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オーネストへ!
Stage Twenty-Eight
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今は【オーネスト】に向かって進んでいる。空を。
ガチャを引いた後、カオリがゼウスを最大レベルにして、隠れてミライにアイテムを渡した。勿論俺が出した奴らも最大レベルにしておいた。前に引いたやつを含めて。NPCたちの最大レベルも上がってて190だった。で、その後徒歩で移動する必要が無くなったのでガチャで引いたNPCに乗って行こう、と言うことになった。そこで問題が起こった。『何に乗って行こう?』と言う問題に。俺は白虎、ミライは麒麟を持っているから地上でもいいが、カオリが持っていないので地上はやめた。『私はゼウスに乗っていく!』って言てたけど、さすがにそれは却下した。別に白虎も麒麟も二人乗りはできるんだけどな。でも、どうせならみんなで乗れるものにしようと言うことで蒼龍に乗って【オーネスト】に行くことになった。
「風が気持ちいわね」
「いやこれ制御してるからな?」
「さすが馬カオリですね」
「馬鹿と私の名前をくっつけないでくれる!?」
「それにしてもキラ君の蒼龍は移動に便利ですね」
「私は無視!?」
「だろ?でもミライの麒麟とかも地上では使いやすそうだよな」
「・・・」
「それを言うならキラ君の白虎だってそうじゃないですか」
「いやいやミライの方が・・・」
「いえいえキラ君の方が・・・」
互いに相手の方が上だと譲らず一歩も引かないのでおかしくなって笑ってしまった。
「ははははっ」
「ふふふふっ」
「私を置いていちゃついてんじゃないわよ!このバカップル!」
「「あ~馬鹿って言ったー!馬鹿って言った方が馬鹿なんだよー!馬カオリ!」」
「あなたたち2人揃って馬鹿って言ったじゃない!ブーメランよ!」
「「ぶーめらん・・・?」」
「そんなこともわからないの?」
「「うん。カオリが馬鹿ってことぐらいしかわからない」」
「その情報を今すぐ訂正しなさい!」
「冗談はここまでだ。そろそろ【オーネスト】が見えてくるから蒼龍から降りるぞ」
「無視はしないでぇ!」
蒼龍から降りて徒歩で移動している最中、目の前に倒れている少女を見つけた。身長は小さいので、おそらく小学生だと思う。髪は所々汚れていて、元が何色なのかすらわからない。ボロボロに服を着ているが、このゲームは耐久値が減ると、見た目も変わるのでプレイヤーなのかNPCなのかは分からない。でも、アイコンを見る限りプレイヤーだ。そして、この少女の一番の特徴は、長くとがった耳——————つまり、森霊族と言うことだ。
この近くには大きな森があるので、そこがエルフのリスポーン地点なのだろう。それで何故ここで倒れているのか、おそらく空腹だろう。可哀そうに。
俺たちは少女に近づき、声を———掛けずに通り過ぎた。カオリは止まってたけど。
「ちょっと!なんで無視してるの!?」
「え、いやだって、面倒だし」
「彼氏に同じくです」
空腹で倒れてるやつだよ?面倒ごと確定じゃん。何が面倒か、だって?料理作らないといけなくなるじゃん。何か買うとしてもお金使うし。それとミライ、そこは俺の右に居るんだから「左に同じく」で良くない?そんなに彼氏ってこと大事?別にいいけどさ。
「でも、事情を聞くくらいしても良いんじゃない?」
「そしたら流れで助けないといけなくなるじゃん」
「そ、それはそうだけど・・・」
「そんなに言うならカオリが助ければよくない?」
「私にそんな力ないわよ。お金もすぐ無くなっちゃうし」
「稼げよ。自分で」
「わかったわよ!見捨てればいいんでしょ!?」
「そうだ。よし、【オーネスト】まであと少しだ。早く行こう」
「待って!」
【オーネスト】へ向かって歩き出そうとしたら、今まで倒れていた少女が声を上げた。無視して進むけど。
「待つところ!びっくり!」
「なぁ、どうするアイツ。うるさいぞ」
うるさすぎてミライにどうするか聞いた。それにしてもアイツ、言葉少なすぎじゃない?理解するまでに時間がかかる。
「殺りますか?」
その発想はなかった。声を出す源を断てばうるさくなくなると、そういうことか。ミライもしや天才か!?
