけど?まぁ、そのおかげで誰かに見られることなくスキルを使えるんだけど。・・・そもそもここにプレイヤーいなかった。どこでスキル使っても変わらないな。じゃあ、ここに居る理由ないね。・・・俺何言ってんだろ。普通に【飛行】使えばいいじゃん。俺馬鹿じゃん。
「ちょっと空から見てくる ―――【飛行】」
「いってらっしゃい」
「いってらー」
「・・・空?」
あぁ、サクラは知らなかったね。あとで教えるか。
【飛行】で上空まで上がって周囲を見回してみると、少し先に俺達が入ってきた門があって、そこから真っすぐ大通りが伸びている。・・・俺達、なんで迷ったの?あれ?・・・とりあえず、降りよう。
「どうだった?」
「まず、なんで俺たち迷ったんだっけ?」
「それはキラがこっちの方が近道な気がするとか言ったからじゃない。そんなことも覚えてなかったの?」
俺のせい?俺が悪いの?カオリが言ったようなことを俺が言ったような気がしないこともないけど。
「ごめん普通に道間違ってたとりあえず元来た道を戻ろう!」
「早口で一気に捲し立てればそれで済むとか思ってないわよね?」
「・・・あはは・・・・・・ごめんなさい」
「良い?私たちはキラには逆らえないのよ?力関係もあるけど、色々キラのお世話になっているからね。だから仕方なくついてきたのに道を間違ってた!?」
「キラ君。一応罰を受けてください」
「・・・罰」
「はい。俺が全面的に悪いので何でも一つだけ言うことを聞きます。俺にできる範囲で」
俺が悪いことは分かってるよ?でもこんなに怒ることなくない?反論しないけど。・・・俺ってば、優しすぎるわ~。・・・・・・嘘ですだから殺気飛ばさないでくれませんかねぇ!?ミライさん!!?
「片付きました」
「ご苦労様」
「有り難きお言葉」
ものの数分で盗賊たちを片付けたアーサーに労いの言葉をかけ、アーサーにはアイテムに戻ってもらった。
それから俺達は【オーネスト】に向かって歩き出し、数時間後には【オーネスト】に入るための外壁の前についた。
※
【オーネスト】はこの世界で二番目に大きな都市で、人口(NPC)は約250万人。形は半径約2,5㎞の円形。数個にエリア分けされていて、商業が盛んにおこなわれている。【オーネスト】は高さ10メートルほどの防壁で囲われていて、防壁のすぐ内側には地霊族の鍛冶場が密集している為、防壁に近づけば近づくだけ地霊族による防具や武器創りの音が聞こえてくる。この都市の文明発達速度は中世ヨーロッパくらいで、建物のほぼ全てが石でできている。中心部には見上げるほど大きな白い城がある。これが白亜の城、【オーネスト王城】だ。王城とある通り、ここは王都。故にこれだけ広く、沢山の人がいるのも納得だろう。
「さて、ここまで来たのはいいが、どうやって中に入ろう?」
「普通に門から入ればよくない?」
「そうだな。俺は何に悩んでいたんだろう」
「・・・入る」
「お家、楽しみです」
サクラとミライが早く入りたそうにしているので入ることにしよう。
俺たちが門から中に入ろうとしたところ、門の横に立っていた鎧姿の、おそらく騎士であろうNPCに声を掛けられた。
「ちょっと待て」
「なんだ?」
「【オーネスト】に入る前に身分証を提示しろ」
「悪いが、俺以外に持っていないんだ。どうすれば良い?」
「今は1人1000Gで通してやる。その後、冒険者ギルドに行って冒険者カードを発行してもらえ」
「わかった。・・・ほら、俺の冒険者カードと3000Gだ」
「・・・確認が済んだ。通っていいぞ」
なにこれ面倒くさい。こんなことになるなら【ポータウン】で冒険者登録しておけば良かった。
「それじゃあ、言われた通り冒険者ギルドに行きますか」
「そうですね」
「そうね」
「・・・賛成」
皆からの賛成の意見も貰えたので、早速冒険者ギルドに行こうと思ったんだけど、
「冒険者ギルドって、どこにあるの?」
「少なくともここにはないと思うわよ?」
「不本意ですが、カオリに同じく」
「・・・同意」
絶賛迷子中です。仕方ないよ。広すぎるし。考えてみてよ。直径5㎞だよ?どうやって探すのさ。広すぎる。ここに住んでる人は家の近くにしか行かないだろうから大丈夫だけど、始めてきた人たちは絶対にわからないよ?・・・そこまで広くないとかそういうことは言わないでね?
今、俺達の周りにあるのは小さな家が数軒。これしかないんだけど?まぁ、そのおかげで誰かに見られることなくスキルを使えるんだけど。・・・そもそもここにプレイヤーいなかった。どこでスキル使っても変わらないな。じゃあ、ここに居る理由ないね。・・・俺何言ってんだろ。普通に【飛行】使えばいいじゃん。俺馬鹿じゃん。
「ちょっと空から見てくる ―――【飛行】」
「いってらっしゃい」
「いってらー」
「・・・空?」
あぁ、サクラは知らなかったね。あとで教えるか。
【飛行】で上空まで上がって周囲を見回してみると、少し先に俺達が入ってきた門があって、そこから真っすぐ大通りが伸びている。・・・俺達、なんで迷ったの?あれ?・・・とりあえず、降りよう。
「どうだった?」
「まず、なんで俺たち迷ったんだっけ?」
「それはキラがこっちの方が近道な気がするとか言ったからじゃない。そんなことも覚えてなかったの?」
俺のせい?俺が悪いの?カオリが言ったようなことを俺が言ったような気がしないこともないけど。
「ごめん普通に道間違ってたとりあえず元来た道を戻ろう!」
「早口で一気に捲し立てればそれで済むとか思ってないわよね?」
「・・・あはは・・・・・・ごめんなさい」
「良い?私たちはキラには逆らえないのよ?力関係もあるけど、色々キラのお世話になっているからね。だから仕方なくついてきたのに道を間違ってた!?」
「キラ君。一応罰を受けてください」
「・・・罰」
「はい。俺が全面的に悪いので何でも一つだけ言うことを聞きます。俺にできる範囲で」
俺が悪いことは分かってるよ?でもこんなに怒ることなくない?反論しないけど。・・・俺ってば、優しすぎるわ~。・・・・・・嘘ですだから殺気飛ばさないでくれませんかねぇ!?ミライさん!!?
12
お気に入りに追加
1,213
あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる