四天王最弱の男、最強ダンジョンを創る〜俺を追放した魔王から戻ってこいと言われたけど新たなダンジョン創りが楽しいし、知らんがな〜

伊坂 枕

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56 闘技場を創ろう!

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 数日かけて、スラム市民達の転居も終わったので、その広場に闘技場を創る。
 今日は、ここに来たのは俺とネーヴェリクとオメガの3人だけだ。

 ネーヴェリクには悪いが、今日は日傘装備で頑張って貰うしかない。
 俺の分身体を増やせればよかったのだが、今回の作業は俺の消費魔力量が結構かかる事が目白押し。

 ぶっちゃけ、分身体を創り出す余裕が無い。

「よし! 『ダンジョン・クリエイト:闘技場!』」

 まずは、俺の力ある言葉に応えて、その広場に大きな円形闘技場が現れた。
 だが、これだけだと、単なる観客席の付いた広場に過ぎない。

「ネーヴェリク、オメガ、戦闘用結界の魔術式はもう覚えたか?」

「ハイ、カイトシェイド様、大丈夫デス」

「うん、大丈夫だよ」

「よし、じゃ、書くか~」

 地味な作業のスタートである。
 ネーヴェリクが『エネルギーを無効化する魔法文字』を、オメガが『防御結界を展開する魔法文字』を、俺が『発動条件の提示に関する魔法文字』をそれぞれ、闘技場の壁と床の中に埋め込むように書き記してていく。

 さらに、加速化の魔法をかけて全員の作成速度を上げ、書き上げた所で、ダンジョンからの魔力供給回路を設定し、全ての魔法文字に魔力が自動供給されるように繋ぎつける。

 そして、ダンジョン・ポイントを消費して、街の……ダンジョンの……周囲をぐるっと取り囲むように、とある結界をセットする。

 この結界は、『敵対的侵入者』が、ここのダンジョンに侵入した時に発動し、侵入者を特定の場所……今回は、ココ、闘技場に『強制移動』することが出来るタイプの結界だ。

 まぁ、こっそりと侵入しようとしてくるようなヤツにはあまり効き目が無いが、例えば、戦争時に敵対する側の兵士等が鬨の声を上げて突進してくる……みたいな状況だと、発動して一網打尽にできる。

 特に猪突猛進型のマドラや、割と喧嘩っ早い印象のあるシシオウ、そして、あの脳筋魔王だったら効き目があるんじゃないかなー? と踏んでいる。
 サーキュみたいな絡め手型の攻撃が得意なタイプだって、ぶちキレながら来てくれるなら、多分反応するはずだ。
 ルシーファの場合は、超遠距離からの攻撃魔法が特に厄介なので、ヤツの対策は別途作る必要性があるが、あのメンツの中で多少なりとも魔王城の管理が出来そうなのってコイツくらいなんだよな。
 ……なので、俺たちの所を攻撃に来るのは多分、四天王でも最後なんじゃねーかな?

 この結界、広範囲を簡単にカバーできる割に、消費ダンジョン・ポイントも低いので、まぁ、お守り代わりに張っとけ、みたいなものでもある。

 最後に『外部干渉魔法無効化の魔法文字』により、それらの術式のすべてを保護することで、例の魔王城の戦闘用結界と同じモノが出来あがるのだ。

 それと……コレは防衛には一切関係無いが、中の戦闘シーンなどが観客に見やすい・聞こえやすいように魔導式大型のスクリーン映像投影機と風魔法による音響設備を配備してみた。

 ここの操作室は戦闘用結界よりも外側にあるので、安全に中の戦闘風景を魅せることができる。
 ちなみに、この施設の発案はオレではなくベータのヤツだ。

 なんでも、戦闘の防衛以外の日常でも利用できるようにすべき、だそうだ。
 ……何か、旅芸人とか呼び込んで娯楽施設と併用させたいみたいなんだよな。

 俺としては、人口が増える可能性がある事は、何でも貪欲に手を出す気でいるので、そういう意見は大歓迎だ。

 万が一、マドラ達のような『敵対的侵入者』が強制移動させられて来た場合は、結界と連動した退避用の瞬間移動魔法陣が発動し、事前に闘技場内に居た生き物を外に出す手配をしてある。

 その部分は一括俺が作業したので、流石にちょっと疲れた。
 甘いものでも食べたい。
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