「それはダメでしょ。本当に死んじゃうのよ?殺人よ?」
カオリが反対意見を言った。殺人、か。そういわれると殺せなくなる。
「はぁ、仕方ない。話だけ聞くか」
「・・・感謝」
もっと少なくなった。さて、話を聞くと言ってしまった手前、何か食べ物をあげないとダメかな?見るからに衰弱してるし。
「その前にほら、カオリのエ・・・じゃなくて非常食の干し肉だけど食べるか?」
「今私のエサって言おうとしなかった!?」
「そ、ソンナコトナイヨー」
「じゃあなんで棒読みなのよ!」
カオリのエサなら昨夜あんなに作らないぞ。俺とミライの分で足りるんだから。まったく、カオリは馬鹿だなぁ。
「・・・食べる」
そう言って少女はハムハムと干し肉を食べ始めた。可愛い。・・・俺はロリコンじゃないぞ。断じて。違う。
「名前は?」
「・・・サクラ」
「歳は?」
「・・・16」
「16!?その身長で!?」
「・・・失礼」
本当に言葉が少なすぎる。でも言いたいことは何となくわかるから大丈夫だけど。これリアルでもこんな感じなのか?それよりも、こいつ16歳なのか。俺と同じか。とても同齢とは思えない。それに、ずっと半目だから眠そうな印象もする。・・・ジト目を向けられてる気分でもあるけど。
ガチャを引いた後、カオリがゼウスを最大レベルにして、隠れてミライにアイテムを渡した。勿論俺が出した奴らも最大レベルにしておいた。前に引いたやつを含めて。NPCたちの最大レベルも上がってて190だった。で、その後徒歩で移動する必要が無くなったのでガチャで引いたNPCに乗って行こう、と言うことになった。そこで問題が起こった。『何に乗って行こう?』と言う問題に。俺は白虎、ミライは麒麟を持っているから地上でもいいが、カオリが持っていないので地上はやめた。『私はゼウスに乗っていく!』って言てたけど、さすがにそれは却下した。別に白虎も麒麟も二人乗りはできるんだけどな。でも、どうせならみんなで乗れるものにしようと言うことで蒼龍に乗って【オーネスト】に行くことになった。
「風が気持ちいわね」
「いやこれ制御してるからな?」
「さすが馬カオリですね」
「馬鹿と私の名前をくっつけないでくれる!?」
「それにしてもキラ君の蒼龍は移動に便利ですね」
「私は無視!?」
「だろ?でもミライの麒麟とかも地上では使いやすそうだよな」
「・・・」
「それを言うならキラ君の白虎だってそうじゃないですか」
「いやいやミライの方が・・・」
「いえいえキラ君の方が・・・」
互いに相手の方が上だと譲らず一歩も引かないのでおかしくなって笑ってしまった。
「ははははっ」
「ふふふふっ」
「私を置いていちゃついてんじゃないわよ!このバカップル!」
「「あ~馬鹿って言ったー!馬鹿って言った方が馬鹿なんだよー!馬カオリ!」」
「あなたたち2人揃って馬鹿って言ったじゃない!ブーメランよ!」
「「ぶーめらん・・・?」」
「そんなこともわからないの?」
「「うん。カオリが馬鹿ってことぐらいしかわからない」」
「その情報を今すぐ訂正しなさい!」
「冗談はここまでだ。そろそろ【オーネスト】が見えてくるから蒼龍から降りるぞ」
「無視はしないでぇ!」
蒼龍から降りて徒歩で移動している最中、目の前に倒れている少女を見つけた。身長は小さいので、おそらく小学生だと思う。髪は所々汚れていて、元が何色なのかすらわからない。ボロボロに服を着ているが、このゲームは耐久値が減ると、見た目も変わるのでプレイヤーなのかNPCなのかは分からない。でも、アイコンを見る限りプレイヤーだ。そして、この少女の一番の特徴は、長くとがった耳——————つまり、森霊族と言うことだ。
この近くには大きな森があるので、そこがエルフのリスポーン地点なのだろう。それで何故ここで倒れているのか、おそらく空腹だろう。可哀そうに。
俺たちは少女に近づき、声を———掛けずに通り過ぎた。カオリは止まってたけど。
「ちょっと!なんで無視してるの!?」
「え、いやだって、面倒だし」
「彼氏に同じくです」
空腹で倒れてるやつだよ?面倒ごと確定じゃん。何が面倒か、だって?料理作らないといけなくなるじゃん。何か買うとしてもお金使うし。それとミライ、そこは俺の右に居るんだから「左に同じく」で良くない?そんなに彼氏ってこと大事?別にいいけどさ。
「でも、事情を聞くくらいしても良いんじゃない?」
「そしたら流れで助けないといけなくなるじゃん」
「そ、それはそうだけど・・・」
「そんなに言うならカオリが助ければよくない?」
「私にそんな力ないわよ。お金もすぐ無くなっちゃうし」
「稼げよ。自分で」
「わかったわよ!見捨てればいいんでしょ!?」
「そうだ。よし、【オーネスト】まであと少しだ。早く行こう」
「待って!」
【オーネスト】へ向かって歩き出そうとしたら、今まで倒れていた少女が声を上げた。無視して進むけど。
「待つところ!びっくり!」
「なぁ、どうするアイツ。うるさいぞ」
うるさすぎてミライにどうするか聞いた。それにしてもアイツ、言葉少なすぎじゃない?理解するまでに時間がかかる。
「殺りますか?」
その発想はなかった。声を出す源を断てばうるさくなくなると、そういうことか。ミライもしや天才か!?
「それはダメでしょ。本当に死んじゃうのよ?殺人よ?」
カオリが反対意見を言った。殺人、か。そういわれると殺せなくなる。
「はぁ、仕方ない。話だけ聞くか」
「・・・感謝」
もっと少なくなった。さて、話を聞くと言ってしまった手前、何か食べ物をあげないとダメかな?見るからに衰弱してるし。
「その前にほら、カオリのエ・・・じゃなくて非常食の干し肉だけど食べるか?」
「今私のエサって言おうとしなかった!?」
「そ、ソンナコトナイヨー」
「じゃあなんで棒読みなのよ!」
カオリのエサなら昨夜あんなに作らないぞ。俺とミライの分で足りるんだから。まったく、カオリは馬鹿だなぁ。
「・・・食べる」
そう言って少女はハムハムと干し肉を食べ始めた。可愛い。・・・俺はロリコンじゃないぞ。断じて。違う。
「名前は?」
「・・・サクラ」
「歳は?」
「・・・16」
「16!?その身長で!?」
「・・・失礼」
本当に言葉が少なすぎる。でも言いたいことは何となくわかるから大丈夫だけど。これリアルでもこんな感じなのか?それよりも、こいつ16歳なのか。俺と同じか。とても同齢とは思えない。それに、ずっと半目だから眠そうな印象もする。・・・ジト目を向けられてる気分でもあるけど。
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