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わかめちゃんの『散る散る朽ちるイメージ』(オマージュ/二次創作/切ない/ハピエン/メリバ)
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その日は満開の桜が舞う風の強い日だった。
俺と彼奴はいつも通り、桜の木下で待ち合わせをしていた。普段なら俺の方が早いのに 今日は珍しく彼奴の方が先に着いていて、幹に寄りかかって眠って居た。
そっと近寄ると、美しい寝顔に花びらがひとひら舞い降りて彼奴の頬を染めたから、やおら手を伸ばし摘み上げた。
「……ん……?」
ほんの少しだけ触れたから、起こしてしまっただろうか?悪い事などしていないのに、悪戯でもバレたかの様な胸の高鳴りを感じる。
寝ぼけ眼でぼーっとコチラを見つめてから、彼奴はゆっくりと頬を綻ばせた。
「おはよ」
「おう。お待たせ」
面映ゆく思いながら返事をした途端、桜を舞い上げる強い風が吹いて来た。
「うわっ!」
咄嗟に顔の前で手をクロスさせながら彼奴を探すと、居たはずの場所に見当たらず焦って声を上げるが返事が無い。
風は一向に強くなるばかりで、前も見えない程だ。
彼奴の居た場所へめいっぱい手を伸ばすと、ひんやり冷たい指がしっかりと絡まるように手が繋がれた。
「捕まえた。もう離さない!」
風の勢いが弱まり、舞い踊る花びらの向こうに見えた彼奴の顔が少し寂しげに見えて、誓いを立てるように唇を重ねた。
あれから桜の花びらが舞う度に、彼奴は血を吐いてみるみる内に彼奴の体は痩せ細って行った。
青々と茂っていた桜のはが散り始めても、俺の前では一切の泣きごとも言わず彼奴はいつも儚く笑っていた。
桜の木に残った最後の葉が舞った日、彼奴の生命は鼓動を止めた。
悲しくて、寂しくて、苦しくて、辛くて、どうしようもなくて……彼奴がもうこの世に居ないなんて受け入れられなくて、桜の木下に行けば彼奴がまた寝てるんじゃないかって思いたくて、会いに行った。
だけど、当然そこに彼奴の姿はなくて、1枚の葉も残らぬ枯れた木が有るだけだった。
「ゔ……ゔぅ……ッ……」
俺はとめどなく溢れ出る涙を拭う事もせず泣き続けた。
不意に何かが手に触れて、握り締めていた手を開いてみるとひとひらの桜がいつの間にか手の中にあった。
「ッ……これ……」
その桜の花びらは俺が寿命を全うしてこの世を去るまで枯れることなく美しい桜色で俺を勇気づけてくれた。
『お待たせ』
『うん。ずっと待ってたよ。長生きしたね?』
『お蔭さまでな。』
『これからはほんとにずっと一緒だね』
『ああ。愛してる』
数十年ぶりに会うの愛しい人へ愛を告げてそっと唇を寄せる
『……誰か見てるかも』
『もし居たら見せ付けてやろう』
『……』
文句の言葉すらも愛おしくて深く深く愛を重ねた。
✧• ───── ✾ ───── •✧
Twitter相互様の【わかめちゃん】様がアルファポリスで載せているセリフ無し漫画をイメージして書かせて頂いたやつ。絵が綺麗で印象的な作品です。めちゃくちゃ好きなので見に行って欲しいです♡
俺と彼奴はいつも通り、桜の木下で待ち合わせをしていた。普段なら俺の方が早いのに 今日は珍しく彼奴の方が先に着いていて、幹に寄りかかって眠って居た。
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あれから桜の花びらが舞う度に、彼奴は血を吐いてみるみる内に彼奴の体は痩せ細って行った。
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桜の木に残った最後の葉が舞った日、彼奴の生命は鼓動を止めた。
悲しくて、寂しくて、苦しくて、辛くて、どうしようもなくて……彼奴がもうこの世に居ないなんて受け入れられなくて、桜の木下に行けば彼奴がまた寝てるんじゃないかって思いたくて、会いに行った。
だけど、当然そこに彼奴の姿はなくて、1枚の葉も残らぬ枯れた木が有るだけだった。
「ゔ……ゔぅ……ッ……」
俺はとめどなく溢れ出る涙を拭う事もせず泣き続けた。
不意に何かが手に触れて、握り締めていた手を開いてみるとひとひらの桜がいつの間にか手の中にあった。
「ッ……これ……」
その桜の花びらは俺が寿命を全うしてこの世を去るまで枯れることなく美しい桜色で俺を勇気づけてくれた。
『お待たせ』
『うん。ずっと待ってたよ。長生きしたね?』
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『……』
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Twitter相互様の【わかめちゃん】様がアルファポリスで載せているセリフ無し漫画をイメージして書かせて頂いたやつ。絵が綺麗で印象的な作品です。めちゃくちゃ好きなので見に行って欲しいです♡
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